有価証券報告書-第75期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、政府が推進する各種政策や経済対策の効果等による雇用・所得環境の改
善から、個人消費は総じてみると持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方で、英国のEU離脱問題による欧州経済の動揺や中国を始めとするアジア新興国等の景気の下振れに加え、米国新政権
発足による経済政策の変更等により、世界経済における不透明感が強まる等、海外経済変動の影響に留意すること
が必要となっております。
このような経済環境の下で当社グループは、メーカーの原点である「技術と品質」「スピードと革新性」に加
え、マーケットインの視点を大切にした真摯な「ものづくり」に取り組むことによりお客様と会社の繁栄を実現す
るとの経営理念のもと、「イノベーションの創生」を本年度のメインスローガンに掲げ、様々な経営課題に臨んで
まいりました。それはすなわち、当社グループを取り巻く市場や自らが有する経営資源を改めて精査し、経営資源
の効率的かつ有効な活用による低コストと高品質を兼ね備えた製品の提供により、お客様との深く良質な関係性を
維持強化するとともに、迅速な意思決定による柔軟かつ機動的な事業展開が可能な組織体制を武器として、電子機
器及びスポーツ用品事業に続く第三の柱となるべき事業の確立を含めた以下のような諸施策の展開であり、当社グ
ループは、これにグループ一丸となって粘り強く取り組んでまいりました。
(電子機器事業・新規事業)
①顧客のニーズに合致したコスト競争力のある高品質な製品の提案により、OEM先顧客との信頼関係の維持強化を図りながらも、一方で電子機器事業における自社ブランド新製品である高性能液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズの市場投入や、その他新製品の本格的市場展開に向けた取り組みを着実に進めてまいりました。
②平成28年9月以降、電子機器の製造物流等の中核機能並びに子会社エフ・エス㈱の一部機能及び拠点を、埼玉県飯能市に設けた新たな事業所に移転・集約することで、一層のコスト削減並びに製品品質及び業務効率の更なる向上を進めております。
③電子機器製品製造におけるコアコンピタンスである卓越した品質と短納期・ローコストの両立を維持強化すべ
く、品質管理体制強化と製造コスト削減に係るプロジェクトの推進による製造原価低減及びグループ横断的な固定経費削減に向けたコンサルティングの導入等、利益率向上に向けた諸施策を貪欲に推進してまいりました。
④自律走行システム「I-GINS」は、主戦場であるゴルフ場に浸透するためのフィールドテストを始めとした諸施策及びその開発へのフィードバック等に粘り強く取り組んだことで、試験販売用として特定顧客のゴルフ場への導入を実現いたしました。また、「I-GINS」技術の転用による多用途展開に向けた提携先との関係構築にも取り組んでまいりました。一方、ICカード関連機器については、マイナンバーカードを含めた各種ICカード規格に対応可能な非接触ICカードリーダ/ライタのターゲットとなる市場の拡大が引き続き見込まれるなか、石油元売業界においてハイテクタンクローリー用制御機器に組込型ICカードリーダ/ライタを導入するとともに、出荷情報登録システムに接続する卓上型ICカードリーダ/ライタの油槽所への設置を推進いたしました。また、大手携帯電話会社向けSIMカードリーダ/ライタの導入も進めております。
⑤新規事業として、消滅化方式生ごみ処理装置の製造・販売活動を開始し、今後同製品のOEM供給先であるシーエヌシー株式会社との連携を一層深め、多角的な販売戦略及び医療法人・大型商業施設等の多様な販路開拓による市場シェアの拡大に取り組んでまいります。
(スポーツ事業)
①総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコ㈱は、製造コスト上昇を踏まえた製品改廃の促進やコスト削減自体の徹底等による利益体質の構築を進めつつ、キャスコブランドゴルフ用品の積極的かつ多様なプロモーション活動の推進等によるブランドシェア拡大、そしてキャスコ独自の魅力的かつ独創的な新製品の企画・開発の推進等の諸施策に粘り強く取り組んでまいりました。
②カーボンシャフト事業におきましては、製造工場の所在地であるバングラデシュにおける人件費上昇及び工場環境の改善等に係るコスト増大が不可避である中で、現地の不安定な治安及び社会の情勢に柔軟に対応しつつ、高いコスト競争力及び品質を有する製品の安定的供給による新たなOEM供給先顧客の獲得及び既存顧客との信頼関係の維持強化に向けた取り組みを実施してまいりました。またUSTMamiyaにおきましては、世界で戦うツアープロ達に支持される「Quality(品質)」「Performance(性能)」「Feel(感性)」を兼ね備えた新シャフトの企画、開発等の推進、USTMamiyaブランドの認知度向上による市場シェア拡大等の諸施策に貪欲に取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、149億73百万円(前期比17.0%減)、営業利益は8億72
百万円(前期比31.5%減)、経常利益は8億97百万円(前期比30.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5
億16百万円(前期比4.9%減)となりました。
(電子機器事業セグメント)
①遊技関連製品について
当連結会計年度における遊技関連市場は、全日遊連が行った各都府県方面遊協の組合員数調査によると、平成28
年11月末時点で全国の遊技場の営業店舗数が1万店の大台を割り込み、同年末に一時回復の兆しが見られたもの
の、年明けの平成29年1月末には再度1万店を割り込みました。また年間を通じてパチスロ機の台数は増加傾向で
推移しているものの、パチンコ機の台数は大幅な減少が見られるなど遊技業界を取り巻く事業環境は依然として厳
しい状況となっております(警察庁生活安全局保安課発表「平成28年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取
締り状況等について」)。
このような状況の下で遊技関連事業は、伊勢・志摩サミットの開催や、「遊技くぎ問題」に端を発する「検定機
と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の大規模な回収・撤去が平成28年12月末までに3度に渡って行われ
たことで、パチンコホールにおいて先行きの不透明感から遊技機の入替を優先し、周辺機器の新規設備投資を先送
りする動きが見られた結果、当社の主力であるOEM製品の販売が通期に渡り低迷しました。また、当社の子会社で
ある、エフ・エス㈱のパチンコ関連機器の保守メンテナンス業務につきましても、遊技場事業者数の減少等による
OEM先顧客との契約内容の変更に伴い、収入が減少しました。
②小型券売機「Operal」シリーズについて
平成29年2月に、メニューの多言語表示が可能で、小型でありながら電子マネー・高額紙幣にも対応可能な高性
能液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズを市場投入し、販売チャネルの拡大及びグループ一体
となった積極的な販売を推進してまいりました。このVMT-600は、子会社エフ・エス㈱とメーカーである当社の各
部門との連携強化がもたらす新たな視点による、臨機応変で柔軟なマーケティング展開が奏功し、最適なコストパ
フォーマンスを重視する顧客層からの引き合いもあって、発売開始以降順調に販売台数を伸ばしており、平成30年
3月期の一層の拡販に向けて幸先の良いスタートを切ることが出来ました。
③拠点集約等による業務効率向上及びコスト削減への取り組みについて
飯能事業所への拠点集約に伴い、移転に係る初期費用こそ発生したものの、自社所有の工場及び倉庫を構えるこ
とにより、工場・倉庫賃料及び寄託・荷役料等のコスト削減において徐々にその成果が現れており、さらに子会社
エフ・エス㈱の機能及び拠点の一部を集約することによる、事務所賃料の削減等によるグループ横断的な固定経費
削減も進めてまいりました。また、前連結会計年度より取り組んでまいりました「仕組み改善・品質保証プロジェ
クト」について、仕組み改善分野では人件費の削減及び業務効率の改善等、品質保証プロジェクト分野では製造工
程内の不良率低減等によるコスト削減に、一定の成果を上げることが出来ました。
このように新製品である液晶小型券売機VMT-600の販売促進及びグループ横断的なコスト削減への取り組み並び
に堅調であった電子部品販売等により一定の業績は維持したものの、遊技関連事業における伊勢・志摩サミットの
開催に伴う遊技機の入替自粛や「遊技くぎ問題」の影響等による新規パチンコ周辺機器の設備投資先送り等を要因
とする販売低迷による大幅な売上減少を補うまでには至らず、売上及び利益がともに大幅に減少いたしました。
この結果、電子機器事業セグメントの売上高は88億37百万円(前期比22.3%減)、営業利益は9億35百万円(前
期比34.9%減)となりました。
(スポーツ事業セグメント)
①キャスコ事業
当連結会計年度におけるゴルフ関連市場は、国内のゴルフ場来場者数及びゴルフ場収益は前年同期と比較して概
ね横ばいで推移しておりますが、少子高齢化の進展等により60歳以上の世代が国内のゴルフ人口の4割強を占める
等の要因によりゴルフ対象年齢層の人口減少及びこれに伴う市場規模の縮小が続いております(日本生産性本部発
表「レジャー白書2016」)。
このような状況の下でキャスコ㈱の国内販売においては、独自開発した3Dスキャナを利用したジャストサイズ
グローブを提供するグローブ測定器フェア、ゴルフボールを購入したお客様に向けたオウンネームフェア、そして
キャスコブランドクラブの試打会を全国各地で開催する等の積極的なプロモーション活動を実施してまいりまし
た。その結果、ゴルフボール「KIRA LINE(キラライン)」の販売が前連結会計年度から引き続き好調に推移した
こと、突発的な降雨にも対応可能なレインウェア等の販売が好調であったこと、そして平成29年2月に販売を開始
した、公式仕様適合外ながらも異次元の飛距離を実現出来る「Zeusimpact(ゼウスインパクト)」ドライバー及び非
公認球でありながら超反発を実現した「Zeusimpact(ゼウスインパクト)」ボールが計画通り売上げに貢献したこと
で、国内販売においては堅調な業績を維持することが出来ました。
一方で、キャスコ㈱の海外事業におきましては、当連結会計年度を通じた中国国内の共産党員に対するゴルフ禁
止令やゴルフ場の閉鎖及び新規開発中止命令等、ゴルフ取締規制の強化によるゴルフ市場の縮小が、香港、台湾な
どのアジア市場に大きな影響を及ぼしていることに加え、韓国における売上げ不調の影響もあいまって、海外事業
全体で売上げが低調に推移し、依然として厳しい事業環境が続いております。
②カーボンシャフト事業
海外におけるカーボンシャフト事業については、米国市場において大手スポーツ用品店が民事再生の手続きによ
り全米で100店舗以上を閉店したことや、世界を代表する複数の大手スポーツ用品メーカーがゴルフクラブ事業か
ら相次ぎ撤退を決定する等、スポーツ用品市場の先行きに不透明感を残す結果となりました。
しかしながら、このような逆風にもかかわらず、前連結会計年度に引き続き「Recoil(リコイル)」及び
「Elements(エレメンツ)」シリーズシャフトに対する市場の関心は高く推移しており、USTMamiyaブランドの認
知度向上のため、SNSの積極的な活用や、PGAツアーでのシャフトの使用率を高めるなどの諸施策に粘り強く取り組
んでまいりました。
また、平成28年7月に起きたダッカ襲撃事件以降、USTMamiyaブランド製品の多くが製造されているバングラデ
シュ国内では、国際的テロ組織の脅威による緊迫し不安定な治安及び社会情勢が続いております。そして、バング
ラデシュ工場は、そのような情勢に臨機応変に対応し製品の安定的供給を継続してまいりましたものの、新規OEM
先顧客に対する出荷が平成30年3月期に持ち越しとなったことや、現地政府の政策による工場人件費の上昇、工場
建屋及び生産設備の不具合の改修費用増大等の影響により、依然として利益確保が厳しい状況が続いております。
このような状況から、キャスコ事業におきましては、国内外における経費削減への取り組みが奏功するととも
に、国内事業において堅調な実績を維持することができましたものの、スポーツ事業全体としては、カーボンシャ
フト事業における売上の減少及び上述の製造コスト上昇の影響等もあり、利益面では営業損失を解消するにはいた
りませんでした。
この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は59億37百万円(前期比8.3%減)、営業損失は2億6百万円(前
期は2億73百万円の営業損失)となりました。
(注)上記2セグメントの他、不動産賃貸料収入等として、売上高2億14百万円、営業利益1億43百万円がござ
います。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が8億67百万円(前期比6.4%減)と増加したことにより、前連結会計年度末に比べ68百万円増加し、当連結会計年度末には77億30百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11億47百万円(前期比36.8%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8億67百万円、減価償却費4億7百万円、売上債権の減少4億7百万円及び法人税等の支払額3億30百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は15億13百万円(前期は33百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出17億59百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は4億44百万円(前期は23億83百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出10億31百万円、配当金の支払額4億68百万円がありましたが、長期借入れによる収入21億円等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当連結会計年度における我が国経済は、政府が推進する各種政策や経済対策の効果等による雇用・所得環境の改
善から、個人消費は総じてみると持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方で、英国のEU離脱問題による欧州経済の動揺や中国を始めとするアジア新興国等の景気の下振れに加え、米国新政権
発足による経済政策の変更等により、世界経済における不透明感が強まる等、海外経済変動の影響に留意すること
が必要となっております。
このような経済環境の下で当社グループは、メーカーの原点である「技術と品質」「スピードと革新性」に加
え、マーケットインの視点を大切にした真摯な「ものづくり」に取り組むことによりお客様と会社の繁栄を実現す
るとの経営理念のもと、「イノベーションの創生」を本年度のメインスローガンに掲げ、様々な経営課題に臨んで
まいりました。それはすなわち、当社グループを取り巻く市場や自らが有する経営資源を改めて精査し、経営資源
の効率的かつ有効な活用による低コストと高品質を兼ね備えた製品の提供により、お客様との深く良質な関係性を
維持強化するとともに、迅速な意思決定による柔軟かつ機動的な事業展開が可能な組織体制を武器として、電子機
器及びスポーツ用品事業に続く第三の柱となるべき事業の確立を含めた以下のような諸施策の展開であり、当社グ
ループは、これにグループ一丸となって粘り強く取り組んでまいりました。
(電子機器事業・新規事業)
①顧客のニーズに合致したコスト競争力のある高品質な製品の提案により、OEM先顧客との信頼関係の維持強化を図りながらも、一方で電子機器事業における自社ブランド新製品である高性能液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズの市場投入や、その他新製品の本格的市場展開に向けた取り組みを着実に進めてまいりました。
②平成28年9月以降、電子機器の製造物流等の中核機能並びに子会社エフ・エス㈱の一部機能及び拠点を、埼玉県飯能市に設けた新たな事業所に移転・集約することで、一層のコスト削減並びに製品品質及び業務効率の更なる向上を進めております。
③電子機器製品製造におけるコアコンピタンスである卓越した品質と短納期・ローコストの両立を維持強化すべ
く、品質管理体制強化と製造コスト削減に係るプロジェクトの推進による製造原価低減及びグループ横断的な固定経費削減に向けたコンサルティングの導入等、利益率向上に向けた諸施策を貪欲に推進してまいりました。
④自律走行システム「I-GINS」は、主戦場であるゴルフ場に浸透するためのフィールドテストを始めとした諸施策及びその開発へのフィードバック等に粘り強く取り組んだことで、試験販売用として特定顧客のゴルフ場への導入を実現いたしました。また、「I-GINS」技術の転用による多用途展開に向けた提携先との関係構築にも取り組んでまいりました。一方、ICカード関連機器については、マイナンバーカードを含めた各種ICカード規格に対応可能な非接触ICカードリーダ/ライタのターゲットとなる市場の拡大が引き続き見込まれるなか、石油元売業界においてハイテクタンクローリー用制御機器に組込型ICカードリーダ/ライタを導入するとともに、出荷情報登録システムに接続する卓上型ICカードリーダ/ライタの油槽所への設置を推進いたしました。また、大手携帯電話会社向けSIMカードリーダ/ライタの導入も進めております。
⑤新規事業として、消滅化方式生ごみ処理装置の製造・販売活動を開始し、今後同製品のOEM供給先であるシーエヌシー株式会社との連携を一層深め、多角的な販売戦略及び医療法人・大型商業施設等の多様な販路開拓による市場シェアの拡大に取り組んでまいります。
(スポーツ事業)
①総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコ㈱は、製造コスト上昇を踏まえた製品改廃の促進やコスト削減自体の徹底等による利益体質の構築を進めつつ、キャスコブランドゴルフ用品の積極的かつ多様なプロモーション活動の推進等によるブランドシェア拡大、そしてキャスコ独自の魅力的かつ独創的な新製品の企画・開発の推進等の諸施策に粘り強く取り組んでまいりました。
②カーボンシャフト事業におきましては、製造工場の所在地であるバングラデシュにおける人件費上昇及び工場環境の改善等に係るコスト増大が不可避である中で、現地の不安定な治安及び社会の情勢に柔軟に対応しつつ、高いコスト競争力及び品質を有する製品の安定的供給による新たなOEM供給先顧客の獲得及び既存顧客との信頼関係の維持強化に向けた取り組みを実施してまいりました。またUSTMamiyaにおきましては、世界で戦うツアープロ達に支持される「Quality(品質)」「Performance(性能)」「Feel(感性)」を兼ね備えた新シャフトの企画、開発等の推進、USTMamiyaブランドの認知度向上による市場シェア拡大等の諸施策に貪欲に取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、149億73百万円(前期比17.0%減)、営業利益は8億72
百万円(前期比31.5%減)、経常利益は8億97百万円(前期比30.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5
億16百万円(前期比4.9%減)となりました。
(電子機器事業セグメント)
①遊技関連製品について
当連結会計年度における遊技関連市場は、全日遊連が行った各都府県方面遊協の組合員数調査によると、平成28
年11月末時点で全国の遊技場の営業店舗数が1万店の大台を割り込み、同年末に一時回復の兆しが見られたもの
の、年明けの平成29年1月末には再度1万店を割り込みました。また年間を通じてパチスロ機の台数は増加傾向で
推移しているものの、パチンコ機の台数は大幅な減少が見られるなど遊技業界を取り巻く事業環境は依然として厳
しい状況となっております(警察庁生活安全局保安課発表「平成28年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取
締り状況等について」)。
このような状況の下で遊技関連事業は、伊勢・志摩サミットの開催や、「遊技くぎ問題」に端を発する「検定機
と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の大規模な回収・撤去が平成28年12月末までに3度に渡って行われ
たことで、パチンコホールにおいて先行きの不透明感から遊技機の入替を優先し、周辺機器の新規設備投資を先送
りする動きが見られた結果、当社の主力であるOEM製品の販売が通期に渡り低迷しました。また、当社の子会社で
ある、エフ・エス㈱のパチンコ関連機器の保守メンテナンス業務につきましても、遊技場事業者数の減少等による
OEM先顧客との契約内容の変更に伴い、収入が減少しました。
②小型券売機「Operal」シリーズについて
平成29年2月に、メニューの多言語表示が可能で、小型でありながら電子マネー・高額紙幣にも対応可能な高性
能液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズを市場投入し、販売チャネルの拡大及びグループ一体
となった積極的な販売を推進してまいりました。このVMT-600は、子会社エフ・エス㈱とメーカーである当社の各
部門との連携強化がもたらす新たな視点による、臨機応変で柔軟なマーケティング展開が奏功し、最適なコストパ
フォーマンスを重視する顧客層からの引き合いもあって、発売開始以降順調に販売台数を伸ばしており、平成30年
3月期の一層の拡販に向けて幸先の良いスタートを切ることが出来ました。
③拠点集約等による業務効率向上及びコスト削減への取り組みについて
飯能事業所への拠点集約に伴い、移転に係る初期費用こそ発生したものの、自社所有の工場及び倉庫を構えるこ
とにより、工場・倉庫賃料及び寄託・荷役料等のコスト削減において徐々にその成果が現れており、さらに子会社
エフ・エス㈱の機能及び拠点の一部を集約することによる、事務所賃料の削減等によるグループ横断的な固定経費
削減も進めてまいりました。また、前連結会計年度より取り組んでまいりました「仕組み改善・品質保証プロジェ
クト」について、仕組み改善分野では人件費の削減及び業務効率の改善等、品質保証プロジェクト分野では製造工
程内の不良率低減等によるコスト削減に、一定の成果を上げることが出来ました。
このように新製品である液晶小型券売機VMT-600の販売促進及びグループ横断的なコスト削減への取り組み並び
に堅調であった電子部品販売等により一定の業績は維持したものの、遊技関連事業における伊勢・志摩サミットの
開催に伴う遊技機の入替自粛や「遊技くぎ問題」の影響等による新規パチンコ周辺機器の設備投資先送り等を要因
とする販売低迷による大幅な売上減少を補うまでには至らず、売上及び利益がともに大幅に減少いたしました。
この結果、電子機器事業セグメントの売上高は88億37百万円(前期比22.3%減)、営業利益は9億35百万円(前
期比34.9%減)となりました。
(スポーツ事業セグメント)
①キャスコ事業
当連結会計年度におけるゴルフ関連市場は、国内のゴルフ場来場者数及びゴルフ場収益は前年同期と比較して概
ね横ばいで推移しておりますが、少子高齢化の進展等により60歳以上の世代が国内のゴルフ人口の4割強を占める
等の要因によりゴルフ対象年齢層の人口減少及びこれに伴う市場規模の縮小が続いております(日本生産性本部発
表「レジャー白書2016」)。
このような状況の下でキャスコ㈱の国内販売においては、独自開発した3Dスキャナを利用したジャストサイズ
グローブを提供するグローブ測定器フェア、ゴルフボールを購入したお客様に向けたオウンネームフェア、そして
キャスコブランドクラブの試打会を全国各地で開催する等の積極的なプロモーション活動を実施してまいりまし
た。その結果、ゴルフボール「KIRA LINE(キラライン)」の販売が前連結会計年度から引き続き好調に推移した
こと、突発的な降雨にも対応可能なレインウェア等の販売が好調であったこと、そして平成29年2月に販売を開始
した、公式仕様適合外ながらも異次元の飛距離を実現出来る「Zeusimpact(ゼウスインパクト)」ドライバー及び非
公認球でありながら超反発を実現した「Zeusimpact(ゼウスインパクト)」ボールが計画通り売上げに貢献したこと
で、国内販売においては堅調な業績を維持することが出来ました。
一方で、キャスコ㈱の海外事業におきましては、当連結会計年度を通じた中国国内の共産党員に対するゴルフ禁
止令やゴルフ場の閉鎖及び新規開発中止命令等、ゴルフ取締規制の強化によるゴルフ市場の縮小が、香港、台湾な
どのアジア市場に大きな影響を及ぼしていることに加え、韓国における売上げ不調の影響もあいまって、海外事業
全体で売上げが低調に推移し、依然として厳しい事業環境が続いております。
②カーボンシャフト事業
海外におけるカーボンシャフト事業については、米国市場において大手スポーツ用品店が民事再生の手続きによ
り全米で100店舗以上を閉店したことや、世界を代表する複数の大手スポーツ用品メーカーがゴルフクラブ事業か
ら相次ぎ撤退を決定する等、スポーツ用品市場の先行きに不透明感を残す結果となりました。
しかしながら、このような逆風にもかかわらず、前連結会計年度に引き続き「Recoil(リコイル)」及び
「Elements(エレメンツ)」シリーズシャフトに対する市場の関心は高く推移しており、USTMamiyaブランドの認
知度向上のため、SNSの積極的な活用や、PGAツアーでのシャフトの使用率を高めるなどの諸施策に粘り強く取り組
んでまいりました。
また、平成28年7月に起きたダッカ襲撃事件以降、USTMamiyaブランド製品の多くが製造されているバングラデ
シュ国内では、国際的テロ組織の脅威による緊迫し不安定な治安及び社会情勢が続いております。そして、バング
ラデシュ工場は、そのような情勢に臨機応変に対応し製品の安定的供給を継続してまいりましたものの、新規OEM
先顧客に対する出荷が平成30年3月期に持ち越しとなったことや、現地政府の政策による工場人件費の上昇、工場
建屋及び生産設備の不具合の改修費用増大等の影響により、依然として利益確保が厳しい状況が続いております。
このような状況から、キャスコ事業におきましては、国内外における経費削減への取り組みが奏功するととも
に、国内事業において堅調な実績を維持することができましたものの、スポーツ事業全体としては、カーボンシャ
フト事業における売上の減少及び上述の製造コスト上昇の影響等もあり、利益面では営業損失を解消するにはいた
りませんでした。
この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は59億37百万円(前期比8.3%減)、営業損失は2億6百万円(前
期は2億73百万円の営業損失)となりました。
(注)上記2セグメントの他、不動産賃貸料収入等として、売上高2億14百万円、営業利益1億43百万円がござ
います。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が8億67百万円(前期比6.4%減)と増加したことにより、前連結会計年度末に比べ68百万円増加し、当連結会計年度末には77億30百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11億47百万円(前期比36.8%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8億67百万円、減価償却費4億7百万円、売上債権の減少4億7百万円及び法人税等の支払額3億30百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は15億13百万円(前期は33百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出17億59百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は4億44百万円(前期は23億83百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出10億31百万円、配当金の支払額4億68百万円がありましたが、長期借入れによる収入21億円等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成27年3月期 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 51.2 | 57.1 | 55.2 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 71.5 | 58.2 | 43.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 5.3 | 3.7 | 6.9 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 18.7 | 17.1 | 9.3 |
(注)自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。