有価証券報告書-第65期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 16:33
【資料】
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【項目】
153項目

有報資料

(1)経営方針・理念
当社グループは、『眼』の専門総合メーカーとして、“お客様の『見える』をサポートする“を使命とし、コンタクトレンズ事業を中心に、コンタクトレンズケア用品、眼鏡等、幅広く事業を展開しています。経営理念は以下のとおりであります。
(経営理念)
・専門特化した研究開発力を基盤に安全かつ高品質な製品を提供し、多くの人々の健康と幸せに貢献する
・スピードを重視した経営により、環境変化に先駆けて対応するとともに、お客様のニーズに的確に応える
・社員ひとり一人が自発性と創意工夫を発揮できる場を作り、社員の努力に対してしっかりと報いる
・良き企業市民として、法令を遵守し、環境・社会・地域との調和をはかり、その発展に貢献する
(2)経営環境
当連結会計年度における世界経済及び日本経済は、世界規模での新型コロナウイルス感染症の拡大により、防疫措置による経済活動の制限及び消費者の行動様式の変容が個人消費を大きく抑制し、多くの地域においてGDPのマイナス成長に至るなど非常に厳しい状況に陥りました。国内においては、1回目の緊急事態宣言解除後、政府主導の景気対策の効果や、段階的に社会経済活動が再開されたこと等により、第2・第3四半期においては一時的に回復の兆しを見せました。しかしながら、昨年末には新たな変異ウイルスの出現等もあり、国内の感染者が再び急激な増加に転じ、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が実施されるに至り、依然として先行き不透明な状況が続いております。ワクチン接種が十分に行われない限り、これまでと同様の感染拡大と収縮を繰り返す中で、経済状況の圧迫が生じる懸念があります。
国内のコンタクトレンズ市場においては、在宅勤務の定着、スポーツ・イベント及び学校の部活動等の中止による外出機会の抑制がコンタクトレンズの需要全般を減少させ、中でも女性のマスク着用によるメイク機会減少に連動するサークル・カラーコンタクトレンズの需要後退が顕著であります。当業界全体の市場規模調査に従えば、2020年は2019年対比、約7%強程度の市場規模が縮小したと推定されます。しかしながら、2021年の卒業・入学シーズンを迎え、消費者の購入活動については回復の兆しが見られております。更に、コロナ禍における働き方の改革や学校のリモート授業の普及に伴うデジタル機器への依存の高まりから、遠近両用コンタクトレンズを活用した眼精疲労の緩和やオルソケラトロジーレンズを用いた近視進行抑制等を主題とした放送番組も散見され、近視に対する社会の意識が大きく高まり、視力補正のためのコンタクトレンズが更なる広がりを見せる可能性が出てきております。
また、海外におきましては、当社グループが営業を展開している東南アジア・インド・欧州等で同感染症の拡大により経済活動が依然制約されておりますが、一方で中国経済はいち早く回復を示し、安定的な成長を継続しており、その回復の兆しは東南アジアにも及びつつあります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の景気見通しにつきましては、国内においてワクチン接種の進捗が遅れる中、変異種が従来を上回る感染力で広まりつつあり、未だ収束時期が見通せないことに加え、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の下での外出自粛要請及び大型商業施設への休業要請等の影響により、コロナ前の水準への回復には一定の時間を要すると考えられ、国内外において、景気の先行きは、相当の不安定さを呈するものと考えられます。
国内コンタクトレンズ市場につきましては、感染拡大阻止のための在宅勤務やリモート授業の定着、外出自粛による消費行動の抑制、さらに緊急事態宣言発令時における販売施設の休業等により、ワクチン接種等による抜本的な解決策が講じられるまでの間は需要の低迷が続くことが予測され、厳しい市場環境からの回復の目途が未だ立っていないと認識しております。海外市場においては、中国市場は回復を示しておりますが、特にインド・北部欧州では未だ感染の鎮静化が見えず、経済活動の再活性化には時間を要するものと思われます。
このような状況の下、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に対する社内外への感染防止と従業員の安全確保、国や地方自治体からの各種要請を踏まえつつ、製品供給責任を確実に継続するために、グループ別交代制勤務・テレワーク・フレキシブルな通勤体制等を活用しながら、従来通り開発から生産販売に至る事業活動を継続し新たな取り組みへも注力してまいります。今後も、常に最新の感染状況、行政の政策運営、市場動向を踏まえた上で、臨機応変かつ慎重に事業活動を継続いたします。
2022年3月期につきましては、主力製品の「ワンデーピュアシリーズ」を中心として、品質の高さやきめ細やかな製品のラインナップのアピールに努めるとともに、2021年4月に発売したデジタルデバイス使用時の瞳のストレス軽減を目指して開発した新設計の1日使い捨てソフトコンタクトレンズ「シード ワンデーピュア View Support(ビューサポート)」や、市場の伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ及びオルソケラトロジー等の高付加価値商品の拡販に注力してまいります。サークル・カラーコンタクトレンズにおいては、新色投入とともに、近くを見つづける瞳をサポートしながらもおしゃれを楽しみたい方に向けた「シード アイコフレ 1day UV M View Support(ビューサポート)」の発売により、コロナ禍における厳しい市場環境下における需要創設を目指してまいります。また、DXを活用した業務改革やスマートコンタクトレンズ事業等の新しい分野にも積極的に経営資源を投下してまいります。海外事業においては、2021年2月から欧州で販売を開始し、国内での展開も準備をすすめている当社初となる自社オリジナルのシリコーンハイドロゲル素材ワンデーコンタクトレンズ「シード 1day Silfa(シルファ)」の販売地域の拡大と販売促進に加え、中国・東南アジアを中心とした既存進出地域の売上拡大と新規販売品目の拡大に注力してまいります。利益面におきましても、多品種少量生産をより進めた中で、資材の効率使用を行い、歩留まり改善等による製造原価の低減を実現し、成長戦略のための研究開発投資や生産設備投資に係る償却負担等を吸収し、収益力の強化を図ってまいります。また、消費者の新しい生活様式に対応するべく広告宣伝戦略を抜本的に見直し、新しい視点での「シード」ブランドの定着を目指してマーケティングを実施していく方針です。
また、安全性や業務効率を勘案し、老朽化が著しく進んだ本郷地区の本社社屋について、2023年3月期より建て替えに着手する予定です。完成後、更なる業務効率の改善と、ブランドイメージの向上を様々な企業活動の面で目指してまいります。
なお、2021年5月7日に公表いたしました2021年3月期決算における単体決算においての特別損失の計上により、懸念されうる国内小売販売会社及び欧州等の海外製造及び販売子会社に関わる、現時点で想定される減損リスクのある資産についての引当金、損失処理は計上したと認識しております。北部欧州においては、新型コロナウイルスの感染状況は依然高く、欧州子会社の事業活動は大きな制約を受けており、2021年12月期の期間損益は、相応の影響を受けると考え、2022年3月期の当社の連結決算の業績予想には反映済みです。従いまして、2022年3月期以降のこれらの損失等の発生は外部要因が変わらない限りは限定的と想定しております。また、対象となった子会社の事業や営業資産等は、当社グループの持続的な成長や事業の国際展開のためには、重要な事業的意味を持つもので、必要不可欠と認識しております。

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