有価証券報告書-第65期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 16:33
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【項目】
153項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
3ヶ年中期経営計画の最終年度となる2021年3月期につきましては、計画を踏まえつつも外部環境に応じた臨機応変な経営を行ってまいりました。当社グループでは、同感染症に対する社内外への感染防止と従業員の安全確保、ならびに製品供給責任を両立する施策を講じてまいりました。社員の健康と出勤管理を徹底し、組織の冗長化を図るグループ別の勤務体制・テレワーク・フレックスタイム制度を活用する等の感染対策を行い、事業継続を最優先事項として取り組むとともに、不測の事態に備えた原料・資材在庫の一定量への積み増しや、国内製造品の在庫の積上げ等を行うと同時に、仕入れ商品については在庫の適正化を行ってまいりました。これにより、商品在庫水準の適正化により生じた資金で借入金返済を進める等、バランスシートの健全化にも取り組みました。
その結果、当連結会計年度の業績について、国内外の経済活動の再開に伴い第2四半期以降業績は徐々に回復基調を示してきましたが、第1四半期の大幅な減少を取り戻すには至らず、売上高は28,617百万円(前年同期比10.0%減)となりました。利益につきましても、製造原価低減に加え、広告宣伝費や営業経費・人件費をはじめとした販売費及び一般管理費の削減に努めてきた一方、欧州の薬事規制変更や英国の欧州離脱に端を発する資材及び製品在庫処分の実施、さらに、コロナ禍におけるサークル・カラーコンタクトレンズの販売低迷から「JILL STUART 1day UV」の在庫評価減を実施したことが原価の増加につながり、営業利益1,195百万円(前年同期比31.0%減)、経常利益1,211百万円(前年同期比28.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、子会社の事業譲渡に関連する特別利益を計上したこと等により、1,129百万円(前年同期比346.6%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(コンタクトレンズ・ケア用品)
国内のコンタクトレンズにつきましては、コロナ禍において眼科・販売店への営業活動や他県を跨る移動が制限されるなか、WEB等を併用した営業活動を展開しながら、SNSを通じた広告宣伝を行う等、消費者への直接の需要喚起も行いました。引き続き主力の純国産1日使い捨てコンタクトレンズ「ワンデーピュアシリーズ」を中心とし、特に遠近両用・乱視等のテクニカルレンズの拡販に注力してまいりました。その結果、新型コロナウイルス感染症の影響によりサークル・カラーレンズの落ち込みは継続したものの、コンタクトレンズ全体の売上は着実に回復基調を示し、その中でも高付加価値の遠近両用レンズは需要増により前年同期比4.2%増、オルソケラトロジーレンズにつきましては、同感染症拡大の状況下においても市場が着実な進展を示し、前年同期比26.3%増となりました。ケア用品につきましては、オルソケラトロジー関連のケア用品は増加したものの、コンタクトレンズの使用機会が減少した影響を受け、前年同期を大きく下回る結果となりました。
海外へのコンタクトレンズ輸出等につきましては、東南アジア諸国・台湾・インド・欧州諸国の市場が引き続き厳しい状況で推移したものの、中国市場はいち早い回復を示し伸長しております。
その結果、セグメント全体の売上高は28,089百万円(前年同期比9.1%減)、営業利益2,186百万円(前年同期比23.4%減)となりました。
(眼鏡)
眼鏡につきましては、2020年3月期に引き続き事業規模縮小に取り組みながら、主力フレームの「ビビッドムーン」や「プラスミックス」を中心に営業活動を行ってまいりましたが、コンタクトレンズ以上に新型コロナウイルス感染症の影響による買い控えの傾向が見られた結果、売上高は391百万円(前年同期比34.2%減)、営業損失は36百万円(前年同期営業損失54百万円)となりました。
(その他)
その他につきましては、期間中、新型コロナウイルス感染予防を目的として外科手術を抑制した眼科施設が少なからず存在したため、眼内レンズの売上が減少した等の要因により、売上高は137百万円(前年同期比55.7%減)、営業損失13百万円(前年同期営業損失11百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,955百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、3,690百万円(前年同期3,897百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益の計上1,539百万円や減価償却費の計上2,721百万円により、資金が増加しております。また、資金減少の要因は法人税等の支払い518百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,663百万円(前年同期2,649百万円の支出)となりました。これは主に、鴻巣研究所の倉庫棟竣工と設備導入等に伴う有形固定資産の取得による支出2,145百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、1,726百万円(前年同期273百万円の支出)となりました。資金減少の主な要因は長期借入金の返済による支出3,386百万円及び短期借入金の純減少額2,670百万円であります。一方、資金増加の主な要因は長期借入金の借入5,653百万円であります。なお、長期借入金の借入による収入のうち4,300百万円は、新型コロナウイルス感染症の影響に備え、2020年7月末までに緊急的に借入を実施した分であります。
(2)生産、受注及び販売の実績
本報告書のこの項以下に記載する金額は、消費税等を抜きで表示しております。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
コンタクトレンズ・ケア用品(千円)9,619,935103.7
合計(千円)9,619,935103.7

(注)金額は製造原価によっております。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
コンタクトレンズ・ケア用品(千円)6,254,01167.5
眼鏡(千円)167,07942.9
その他(千円)64,63861.9
合計(千円)6,485,72966.5

(注)金額は仕入価額によっております。
③ 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
コンタクトレンズ・ケア用品(千円)28,089,33690.9
眼鏡(千円)391,17565.8
その他(千円)137,14844.3
合計(千円)28,617,66090.0

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(3)経営者の視点による財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況及びの分析
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行っており、そのうち主なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(たな卸資産の評価)
当社グループの保有するたな卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、厳格な処理を実施しております。たな卸資産は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しており、取得原価と当連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、収益性の低下に基づき簿価を切り下げた金額は原則として売上原価に含めております。製品及び商品に含まれる長期滞留のたな卸資産に対しては、過去の販売実績を基礎に商品の有効期限内での販売可能性を検討したうえで、現時点において販売が見込まれないたな卸資産の取得価額を切り下げております。
当連結会計年度末において収益性の低下が認められたたな卸資産に対して、上記方法に基づく簿価切下げによる評価損を計上しております。
当該見積りは、景気動向や顧客ニーズの変化等の将来の経済環境の変動等によって影響を受ける可能性があり、実際の将来販売予測が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において売上原価の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(債権の評価)
当社グループの保有する債権(売上債権、貸付金等)については、回収可能性を検討の上、貸倒引当金を計上しております。なお今後、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、債務者の財務内容、将来業績が低下する場合においては、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについては、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における資産の残高は、41,261百万円となり、前連結会計年度末から330百万円減少いたしました。主な要因としては、鴻巣研究所の製品倉庫棟竣工と設備導入に伴い、有形固定資産が増加したものの、海外からの委託生産商品在庫の抑制を進めたことが要因として挙げられます。
負債につきましては、29,606百万円となり、前連結会計年度末から1,221百万円減少しております。主な要因は商品在庫の抑制により生じた資金で借入金返済を進めたことにより、短期借入金が2,303百万円減少したことが挙げられます。
純資産につきましては、11,654百万円となり、前連結会計年度末から891百万円の増加となりました。主な要因としては、利益剰余金が増加したことが挙げられます。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析に関しては、第2[事業の状況]3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)[経営成績等の状況の概要]の②を参照ください。
指標
2019年3月期2020年3月期2021年3月期
自己資本比率(%)26.825.527.9
時価ベースの自己資本比率(%)78.153.547.9
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)△1.224.121.8

※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出
※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
④ 資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用や商品仕入代金等の運転資金、中長期的に安定した成長を遂げるためのコンタクトレンズ事業における製造設備投資及び研究開発への継続的な投資であります。設備投資につきましては、「第3 設備の状況」、研究開発投資につきましては、「5 研究開発活動」に記載のとおりであります。また、海外市場への進出も積極的に行っており、買収・出資等の資金確保も重点課題であります。
必要資金につきましては、主に手元資金及び金融機関からの借入金にて賄っており、当連結会計年度末の当社グループの短期及び長期借入金の残高は19,208百万円であります。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを中心に財務の健全性に取り組みながら、外部からの借入金も活用し資金需要を賄ってまいります。
⑤ 経営成績の分析
売上高・売上総利益
当連結会計年度における売上高は28,617百万円となり、前連結会計年度に比べ3,175百万円減少いたしました。これは、世界規模での新型コロナウイルス感染拡大の影響により、コンタクトレンズの需要全般が減少し、中でも女性のマスク着用によるサークル・カラーコンタクトレンズの需要後退が顕著であり、コンタクトレンズ全体で前期比9.0%の減収となったためであります。
売上総利益は12,411百万円(売上総利益率43.4%)となり、前連結会計年度に比べ1,771百万円減少(売上総利益率1.2ポイントダウン)いたしました。これは、主に売上高の減少に伴う減益によるものであります。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は11,215百万円となり、前連結会計年度に比べ1,234百万円減少いたしました。これは、広告宣伝費(前期対比221百万円減)や研究開発費(前期対比290百万円減)等が減少したためであります。

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