有価証券報告書-第31期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 12:45
【資料】
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【項目】
74項目

業績等の概要

(1) 業績
当事業年度におけるわが国経済は、平成28年の年明け、円高と株価の下落で始まりました。これは中国経済の減速、原油価格の下落、米国の金利引上げと米国経済の動向によるものでした。
その後、日本においてはマイナス金利政策の実施、中国では追加金融緩和として預金準備率の引き下げ、米国では利上げペースの減速の示唆、欧州においてはさらなるマイナス金利の利下げが行われ、世界の中央銀行が金融政策を実施するたびに為替と株価が変動し、金融業界を不安にしております。
日本経済の基調は、「弱さもみられるが緩やかな回復基調が続いている」に下方修正され、世界経済は前述のとおり金融資本の変動、中国をはじめとする新興国や資源国の景気に留意する状況下にあります。
半導体業界の成長におきましては、パソコンやスマートフォン(スマホ)需要の伸び悩みがあり、半導体製造装置の世界市場全体では横ばいで推移すると予測されている一方、3D-NANDフラッシュ・メモリのような新たな生産方式に関わる半導体製造装置や、最先端の10ナノメートル台における半導体設備の投資は活発で、計測・検査装置は“歩留まりの向上”になくてはならない設備であるため、設備投資は堅持されております。
このような状況のもと、当社におきましては受注・販売計画は予定通りに推移いたしました。当社主力製品「Zシリーズ」のマスクCD-SEM機、「LEXaシリーズ」のレビューSEM機、「ESPA-3000シリーズ」のウェハー用CD-SEM機も出荷することができました。
上記の結果、当事業年度の売上高1,506百万円(前年同期比6.2%増)となりました。損益につきましては、営業利益200百万円(前年同期比27.7%増)、経常利益187百万円(前年同期比18.5%増)となりました。減損損失として51百万円の特別損失を計上したため、当期純利益は134百万円(前年同期比49.9%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ167百万円増加し、391百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は305百万円(前事業年度は26百万円の減少)となりました。これは主に、法人税等の支払額が31百万円あった一方、税引前当期純利益が133百万円、売上債権の減少が64百万円あったことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は127百万円(前事業年度は157百万円の減少)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出が74百万円、有形固定資産の取得による支出が42百万円あったことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は7百万円(前事業年度は38百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が100百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が94百万円あったことなどによります。