有価証券報告書-第68期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは、3ヶ年中期経営計画(2021年4月~2024年3月)の最終年度である2024年3月期につきましても、『「見える」に新たな価値を』を実現していくために、「市場競争力の強化・収益力の強化」、「信頼されるモノづくり」、「SDGsの推進」、「安定した株主還元」を最重要施策として、日本国内での安定した成長を軸に、海外各国での需要回復を積極的に取り込むことにより海外事業規模の拡大と収益基盤の強化を進めてまいりましたが、現在、当社では、乱視と遠近両用に特にアクセントを置いたレンズ需要の想定を上回る回復と他社製品供給の不安定等に起因して、「Pureシリーズ」の国内外向け一部商品において、生産量を上回る需要が発生しております。それに伴う在庫の逼迫により、納期の遅延が、昨年夏期から継続的に発生しております。成長する需要の取り込みについては、当社の2024年4月を起点とする中期経営計画(2024年4月~2027年3月)におきましても成長戦略の柱として掲げておりますが、安定した商品供給と市場競争力を高める新商品の量産体制を整備するため、売上拡大の足枷となりうる生産力の抜本的引上げを行う事が不可欠であると考えております。
2024年3月期におきましては、当社の生産拠点である鴻巣研究所では、経年した1号棟の生産設備の更新及び3号棟のライン新規増設により月間最大生産枚数を5,300万枚から5,800万枚へと引き上げました。2025年3月期におきましても、2024年4月に竣工した2号棟別館に製造設備が導入され本格稼働することで、月間最大生産枚数が5,800万枚から6,500万枚へと引き上げられ、さらに既存ラインの効率的な運営で、能力を拡大する計画を進めております。加えて、2025年3月期に着工し、2027年3月期に稼働予定である4号棟では第一期計画が完了することにより月間最大生産枚数は7,500万枚まで引き上げられる予定です。今般の公募及び第三者割当による新株発行により調達いたしました資金、約34億円につきましては、2号棟別館の建築資金、及び4号棟の建築資金等の一部に充当し、当社が世界のコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮することを目標として、商品供給力の強化と開発製造体制を整備することにより、市場競争力と企業価値の向上に努めてまいります。
商品戦略としましては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」に対する需要の高まりを背景に、乱視、遠近両用コンタクトレンズといったスペシャリティレンズの販売に注力してまいりました。また、2023年3月期に市場に投入したシリコーンハイドロゲルレンズの2商品「シード1daySilfa(シルファ)」、「シードAirGrade 1day UV W Moisture(エアグレード ワンデー UV ダブルモイスチャー)」、近年、2週間交換ソフトコンタクトレンズ市場においてシリコーンハイドロゲル素材の需要が年々高まっていることから2024年3月に新発売した「シードAirGrade 2week UV W-Moisture(エアグレード ツーウィーク UV ダブルモイスチャー)」並びにサークルレンズ「シード Eye coffret 1day UV M」、カラーコンタクトレンズ「ベルミー」、オルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト®」の普及拡大により更なる売上創出を目指して販売を行ってまいりました。海外市場では、「シード1dayPureシリーズ」を中心に、それぞれの市場特性に合わせて、サークルレンズ、カラーレンズ、「シード1daySilfa(シルファ)」、オルソケラトロジーレンズ、RGPレンズ、ケア用品等、プロダクトミックスを多様化しております。
これらの事業活動の結果、当連結会計年度において、主に国内のコンタクトレンズ販売が伸長したため、売上高は32,396百万円(前期比5.9%増)となりました。利益につきましては、売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果による原価率低減が実現されました。また、2023年3月期第2四半期以降からの価格改定により、売上総利益が増加した結果、営業利益2,050百万円(前期比225.5%増)、経常利益2,059百万円(前期比271.5%増)となりました。ドイツ子会社の合理化に伴い繰延税金資産を計上したことや留保金課税対象企業から2024年3月期末時点において外れたこと、また、各種の税制優遇制度が適用となったことから、課税金額が押し下げられたことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,964百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失316百万円)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(コンタクトレンズ・ケア用品)
国内のコンタクトレンズ販売につきましては、引き続き主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」を中心とし、2つの異なるベクトルを持つシリコーンハイドロゲルレンズや特に市場での伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力してまいりました。「シード1dayPureシリーズ」は需要増により、前期比5.8%増加いたしました。オルソケラトロジーレンズにつきましては、前期比14.6%増と大きく伸長いたしました。サークル・カラーコンタクトレンズにおきましては、販売チャネルの多様化や競合商品の増加の影響もあり、前期比0.5%増と概ね横ばいでの推移となりました。
ケア用品につきましては、オルソケラトロジーレンズ関連のケア用品は増加しましたが、コンタクレンズの使い捨てタイプへのシフトの影響で前期比1.6%増に留まりました。
海外へのコンタクトレンズ輸出等につきましては、国や地域により差はあるものの、欧州向けや東南アジア向けが堅調に推移しました。これらの増加が、中国向けの製品輸出の停滞をカバーし、前期比22.3%増となりました。
その結果、セグメント全体の売上高は32,280百万円(前期比5.9%増)、営業利益3,275百万円(前期比99.8%増)となりました。
(その他)
その他につきましては、眼内レンズの売上が減少した結果、売上高は115百万円(前期比4.1%減)、営業損失
は9百万円(前期営業利益0百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、9,852百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、6,023百万円(前年同期3,346百万円の増加)となりました。これは主に、税金 等調整前当期純利益の計上2,081百万円や減価償却費の計上2,766百万円、棚卸資産の減少664百万円により資金が増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、3,763百万円(前年同期440百万円の減少)となりました。これは主に、鴻巣研究所の設備導入等に伴う有形固定資産の取得による支出3,806百万円が要因となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、2,644百万円(前年同期1,818百万円の減少)となりました。資金増加の主な要因は株式の発行による収入3,360百万円となっております。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は製造原価によっております。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は仕入価額によっております。
③ 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、次のとおりであります。
(3)経営者の視点による財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行っており、そのうち主なものは以下のとおりであります。
なお、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(棚卸資産の評価)
当社グループの保有する棚卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、厳格な処理を実施しております。棚卸資産は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しております。収益性の低下が認められた棚卸資産については、取得原価と当連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、収益性の低下に基づき簿価を切り下げた金額は原則として売上原価に含めております。長期滞留の棚卸資産に対しては、売上実績及び将来の売上予算を基礎に出荷期限内で出荷する可能性を検討したうえで、当連結会計年度末において出荷期限内に出荷が見込まれない棚卸資産の取得原価を切り下げております。
当連結会計年度末において収益性の低下が認められた棚卸資産について、上記方法に基づく簿価切下げによる評価損を売上原価に計上しております。
棚卸資産の評価の見積りは、景気動向や顧客ニーズの変化等の将来の経済環境の変動によって影響を受ける可能性があり、売上実績が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において売上原価の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(債権の評価)
当社グループの保有する債権(売上債権、貸付金等)については、回収可能性を検討の上、貸倒引当金を計上しております。なお今後、債務者の財務内容、将来業績が低下する場合においては、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについては、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産の残高は、49,574百万円となり、前連結会計年度末から9,563百万円増加いたしました。主な要因としましては、公募及び第三者割当による新株発行により資金を調達したことや鴻巣研究所での新規設備の導入、3号棟底地購入、新社屋関係の投資により有形固定資産が増加したこと、売上増加に伴い現金及び預金が増加したことが挙げられます。
負債につきましては、31,923百万円となり、前連結会計年度末から4,058百万円増加しております。主な要因としましては、基幹システム更新・商品仕入に係る未払金を計上したことや新規設備導入によるリース債務の増加が挙げられます。
当期の損益及び公募及び第三者割当による新株発行の結果を受け、純資産につきましては、17,650百万円となり、前連結会計年度末から5,505百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析に関しては、第2[事業の状況]4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)[経営成績等の状況の概要]の②を参照ください。
指標
※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出
※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
④ 資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用や商品仕入代金等の運転資金、中長期的に安定した成長を遂げるためのコンタクトレンズ事業における製造設備投資及び研究開発への継続的な投資であります。設備投資につきましては、「第3 設備の状況」、研究開発投資につきましては、「6 研究開発活動」に記載のとおりであります。必要資金につきましては、主に手元資金及び金融機関からの借入金にて賄っており、当連結会計年度末の当社グループの短期及び長期借入金の残高は18,392百万円であります。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを中心に財務の健全性に取り組みながら、外部からの借入金も活用し資金需要を賄ってまいります。
⑤ 経営成績の分析
売上高・売上総利益
当連結会計年度における売上高は32,396百万円となり、前連結会計年度に比べ1,802百万円増加いたしました。これは、国産の「ワンデーピュアシリーズ」を中心とし、特に市場の伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ及びオルソケラトロジーレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力した結果、主に国内のコンタクトレンズ販売が前年対比で回復したためであります。
売上総利益は14,183百万円(売上総利益率43.8%)となり、前連結会計年度に比べ2,560百万円増加(売上総
利益率5.8ポイントアップ)いたしました。主に売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果による原価率低
減が実現されました。また、2023年3月期第2四半期以降からの価格改定により、売上総利益が増加したことも
背景としております。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は12,133百万円となり、前連結会計年度に比べ1,139百万円増加いたしました。これは、人件費(前期対比439百万円増)や研究開発費(前期対比141百万円増)が増加したためであります。
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは、3ヶ年中期経営計画(2021年4月~2024年3月)の最終年度である2024年3月期につきましても、『「見える」に新たな価値を』を実現していくために、「市場競争力の強化・収益力の強化」、「信頼されるモノづくり」、「SDGsの推進」、「安定した株主還元」を最重要施策として、日本国内での安定した成長を軸に、海外各国での需要回復を積極的に取り込むことにより海外事業規模の拡大と収益基盤の強化を進めてまいりましたが、現在、当社では、乱視と遠近両用に特にアクセントを置いたレンズ需要の想定を上回る回復と他社製品供給の不安定等に起因して、「Pureシリーズ」の国内外向け一部商品において、生産量を上回る需要が発生しております。それに伴う在庫の逼迫により、納期の遅延が、昨年夏期から継続的に発生しております。成長する需要の取り込みについては、当社の2024年4月を起点とする中期経営計画(2024年4月~2027年3月)におきましても成長戦略の柱として掲げておりますが、安定した商品供給と市場競争力を高める新商品の量産体制を整備するため、売上拡大の足枷となりうる生産力の抜本的引上げを行う事が不可欠であると考えております。
2024年3月期におきましては、当社の生産拠点である鴻巣研究所では、経年した1号棟の生産設備の更新及び3号棟のライン新規増設により月間最大生産枚数を5,300万枚から5,800万枚へと引き上げました。2025年3月期におきましても、2024年4月に竣工した2号棟別館に製造設備が導入され本格稼働することで、月間最大生産枚数が5,800万枚から6,500万枚へと引き上げられ、さらに既存ラインの効率的な運営で、能力を拡大する計画を進めております。加えて、2025年3月期に着工し、2027年3月期に稼働予定である4号棟では第一期計画が完了することにより月間最大生産枚数は7,500万枚まで引き上げられる予定です。今般の公募及び第三者割当による新株発行により調達いたしました資金、約34億円につきましては、2号棟別館の建築資金、及び4号棟の建築資金等の一部に充当し、当社が世界のコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮することを目標として、商品供給力の強化と開発製造体制を整備することにより、市場競争力と企業価値の向上に努めてまいります。
商品戦略としましては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」に対する需要の高まりを背景に、乱視、遠近両用コンタクトレンズといったスペシャリティレンズの販売に注力してまいりました。また、2023年3月期に市場に投入したシリコーンハイドロゲルレンズの2商品「シード1daySilfa(シルファ)」、「シードAirGrade 1day UV W Moisture(エアグレード ワンデー UV ダブルモイスチャー)」、近年、2週間交換ソフトコンタクトレンズ市場においてシリコーンハイドロゲル素材の需要が年々高まっていることから2024年3月に新発売した「シードAirGrade 2week UV W-Moisture(エアグレード ツーウィーク UV ダブルモイスチャー)」並びにサークルレンズ「シード Eye coffret 1day UV M」、カラーコンタクトレンズ「ベルミー」、オルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト®」の普及拡大により更なる売上創出を目指して販売を行ってまいりました。海外市場では、「シード1dayPureシリーズ」を中心に、それぞれの市場特性に合わせて、サークルレンズ、カラーレンズ、「シード1daySilfa(シルファ)」、オルソケラトロジーレンズ、RGPレンズ、ケア用品等、プロダクトミックスを多様化しております。
これらの事業活動の結果、当連結会計年度において、主に国内のコンタクトレンズ販売が伸長したため、売上高は32,396百万円(前期比5.9%増)となりました。利益につきましては、売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果による原価率低減が実現されました。また、2023年3月期第2四半期以降からの価格改定により、売上総利益が増加した結果、営業利益2,050百万円(前期比225.5%増)、経常利益2,059百万円(前期比271.5%増)となりました。ドイツ子会社の合理化に伴い繰延税金資産を計上したことや留保金課税対象企業から2024年3月期末時点において外れたこと、また、各種の税制優遇制度が適用となったことから、課税金額が押し下げられたことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,964百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失316百万円)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(コンタクトレンズ・ケア用品)
国内のコンタクトレンズ販売につきましては、引き続き主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」を中心とし、2つの異なるベクトルを持つシリコーンハイドロゲルレンズや特に市場での伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力してまいりました。「シード1dayPureシリーズ」は需要増により、前期比5.8%増加いたしました。オルソケラトロジーレンズにつきましては、前期比14.6%増と大きく伸長いたしました。サークル・カラーコンタクトレンズにおきましては、販売チャネルの多様化や競合商品の増加の影響もあり、前期比0.5%増と概ね横ばいでの推移となりました。
ケア用品につきましては、オルソケラトロジーレンズ関連のケア用品は増加しましたが、コンタクレンズの使い捨てタイプへのシフトの影響で前期比1.6%増に留まりました。
海外へのコンタクトレンズ輸出等につきましては、国や地域により差はあるものの、欧州向けや東南アジア向けが堅調に推移しました。これらの増加が、中国向けの製品輸出の停滞をカバーし、前期比22.3%増となりました。
その結果、セグメント全体の売上高は32,280百万円(前期比5.9%増)、営業利益3,275百万円(前期比99.8%増)となりました。
(その他)
その他につきましては、眼内レンズの売上が減少した結果、売上高は115百万円(前期比4.1%減)、営業損失
は9百万円(前期営業利益0百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、9,852百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、6,023百万円(前年同期3,346百万円の増加)となりました。これは主に、税金 等調整前当期純利益の計上2,081百万円や減価償却費の計上2,766百万円、棚卸資産の減少664百万円により資金が増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、3,763百万円(前年同期440百万円の減少)となりました。これは主に、鴻巣研究所の設備導入等に伴う有形固定資産の取得による支出3,806百万円が要因となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、2,644百万円(前年同期1,818百万円の減少)となりました。資金増加の主な要因は株式の発行による収入3,360百万円となっております。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| コンタクトレンズ・ケア用品(千円) | 11,042,115 | 104.1 |
| 合計(千円) | 11,042,115 | 104.1 |
(注)金額は製造原価によっております。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| コンタクトレンズ・ケア用品(千円) | 6,700,818 | 82.9 |
| その他(千円) | 55,604 | 102.7 |
| 合計(千円) | 6,756,423 | 83.0 |
(注)金額は仕入価額によっております。
③ 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| コンタクトレンズ・ケア用品(千円) | 32,280,835 | 105.9 |
| その他(千円) | 115,917 | 95.9 |
| 合計(千円) | 32,396,752 | 105.9 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| HOYA株式会社 | 3,776,403 | 12.3 | 4,972,850 | 15.4 |
| 株式会社パレンテ | 4,345,793 | 14.2 | 3,804,097 | 11.7 |
(3)経営者の視点による財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行っており、そのうち主なものは以下のとおりであります。
なお、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(棚卸資産の評価)
当社グループの保有する棚卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、厳格な処理を実施しております。棚卸資産は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しております。収益性の低下が認められた棚卸資産については、取得原価と当連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、収益性の低下に基づき簿価を切り下げた金額は原則として売上原価に含めております。長期滞留の棚卸資産に対しては、売上実績及び将来の売上予算を基礎に出荷期限内で出荷する可能性を検討したうえで、当連結会計年度末において出荷期限内に出荷が見込まれない棚卸資産の取得原価を切り下げております。
当連結会計年度末において収益性の低下が認められた棚卸資産について、上記方法に基づく簿価切下げによる評価損を売上原価に計上しております。
棚卸資産の評価の見積りは、景気動向や顧客ニーズの変化等の将来の経済環境の変動によって影響を受ける可能性があり、売上実績が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において売上原価の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(債権の評価)
当社グループの保有する債権(売上債権、貸付金等)については、回収可能性を検討の上、貸倒引当金を計上しております。なお今後、債務者の財務内容、将来業績が低下する場合においては、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについては、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産の残高は、49,574百万円となり、前連結会計年度末から9,563百万円増加いたしました。主な要因としましては、公募及び第三者割当による新株発行により資金を調達したことや鴻巣研究所での新規設備の導入、3号棟底地購入、新社屋関係の投資により有形固定資産が増加したこと、売上増加に伴い現金及び預金が増加したことが挙げられます。
負債につきましては、31,923百万円となり、前連結会計年度末から4,058百万円増加しております。主な要因としましては、基幹システム更新・商品仕入に係る未払金を計上したことや新規設備導入によるリース債務の増加が挙げられます。
当期の損益及び公募及び第三者割当による新株発行の結果を受け、純資産につきましては、17,650百万円となり、前連結会計年度末から5,505百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析に関しては、第2[事業の状況]4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)[経営成績等の状況の概要]の②を参照ください。
指標
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 29.3 | 29.6 | 35.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 31.2 | 34.2 | 40.5 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 19.0 | 18.6 | 28.2 |
※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出
※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
④ 資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用や商品仕入代金等の運転資金、中長期的に安定した成長を遂げるためのコンタクトレンズ事業における製造設備投資及び研究開発への継続的な投資であります。設備投資につきましては、「第3 設備の状況」、研究開発投資につきましては、「6 研究開発活動」に記載のとおりであります。必要資金につきましては、主に手元資金及び金融機関からの借入金にて賄っており、当連結会計年度末の当社グループの短期及び長期借入金の残高は18,392百万円であります。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを中心に財務の健全性に取り組みながら、外部からの借入金も活用し資金需要を賄ってまいります。
⑤ 経営成績の分析
売上高・売上総利益
当連結会計年度における売上高は32,396百万円となり、前連結会計年度に比べ1,802百万円増加いたしました。これは、国産の「ワンデーピュアシリーズ」を中心とし、特に市場の伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ及びオルソケラトロジーレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力した結果、主に国内のコンタクトレンズ販売が前年対比で回復したためであります。
売上総利益は14,183百万円(売上総利益率43.8%)となり、前連結会計年度に比べ2,560百万円増加(売上総
利益率5.8ポイントアップ)いたしました。主に売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果による原価率低
減が実現されました。また、2023年3月期第2四半期以降からの価格改定により、売上総利益が増加したことも
背景としております。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は12,133百万円となり、前連結会計年度に比べ1,139百万円増加いたしました。これは、人件費(前期対比439百万円増)や研究開発費(前期対比141百万円増)が増加したためであります。