有価証券報告書-第30期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 13:22
【資料】
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【項目】
73項目

業績等の概要

(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな景気回復を維持しました。一方、個人消費や設備投資については依然として力強さを欠くなど、楽観の出来ない状況が続いております。
また、海外経済についても、新興国・資源国経済の減速傾向に加え、英国のEU離脱をめぐる動きや、米国の新政権の政策運営をめぐる不透明感など、予断を許さない状態で推移しました。
医療機器業界では、平成28年4月の診療報酬改定時に「地域包括ケアシステムの推進」の方針とともに、医療の提供において地域が果たす役割の拡大や、質の高い在宅医療のための支援体制の強化など、医療のあり方を大きく変える施策が打ち出される中で、医療機器メーカー各社はこれらの変化に対応した市場戦略が求められております。
このような経営環境の中で、当社では、採血管準備装置の主力機種であるBC・ROBO-8000RFIDの更新需要を確実に補足しつつ、リモートメンテナンス機能を強化した検体検査装置の新製品GASTAT-700Modelシリーズの販売を開始するなど、医療現場の多様なニーズに応える製品ラインナップを揃えて、販売の拡大に努めてまいりました。
しかしながら、当社の主力製品である採血管準備装置の更新案件が前期比において減少した影響で、国内市場における売上高は、7,564,707千円(前期比8.1%減少)となりました。一方、海外市場における売上高は、採血管準備装置・検体検査装置ともにアジア市場における販売が伸長したことにより、892,531千円(前期比11.7%増加)となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は8,457,238千円(前期比6.4%減少)となりました。なお、総売上高に対する海外売上高の占める割合は、前期比1.8ポイント増加し10.6%となりました。
当事業年度の売上総利益は4,119,698千円(前期比2.7%増加)となりました。前期には、長期在庫の簿価切下げによる売上原価の増加があったため、売上総利益は前期比で増加となりました。
販売費及び一般管理費は、リモートメンテナンス機能を強化した新型の採血管準備装置、血液ガス分析装置の開発による研究開発費の増加等により、2,701,014千円(前期比14.0%増加)となり、営業利益は1,418,683千円(前期比13.5%減少)、経常利益は1,396,309千円(前期比15.1%減少)、当期純利益は、不適切な会計処理に係る第三者委員会の調査費用および過年度決算の訂正に伴う諸費用等による特別損失を計上したことにより458,128千円(前期比61.7%減少)となりました。
なお、当社は医療機器及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる事業とする単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すため品目別に業績を記載いたします。
<採血管準備装置>当事業年度における採血管準備装置の売上高は3,622,767千円(前期比8.2%減少)となりました。
海外市場における売上高は、東アジア地域を中心にアジア市場での販売が好調に推移し、425,920千円(前期比2.8%増加)となった一方、国内市場においては、前期比において更新案件数が減少したことにより3,196,846千円(前期比9.5%減少)となりました。
<検体検査装置>当事業年度における検体検査装置の売上高は534,737千円(前期比1.7%減少)となりました。
国内市場においては、血液ガス分析装置のモデルチェンジの時期が当初の予定より遅れた影響等により、407,179千円(前期比11.4%減少)となりましたが、海外市場においては、採血管準備装置と同様、アジア市場での好調な販売により、127,557千円(前期比50.4%増加)となりました。
<消耗品等>当事業年度における消耗品等の売上高は4,299,734千円(前期比0.2%増加)となりました。
国内市場における売上高は、前期比において微減となる3,960,681千円(前期比0.8%減少)であった一方、海外市場における売上高は、装置の累計販売台数の増加に伴って、339,052千円(前期比12.9%増加)となりました。
<その他>当事業年度において、「その他」に分類される売上高はありませんでした。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、6,150,678千円(前期比159,118千円増加)となりました。
なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、営業活動により得られた資金は695,462千円(前期比380,012千円減少)となりました。
これは主に、税引前当期純利益が607,351千円、売上債権の減少額が509,190千円、たな卸資産の減少額が522,415千円になった一方、仕入債務の減少額868,868千円、法人税等の支払額310,116千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、投資活動により支出した資金は165,969千円(前期比83,504千円増加)となりました。
これは主に、固定資産の取得による支出45,898千円があったほか、定期預金の預入による支出120,335千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、財務活動により支出した資金は370,374千円(前期比323,512千円減少)となりました。
これは主に、配当金の支払額370,071千円があったことによるものであります。