有価証券報告書-第31期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 12:45
【資料】
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【項目】
74項目

研究開発活動

当社は、半導体産業及び電子ビームに関連する事業及び分野において、顧客の要望に呼応しながら、製品の性能向上と新製品の開発に努めております。
当事業年度は、前事業年度開発した鳥瞰図(英:bird's eye view)機能の改良を行いました。
今日、極端紫外線リソグラフィー(Extreme ultraviolet lithography;EUVリソグラフィー)ではEUVマスクの反射膜や吸収層上の欠陥や異物の検出が重要と考えています。前事業年度開発した鳥瞰図機能は、次世代リソグラフィーとして有力なEUVリソグラフィーに用いられるEUVマスク上の、欠陥や異物の検査・観察にとても有用になります。また、近年EUVリソグラフィーではEUVマスクの反射膜の下、あるいは吸収層と反射膜の下に潜っている欠陥や異物を検査・観察を行いたいという要望が強くなりました。これは両方の欠陥や異物が、ウエハーに露光した際に位相欠陥になってしまうためです。当事業年度は、反射膜や、吸収層と反射膜に潜り込んでいる欠陥に着目した鳥瞰図機能の改良に着手しました。
ナノインプリントリソグラフィー(Nano imprint Lithography;NIL)用モールド向けの、NILナノパターンの観察測定ができるCD-SEMの開発は、NEDOのイノベーション実用化ベンチャー支援事業に係る助成事業に前事業年度、採択されました。当社では、設置環境から発生する外乱(床振動、磁場変動等)の影響を極力少なくするために、ステージ位置精度の向上に注力しました。これは外乱や熱によって発生した位置ずれ(エラー)をレーザー制御系で読み取り、それを同時にSEMのスキャンに同期させることで、エラーを排除できます。これにより、正確な測長点に直接移動できるので、MAM time(1点あたりの測長時間)の短縮に寄与します。
上記のとおり、今後も基礎として次世代への商品開発と顧客指向を満足させる開発とを継続して行きたいと考えております。
当事業年度の研究開発スタッフは5名、研究開発費は21,847千円となっております。