有価証券報告書-第76期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/24 14:55
【資料】
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【項目】
129項目

研究開発活動

当グループは、製品を通じてお客さまに「喜び」を提供するために、二輪車および四輪車のシート・内装品の製品開発と、より魅力のある高機能な製品実現に向け「魅力・快適」「環境」「安全」の3つの要素を基軸とした先進技術の研究開発を、常にチャレンジングな姿勢で行っています。
日本、米国、中国、アジア、欧州に開発拠点を構え、各地域に適した製品を効率良く開発することで、世界のお客さまの多様化するニーズに応えています。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は119億円です。
事業ごとの研究開発活動の状況は以下の通りです。
(二輪事業)
① 環境対応技術
二輪車用シートにおける構成材料の研究により、生産時のCO2排出量削減や製品の軽量化などに取り組んでいます。また、廃棄物削減に向け、分解しやすい組立構造を追求するなど、リサイクル率の向上や再資源化につながる研究開発にも注力しています。
② 魅力・快適技術
多彩なデザインを演出できる加飾技術のさらなる進化や、快適な乗車姿勢や停車時の足着きをサポートする機構を備えたシートなど、魅力ある製品の開発を進めています。
(四輪事業)
① 魅力・快適技術
次世代自動車を見据え、キャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに対し、新たな価値を提案できる企業への変革に向けた取り組みを加速させています。独自技術の進化に加え、異業種とのコラボレーションやスタートアップ企業との共同開発を進めています。
より魅力ある商品を目指し、ユーザー目線に立った使い勝手の良い多彩なシートアレンジを実現するためのロングスライドレールや回転デバイスの開発や、安全・快適をサポートする各種電子制御デバイス部品の開発、製品に高質感を与える加工技術、加飾技術の開発、さらに、快適性の追求として産学共同で生理学の基礎研究などを展開しています。
② 環境対応技術
シートフレーム構造の徹底的な見直しによる設計の最適化と部品点数の削減により、自動車の燃費を高めCO2排出量削減に貢献しています。また、天然由来のバイオマス素材※を利用した製品開発や、リサイクル材の研究にも取り組んでいます。
さらに、電気自動車の普及を見据え、自動車の電費向上に貢献する低電力で効率的に人や空間を暖める空調・ヒーターシステムの開発に取り組むなど、さまざまな観点からカーボンニュートラルに寄与する製品開発を行っています。
※ 再生可能な生物由来の資源を原料にした素材
③ 安全技術
世界各国の安全に関する法規対応だけでなく、アセスメントなどの先行情報から、より高い安全性能を備えた製品を研究・開発しています。全方向からの衝突に対する、乗員への衝撃軽減機能や乗員の状態を検知することによる事故防止などの研究を行い、製品開発へ展開しています。前席だけではなく、後席にも乗員検知システムやサイドエアバッグを内蔵し、安全性を高めたシートを順次上市しています。
(その他事業)
二輪事業および四輪事業の各研究開発による成果をベースに、その他事業分野の特性に合わせた技術開発を行い、商品デザインを含めた高品質・高機能な製品を商品化しています。
これら研究開発活動をさらに進化させ、世界のお客さまに満足していただける魅力ある商品を創出していきます。