有価証券報告書-第56期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、1965年の創業以来「かけがえのない生命のために」という創業精神の下、「医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にします」という企業理念を実現するため、医療現場の課題を的確に捉え、その解決に真に役立つ価値の創造と提供に努めております。こうした企業活動を通じて、株式会社として適正かつ効率的な運営を図り、健全な利益を確保して企業価値を高め、株主・患者さん・医療従事者・取引先・地域住民等すべてのステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現することを当社グループの経営方針としております。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響により外来患者の受診控え、不急の手術・処置の延期等が生じたため、当社で扱う医療機器の需要は感染対策関連機器等を除き総じて減少しております。今後ワクチン接種など新型コロナへの対応が進むにつれ、その需要は徐々に回復することが見込まれます。中長期的な医療機器の需要は、海外においては、欧米での安定成長に加えて、中国を含む新興国において経済成長に伴う医療インフラの整備を背景に成長が見込まれております。国内においては、医療施設の統合によって設備投資が減少し一部の医療機器の需要は成長鈍化するものの、引き続き高齢化が進展する中で高機能治療機器やデジタルヘルスへの対応が求められており、これに応える医療機器の需要が伸びると予想されます。
(3)中期経営戦略
当社グループは、2030年のありたい姿として、「未来の医療を先取りした新たな価値の創造を実現し、世界の人々の健康とQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の一層の向上を支える企業になる」ことを定めた長期ビジョンの実現に向けて、中期経営計画《GAIN-RG 2023》では次の通り基本方針と取り組みを定め、対応を進めております。
基本方針
1.顧客起点の深化
医療現場と密接した顧客起点の事業運営を深化させ、顧客も自覚していない潜在ニーズを突き止め、共に課題解決することで、新たな成長を実現する。
2.収益向上への変革
グループ経営を支える人材、組織、制度、体制等あらゆる観点から役割の見直しと強化を図り、安定的かつ持続的に収益が得られる企業体質への変革を推進する。
取り組み
基本方針のもと、5つの取り組み「事業ポートフォリオの最適化」、「グローバル体制の強化」、「次世代事業の創出」、「グループ経営基盤の強化」、「持続可能な社会の実現」を進めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの事業活動としましては、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域の4つの領域を中心に事業を展開し、製品の開発、生産、販売を進めております。
翌連結会計年度も引き続き新型コロナの感染拡大の影響を受けることが想定されます。新型コロナの一日も早い収束につながるよう、当社グループで開発したワクチン接種用シリンジの供給体制を整え、効果的・効率的なワクチン接種に貢献してまいります。
また、(2)の経営環境を踏まえ、(1)及び(3)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は領域別に次のとおりであります。
(輸液・栄養領域)
医療安全、低侵襲に対するニーズは引き続き高まり、また、診療報酬改定に伴う材料費の削減要求は更に加速してまいります。そのため、輸液領域では、院内感染制御、注入制御、医療事故対策の課題を解決する製品として新たに開発上市した輸液ポンプを含むトータルシステムでの価値を提供することで、栄養領域では、栄養管理からリハビリ・回復までの栄養療法のトータルコーディネーターとなることで、医療現場での揺るぎない信頼を確立してまいります。また、国内主力製品のグローバル展開を積極的に推進することにより、当社グループにおける主要事業として収益拡大を進めてまいります。
(透析領域)
地域の包括的な支援・サービスの提供体制が推進され、在宅医療へのシフトが進んでまいります。そのため、透析領域では、日本国内において患者さんのQOLを支える安心、安全かつ高度な透析医療を提供する企業を目指し、各種装置から情報システム、消耗品、腹膜透析液等を取り揃え、血液透析、腹膜透析の選択療法の啓発、普及を推進しております。海外においては、日本の優れた透析医療を中国に普及させるとともに、慢性腎臓病が増加しているアジア諸国へ販売を拡大してまいります。
(外科治療領域)
診療報酬の連続引き下げ等により、機能別・診療特化の病院再編が進む中、外科治療領域では、自社開発から製造、販売による高い信頼性の強みを活かした独自の製品及びサービスに、アライアンスにより強化した製品ポートフォリオを加えたトータルシステムで、安心、安全の提供ができるよう、人々の健康寿命に貢献すべく、顧客ニーズの実現への対応を進めてまいります。
(血液・細胞領域)
安定した品質が引き続き求められる中、血液領域では、高品質な製品の製造と販売を通じ、全血献血と成分献血の両分野において「採血から輸血まで」の各プロセスで欠くことのできないメーカーになることを、細胞領域では、血液や細胞の「採取から投与まで」に必要とされるデバイスを開発し、細胞・再生事業におけるイノベーションマネジメント企業になることを目指して活動を進めてまいります。
(5)目標とする経営指標
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益であり、中期経営計画の最終期となる2023年3月期の目標値は売上高640億円、営業利益26億円であります。当該指標の各数値については、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
当社グループは、1965年の創業以来「かけがえのない生命のために」という創業精神の下、「医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にします」という企業理念を実現するため、医療現場の課題を的確に捉え、その解決に真に役立つ価値の創造と提供に努めております。こうした企業活動を通じて、株式会社として適正かつ効率的な運営を図り、健全な利益を確保して企業価値を高め、株主・患者さん・医療従事者・取引先・地域住民等すべてのステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現することを当社グループの経営方針としております。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響により外来患者の受診控え、不急の手術・処置の延期等が生じたため、当社で扱う医療機器の需要は感染対策関連機器等を除き総じて減少しております。今後ワクチン接種など新型コロナへの対応が進むにつれ、その需要は徐々に回復することが見込まれます。中長期的な医療機器の需要は、海外においては、欧米での安定成長に加えて、中国を含む新興国において経済成長に伴う医療インフラの整備を背景に成長が見込まれております。国内においては、医療施設の統合によって設備投資が減少し一部の医療機器の需要は成長鈍化するものの、引き続き高齢化が進展する中で高機能治療機器やデジタルヘルスへの対応が求められており、これに応える医療機器の需要が伸びると予想されます。
(3)中期経営戦略
当社グループは、2030年のありたい姿として、「未来の医療を先取りした新たな価値の創造を実現し、世界の人々の健康とQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の一層の向上を支える企業になる」ことを定めた長期ビジョンの実現に向けて、中期経営計画《GAIN-RG 2023》では次の通り基本方針と取り組みを定め、対応を進めております。
基本方針
1.顧客起点の深化
医療現場と密接した顧客起点の事業運営を深化させ、顧客も自覚していない潜在ニーズを突き止め、共に課題解決することで、新たな成長を実現する。
2.収益向上への変革
グループ経営を支える人材、組織、制度、体制等あらゆる観点から役割の見直しと強化を図り、安定的かつ持続的に収益が得られる企業体質への変革を推進する。
取り組み
基本方針のもと、5つの取り組み「事業ポートフォリオの最適化」、「グローバル体制の強化」、「次世代事業の創出」、「グループ経営基盤の強化」、「持続可能な社会の実現」を進めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの事業活動としましては、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域の4つの領域を中心に事業を展開し、製品の開発、生産、販売を進めております。
翌連結会計年度も引き続き新型コロナの感染拡大の影響を受けることが想定されます。新型コロナの一日も早い収束につながるよう、当社グループで開発したワクチン接種用シリンジの供給体制を整え、効果的・効率的なワクチン接種に貢献してまいります。
また、(2)の経営環境を踏まえ、(1)及び(3)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は領域別に次のとおりであります。
(輸液・栄養領域)
医療安全、低侵襲に対するニーズは引き続き高まり、また、診療報酬改定に伴う材料費の削減要求は更に加速してまいります。そのため、輸液領域では、院内感染制御、注入制御、医療事故対策の課題を解決する製品として新たに開発上市した輸液ポンプを含むトータルシステムでの価値を提供することで、栄養領域では、栄養管理からリハビリ・回復までの栄養療法のトータルコーディネーターとなることで、医療現場での揺るぎない信頼を確立してまいります。また、国内主力製品のグローバル展開を積極的に推進することにより、当社グループにおける主要事業として収益拡大を進めてまいります。
(透析領域)
地域の包括的な支援・サービスの提供体制が推進され、在宅医療へのシフトが進んでまいります。そのため、透析領域では、日本国内において患者さんのQOLを支える安心、安全かつ高度な透析医療を提供する企業を目指し、各種装置から情報システム、消耗品、腹膜透析液等を取り揃え、血液透析、腹膜透析の選択療法の啓発、普及を推進しております。海外においては、日本の優れた透析医療を中国に普及させるとともに、慢性腎臓病が増加しているアジア諸国へ販売を拡大してまいります。
(外科治療領域)
診療報酬の連続引き下げ等により、機能別・診療特化の病院再編が進む中、外科治療領域では、自社開発から製造、販売による高い信頼性の強みを活かした独自の製品及びサービスに、アライアンスにより強化した製品ポートフォリオを加えたトータルシステムで、安心、安全の提供ができるよう、人々の健康寿命に貢献すべく、顧客ニーズの実現への対応を進めてまいります。
(血液・細胞領域)
安定した品質が引き続き求められる中、血液領域では、高品質な製品の製造と販売を通じ、全血献血と成分献血の両分野において「採血から輸血まで」の各プロセスで欠くことのできないメーカーになることを、細胞領域では、血液や細胞の「採取から投与まで」に必要とされるデバイスを開発し、細胞・再生事業におけるイノベーションマネジメント企業になることを目指して活動を進めてまいります。
(5)目標とする経営指標
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益であり、中期経営計画の最終期となる2023年3月期の目標値は売上高640億円、営業利益26億円であります。当該指標の各数値については、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。