有価証券報告書-第68期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/28 9:40
【資料】
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【項目】
155項目
(a)人材戦略の柱
a. 「自己実現と成長できる働き甲斐のある会社」、「人材への投資拡大」
当社グループは、長期人材ビジョンとして「自律したプロフェッショナル集団」の実現を掲げ、実力主義の人事制度、自律的な成長と活躍を促す人材育成の仕組み、自律意識の高い社員に対するキャリア形成支援を行っております。
b. 「DE&I推進」
当社グループは、多様な社員がお互いに価値観や考え方の違いを尊重しあい、その違いを活かすことが新製品アイデアを富ませ、イノベーション創出につながると考えております。当社グループは、DE&Iの推進のため、国籍、人種、性別、年齢、障がいの有無、性自認や性的指向などを問わず、意欲と能力のある多様な人材を社員として迎えるとともに、育児や介護、疾病など様々な事情を抱えても十分に能力が発揮できるよう、両立支援や働き方改革によって働きやすい環境を整えております。
女性活躍推進に関しても積極的な取組みを行っております。海外と比較すると日本の女性管理職比率が劣後していることから、2016年以降、日本において「両立支援制度の拡充」「職場の意識改革」「女性の気持ちとスキルをバックアップ」といったハード面での整備を行うとともに、男性社員を含む職場全体の意識改革を目的とした取組みを積極的に実施してきました。その結果、2024年12月末時点における、当社グループ全体の女性管理職比率(部下を持つ部長・課長)は38.7%、当社は26.4%となりました。当社は、2025年12月末のKPIである女性管理職比率30%を達成するため、引き続き女性活躍推進のための諸施策を実行してまいります。
また、中途採用に関しても積極的に実施してきており、2024年12月末時点における当社の管理職の52.8%が中途採用により入社した社員となりました。
c. 「自分らしく挑戦し、活躍できる環境整備」
当社グループは、多様な人材が自分らしく挑戦し、活躍できる環境を実現することを社内環境整備方針として掲げております。社員が挑戦し活躍するための土台を社員の健康と安全とし、社員の健康リテラシー向上と健康増進のための施策を実施しております。また、社員の挑戦を促すため、属性の影響を完全に排除し、実力で昇進していく人事制度や、業務とは別に新しいアイデアの実現に挑戦できるプログラムを設けております。
(b)戦略を実行するための8つの施策
Ⅰ 人材育成
当社グループは、「バリューチェーンの随所に知識と経験を有する高度な専門性を持った社員が存在し、その社員が社会の変化に目を凝らし、未来を考え、自らが能動的にアップデイトし続ける多様な専門家集団を目指す」を人材育成方針として掲げております。当社では、会社が主催するビジネススキル向上に資する研修は全て手上げ式とし、社員の自主性を重視した人材育成に取り組んでおります。
a. 次世代経営選抜研修
当社は、2004年から6年ごとに「次世代経営人材育成選抜研修」を実施し、将来の経営層を担う人材の育成を継続的に行っております。本研修は発掘、育成、活用、登用のプログラムから構成され、各々のプログラムの過程で受講生の育成と選抜をしております。これまでの研修修了者の多くが部門で中核的な役割を担い、活躍しております。現在在籍している活用プログラム以上の修了者30名のうち、2名が取締役、1名が監査役、8名が執行役員、3名が国内外グループ会社の取締役に就任しております。
0102010_008.jpgb. 選抜!リーダー塾
2023年より開始した本研修は、当社グループの未来を担う人材プール形成のため、自律・変革型リーダーの早期発掘と育成を目的として、3年ごとに実施しております。概ね40歳以下の若手から中堅の社員を対象とし、上司からの推薦と自薦で応募してきた社員の中から16名を選抜しました。変化の激しいビジネス環境の中で新たな価値を創造できるよう、ビジネストレンドテーマと掛け合わせたチームプロジェクト活動を通じて、新規事業の検討、提案及び成果物(アウトプット)を作る経験を付与しております。
c. 海外の事業ユニットでの取組み
海外の各事業ユニットでも積極的な人材育成への投資を実施しております。PIGEON SINGAPORE PTE.LTD.では、新たに入社した社員へのオンボーディング研修を強化しております。その研修の中で、Pigeon Wayの理解と共感を高めるメニューを組み込み、Pigeon Group DNA、Pigeon Wayの浸透に努めております。また、社外研修への個別派遣を積極的に実施するとともに、研修に参加した社員が研修内容の共有会を実施することにより、学びを部門全体に広げております。
Ⅱ キャリア
a. AMC(Accelerate My Career)プログラム
当社は、社員一人ひとりが自律的にキャリア形成し、また経験を積んでケイパビリティを上げていくことは、当社の持続的な成長に不可欠です。社員一人ひとりの自律的なキャリア開発を支援するため、2020年よりAccelerate My Career(AMC)プログラムを導入しております。
AMCプログラムは、社員が社内外で多様な経験を積むことで、キャリアを自律的に考え、開発できるよう支援する制度です。社員の参加へのハードルを下げるため、多様なメニューを設けております。社内に関しては、社内公募、社内プロボノ(単発型の他部署への業務支援)等、社外におけるキャリア開発の機会としては、社外留職、ボランティア・プロボノ休暇、社外副業があります。社員が多様なメニューの中から選択し、自業務以外の経験を積むことで、キャリア意識の向上や経験の幅だしにつながっております。
b.キャリア面談(1on1)
当社は、上司による部下のキャリア形成支援を強化するため、部長格以下の全正社員に対して1on1面談を定期的(年4回以上)に実施することといたしました。
社員一人ひとりのキャリアビジョンを明確にし、その実現に向けて、必要な経験や知識を得つつキャリア実現していく具体的な計画を策定するほか、社員が抱えている悩みについても上司がメンターとしてサポートできるようにしてまいります。
Ⅲ 人事制度
当社は、中長期的に熾烈な競争環境において海外企業と渡り合っていける人材を育成・登用していくため、2021年、年齢や勤続年数、性別等の属性を一切排除し、実力で登用していく人事制度に大幅改定し、運用を行ってきております。
「一人ひとりが個性を活かしながらPigeon Wayを体現し、卓越した手腕を発揮するプロフェッショナル集団」を人事制度の設計思想とし、業務上におけるPigeon Wayの体現と併せて主体的な専門性向上への取組みも評価軸に加えました。また、社員が実際に担う役割と行動に連動した報酬体系とし、優秀な人材の獲得とリテンションのため、市場競争力を保てる報酬水準に設定しております。制度導入から数年が経過した現在、毎年続けて上の役割に昇格する優秀な社員も複数存在しております。自身の持つ力を余すところなく発揮し、それに見合った報酬を得ることは、エンゲージメントの向上にも寄与すると考えております。
Ⅳ 両立支援
当社は、仕事をしながら本人が望めば妊娠・出産・育児をすることが性別を問わず当たり前の職場環境の実現を目指しております。男性の育児参加はもとより、次のような様々な取組みを実施しております。
a.ライフ・デザイン休暇/休職制度
不妊治療や里親・養子縁組のために休暇取得や休職をすることができる制度です。ライフ・デザイン休暇は、失効した年次有給休暇の積立制度を活用することができ、ライフ・デザイン休職制度は、1か月単位で1人の社員につき在籍中に通算24か月を限度として利用することが可能です。
社員がそれぞれの人生において少しでも豊かなものになるよう、会社としてできるサポートを形にしたものであり過去の利用者は復職し、その後それぞれの職場で活躍しております。
b.男性の育児休業取得率100%
男性の育児参加と育児を語れる社員の育成を目的として2006年に男女ともに1か月間の休業を有給で取得することが可能とする育児休業制度(ひとつきいっしょコース)を制度化いたしました。導入以降、男性社員の育児休業取得率は30%程度で推移していたものの、2016年、当時の社長の強い想いのこもった声がけにより、男性の1か月の育児休業取得率は一気に100%になりました。そして、2016年から現在に至るまで100%を継続している状況です。当社では、配偶者が出産した際に男性社員が1か月以上の育児休業を取得することは当たり前の文化として根付いております。今後は、100%の取得率を維持しながら、平均育児休業取得日数のKPI達成(40日以上)に向けて制度を拡充し、男性の育児参加と、男女を問わず仕事とプライベートとの両立を可能とする社会の実現を目指して自社のみならず社会に対しても発信し続けてまいります。
c.復職ママ会・パパ会の実施
子の月齢が近い社員同士のつながりを創るとともに、先輩社員からのアドバイスを共有することで育児と仕事の両立に対する心理的不安を取り除くことを目的に実施しております。
このように社員のライフイベントに応じた様々な取組みを継続実施していくことで、社員の妊娠、出産、育児を含めたプライベートと仕事の両立に対する負のバイアスを排除し、ライフイベントはキャリアロスではなくキャリアアップにつながる新たな学びの機会として捉えてもらえるよう、意識変革につなげていきたいと考えております。そして、赤ちゃんにやさしい世界の実現を目指している当社だからこそ、育児と仕事の両立のための先駆的な取組みを積極的に行い、当社独自の両立支援制度の内容を広く社会に発信することで、日本の少子化の課題に対しても貢献してまいります。
Ⅴ 働き方
a. Smart & Smile!Work
当社は、働き方改革スローガンとして「Smart & Smile!Work ~決まった時間の中でSmartに働き、プライベートをSmileでいっぱいにする~」を掲げ、社員の人生は仕事が全てではなく、仕事もプライベートも重要と考え、仕事を効率的に進めて自分自身の時間を十分に取ることができる環境整備を進めております。限りある時間を効果的・効率的に使うことで時間当たりの生産性を高めるとともに、ONとOFFの切り替えのマインドを高め、社員の心のリフレッシュも推進しております。
・17時15分以降の会議・打合せは行わない
・19時~翌7時30分の間・休日にメールは送らない
・コアタイムなしのフレックスタイム制度の積極活用
・19時退出ルール
これらの取組みより月平均残業時間の過去4年間実績は「月平均:10時間以内」を下回り、2024年度は、5.5時間となっております。
b. 有給取得率の向上
仕事の効率を上げるための施策として有給取得率の向上も推進しております。全社員に対して、有給取得計画を事前に提出してもらい、計画的かつ自主的に有給休暇を取得することの啓蒙活動を数年間にわたって実施してまいりました。直近数年の平均取得率は80%前後の高い取得実績となり、休暇が取りやすい風土が醸成されております。
Ⅵ 風土・環境
当社は、「働いていて楽しい時間を増やし、社員が未来にむけて、失敗を恐れず挑戦していくことを応援・表彰する」をコンセプトとし、社員が提案する取組みを応援し、最終的に事業化まで発展させることを想定したPigeon Frontier Awards(PFA)という取組みを行っております。これまでの提案案件のうち、累計19件が社長直下のプロジェクトとして活動し、複数の提案が形になっております。この取組みは、失敗を恐れず挑戦する風土を醸成するだけでなく、普段の仕事では経験できない他部門との連携や開発現場の体験、多様なバックグラウンドのメンバーのリード等、社員にとって貴重な成長機会にもなっております。
参考:PFAから生まれたアイデア
初乳採取サポートデバイス『Precious Drop』
https://www.pigeon.co.jp/news/files/pdf/20220712.pdf
書籍『ピジョンの子育て』
https://www.pigeon.co.jp/news/files/pdf/20221129.pdf
「母乳実感®パーツストロー」「母乳実感®パーツ ふた」
https://push.pigeon.info/article-63.html
Ⅶ 健康
当社は、「健康でいきいきと働くことができる会社」を目指し、社員の健康維持・増進をサポートし、活力に満ちた職場環境の実現に努めております。
2021年に「健康経営宣言」を制定し、健康経営の取組みをスタートしました。社長をトップとする健康推進体制を構築し、産業医や健康保険組合とも連携の上、禁煙、メンタルヘルス対策だけでなく、カジュアルに自身の健康を考える機会として、年2回のウォーキング大会、産業医や保健師による社内講演会を実施しております。保健師講話は、社員一人ひとりにとって身近なテーマ(※)でオンライン開催し、本社外で勤務する社員も含めて気軽に参加できるようにしております。また、社員の運動習慣定着・健康リテラシー向上にもつながるよう、年齢や性別を問わず気軽に参加できるスポーツイベントも実施しております。
※保健師講話テーマ
5月「女性の更年期とがん」
7月「睡眠の質向上」
9月「健康のプロが教える!健診結果を読み解くコツ」
11月「忘年会前に知っておきたい!お酒の飲み方&禁煙のコツ」
参考リンク:健康経営宣言、健康経営推進体制、健康経営戦略マップ
https://www.pigeon.co.jp/sustainability/social_top/health_management_policy/
このような取組みと成果が認められ、経済産業省と日本健康会議主催の「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」の内々定通知を受けており、正式に認定されれば4年連続の認定となります。認定法人として取引先企業に当社の取組みを紹介する等、健康推進に向けた施策の共同実施等にも積極的に取り組んでまいります。
これまでは、取組みと実績を定期的に経営会議に報告してまいりましたが、今後は、健康経営戦略の進捗を、取締役会のアジェンダにも加えていく予定です。
Ⅷ 安全・衛生
労働における安全衛生管理は、日本はもちろんのこと海外においても、各国の法規制を踏まえ、当社労働安全基準に則った非常に厳格な管理がなされております。生産拠点においては、労働災害の防止を見据え特に徹底した労働安全管理が必要であることから、国際的に広く採用されている労働安全衛生に対するマネジメントシステム規格「ISO45001(OHSAS18001)」を導入し、全拠点の取得率は100%となっております。
また、前述のPeople Strategy Leaders Meetingにおいて、労働災害リスクの低減を目的とした「健康の保持増進のための措置」として健康経営による施策や、「快適な職場環境の形成のための措置」として安全で快適な職場環境を実現するための施策をアジェンダとして加え、グローバル全体で社員(職場)の安全・衛生のより一層の確保に努めてまいります。
③ 社員のエンゲージメント
当社グループは、それぞれ異なる価値観や考え方を持ち、高い専門性を持った多様な社員がエンゲージメント高くイキイキと働くことが、経済価値及び社会価値の向上につながるものと考えております。社員エンゲージメントの状態を測定するため、2023年度からグローバルでエンゲージメントサーベイを実施※1しております。Pigeon Wayへの共感と会社の存在意義とのつながりが、社員エンゲージメントと相関性が高いことから、Gallup社が提供するサーベイに当社の独自設問を追加※2しております。2024年はエンゲージメントスコアが前年対比向上しました。人材戦略を更に実行し、社員エンゲージメントの更なる向上を図ってまいります。
※1 エンゲージメントサーベイはランシノ事業本部を除く各事業ユニットの核となるピジョン株式会社、PIGEON(SHANGHAI)CO.,LTD.、PIGEON SINGAPORE PTE.LTD.の3社の正社員を対象に実施
※2 3つの追加の設問項目
・私は会社が掲げているPigeon Wayに共感している
・私のチームの仕事は、Pigeonの存在意義実現につながっていると感じる
・私は、職場で自分らしくいられる
④ リスク管理
当社グループの人的資本に関するリスク管理に関しては、サステナビリティリスクと同様に、GHOリスクマネジメント委員会を中心としたマネジメントを行っております。2024年に実施したリスクマネジメント委員会においてリスク項目として新たに「人権」を設定いたしました。これを受け、各事業ユニットに新たに人権担当をアサインしております。今後、当社グループの全従業員に対し、人権方針の周知、及び社員に対する人権教育、人権課題の有無と人権への負の影響を特定し、防止し、軽減し、対処してまいります。日本事業においては、2024年に当社グループ人権方針の周知及び人権教育を実施し、従業員の人権課題に対する実態調査を行いました。今後、グループ会社ごとに調査結果を分析し、課題の有無を特定するとともに、ハラスメント等の人権侵害が発生しない企業風土醸成の取組みを継続的に行ってまいります。なお、当社グループのリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項」において開示している「リスク管理体制の整備の状況」もご参照ください。
⑤ 指標及び目標
当社は、人材戦略の実行と結果を測定するため、以下の項目をKPIとして設定しております。2025年度の目標達成に向けて、特にギャップが大きい当社における女性管理職比率に関しては、KPI達成に向けて2025年に新たにメンター制度の早期の導入検討とともに、積極的な機会提供を行うことで実効性のある人材登用の実現に向けて取組みを強化いたします。
[人材 KPI]
0102010_009.png*エンゲージメントの調査対象拠点は「ピジョン株式会社、PIGEON(SHANGHAI)CO.,LTD.、PIGEON SINGAPORE PTE.LTD.」
*上記記載の目標値は、エンゲージメントスコアを除き、全てピジョン株式会社
*男性の育休取得率は、厚生労働省が公表する「①育児休業等の取得割合」の算出方法より算出
*男性育休平均取得日数は、期中に子が1歳6か月を迎える男性社員の平均育児休業取得日数
[モニタリング指標]
≪グローバル≫
0102010_010.png*エンゲージメントの調査対象拠点は「ピジョン株式会社、PIGEON(SHANGHAI)CO.,LTD.、PIGEON SINGAPORE PTE.LTD.」
≪当社単体≫
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