有価証券報告書-第122期(2022/01/01-2022/12/31)
有報資料
(1)経営理念
当社グループは、企業理念として、世界中のステークホルダーの皆さまとともに歩む「共生」を掲げています。「共生」とは、文化、習慣、言語、民族などの違いを問わず、すべての人類が末永く共に生き、共に働き、幸せに暮らしていける社会をめざすものです。この「共生」の理念のもと、当社グループは、「共生」の理念に基づき、世界の繁栄と人類の幸福のため、企業の成長と発展を目指し企業活動を進めています。

(2)マテリアリティ
当社は、時代とともに変化する社会の動きを捉えながら、企業理念の「共生」のもと、人間尊重、技術優先、進取の気性と言った企業DNAと、自社の強固な財務基盤や豊富な人材、高い技術力など、様々なリソースを有効に活用し、また健全なコーポレート・ガバナンスを保ちながら事業を展開してまいりました。
当社のこれまでの取り組みや中長期経営計画に沿った様々な事業活動の中から、当社が取り組むべきと考える重要事項の中で、世界中のステークホルダーの皆さまの関心が特に高い「新たな価値創造、社会課題の解決」ならびに「地球環境の保護・保全」を重要課題(マテリアリティ)として抽出しました。また、さらにこれら2つのマテリアリティに取り組む上で支えとなるテーマを「人と社会への配慮」として集約し、3つ目のマテリアリティとしました。当社では、世界中のステークホルダーの意見を参考に、マテリアリティの妥当性の確認や見直しを行うほか、社会に対する当社の事業活動のインパクトを分析し、企業活動のより一層の充実を図っています。
(3)中長期経営計画:グローバル優良企業グループ構想フェーズⅥ
当社は、「共生」の理念のもと、永遠に技術で貢献し続け、世界各地で親しまれ、尊敬される企業を目指し、1996年に5か年計画『グローバル優良企業グループ構想』をスタートしました。
2021年を初年度とする新5か年計画「グローバル優良企業グループ構想 フェーズⅥ」(以下、フェーズⅥ)では、「生産性向上と新事業創出によるポートフォリオの転換を促進する」を基本方針に、テクノロジーとイノベーションによって新たな価値を生み出し、コンシューマーの分野ではより豊かな生活を、オフィスやインダストリーの分野ではより快適なビジネス環境を、そしてソサエティの分野ではより安心・安全な社会づくりをめざします。

①産業別グループの事業競争力の徹底強化
当社が保有する多岐にわたる技術や資産を最大限活用することを目的として、2021年に技術的に親和性のある複数の事業本部をプリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアルの4つのグループに再編成しました。グループ内の各分野で人材・技術の交流と情報・リソースの共有が活発に行われたことにより、製品ラインアップの拡充と重複する機能の排除に依る合理化が進みました。今後は、各グループ内の技術交流を更に促進し、お客様の多様なニーズに応える新規事業の創出につながる将来技術の開発や、更なる生産性と品質の向上を目指して生産技術の強化に注力します。
各グループにおける、フェーズⅥの主な戦略・施策の進捗状況は以下の通りです。
プリンティンググループ
新型コロナウイルスの感染拡大により働く場所が分散し、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進展したことでペーパーレス化が進みましたが、仕事に関する思考や情報共有において紙は有用な手段であり、プリント機器に対する底堅い需要が見込まれます。
オフィス、ホームの分野では、サテライトオフィスや自宅など働く場所や働き方の多様化が進み、働く場所で制約を受けないプリンティング環境・サービスへのニーズが高まっています。プリンティンググループでは、お客様の使用されるシーンを問わずに、リモートでも高い生産性、利便性、セキュリティ環境を提供すべく、当社製の複合機、レーザープリンター、インクジェットプリンターとクラウドを連携したオンデマンドプリンティング環境の提供に注力しています。2022年は、DX対応を強化したハードウェアのラインアップの強化を行いました。また、在宅勤務でもオフィス同等の高いセキュリティ環境と管理機能を提供する新クラウド印刷サービスHybrid Workシリーズの第一弾として、オフィス向け複合機や家庭用インクジェットプリンターでの印刷に対応したHybrid Work Print Standardの販売を開始しました。引き続きお客様のニーズに合わせた商品・サービスを拡充し、オフィス、ホームの分野において世界No.1を目指します。
アナログからデジタルへのシフトが進むカタログ印刷等の商業印刷分野と、ラベル印刷やパッケージ印刷等の産業印刷の分野では、グループの総力を挙げて競争力のある商品ラインアップを揃えるとともに、お客様の省力化や付加価値向上を支援するワークフロー・ソフトの拡充に取り組んでいます。2022年は、商業印刷では当社独自技術によりアナログ印刷に匹敵する高画質と高再現性を実現したハードウェアがお客様に認められ、好調に販売台数を伸ばしました。また産業印刷では、欧州を中心としてラベル印刷や各種フィニッシング処理の機器を開発・製造・販売する英国のフレキソ産業印刷機メーカーであるイーデール社の株式を取得し、完全子会社化しました。これにより当社は、ラベル・パッケージ印刷業界の要望に応える商品とサービス展開を加速し、産業印刷事業の確立を目指します。
イメージンググループ
スマートフォンの普及により、デジタルカメラ全体の市場は大きく縮小したものの、フルサイズのセンサーを搭載したミラーレスカメラの販売は、コロナ禍にあっても堅調に推移しており、高画質の写真に対する需要は底堅いものがあります。世界屈指の光学技術を有する当社は、こうした需要に応えるカメラ・交換レンズを今後も順次市場に投入し、「高画質」を重視するプロ・ハイアマチュアユーザーを対象の中心に、ミラーレスカメラにおいても世界No.1の地位を確立します。また近年様々な分野で仮想現実映像、立体映像、360度映像の利活用が進んでいることから、自由視点映像システム、2021年に投入したEOS VRシステム、MREALなどでこれら新たな映像体験市場を取り込み、事業の拡大を図ります。
放送や映像制作の分野では、IPストリーミングの需要が増大を続けていることから、高画質リモートカメラシステムのラインアップを強化します。
ネットワークカメラの分野では、世界有数のメーカーであるアクシス社や映像管理ソフト・ベンダーのマイルストーンシステムズ社、映像解析ソフト・ベンダーのブリーフカム社を擁する当社は、グループの総力を挙げて、スマートシティ向けを含むセキュリティ分野におけるプレゼンスを強化します。また同時に、生産現場での検品業務、集配センターでの欠品検知、店舗や展示会場での混雑具合の検知など、従来のセキュリティ目的を超えて、各種業務に対する映像を活用したDXを提供する製品・サービスの展開を図ります。
自動運転などの変革が著しいモビリティの分野では、長年培ってきた当社の光学技術とネットワーク技術を基軸として車載カメラや交通インフラへの事業参入を図り、運転支援等のモビリティサービスの普及に貢献します。
以上により、イメージンググループでは、売上高で年率10%以上の成長を目指します。
メディカルグループ
世界的に進む高齢化や医療費の高騰、新型コロナなどの感染症蔓延リスクなどから医療への需要は従来よりも高まっています。メディカルグループでは、高度化する医療に対応するため、「画像診断」「ヘルスケアIT」「体外診断」の三つの領域に特に注力し、疾病予防、人びとの健康維持、病気からの回復に貢献する製品・サービスの提供に取り組んでいます。
画像診断事業では、医療従事者と患者の負担の軽減と高品質の画像の提供を目指します。2022年に発売したCTとMRIの新製品では、AIによるディープラーニングを用いて設計した画像再構成技術を標準搭載し、CTの新製品では検査ワークフローの一部を自動化しました。また、国産として初めてフォトンカウンティングCT(以下、PCCT)を開発し、国立研究開発法人国立がん研究センター先端医療開発センターに設置しました。物質をカラーで識別する高い画質性能と被ばくの低減など医療現場にさらなる価値の提供が期待されるPCCTの早期実用化を目指します。
メディカル事業の拡大に向けて、米国市場でのシェア拡大を最重要課題として取り組みます。キヤノンメディカルシステムズのマーケティング機能の一部とCanon Medical Systems USA, Inc.の販売・サービス機能の一部を新会社であるCanon Healthcare USA, INC.に移管し、アップストリームマーケティングとダウンストリームマーケティングの連携を強化することで、米国事業の拡大を図ります。
インダストリアルグループ
AI、IoT、5Gなど半導体の用途が多様化し、今後も半導体とその製造装置に対する需要は拡大すると見込まれます。インダストリアルグループでは、中長期的に見込まれる半導体露光装置の需要増加に対応するために生産能力を増強するとともに、欧米での旺盛な半導体工場投資に対応するためのグローバルでの販売体制の再整備に取り組みます。2022年には宇都宮光機事業所の隣接地に新工場の建設を開始しました。新工場は、2025年上期に稼働予定となり、2021年比で約2倍の生産能力を確保します。また、半導体露光装置のアフターサービスを強化し、生産性の向上に貢献します。2022年には、半導体露光装置のサポート業務の効率化と高稼働率を実現する機能を搭載したソリューションプラットフォームLithography Plusのサービスを開始しました。従来の露光技術に対してコスト競争力と省エネに優れたナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術については、メモリーの回路パターン形成での実用化に向けた最終段階にあり、早期の商品化に注力します。さらに今後は、産業技術総合研究所と進めているロジック分野での活動を始めとして、NILの長所を生かせるその他用途への展開を図ります。
ディスプレイ製造装置については、液晶では生産性向上と高精細化を進め、有機ELでは今後成長が期待される中型パネルやスマートグラス向け製造装置の開発を加速します。
当社とグループ会社のキヤノントッキ、キヤノンアネルバ、キヤノンマシナリーが持つ超精密位置合わせ、超高精度加工、真空システムといったコア技術を融合して新たな装置を開発し、インダストリアルグループの事業領域拡大を目指します。
②本社機能の徹底強化によるグループ生産性の向上
事業の競争力の強化と拡大を図るため、人事制度を改定し、より一層の競争原理を働かせることで管理部門の生産性を向上するとともに、事業貢献を意識した本社R&D体制の整備など、本社機能について徹底して強化を行います。2023年4月からは、特定の技術で高く評価され、当社の技術を牽引することが期待される人材を認定する制度「高度技術者認定制度」の運用の開始を予定しております。また、当社が有するあらゆる技術を活用して、材料やコンポーネントなどの事業化に取り組む横断的な組織を新設し、これまでM&Aによる獲得が中心であった新規事業を社内からも創出することで、収益拡大への貢献を進めていきます。

(4)中期経営計画連結業績目標
当社は、フェーズⅥ期間最終年度である2025年度の連結業績目標として、売上では当社史上最高を記録した2007年を上回る売上高4兆5,000億円以上、利益では営業利益率12%以上、当期純利益率8%以上の達成を目指します。また、事業ポートフォリオの転換を評価する指標として、連結売上高に対する、新規事業※1売上高の比率を設定し、2025年に全体の36%以上まで新規事業を育成することを目標とします。
今5カ年計画の2年目となる2022年は、ロシアのウクライナ侵攻後のインフレの加速と、それを抑制するために各国が金融引き締めへと転換した結果、世界経済の回復は緩やかなものとなりました。不安定な状況が続くなかで当社は、部品逼迫や物流制約については、設計変更や新規調達先の開拓、代替輸送ルートの活用を行い、高い製品競争力を背景にコストの増加を適切に販売価格に反映しつつ拡販を進めた結果、2期連続となる大幅な増収増益を達成し、売上高は2017年以来となる4兆円を突破しました。2017年と比較すると、新規事業の売上高は1兆円を超える規模に成長し、全社に占める構成比が22%から27%に上昇するなど、事業ポートフォリオの転換の効果が着実に表れています。
また、当社は、基本方針として「キャッシュ・フロー経営の徹底による健全な財務体質の維持」を掲げています。不測の事態への備えと自由度を保ちながらダイナミックな経営を行うために、当社は株主資本比率を重視し、中期経営計画の重要指標としています。業績の回復により2022年の時点で株主資本比率が61.1%と、今5カ年計画の目標である60%に達したため、2025年の目標を65%以上に引き上げました。
※1新規事業には、キヤノンプロダクションプリンティング、キヤノントッキ、アクシス、キヤノンメディカルシステムズなど、フェーズⅠ以降に取得した主要な事業会社の事業と、フェーズⅥ期間中の事業化を目指す新規事業を含めています。
現行事業・新規事業売上比率

(5)気候変動とTCFDへの対応
当社は、気候変動への対応を含む「地球環境の保護・保全」をマテリアリティの一つとしています。課題解決に向けて、開発、生産、販売といった自らの事業活動だけでなく、サプライヤーにおける原材料や部品の製造、販売店などへの輸送、さらにはお客さまの使用、廃棄・リサイクルに至るまで、製品ライフサイクルの各ステージにおける環境への影響を捉え、削減に取り組んでいます。
2050年にCO₂排出量をネットゼロとすることを目指し、製品の小型・軽量化、物流の効率化、生産拠点での省エネルギー活動、製品使用時の省エネルギー、製品リサイクルなど、様々な取り組みを推進しています。「キヤノングループ中期環境目標」である「ライフサイクルCO₂製品1台当たりの改善指数 年平均3%改善」を確実に達成することで、CO₂排出量の着実な削減を図っていきます。
また、当社は、金融安定理事会が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同しており、サステナビリティレポートやウェブサイトを通じて、推奨される情報を継続的に開示しています。
⦅ガバナンス⦆
気候変動対応を含む環境目標は、代表取締役会長兼社長 CEOが承認しています。中長期計画については、サステナビリティ推進本部が策定の上、取締役を含めた役員間の協議を経た上でCEOの承認を得ています。目標達成に向けサステナビリティ推進本部が中心となってグループ全体で活動を実行しています。目標の進捗について毎月経営層に報告するとともに、年間のレビューをCEOに報告しています。
また、当社では取締役会決議に基づき、リスクマネジメント委員会を設置し、環境法規制や自然災害に関する重大なリスクは、リスクマネジメント委員会において審議を行っています。
⦅戦略⦆
専門機関や政府機関からの情報をもとに、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の気候変動シナリオなどを活用した製品ライフサイクルCO₂削減に対する数値シミュレーションを実施し、事業上のリスクや機会を特定するとともに中長期戦略を策定しています。※特定したリスク・機会の概要は、下表を参照
また、リスクを縮小し、機会を拡大するため、製品ライフサイクル全体を視野にCO₂削減を図る「緩和」と物理リスクへの「適応」の両面からのアプローチが重要と認識し、対応計画を策定・実行しています。
さらに、資源循環への取り組みを通じたCO₂削減も実行しています。例えば、複合機のリマニュファクチュアリングにより、新規の原材料調達や部品加工に伴い発生するCO₂削減が可能であるほか、インク・カートリッジのクローズドループリサイクルにより、回収したカートリッジからプラスチックをペレット化し、再度原材料として使用することで、新規の原材料調達や輸送等にかかるCO₂を削減することが可能となります。
気候変動領域における主なリスク・機会
⦅リスク管理⦆
特定した気候変動リスク・機会は、ISO14001のPDCAサイクルに沿って管理しています。
当社は、環境保証活動の継続的な改善を実現する仕組みとして、全世界の事業所においてISO14001によるグループ共通の環境マネジメントシステムを構築しています。
具体的には、環境マネジメントシステムは、各部門の活動と連携した環境保証活動を推進(DO)するために、中期ならびに毎年の「環境目標」を決定(PLAN)し、その実現に向けた重点施策や実施計画を策定して事業活動に反映させています。さらに、各部門における取り組み状況や課題を確認する「環境監査」や、業績評価に環境側面を取り込んだ「環境業績評価」を実施(CHECK)することで、環境保証活動の継続的な改善・強化(ACT)へつなげています。
これらリスク・機会への対応は、全社環境目標や重点施策に反映されるとともに、当社では、環境への対応を経営評価の一部として取り入れており、各部門の環境目標の達成状況や環境活動の実績は、グループ全体の経営状況の実績を評価する「連結業績評価制度」の一指標として実施される「環境業績評価」の中で年2回、評価・評点化しています。評価結果はCEOをはじめとする経営層に報告されています。
⦅指標と目標⦆
製品ライフサイクル全体をスコープに、省エネ、省資源、リサイクルなどあらゆる環境活動の成果を一つの指標で統合的に捉え、管理していくため、「ライフサイクルCO₂ 製品1台当たりの改善指数 年平均3%改善」を「キヤノングループ中期環境目標」に設定しています。
この目標を継続的に達成することで、2030年には2008年比で50%の改善になると考えています。2022年時点では目標を上回る2008年比43%の改善となりました。また、ライフサイクルCO₂排出量は8,342千t-CO₂(スコープ1+2+3合計)でした。これらのGHG(Greenhouse Gas)排出量データは、毎年第三者保証を取得しており、2022年も取得済みです。
当社は、社会と連携しながら、製品ライフサイクル全体での取り組みを通じて、2050年にCO₂排出量をネットゼロとすることを目指しています。
「ライフサイクルCO₂製品1台当たりの改善指数」推移
※1 2008年を100とした場合
ライフサイクルCO₂排出量の推移
※1 温室効果ガス(エネルギー系温室効果ガスであるCO₂と非エネルギー系温室効果ガスであるPFCs、HFCs、SF6、N2O、メタン、NF3)を集計対象としています。
※2 原材料および加工に関わるCO₂換算係数は、2020年実績からエコリーフ環境ラベルプログラムの換算係数を使用しています(2019年実績までは、カーボンフットプリントコミュニケーションプログラムの換算係数を使用)。
※3 2021年以降のデータについてはキヤノングループの連結対象会社を集計の範囲とし、それ以前は主にISO14001統合認証の取得会社を集計の範囲としています。
(6)人的資本
人材育成の考え方
当社は、人材の成長こそ事業の強化を支える原動力と考え、積極的な人材育成を行っています。特に、当社は事業ポートフォリオの転換とこれに続く事業強化に向けて、イノベーションを創出する人材の獲得・育成を推進しています。
⦅戦略⦆
1.技術人材の育成
当社は、イノベーションを創出し続けるために、技術人材の獲得・育成を推進しています。具体的には、機械・電気・光学・材料・ソフトウエアなど専門分野ごとの教育体系を整備し、長期的な視野に立って次世代を担う技術人材を育成しています。これら5つの専門分野では、各々「技術人材育成委員会」を設置し、新入社員から技術リーダーに至るまで、階層に応じた育成に取り組んでいます。
また、2018年には研修施設「CIST(Canon Institute of Software Technology)」を設立し、これからの当社の事業戦略に必要なデジタル分野の知識を体系的に身につけることができる体制を構築しています。
2.適材適所の推進
当社は、戦略的な要員配置と従業員への積極的なキャリア形成支援を行うことで適材適所を実現し、一人ひとりが活躍できる組織体制をめざしています。
採用活動においては、専門知識や本人の志向をもとに、配属先を入社前に確約するジョブマッチング型の採用を拡大し、各事業が求める人材を最適な部署へ配置しています。入社後3年が経過した従業員に対しては、人事部門が仕事や職場との適応状況を確認する面談を行い、配属後も従業員一人ひとりが安心して能力を発揮できる環境を整えています。
また、社員の主体的なキャリア形成をサポートする仕組みとして「キャリアマッチング制度」(一般的な社内公募制度)を設けております。さらに、研修と社内公募を組み合わせた「研修型キャリアマッチング制度」を導入するなど、幅広い人材のリスキリング(職業能力の再開発・再教育)と社内転職を推進しています。
⦅指標及び目標⦆
1.ソフトウエア研修の受講者
ソフトウエア技術者の育成に向けて、2018年には研修施設CISTを設立するなど、AIやIoTに関するDX教育に注力しています。CISTでは、受講者のレベルに応じて基礎からトップクラスまでの研修を整備しており、2022年には年間のべ約6,000人がCISTでのソフトウエアに関する研修を受講しました。
2.キャリアマッチング制度による異動者数
研修型キャリアマッチング制度では、3ヵ月から6ヵ月の研修により、実務に必要な知識を習得した上で新しい部署への異動を行います。専門知識を身に着ける学び直しの機会を提供し、未経験の仕事にもチャレンジできる仕組みを構築しております。

2022年には312人が研修型を含むキャリアマッチング制度で異動しています。
多様性確保の考え方
当社は1988年に制定した共生の理念のもと、文化・習慣・言語・民族などの多様性を尊重するとともに、性別や年齢、障がいの有無などにかかわらず、公平な人材の登用や活用を積極的に推進しています。
⦅戦略⦆
当社では、ダイバーシティ推進のための全社横断組織「VIVID(Vital workforce and Value Innovation through Diversity)」で全社的な活動を推進しています。
VIVID活動方針
・ダイバーシティを重要な経営課題の一つとして位置付け、全社の推進役として新しい制度の導入や、既存の仕組みの置き換えにとどまることなく、社員の考え方や意識そのものを変える。
・向上意欲が高く、能力の高い人材が、活躍の機会を限定されたり、妨げられたりすることのないように、人事施策や職場環境を見直す。
・ロールモデルの輩出やモデル職場の拡大を促すために、ダイバーシティ推進の活動を社内外に広く伝え、浸透させる。
⦅指標及び目標⦆
女性管理職比率の向上
2012年より女性管理職候補者の育成を目的とした「女性リーダー研修」を実施しており、累計244人が同研修を受講しています。また、育児休業から復職した社員とその上司を対象とした復職セミナー、女性管理職によるメンタリングの実施などにも取り組んでおり、女性管理職の人数は2011年の58人から2022年には147人に増加しております。
当社は、2020年に女性活躍推進法に基づく行動計画として、「2025年末までに女性管理職比率をVIVID発足以前の2011年の3倍以上とする」ことを目標と定めました。
女性管理職比率は、第1 企業の概況 5 従業員の状況をご参照ください。
(7)サイバーセキュリティ
⦅ガバナンス/リスク管理⦆
当社は、情報セキュリティ担当執行役員である情報通信システム本部長を情報セキュリティの意思決定責任者と位置づけ、当社の情報通信システム本部が実務組織として、グループ全体の情報セキュリティマネジメントにおける責任を担っています。万が一、情報セキュリティに関する事件・事故が発生した場合は、情報通信システム本部に報告され、状況に応じリスクマネジメント委員会※1に報告する体制となっています。同委員会では、当社が事業遂行に際して直面し得る重大なリスクの特定(法令・企業倫理違反、財務報告の誤り、環境問題、品質問題、情報漏洩など)を含むリスクマネジメント活動の推進に関する諸施策を立案します。また、リスクマネジメント活動の年間活動方針を立案し、取締役会の承認を得て、当社各部門および各グループ会社にリスクマネジメント活動を展開しています。そして、各部門・各社によるリスクマネジメント体制の整備・運用状況を評価し、その評価結果をCEOおよび取締役会に報告しています。
※1 詳細は2 事業等のリスク(1)リスクマネジメント体制をご参照ください。
⦅戦略⦆
1.情報システムセキュリティ対策
当社は、情報セキュリティの三要素といわれる「機密性」「完全性」「可用性」※2を保持するための施策に取り組んでいます。内部からの情報漏洩対策として、最重要情報はセキュリティを強化した専用のシステムに保管し、アクセス制限や利用状況の記録を徹底しています。また、社外から自社の情報資産に安全にアクセスできる環境を構築した上で、メールのファイル添付送信やPC・記録メディアの社外持ち出しを管理しています。また、外部からのサイバー攻撃対策として、マルウェア※3などが添付された不審メールの遮断、社内ネットワークへの不正侵入監視、インターネットへの不正通信の監視を実施し、攻撃被害の拡大防止に努めています。さらに、サイバー攻撃を想定した対応訓練(NISC※4/NCA※5連携 分野横断的演習)に2017年より毎年参加し、障害対応体制の強化を図っています。
※2 機密性:許可された者だけが情報にアクセスできるようにすること
完全性:情報や処理方法が正確で、改ざんされないよう保護すること
可用性:許可された者が必要とする時に情報にアクセスできるようにすること
※3 不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウエア。コンピューターウイルス、ランサム
ウェアなど
※4 National center of Incident readiness and Strategy for Cybersecurity(内閣サイバーセキュリティセ
ンター)の略
※5 Nippon CSIRT Association(日本シーサート協議会)の略
2.生産設備のセキュリティ対策
当社は、マルウェアやサイバー攻撃によって工場の生産設備に稼働障害が発生し、生産活動に問題が生じることがないよう、生産設備のセキュリティ対策に取り組んでいます。従来、サイバー攻撃の対象は企業の業務システムやWebシステムなどの情報システムが主体でしたが、生産設備においても汎用OSの利用やIoT化が進み、情報システムと同等の情報セキュリティリスクが生じています。生産設備の運用期間は汎用OSのサポート期間よりも長期にわたり、情報システムとは別のセキュリティ対策が必要となるため、当社は、ウイルス感染などによる操業停止に陥らないよう、生産設備系ネットワークの不正通信監視を行っています。また、生産設備についてもセキュリティ監査を実施し、安全な生産環境の維持を図っています。
3.従業員の意識の向上をめざす情報セキュリティ教育
当社は、情報セキュリティの維持・向上のため、情報システムの利用者である従業員の意識向上にも注力しています。定期入社者、中途入社者ともに集合教育を通じて当社の情報セキュリティに関する施策やルールの徹底を図っています。また、毎年、全従業員を対象として、eラーニングによる情報セキュリティ研修を実施しています。2022年は当社の従業員全員の約2万5000人が受講しました。研修内容は、主なサイバー攻撃の事例を交えて、攻撃の変化やそのリスクについて学習し、また、在宅勤務時における注意点など、従業員の情報セキュリティリテラシー※6を向上させるものとなっています。また、当社ののべ6万2000人の従業員に対し、不審メールを受け取った際に適切に対処し被害を拡大させないための実践教育として標的型攻撃メール対応訓練も実施しました。特に、メールでの業務に慣れていない新入社員については、別途訓練を実施し、教育を強化しています。
※6 セキュリティ対策を実行する時に知っておくべき知識やスキル
4.情報セキュリティマネジメント体制の状況
2015年には、情報セキュリティインシデントが発生した際に、対処するための専門チームCSIRT※7(シーサート)を当社情報通信システム本部内に設置しました。同時に、日本シーサート協議会(NCA)に加盟し、他社CSIRT組織との連携強化を図っています。
※7 Computer Security Incident Response Teamの略。コンピューターセキュリティにかかる事件・事故に対処
するための組織の総称
当社グループは、企業理念として、世界中のステークホルダーの皆さまとともに歩む「共生」を掲げています。「共生」とは、文化、習慣、言語、民族などの違いを問わず、すべての人類が末永く共に生き、共に働き、幸せに暮らしていける社会をめざすものです。この「共生」の理念のもと、当社グループは、「共生」の理念に基づき、世界の繁栄と人類の幸福のため、企業の成長と発展を目指し企業活動を進めています。

(2)マテリアリティ
当社は、時代とともに変化する社会の動きを捉えながら、企業理念の「共生」のもと、人間尊重、技術優先、進取の気性と言った企業DNAと、自社の強固な財務基盤や豊富な人材、高い技術力など、様々なリソースを有効に活用し、また健全なコーポレート・ガバナンスを保ちながら事業を展開してまいりました。
当社のこれまでの取り組みや中長期経営計画に沿った様々な事業活動の中から、当社が取り組むべきと考える重要事項の中で、世界中のステークホルダーの皆さまの関心が特に高い「新たな価値創造、社会課題の解決」ならびに「地球環境の保護・保全」を重要課題(マテリアリティ)として抽出しました。また、さらにこれら2つのマテリアリティに取り組む上で支えとなるテーマを「人と社会への配慮」として集約し、3つ目のマテリアリティとしました。当社では、世界中のステークホルダーの意見を参考に、マテリアリティの妥当性の確認や見直しを行うほか、社会に対する当社の事業活動のインパクトを分析し、企業活動のより一層の充実を図っています。
| 特定したマテリアリティ | 項目 | |
| 新たな価値創造、社会課題の解決 | ・人々の健康や病気の予防に貢献する医療技術の開発 ・社会の安心・安全に資するセキュリティ技術の進化 ・写真や映像分野における人々の豊かさや楽しさにつながる 製品/技術の開発 | |
| 地球環境の保護・保全 | ・省エネルギー化の促進/再生可能エネルギーの活用 ・使用済み製品のリユース・リサイクル ・廃棄物の削減/水域・土壌の汚染防止 | |
| 人と社会への配慮 | 人権と労働 | ・差別やハラスメントの防止、基本的人権の尊重 ・適正な賃金と労働時間の管理 |
| 社会貢献 | ・事業活動を生かした社会貢献活動 ・次世代の育成支援 | |
(3)中長期経営計画:グローバル優良企業グループ構想フェーズⅥ
当社は、「共生」の理念のもと、永遠に技術で貢献し続け、世界各地で親しまれ、尊敬される企業を目指し、1996年に5か年計画『グローバル優良企業グループ構想』をスタートしました。
2021年を初年度とする新5か年計画「グローバル優良企業グループ構想 フェーズⅥ」(以下、フェーズⅥ)では、「生産性向上と新事業創出によるポートフォリオの転換を促進する」を基本方針に、テクノロジーとイノベーションによって新たな価値を生み出し、コンシューマーの分野ではより豊かな生活を、オフィスやインダストリーの分野ではより快適なビジネス環境を、そしてソサエティの分野ではより安心・安全な社会づくりをめざします。

①産業別グループの事業競争力の徹底強化
当社が保有する多岐にわたる技術や資産を最大限活用することを目的として、2021年に技術的に親和性のある複数の事業本部をプリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアルの4つのグループに再編成しました。グループ内の各分野で人材・技術の交流と情報・リソースの共有が活発に行われたことにより、製品ラインアップの拡充と重複する機能の排除に依る合理化が進みました。今後は、各グループ内の技術交流を更に促進し、お客様の多様なニーズに応える新規事業の創出につながる将来技術の開発や、更なる生産性と品質の向上を目指して生産技術の強化に注力します。
各グループにおける、フェーズⅥの主な戦略・施策の進捗状況は以下の通りです。
プリンティンググループ
新型コロナウイルスの感染拡大により働く場所が分散し、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進展したことでペーパーレス化が進みましたが、仕事に関する思考や情報共有において紙は有用な手段であり、プリント機器に対する底堅い需要が見込まれます。
オフィス、ホームの分野では、サテライトオフィスや自宅など働く場所や働き方の多様化が進み、働く場所で制約を受けないプリンティング環境・サービスへのニーズが高まっています。プリンティンググループでは、お客様の使用されるシーンを問わずに、リモートでも高い生産性、利便性、セキュリティ環境を提供すべく、当社製の複合機、レーザープリンター、インクジェットプリンターとクラウドを連携したオンデマンドプリンティング環境の提供に注力しています。2022年は、DX対応を強化したハードウェアのラインアップの強化を行いました。また、在宅勤務でもオフィス同等の高いセキュリティ環境と管理機能を提供する新クラウド印刷サービスHybrid Workシリーズの第一弾として、オフィス向け複合機や家庭用インクジェットプリンターでの印刷に対応したHybrid Work Print Standardの販売を開始しました。引き続きお客様のニーズに合わせた商品・サービスを拡充し、オフィス、ホームの分野において世界No.1を目指します。
アナログからデジタルへのシフトが進むカタログ印刷等の商業印刷分野と、ラベル印刷やパッケージ印刷等の産業印刷の分野では、グループの総力を挙げて競争力のある商品ラインアップを揃えるとともに、お客様の省力化や付加価値向上を支援するワークフロー・ソフトの拡充に取り組んでいます。2022年は、商業印刷では当社独自技術によりアナログ印刷に匹敵する高画質と高再現性を実現したハードウェアがお客様に認められ、好調に販売台数を伸ばしました。また産業印刷では、欧州を中心としてラベル印刷や各種フィニッシング処理の機器を開発・製造・販売する英国のフレキソ産業印刷機メーカーであるイーデール社の株式を取得し、完全子会社化しました。これにより当社は、ラベル・パッケージ印刷業界の要望に応える商品とサービス展開を加速し、産業印刷事業の確立を目指します。
イメージンググループ
スマートフォンの普及により、デジタルカメラ全体の市場は大きく縮小したものの、フルサイズのセンサーを搭載したミラーレスカメラの販売は、コロナ禍にあっても堅調に推移しており、高画質の写真に対する需要は底堅いものがあります。世界屈指の光学技術を有する当社は、こうした需要に応えるカメラ・交換レンズを今後も順次市場に投入し、「高画質」を重視するプロ・ハイアマチュアユーザーを対象の中心に、ミラーレスカメラにおいても世界No.1の地位を確立します。また近年様々な分野で仮想現実映像、立体映像、360度映像の利活用が進んでいることから、自由視点映像システム、2021年に投入したEOS VRシステム、MREALなどでこれら新たな映像体験市場を取り込み、事業の拡大を図ります。
放送や映像制作の分野では、IPストリーミングの需要が増大を続けていることから、高画質リモートカメラシステムのラインアップを強化します。
ネットワークカメラの分野では、世界有数のメーカーであるアクシス社や映像管理ソフト・ベンダーのマイルストーンシステムズ社、映像解析ソフト・ベンダーのブリーフカム社を擁する当社は、グループの総力を挙げて、スマートシティ向けを含むセキュリティ分野におけるプレゼンスを強化します。また同時に、生産現場での検品業務、集配センターでの欠品検知、店舗や展示会場での混雑具合の検知など、従来のセキュリティ目的を超えて、各種業務に対する映像を活用したDXを提供する製品・サービスの展開を図ります。
自動運転などの変革が著しいモビリティの分野では、長年培ってきた当社の光学技術とネットワーク技術を基軸として車載カメラや交通インフラへの事業参入を図り、運転支援等のモビリティサービスの普及に貢献します。
以上により、イメージンググループでは、売上高で年率10%以上の成長を目指します。
メディカルグループ
世界的に進む高齢化や医療費の高騰、新型コロナなどの感染症蔓延リスクなどから医療への需要は従来よりも高まっています。メディカルグループでは、高度化する医療に対応するため、「画像診断」「ヘルスケアIT」「体外診断」の三つの領域に特に注力し、疾病予防、人びとの健康維持、病気からの回復に貢献する製品・サービスの提供に取り組んでいます。
画像診断事業では、医療従事者と患者の負担の軽減と高品質の画像の提供を目指します。2022年に発売したCTとMRIの新製品では、AIによるディープラーニングを用いて設計した画像再構成技術を標準搭載し、CTの新製品では検査ワークフローの一部を自動化しました。また、国産として初めてフォトンカウンティングCT(以下、PCCT)を開発し、国立研究開発法人国立がん研究センター先端医療開発センターに設置しました。物質をカラーで識別する高い画質性能と被ばくの低減など医療現場にさらなる価値の提供が期待されるPCCTの早期実用化を目指します。
メディカル事業の拡大に向けて、米国市場でのシェア拡大を最重要課題として取り組みます。キヤノンメディカルシステムズのマーケティング機能の一部とCanon Medical Systems USA, Inc.の販売・サービス機能の一部を新会社であるCanon Healthcare USA, INC.に移管し、アップストリームマーケティングとダウンストリームマーケティングの連携を強化することで、米国事業の拡大を図ります。
インダストリアルグループ
AI、IoT、5Gなど半導体の用途が多様化し、今後も半導体とその製造装置に対する需要は拡大すると見込まれます。インダストリアルグループでは、中長期的に見込まれる半導体露光装置の需要増加に対応するために生産能力を増強するとともに、欧米での旺盛な半導体工場投資に対応するためのグローバルでの販売体制の再整備に取り組みます。2022年には宇都宮光機事業所の隣接地に新工場の建設を開始しました。新工場は、2025年上期に稼働予定となり、2021年比で約2倍の生産能力を確保します。また、半導体露光装置のアフターサービスを強化し、生産性の向上に貢献します。2022年には、半導体露光装置のサポート業務の効率化と高稼働率を実現する機能を搭載したソリューションプラットフォームLithography Plusのサービスを開始しました。従来の露光技術に対してコスト競争力と省エネに優れたナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術については、メモリーの回路パターン形成での実用化に向けた最終段階にあり、早期の商品化に注力します。さらに今後は、産業技術総合研究所と進めているロジック分野での活動を始めとして、NILの長所を生かせるその他用途への展開を図ります。
ディスプレイ製造装置については、液晶では生産性向上と高精細化を進め、有機ELでは今後成長が期待される中型パネルやスマートグラス向け製造装置の開発を加速します。
当社とグループ会社のキヤノントッキ、キヤノンアネルバ、キヤノンマシナリーが持つ超精密位置合わせ、超高精度加工、真空システムといったコア技術を融合して新たな装置を開発し、インダストリアルグループの事業領域拡大を目指します。
②本社機能の徹底強化によるグループ生産性の向上
事業の競争力の強化と拡大を図るため、人事制度を改定し、より一層の競争原理を働かせることで管理部門の生産性を向上するとともに、事業貢献を意識した本社R&D体制の整備など、本社機能について徹底して強化を行います。2023年4月からは、特定の技術で高く評価され、当社の技術を牽引することが期待される人材を認定する制度「高度技術者認定制度」の運用の開始を予定しております。また、当社が有するあらゆる技術を活用して、材料やコンポーネントなどの事業化に取り組む横断的な組織を新設し、これまでM&Aによる獲得が中心であった新規事業を社内からも創出することで、収益拡大への貢献を進めていきます。

(4)中期経営計画連結業績目標
当社は、フェーズⅥ期間最終年度である2025年度の連結業績目標として、売上では当社史上最高を記録した2007年を上回る売上高4兆5,000億円以上、利益では営業利益率12%以上、当期純利益率8%以上の達成を目指します。また、事業ポートフォリオの転換を評価する指標として、連結売上高に対する、新規事業※1売上高の比率を設定し、2025年に全体の36%以上まで新規事業を育成することを目標とします。
今5カ年計画の2年目となる2022年は、ロシアのウクライナ侵攻後のインフレの加速と、それを抑制するために各国が金融引き締めへと転換した結果、世界経済の回復は緩やかなものとなりました。不安定な状況が続くなかで当社は、部品逼迫や物流制約については、設計変更や新規調達先の開拓、代替輸送ルートの活用を行い、高い製品競争力を背景にコストの増加を適切に販売価格に反映しつつ拡販を進めた結果、2期連続となる大幅な増収増益を達成し、売上高は2017年以来となる4兆円を突破しました。2017年と比較すると、新規事業の売上高は1兆円を超える規模に成長し、全社に占める構成比が22%から27%に上昇するなど、事業ポートフォリオの転換の効果が着実に表れています。
また、当社は、基本方針として「キャッシュ・フロー経営の徹底による健全な財務体質の維持」を掲げています。不測の事態への備えと自由度を保ちながらダイナミックな経営を行うために、当社は株主資本比率を重視し、中期経営計画の重要指標としています。業績の回復により2022年の時点で株主資本比率が61.1%と、今5カ年計画の目標である60%に達したため、2025年の目標を65%以上に引き上げました。
※1新規事業には、キヤノンプロダクションプリンティング、キヤノントッキ、アクシス、キヤノンメディカルシステムズなど、フェーズⅠ以降に取得した主要な事業会社の事業と、フェーズⅥ期間中の事業化を目指す新規事業を含めています。
| 2021年 実績 | 2022年 実績 | 2023年 見通し | 2025年 目標 | ||
| 売上高 | 3兆5,134億円 | 4兆314億円 | 4兆2,870億円 | 4兆5,000億円以上 | |
| 営業利益率 | 8.0% | 8.8% | 8.4% | 12%以上 | |
| 当期純利益率 | 6.1% | 6.1% | 6.3% | 8%以上 | |
| 株主資本比率 | 60.5% | 61.1% | 64% | 65%以上 |
現行事業・新規事業売上比率

(5)気候変動とTCFDへの対応
当社は、気候変動への対応を含む「地球環境の保護・保全」をマテリアリティの一つとしています。課題解決に向けて、開発、生産、販売といった自らの事業活動だけでなく、サプライヤーにおける原材料や部品の製造、販売店などへの輸送、さらにはお客さまの使用、廃棄・リサイクルに至るまで、製品ライフサイクルの各ステージにおける環境への影響を捉え、削減に取り組んでいます。
2050年にCO₂排出量をネットゼロとすることを目指し、製品の小型・軽量化、物流の効率化、生産拠点での省エネルギー活動、製品使用時の省エネルギー、製品リサイクルなど、様々な取り組みを推進しています。「キヤノングループ中期環境目標」である「ライフサイクルCO₂製品1台当たりの改善指数 年平均3%改善」を確実に達成することで、CO₂排出量の着実な削減を図っていきます。
また、当社は、金融安定理事会が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同しており、サステナビリティレポートやウェブサイトを通じて、推奨される情報を継続的に開示しています。
⦅ガバナンス⦆
気候変動対応を含む環境目標は、代表取締役会長兼社長 CEOが承認しています。中長期計画については、サステナビリティ推進本部が策定の上、取締役を含めた役員間の協議を経た上でCEOの承認を得ています。目標達成に向けサステナビリティ推進本部が中心となってグループ全体で活動を実行しています。目標の進捗について毎月経営層に報告するとともに、年間のレビューをCEOに報告しています。
また、当社では取締役会決議に基づき、リスクマネジメント委員会を設置し、環境法規制や自然災害に関する重大なリスクは、リスクマネジメント委員会において審議を行っています。
⦅戦略⦆
専門機関や政府機関からの情報をもとに、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の気候変動シナリオなどを活用した製品ライフサイクルCO₂削減に対する数値シミュレーションを実施し、事業上のリスクや機会を特定するとともに中長期戦略を策定しています。※特定したリスク・機会の概要は、下表を参照
また、リスクを縮小し、機会を拡大するため、製品ライフサイクル全体を視野にCO₂削減を図る「緩和」と物理リスクへの「適応」の両面からのアプローチが重要と認識し、対応計画を策定・実行しています。
さらに、資源循環への取り組みを通じたCO₂削減も実行しています。例えば、複合機のリマニュファクチュアリングにより、新規の原材料調達や部品加工に伴い発生するCO₂削減が可能であるほか、インク・カートリッジのクローズドループリサイクルにより、回収したカートリッジからプラスチックをペレット化し、再度原材料として使用することで、新規の原材料調達や輸送等にかかるCO₂を削減することが可能となります。
気候変動領域における主なリスク・機会
| リスク 機会 | 種類 | リスク・機会の概要 | 財務 影響 | 対処 |
| リスク | 移行 リスク | 省エネルギー規制の強化と対応コストの増加(製品・拠点) | 大 | ・製品ライフサイクル全体での負荷削減を指標とした環境総合目標の達成 ・環境規制動向に関する情報収集/分析/適合 |
| 経済的手法を用いた排出抑制(炭素税など)による事業コストの増加 | 中 | ・拠点エネルギー目標の達成 ・開発/生産/設備/環境部門が連携し、各事業所の省エネ活動を推進 | ||
| 物理 リスク | 台風や洪水被害の甚大化など異常気象の深刻化による操業影響 | 中 | ・BCPの策定、高リスク事業拠点の高台移転 | |
| 評判 リスク | 情報開示の不足による外部評価の低下 | 小 | ・気候変動対応への考え方、取り組み状況の開示 | |
| 機会 | 製品・ サービス | 省エネルギー製品をはじめライフサイクル全体でのCO₂排出量が小さい製品に対する販売機会の拡大 | 大 | ・製品ライフサイクル全体での負荷削減を指標とした環境総合目標の達成 ・省エネ性能と使いやすさを両立させた製品の開発/製造/販売 |
| ハードとソフトの両面から革新を支えるさまざまな製品・ソリューションの販売を通じた社会全体のCO₂削減への貢献 | 大 | ・製品ライフサイクル全体での負荷削減を指標とした環境総合目標の達成 | ||
| 資源の 効率 | 生産や輸送の高効率化によるエネルギーコストの削減 | 中 | ・拠点エネルギー目標の達成 ・高効率設備や輸送手段への切り替え/新規導入 | |
| エネルギー源 | 再生可能エネルギーの低コスト化による活用機会の拡大 | 中 | ・再生可能エネルギーへの切り替え | |
| その他 | 気候関連情報の開示促進による企業イメージの向上 | 小 | ・気候変動対応への考え方、取り組み状況の開示 |
⦅リスク管理⦆
特定した気候変動リスク・機会は、ISO14001のPDCAサイクルに沿って管理しています。
当社は、環境保証活動の継続的な改善を実現する仕組みとして、全世界の事業所においてISO14001によるグループ共通の環境マネジメントシステムを構築しています。
具体的には、環境マネジメントシステムは、各部門の活動と連携した環境保証活動を推進(DO)するために、中期ならびに毎年の「環境目標」を決定(PLAN)し、その実現に向けた重点施策や実施計画を策定して事業活動に反映させています。さらに、各部門における取り組み状況や課題を確認する「環境監査」や、業績評価に環境側面を取り込んだ「環境業績評価」を実施(CHECK)することで、環境保証活動の継続的な改善・強化(ACT)へつなげています。
これらリスク・機会への対応は、全社環境目標や重点施策に反映されるとともに、当社では、環境への対応を経営評価の一部として取り入れており、各部門の環境目標の達成状況や環境活動の実績は、グループ全体の経営状況の実績を評価する「連結業績評価制度」の一指標として実施される「環境業績評価」の中で年2回、評価・評点化しています。評価結果はCEOをはじめとする経営層に報告されています。
⦅指標と目標⦆
製品ライフサイクル全体をスコープに、省エネ、省資源、リサイクルなどあらゆる環境活動の成果を一つの指標で統合的に捉え、管理していくため、「ライフサイクルCO₂ 製品1台当たりの改善指数 年平均3%改善」を「キヤノングループ中期環境目標」に設定しています。
この目標を継続的に達成することで、2030年には2008年比で50%の改善になると考えています。2022年時点では目標を上回る2008年比43%の改善となりました。また、ライフサイクルCO₂排出量は8,342千t-CO₂(スコープ1+2+3合計)でした。これらのGHG(Greenhouse Gas)排出量データは、毎年第三者保証を取得しており、2022年も取得済みです。
当社は、社会と連携しながら、製品ライフサイクル全体での取り組みを通じて、2050年にCO₂排出量をネットゼロとすることを目指しています。
「ライフサイクルCO₂製品1台当たりの改善指数」推移
※1 2008年を100とした場合ライフサイクルCO₂排出量の推移
※1 温室効果ガス(エネルギー系温室効果ガスであるCO₂と非エネルギー系温室効果ガスであるPFCs、HFCs、SF6、N2O、メタン、NF3)を集計対象としています。※2 原材料および加工に関わるCO₂換算係数は、2020年実績からエコリーフ環境ラベルプログラムの換算係数を使用しています(2019年実績までは、カーボンフットプリントコミュニケーションプログラムの換算係数を使用)。
※3 2021年以降のデータについてはキヤノングループの連結対象会社を集計の範囲とし、それ以前は主にISO14001統合認証の取得会社を集計の範囲としています。
(6)人的資本
人材育成の考え方
当社は、人材の成長こそ事業の強化を支える原動力と考え、積極的な人材育成を行っています。特に、当社は事業ポートフォリオの転換とこれに続く事業強化に向けて、イノベーションを創出する人材の獲得・育成を推進しています。
⦅戦略⦆
1.技術人材の育成
当社は、イノベーションを創出し続けるために、技術人材の獲得・育成を推進しています。具体的には、機械・電気・光学・材料・ソフトウエアなど専門分野ごとの教育体系を整備し、長期的な視野に立って次世代を担う技術人材を育成しています。これら5つの専門分野では、各々「技術人材育成委員会」を設置し、新入社員から技術リーダーに至るまで、階層に応じた育成に取り組んでいます。
また、2018年には研修施設「CIST(Canon Institute of Software Technology)」を設立し、これからの当社の事業戦略に必要なデジタル分野の知識を体系的に身につけることができる体制を構築しています。
2.適材適所の推進
当社は、戦略的な要員配置と従業員への積極的なキャリア形成支援を行うことで適材適所を実現し、一人ひとりが活躍できる組織体制をめざしています。
採用活動においては、専門知識や本人の志向をもとに、配属先を入社前に確約するジョブマッチング型の採用を拡大し、各事業が求める人材を最適な部署へ配置しています。入社後3年が経過した従業員に対しては、人事部門が仕事や職場との適応状況を確認する面談を行い、配属後も従業員一人ひとりが安心して能力を発揮できる環境を整えています。
また、社員の主体的なキャリア形成をサポートする仕組みとして「キャリアマッチング制度」(一般的な社内公募制度)を設けております。さらに、研修と社内公募を組み合わせた「研修型キャリアマッチング制度」を導入するなど、幅広い人材のリスキリング(職業能力の再開発・再教育)と社内転職を推進しています。
⦅指標及び目標⦆
1.ソフトウエア研修の受講者
ソフトウエア技術者の育成に向けて、2018年には研修施設CISTを設立するなど、AIやIoTに関するDX教育に注力しています。CISTでは、受講者のレベルに応じて基礎からトップクラスまでの研修を整備しており、2022年には年間のべ約6,000人がCISTでのソフトウエアに関する研修を受講しました。
2.キャリアマッチング制度による異動者数
研修型キャリアマッチング制度では、3ヵ月から6ヵ月の研修により、実務に必要な知識を習得した上で新しい部署への異動を行います。専門知識を身に着ける学び直しの機会を提供し、未経験の仕事にもチャレンジできる仕組みを構築しております。

2022年には312人が研修型を含むキャリアマッチング制度で異動しています。
多様性確保の考え方
当社は1988年に制定した共生の理念のもと、文化・習慣・言語・民族などの多様性を尊重するとともに、性別や年齢、障がいの有無などにかかわらず、公平な人材の登用や活用を積極的に推進しています。
⦅戦略⦆
当社では、ダイバーシティ推進のための全社横断組織「VIVID(Vital workforce and Value Innovation through Diversity)」で全社的な活動を推進しています。
VIVID活動方針
・ダイバーシティを重要な経営課題の一つとして位置付け、全社の推進役として新しい制度の導入や、既存の仕組みの置き換えにとどまることなく、社員の考え方や意識そのものを変える。
・向上意欲が高く、能力の高い人材が、活躍の機会を限定されたり、妨げられたりすることのないように、人事施策や職場環境を見直す。
・ロールモデルの輩出やモデル職場の拡大を促すために、ダイバーシティ推進の活動を社内外に広く伝え、浸透させる。
⦅指標及び目標⦆
女性管理職比率の向上
2012年より女性管理職候補者の育成を目的とした「女性リーダー研修」を実施しており、累計244人が同研修を受講しています。また、育児休業から復職した社員とその上司を対象とした復職セミナー、女性管理職によるメンタリングの実施などにも取り組んでおり、女性管理職の人数は2011年の58人から2022年には147人に増加しております。
当社は、2020年に女性活躍推進法に基づく行動計画として、「2025年末までに女性管理職比率をVIVID発足以前の2011年の3倍以上とする」ことを目標と定めました。
女性管理職比率は、第1 企業の概況 5 従業員の状況をご参照ください。
(7)サイバーセキュリティ
⦅ガバナンス/リスク管理⦆
当社は、情報セキュリティ担当執行役員である情報通信システム本部長を情報セキュリティの意思決定責任者と位置づけ、当社の情報通信システム本部が実務組織として、グループ全体の情報セキュリティマネジメントにおける責任を担っています。万が一、情報セキュリティに関する事件・事故が発生した場合は、情報通信システム本部に報告され、状況に応じリスクマネジメント委員会※1に報告する体制となっています。同委員会では、当社が事業遂行に際して直面し得る重大なリスクの特定(法令・企業倫理違反、財務報告の誤り、環境問題、品質問題、情報漏洩など)を含むリスクマネジメント活動の推進に関する諸施策を立案します。また、リスクマネジメント活動の年間活動方針を立案し、取締役会の承認を得て、当社各部門および各グループ会社にリスクマネジメント活動を展開しています。そして、各部門・各社によるリスクマネジメント体制の整備・運用状況を評価し、その評価結果をCEOおよび取締役会に報告しています。
※1 詳細は2 事業等のリスク(1)リスクマネジメント体制をご参照ください。
⦅戦略⦆
1.情報システムセキュリティ対策
当社は、情報セキュリティの三要素といわれる「機密性」「完全性」「可用性」※2を保持するための施策に取り組んでいます。内部からの情報漏洩対策として、最重要情報はセキュリティを強化した専用のシステムに保管し、アクセス制限や利用状況の記録を徹底しています。また、社外から自社の情報資産に安全にアクセスできる環境を構築した上で、メールのファイル添付送信やPC・記録メディアの社外持ち出しを管理しています。また、外部からのサイバー攻撃対策として、マルウェア※3などが添付された不審メールの遮断、社内ネットワークへの不正侵入監視、インターネットへの不正通信の監視を実施し、攻撃被害の拡大防止に努めています。さらに、サイバー攻撃を想定した対応訓練(NISC※4/NCA※5連携 分野横断的演習)に2017年より毎年参加し、障害対応体制の強化を図っています。
※2 機密性:許可された者だけが情報にアクセスできるようにすること
完全性:情報や処理方法が正確で、改ざんされないよう保護すること
可用性:許可された者が必要とする時に情報にアクセスできるようにすること
※3 不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウエア。コンピューターウイルス、ランサム
ウェアなど
※4 National center of Incident readiness and Strategy for Cybersecurity(内閣サイバーセキュリティセ
ンター)の略
※5 Nippon CSIRT Association(日本シーサート協議会)の略
2.生産設備のセキュリティ対策
当社は、マルウェアやサイバー攻撃によって工場の生産設備に稼働障害が発生し、生産活動に問題が生じることがないよう、生産設備のセキュリティ対策に取り組んでいます。従来、サイバー攻撃の対象は企業の業務システムやWebシステムなどの情報システムが主体でしたが、生産設備においても汎用OSの利用やIoT化が進み、情報システムと同等の情報セキュリティリスクが生じています。生産設備の運用期間は汎用OSのサポート期間よりも長期にわたり、情報システムとは別のセキュリティ対策が必要となるため、当社は、ウイルス感染などによる操業停止に陥らないよう、生産設備系ネットワークの不正通信監視を行っています。また、生産設備についてもセキュリティ監査を実施し、安全な生産環境の維持を図っています。
3.従業員の意識の向上をめざす情報セキュリティ教育
当社は、情報セキュリティの維持・向上のため、情報システムの利用者である従業員の意識向上にも注力しています。定期入社者、中途入社者ともに集合教育を通じて当社の情報セキュリティに関する施策やルールの徹底を図っています。また、毎年、全従業員を対象として、eラーニングによる情報セキュリティ研修を実施しています。2022年は当社の従業員全員の約2万5000人が受講しました。研修内容は、主なサイバー攻撃の事例を交えて、攻撃の変化やそのリスクについて学習し、また、在宅勤務時における注意点など、従業員の情報セキュリティリテラシー※6を向上させるものとなっています。また、当社ののべ6万2000人の従業員に対し、不審メールを受け取った際に適切に対処し被害を拡大させないための実践教育として標的型攻撃メール対応訓練も実施しました。特に、メールでの業務に慣れていない新入社員については、別途訓練を実施し、教育を強化しています。
※6 セキュリティ対策を実行する時に知っておくべき知識やスキル
4.情報セキュリティマネジメント体制の状況
2015年には、情報セキュリティインシデントが発生した際に、対処するための専門チームCSIRT※7(シーサート)を当社情報通信システム本部内に設置しました。同時に、日本シーサート協議会(NCA)に加盟し、他社CSIRT組織との連携強化を図っています。
※7 Computer Security Incident Response Teamの略。コンピューターセキュリティにかかる事件・事故に対処
するための組織の総称