有価証券報告書-第161期(2024/04/01-2025/03/31)
(2) 戦略
当社グループでは、サステナビリティ方針を実行していくために、中期経営計画や年度計画の策定と併せてサステナビリティに関する計画を立案しています。現行の中期経営計画(2022~2025年度)においても、事業を支える経営基盤の一つにサステナビリティ戦略を位置づけ、事業戦略と一体のものとして立案しています。
サステナビリティ戦略では、企業理念である「信頼と創造」に基づき、当社グループのマテリアリティ(重点課題)を、ステークホルダーや社会からの「信頼」を得るために必要なことと、事業による社会的価値の「創造」に関することの両視点から捉えています。その上で、中期経営計画で掲げる「2030年のありたい姿」を実現するために必要なマテリアリティごとのありたい姿と、それらのリスクと機会の双方に適切に対応するための戦略、指標・目標を定めています。
なお、当社グループのマテリアリティは、以下のようなステップに基づき、経営ビジョンや事業のバリューチェーンとの関連性が高いサステナビリティの課題を抽出して、それらの影響度を評価しています。その上で、候補としたものをサステナビリティ委員会などで経営層が審議して、経営委員会で決定しています。また、社会や事業環境の変化に合わせて1~3年に一度見直しています。現行の中期経営計画を策定した際には、ステークホルダーの観点を重視して従業員の意見を広く集めるとともに、社外有識者と経営層がディスカッションした結果を踏まえてマテリアリティの一部を変更しました。
<マテリアリティ選定プロセス>
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<マテリアリティごとのリスクと機会、ありたい姿と戦略>
* 人権の主体となる人のことであり、人権を侵害されている、またはされる可能性がある人々を指す
当社グループでは、サステナビリティ方針を実行していくために、中期経営計画や年度計画の策定と併せてサステナビリティに関する計画を立案しています。現行の中期経営計画(2022~2025年度)においても、事業を支える経営基盤の一つにサステナビリティ戦略を位置づけ、事業戦略と一体のものとして立案しています。
サステナビリティ戦略では、企業理念である「信頼と創造」に基づき、当社グループのマテリアリティ(重点課題)を、ステークホルダーや社会からの「信頼」を得るために必要なことと、事業による社会的価値の「創造」に関することの両視点から捉えています。その上で、中期経営計画で掲げる「2030年のありたい姿」を実現するために必要なマテリアリティごとのありたい姿と、それらのリスクと機会の双方に適切に対応するための戦略、指標・目標を定めています。
なお、当社グループのマテリアリティは、以下のようなステップに基づき、経営ビジョンや事業のバリューチェーンとの関連性が高いサステナビリティの課題を抽出して、それらの影響度を評価しています。その上で、候補としたものをサステナビリティ委員会などで経営層が審議して、経営委員会で決定しています。また、社会や事業環境の変化に合わせて1~3年に一度見直しています。現行の中期経営計画を策定した際には、ステークホルダーの観点を重視して従業員の意見を広く集めるとともに、社外有識者と経営層がディスカッションした結果を踏まえてマテリアリティの一部を変更しました。
<マテリアリティ選定プロセス>
| ステップ1 社会課題の抽出: GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダード(GRIスタンダード)やISO 26000、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、SDGsなどから社会的課題を洗い出し、経営ビジョンや事業のバリューチェーンなどを踏まえ、当社グループと関連性の高い課題を34項目抽出 |
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| ステップ2 重要度評価: ESG評価機関などが優先する課題、NGOをはじめとした社外や社内とのコミュニケーション、サステナビリティ先進企業のベンチマークなどを踏まえ、抽出した各課題の「社会への影響度」(経済、社会、環境に対する影響度合い)と「ステークホルダーへの影響度」(ステークホルダーの評価や意思決定に対する影響度合い)の双方を評価し、マテリアリティの候補を抽出 |
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| ステップ3 マテリアリティの特定・決定: サステナビリティ委員会で経営層が審議を重ねて12のマテリアリティを特定し、各課題において当社グループの2030年度目標を定め、経営委員会で決定 |
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| ステップ4 各マテリアリティに対する目標設定: 事業による社会価値の「創造」を中期経営計画の中に盛り込むとともに、各マテリアリティに関する目標を策定 |
<マテリアリティごとのリスクと機会、ありたい姿と戦略>
| マテリアリティ | リスク | 機会 | ありたい姿 | 戦略 | |
| 事 業 | ①コア技術による社会価値創造 | 多様化する社会において、お客様の体験価値やイノベーション創出に寄与するソリューションを提供できないことによる、顧客の信頼喪失、業績低下 | 社会システムやライフスタイルを改変するソリューションの提供により、社会課題解決へ貢献することによる、持続的成長 | 人と機械が共創する社会の中心企業 | 成長ドライバー、サービス・コンポーネントの拡大 |
| ②信頼に応える品質の維持・向上 | お客様ニーズの多様化、高度化に対応できないことによる、信頼喪失、業績低下 安全・環境に関する法規制の厳格化に対応した品質が確保できないことによる、市場喪失、社会的信用の失墜 | お客様ニーズや法規制に対応した品質を確保・向上することによる、お客様と社会からの信頼の向上 創造的かつ効率的なものづくりと高い品質による、ブランド価値の向上、事業成長 | 安全、環境、セキュリティに配慮した競争力のある製品・サービスの提供 | 品質マネジメントの高度化と定着 | |
| 環 境 | ③脱炭素化の推進 | 気候変動によって増加する気象災害による資産価値の低下や操業停止 カーボンプライシング制度などによる財務影響の発生 十分な気候変動対策ができないことによる、市場喪失や社会的信用の失墜 | 気候変動の緩和に貢献するビジネスの拡大 気候変動対策によるバリューチェーンのレジリエンス向上 | 2050年度までにバリューチェーン全体のネットゼロを実現 | Scope1、2、3の削減と再生可能エネルギーの導入加速 |
| ④資源循環の推進 | 資源利用やリサイクル・廃棄物処理・情報開示に関する規制の強化によるコストの増大 気候変動を含む水リスクの発生による自社・バリューチェーンでの操業への影響 資源循環の取り組みや水リスクへの対処が十分でない場合の市場喪失や社会的信用の失墜 | サーキュラーエコノミーに貢献するビジネスの拡大 資源使用量や廃棄物処理量の削減による事業コストの削減 資源循環や水リスクに関するステークホルダーの要求への適切な対応による信頼の獲得 | バリューチェーン全体における資源消費の最小化と資源循環利用の最大化 | 資源消費量の削減と廃棄物等の削減 取水量削減につながる水の有効利用 | |
| ⑤汚染防止と生態系への配慮 | 製品の有害化学物質や操業における大気・排水・土壌の汚染防止に関する規制の強化による事業コストの増大 有害物質からの転換に伴う調達リスクの発生 ステークホルダーの要請の高まりに対応できない場合の市場喪失や社会的信用の失墜 | 生物多様性保全に貢献するビジネス拡大 規制や各種の要請に確実に対応することによるステークホルダーからの信頼獲得 | バリューチェーンにおける人の健康と生態系への負の影響ゼロ | 化学物質の適切な使用と生態系への影響・依存の低減 | |
| マテリアリティ | リスク | 機会 | ありたい姿 | 戦略 | |
| 社 会 ・ 労 働 | ⑥レジリエントなサプライチェーンの構築 | 自然災害や感染症、紛争などにより原材料や部品の調達が困難になることによる、事業機会の喪失、業績の低下 サプライチェーンにおける人権や労働環境、安全衛生、環境などの問題発生による、ブランドイメージの毀損、ステークホルダーからの信頼の低下 | ESGの観点を持った調達や、調達パートナーとの協働による、サプライチェーンの安定性の向上、事業展開の安定 それによる、お客様の信頼獲得、ブランド価値と企業価値の向上 | 事業リスクや社会課題に対し、常に健全な状態が保たれたサステナブルなサプライチェーン | サプライチェーンのリスクアセスメントと有事に即応できる仕組み構築 |
| ⑦人権の尊重 | バリューチェーンにおける人権の保護・伸長を怠ることによる、ライツホルダーに対する人権侵害による悪影響 そうした事態による、ブランド価値の毀損、お客様や社会からの信頼失墜、業績低下 | 人権の保護・伸長に取り組むことによる、社会からの信頼やブランド価値の向上 ディーセント・ワークによる、従業員の働きがいや生産性の向上、優秀な人材の確保・定着促進 サプライチェーン全体で責任ある調達に取り組むことによる、レジリエントなサプライチェーンの構築 | 事業活動におけるライツホルダー*の人権尊重の取り組みの定着 | ニコン人権方針による人権啓発と人権デュー・ディリジェンスの実施 | |
| ⑧ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン | 従業員が持つ多様な価値観、知識、経験、スキル、専門性等が発揮されない職場による、従業員モチベーションの低下、人材の流出、人材獲得力の低下 多様性を受容しない組織が行う意思決定や組織運営における同質性のリスクの発生 マイノリティや、ユーザーの多様性に配慮しない製品開発、サービス、広告などによる、企業価値の低下 | ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)の定着による、優秀な人材の獲得と定着、生産性の向上やイノベーションの創出、それによる会社の持続的な成長 お客様や社会のニーズに寄り添った製品やサービス、ソリューションの提供による、事業の拡大・成長 | 多様性を受容し事業活動に活かす企業文化の実現 | Nikon Global DEI Policyの浸透、多様な人材が活躍できる環境整備及びDEIの事業活動への展開 | |
| ⑨従業員の健康と安全 | 従業員の健康と安全が確保されないことによる労働損失の発生 職場の負荷偏重による新たな労働災害や従業員の心疾患の発生 さらなる生産性低下や社会的信用の失墜 | すべての人が健康、安全、心豊かに働けることによる、事業計画の遂行 従業員のヘルスリテラシーが向上し、健康安全諸活動に自主的に参画する仕組みづくりや職場環境を形成することによる、年度計画の遂行、盤石な人材基盤の構築 | 安全かつ快適な職場環境下で一人ひとりが心身の健康を実感しながら能力を発揮 | ニコングループ健康安全方針の浸透と、健康安全活動の実施 | |
| ガ バ ナ ン ス | ⑩コンプライアンスの徹底 | 重大なコンプライアンス違反の発生による、ステークホルダーからの信頼失墜、ブランド毀損、ペナルティ、それらによる事業機会の喪失、損失の発生 | 国際的なガイドラインを踏まえた倫理的で誠実な業務活動による、ステークホルダーからの信頼維持、持続的成長 倫理観ある健全な職場環境の構築による、従業員のモチベーションとパフォーマンスの向上 | コンプライアンス違反の発生ゼロ | ニコン行動規範の浸透 |
| ⑪コーポレート・ガバナンスの強化 | 公正で透明な経営が確保できないガバナンス体制による、ステークホルダーからの信頼の低下、取締役会の実効性の低下 適切なリスクテイクの判断の基盤がないことによる、事業機会の損失、持続的成長の阻害 | 実効性のある公正で透明なガバナンスの構築による、会社のレジリエンスの強化、ステークホルダーからの信頼の維持・向上 適切なリスクテイクを支える環境を整えることによる、事業機会の獲得・拡大、経営の安定、持続的成長 | 透明性・効率性が高くステークホルダーに信頼されるガバナンス | 取締役会の実効性評価の継続実施と多様性向上 | |
| ⑫リスクマネジメントの強化 | 事業環境の変化や発生が予想されるリスクに適切かつ計画的に対応できないことによる、経営上重大な被害の発生 | 社会情勢や環境の変化に対して、自社における経営上の重要リスクを的確に把握して、優先度をつけて対応することによる、ステークホルダーからの信頼、健全な関係の維持・発展 | 重要リスクに対する対策が適切に講じられている | 環境変化と経営戦略に即した全社的リスクマネジメント体制の確立 | |
* 人権の主体となる人のことであり、人権を侵害されている、またはされる可能性がある人々を指す