有価証券報告書-第85期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 13:00
【資料】
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【項目】
191項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであ
ります。
(1)企業理念
0102010_001.png存在意義「人と技術をつなぎ、未来をひらく」に込めた思い
「人」には、社員だけでなく、すべてのステークホルダーの皆様を広く包含しています。「技術」とは、これまで培ってきた独自技術を中心に、他社技術との積極的な融合により進化を続けるSCREENグループの技術全体を指しています。また、蓄積してきたノウハウも技術の一つとして捉えています。これら人と人、技術と技術、さらには人と技術を接続することで新たな価値を創造するとともに、設立以来積み重ねてきた有形・無形の財産を未来へ伝承することも「つなぐ」に込めています。「ひらく」には、社会課題の解決を通じて持続可能な未来への扉を開くことと、社会の発展へ挑み、未来への道を切り拓くという2つの意味を込めています。
さらに、創業の精神である「思考展開」は、SCREENグループ創業157年の歴史において人と技術を育み続ける礎、精神的な支えとなった言葉として、将来にわたって存在意義の重要なベースを成します。

(2)経営大綱
経営大綱は、10年後のありたい姿とSCREEN Value(企業価値)を高めるための基本指針として2014年に策定し、中期経営計画ごとに改定を行ってきました。
今回の経営大綱は、企業理念をもとに10年後のありたい姿を「Be a Solution Creator -共に歩む人たちと、世界が求める存在に-」と定め、その実現に向けマテリアリティの解決とSCREEN Value(企業価値)を高めるための方針と戦略を策定したものです。
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(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題
当社グループは「ソリューションクリエーター*」として事業を通じて社会課題を解決し、社会的価値と経済的価値を共に実現する共通価値(CSV)を創出することで、「SCREEN Value(企業価値)」をさらに高め、持続的な利益創出や株主還元などを推進してまいります。
*「ソリューションクリエーター」とは、経営大綱で定められた10年後のありたい姿として、ひたむきな探求心と柔軟な発想を持って社会課題に立ち向かい、社会の持続的な発展に寄与する技術、製品、サービスなどの「新しい価値(CSV)」を事業を通じて世界中のお客さまに提供する企業体および人を指します。
Ⅰ.中期経営計画「Value Up Further 2026」
中期経営計画「Value Up Further 2026」(2025年3月期〜2027年3月期)の概要および主な取り組みは、次のとおりであります。
1.基本コンセプト
「ソリューションクリエーターとして一人ひとりの成長と競争力の強化によりさらなるプレゼンス向上」
2.全体概要
中期経営計画「Value Up Further 2026」は、前中期経営計画「Value Up 2023」で高めた成長性と収益性を維持しつつ、将来を見据えた成長投資を強化する「長期の成長を支える経営基盤を構築する3年間」と位置付け、「事業成長戦略」、「経営基盤強化戦略」、「共通戦略*」の実行により、「SCREEN Value」のさらなる向上を目指してまいります。
*共通戦略:事業成長・経営基盤強化を包含する戦略
基本戦略
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基本戦略に基づく具体的な取り組みは以下のとおりです。
① 事業成長戦略の主な取り組み
・ポートフォリオ戦略においては、成長性とROICの2軸にて各事業の現在位置を見える化し、それぞれのあるべき姿に向け、オペレーションの改善に加え事業構造の強化・変革に取り組んでいます。半導体製造装置事業を中心に、事業の強化、選択と集中の観点からM&Aを検討するほか、競争力強化および資本効率の向上を目的とした組織改編を進めるなど、成長性、効率性の向上に取り組んでいます。
・事業の成長戦略について、主力の半導体製造装置事業においては、要素技術と製品開発力の強化を目指し、米国・ニューヨーク州に研究開発拠点として「ATCA(SCREEN Advanced Technology Center of America, LLC)」を設立いたしました。これにより、彦根事業所や洛西事業所内の研究開発拠点とのシナジーを最大化し、顧客との協業や研究機関、取引先とのコラボレーションを推進してまいります。
・新規事業の創出や既存事業の強化につながるソリューションの創出を目指し、イノベーションマネジメントに取り組んでいます。中でも、注力領域と位置付けているアドバンスドパッケージ分野では、2025年9月にウエハー接合技術に関する研究開発事業を譲受いたしました。2026年4月には、アドバンスドパッケージ事業室をディスプレー製造装置および成膜装置事業(FT)に機能移管し、開発・製造・販売・サービスを一体化した製販体制の整備を進めています。
・知的財産に関する戦略的な議論をグループ横断的に行う知財戦略委員会を設置し、知財・無形資産の維持・強化に取り組んでいます。
② 経営基盤強化戦略の主な取り組み
・人財戦略においては、組織の活性化と個の成長を掲げ、経営戦略、事業戦略とリンクした人財ポートフォリオの充足に取り組むとともに、従業員エンゲージメントの向上を図っています。
・財務戦略においては、自己資本比率とROICの向上の両立に取り組む中、着実な利益の積み上げにより、自己資本比率が67.4%に改善しました。また、収益性の改善やキャッシュ・フロー創出力の持続的な向上等が評価され、株式会社日本格付研究所の「長期発行体格付」はA+(見通し:安定的)を維持しております。
・情報戦略(IT)に基づき、DX推進や情報セキュリティマネジメントシステムの強化に取り組んでいます。情報セキュリティについては、2025年度にSEMI*から業界標準として公開されたSSCA(Standardized Semiconductor Cybersecurity Assessment)に準拠してまいります。
*SEMI:Semiconductor Equipment and Materials Internationalの略で半導体・電子機器製造産業のための国際的な業界団体のこと。
・ファシリティ戦略においては、次期中期経営計画における成長を支えるため、半導体製造装置事業の生産能力拡大と拠点機能の最適化など、中長期的な視点で効率的、機動的に取り組んでいます。併せて、将来の事業拡大を見据え、滋賀県野洲市における用地取得を戦略的に進め、地域社会との共存・共栄、各拠点とのシナジー創出、R&D機能の強化など成長投資を実行していきます。
③ 共通戦略の主な取り組み
・共通戦略におけるサステナビリティ戦略については、次項目の「Ⅱ.サステナブル経営の推進」をご覧ください。
3.財務/非財務目標
① 財務目標 ※下記4項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提としております。
Value Up Further 2026 目標
(2025年3月期〜2027年3月期)
2025年3月期2026年3月期
売上高累計 1.8兆円以上6,252億円6,057億円
営業利益率通算 19%以上21.7%20.2%
ROIC最終年度 15%以上24.7%20.0%
株主還元方針連結配当性向 30%以上30.1%30.1%

② 非財務目標
Value Up Further 2026 目標
(2025年3月期〜2027年3月期)
2025年3月期2026年3月期
従業員エンゲージメントスコアの向上*1好意的回答率 70%以上65%74%
事業活動によるGHG排出(Scope1&2)70%以上削減56.6%70.1%(速報値)*2
※2019年3月期比(排出総量)
販売製品によるGHG排出(Scope3)48%以上削減55.7%59.3%(速報値)*2
※2019年3月期比
(売上総利益原単位)

*1 「企業が目指す姿や方向性を、従業員が理解・共感し、その達成に向けて自発的に貢献しようという意識」についての従業員
サーベイ。調査結果のうち、5段階中上位2項目を好意的回答としております。
*2 外部専門機関による第三者保証の手続を実施中のため、速報値として記載しております。
Ⅱ.サステナブル経営の推進
0102010_004.png当社グループは、事業を通じて社会課題を解決し、社会的価値と経済的価値を共に実現する新しい価値(CSV)の創出によって「SCREEN Value」をさらに高め、持続的な成長を実現するサステナブル経営を推進しています。
具体的には、環境・社会・ガバナンスの課題解決に向けた取り組みを「Sustainable Value 2026」として策定し、バリューチェーン全体でグローバルに展開することで、多様なステークホルダーの期待と信頼に応え、社会の持続的発展に貢献します。
E(環境)
・GHG排出削減計画(Scope1・2、3)において、中期経営計画「Value Up Further 2026」の中間目標を達成
・TCFD文書を年次更新/Scope1・2脱炭素ロードマップを「移行計画」として再定義
当社グループの環境の取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。(https://www.screen.co.jp/sustainability/environment)
S(社会)
・学校法人立命館と連携・協力に関する協定を締結
・健康経営優良法人(ホワイト500)に4年連続で認定、健康経営銘柄に3年連続で選定
・障がい者の雇用機会拡大に向けた取り組みを推進
当社グループの社会の取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。(https://www.screen.co.jp/sustainability/social)
G(企業統治)
・当社グループのCSR憲章に対応する9つの個別方針を開示
・「知財・無形資産ガバナンス表彰」特別賞を初受賞
当社グループのガバナンスの取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。(https://www.screen.co.jp/sustainability/governance)
<主なトピックス>健康経営
代表取締役 取締役社長が健康経営の最高責任者となり、従業員と職場両面から心身の健康づくりを推進することで、業務パフォーマンスを向上させることに取り組んでいます。
・優良な健康経営を実践している法人として「健康経営優良法人 ~ホワイト500~」に
2023年度より4年連続で認定
・ホワイト500に認定されている東京証券取引所上場企業の中から、
特に優れた取り組みを実践している企業として、「健康経営銘柄」に3年連続で選定
※令和7年度健康経営度調査に回答した上場企業(1,317社)のうち、「健康経営銘柄」に
選定されている企業は44社
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当社グループの健康への取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。(https://www.screen.co.jp/sustainability/social/wellness)
社会貢献活動
国、地域、大学・教育機関と連携し、社会に貢献するさまざまな活動を行っています。
・天才アートKYOTO(NPO法人 障碍者芸術推進研究機構)と2022年に協定を締結
事業所における所属作家の作品展示を着実に拡大
・滋賀県で44年ぶりに開催された「第79回国民スポーツ大会」に協賛
開会式では、当社グループの従業員がボランティアとして受付および会場内のルール監視を実施
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当社グループ会社事業所の入口に 開会式で選手が入場行進する様子
展示されている様子
当社グループの社会貢献活動の取り組みの詳細は、ウェブサイトを参照ください。
(https://www.screen.co.jp/sustainability/social/initiative)
(4)セグメント別の取り組み
中期経営計画「Value Up Further 2026」(2025年3月期~2027年3月期)の目標達成に向けた、セグメント別の取り組みは次のとおりです。
(半導体製造装置事業:SPE)
①セグメント戦略
・洗浄装置マーケットシェアの向上
・生産キャパシティの拡大
・事業基盤の強化
②3カ年累計目標と実績
売上高1兆5,000億円以上
営業利益率23~25%
1年目実績売上:5,195億円、営業利益率:26.4%
2年目実績売上:4,859億円、営業利益率:25.2%

(注)上記項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提
事業環境としては、2025年の半導体前工程製造装置市場(WFE)は、AI活用の急速な拡大に伴うデータセンター向け高性能半導体需要の高まりによって堅調な成長を見せました。2026年もAI向け半導体への設備投資は継続し、大手ファウンドリーやメモリーメーカーの先端向け投資を中心に、WFEは更に大きな成長が見込まれます。中国においても、自国内でのAI半導体生産を目指した比較的先端向けの投資が継続する見込みです。
このような事業環境の中、生産効率の改善を図りながら増産体制構築を推進し、大きく成長するWFE投資を確実に取り込む体制を構築します。また、米国に設立した研究開発拠点 ATCA(SCREEN Advanced Technology Center of America, LLC)によって開発力を高めさらに競争力を上げていくとともに、基幹システムの刷新を軸にDX化を推進し、将来の更なる成長に向けた体制・基盤の強化を進めています。
(グラフィックアーツ機器事業:GA)
①セグメント戦略
・POD装置販売の拡大
・リカーリングビジネスの拡大
・パッケージ印刷ビジネスの確立
②3カ年累計目標と実績
売上高1,500億円以上
営業利益率6~9%
1年目実績売上:530億円、営業利益率:8.1%
2年目実績売上:574億円、営業利益率:6.3%

(注)上記項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提
事業環境としては、環境負荷低減や社会的価値向上への意識の高まり、デジタル化による変容(DX・スマートファクトリー化)の必要性が高まる中で、従来の刷版を前提とした大量印刷から代わり、POD装置の新機種売上が好調に推移しました。一方、利益については、米国の関税政策による影響を受け、業績は増収減益となりました。
今後もPODを中核事業と置き、商業印刷およびパッケージ印刷へリソースの集中を図り、装置の販売拡大に取り組むとともに、インク販売を中心とするリカーリングビジネスの一層の拡大により、安定的な売上、利益を生み出してまいります。
(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)
①セグメント戦略
・ディスプレービジネスの収益性向上
・“塗工”技術強化と応用分野拡大
・製品製造の受託事業の拡大
②3カ年累計目標と実績
売上高1,000億円以上
営業利益率3~5%
1年目実績売上:358億円、営業利益率:8.5%
2年目実績売上:447億円、営業利益率:19.2%

(注)上記項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提
事業環境としては、中国における家電製品買い替え補助金政策などを背景に、OLEDだけでなくLCDディスプレーへの需要が増加し、それに伴い中国を中心としたディスプレーメーカーの設備投資も活況でした。
このような環境の中、売価改善や原価管理活動も奏功し、前期比で大きな増収増益となりました。
今後は、パネルレベル関連のアドバンスドパッケージ事業機能をセグメント内に組み入れ、製品ポートフォリオを拡充し、更にビジネスエリアを広げていきます。
(プリント基板関連機器事業:PE)
①セグメント戦略
・直接描画露光装置の業界プレゼンス向上
・直接描画アプリケーションの拡大探索
②3カ年累計目標と実績
売上高500億円以上
営業利益率12~15%
1年目実績売上:141億円、営業利益率:7.5%
2年目実績売上:145億円、営業利益率:2.6%

(注)上記項目の数値目標はオーガニック・グロースを前提
事業環境としては、プリント基板機器関連の投資の停滞が継続していましたが、2026年3月期の終盤より、韓国、中国でのパッケージ向け投資が回復しました。
このような環境の中、売上が増加したものの、固定費の増加などにより、増収減益の結果となりました。今後につきましても、ミドル、ハイエンド向け直接描画露光機製品群の量産フェーズへの移行や安定稼働を確実に進め、堅調なポストセールス売上を維持しつつ、投資回復を受けた売上拡大を進めてまいります。
上記における将来数値は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績などは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

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