有価証券報告書-第101期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/24 13:05
【資料】
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【項目】
127項目
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
①子会社
当社グループが支配している会社を、子会社として連結しております。ある会社への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、当該会社に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該会社を支配していると判断しております。
子会社の会計方針がグループ会計方針と異なる場合、必要に応じて当該子会社の財務諸表を調整しております。
当社グループ内の債権債務残高、取引高及び未実現損益は相殺消去しております。
子会社に対する持分の変動のうち支配の喪失とならないものは、資本取引として会計処理しております。非支配持分の修正額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
子会社に対する支配を喪失した場合は、当該子会社の資産、負債、非支配持分及びその他の資本の構成要素の認識を中止しております。支配喪失に係る利得または損失は、純損益として認識しております。支配喪失後における残存持分は、支配喪失日の公正価値で測定しております。
②企業結合
企業結合は、取得法により会計処理しております。
非支配持分は、公正価値または被取得企業の純資産に対する非支配持分の比例的持分で測定しており、企業結合ごとに選択しております。
移転対価及び被取得企業の非支配持分の合計金額が、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日における正味の金額を上回る場合はその金額をのれんとして認識し、下回る場合はその金額を純損益として認識しております。
なお、取得関連費用は、発生時に純損益として認識しております。
③関連会社及び共同支配企業
当社グループが財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているが支配していない会社を、関連会社として持分法を適用しております。重要な影響力は、財務及び経営方針決定に参加する支配に該当しないパワーであり、ある会社の議決権の20%以上50%以下を保有する場合等に、当社グループは当該会社に対して重要な影響力を有していると判断しております。また、当社グループを含む複数の当事者が共同支配により重要な経済活動を行う契約上の取決めに基づいており、かつ、当社グループが純資産に対する権利を有している会社を、共同支配企業として持分法を適用しております。
関連会社及び共同支配企業の会計方針がグループ会計方針と異なる場合、必要に応じて当該関連会社及び共同支配企業の財務諸表を調整しております。
また、重要な未実現損益は、関連会社及び共同支配企業に対する当社グループの持分の範囲で消去しております。
(2)外貨換算
①外貨建取引の換算
外貨建取引は、取引日の直物為替相場により機能通貨に換算しております。
外貨建貨幣性項目は、期末日の直物為替相場により機能通貨に換算しております。当該換算及び決済によって生じる換算差額は、純損益として認識しております。
取得原価で測定する外貨建非貨幣性項目は、取引日の直物為替相場により機能通貨に換算しております。公正価値で測定する外貨建非貨幣性項目は、公正価値を測定した日の直物為替相場により機能通貨に換算しております。非貨幣性項目の換算差額について、非貨幣性項目に係る利得または損失をその他の包括利益として認識する場合は、当該利得または損失の為替部分もその他の包括利益として認識し、非貨幣性項目に係る利得または損失を純損益として認識する場合は、当該利得または損失の為替部分も純損益として認識しております。
②在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の直物為替相場により機能通貨に換算し、収益及び費用は為替相場の著しい変動のない限り期中平均相場により機能通貨に換算しております。当該換算差額はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素として認識しております。在外営業活動体を処分する場合、その他の資本の構成要素として認識してきた当該在外営業活動体に関連した換算差額の累計額を処分時に純損益に振替えております。
(3)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に満期日または償還期限の到来する短期投資からなっております。
(4)棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い金額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における予想販売価額から完成までに要する見積原価及び見積売却コストを控除した額であります。
棚卸資産の取得原価は、個々の棚卸資産に代替性がない場合は個別法に基づいて算定し、個々の棚卸資産に代替性がある場合は主として移動平均法に基づいて算定しております。
なお、トレーディング目的で取得した棚卸資産については、売却コスト控除後の公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
(5)売却目的で保有する資産
売却目的で保有する資産は、継続的使用よりも売却取引により帳簿価額を回収する場合、かつ、1年以内に売却する可能性が非常に高い場合に分類し、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうちいずれか低い金額で測定しております。なお、売却目的で保有する資産は、減価償却または償却を行っておりません。
(6)金融商品
①非デリバティブ金融資産
非デリバティブ金融資産は、取引日に当初認識し、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCIの金融資産)、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPLの金融資産)に分類しております。
当該金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合または当該金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合に、当該金融資産の認識を中止しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいていること
・金融資産の契約条件により、元本及び利息の支払によるキャッシュ・フローのみが特定の日に生じること
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時において、公正価値にその発生に直接起因する取引コストを加算して測定しております。当初認識後は、実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
(b)FVTOCIの金融資産
主に投資先との取引関係・協業関係の維持・強化を目的として保有している資本性金融資産をFVTOCIの金融資産に分類しております。
FVTOCIの金融資産は、当初認識時において、公正価値にその発生に直接起因する取引コストを加算して測定しております。当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合または公正価値が著しく低下した場合にその累積額を利益剰余金に振替えております。なお、配当金については純損益として認識しております。
(c)FVTPLの金融資産
FVTOCIの金融資産として分類されない資本性金融資産及び償却原価で測定しない金融資産はFVTPLの金融資産に分類しております。
FVTPLの金融資産は当初認識後、公正価値で測定し、その公正価値の変動は純損益として認識しております。
②非デリバティブ金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産のうち、営業債権等については、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。貸付金については、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には12か月の予想信用損失に等しい金額で、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。当社グループは、期日経過が30日を超えない、または内部の信用格付を基に投資適格に相当する取引先に対する債権等について、信用リスクの著しい増大は生じていないと判断しております。また、内部の信用格付における評価が撤退勧告先または期日経過が90日を超える債権等について、債務不履行に該当すると判断しております。信用リスクに相関関係のある将来の見通しを考慮した上で、個別に重要な金融資産は、個別に予想信用損失を評価し、個別に重要ではない金融資産は内部の信用格付を基に信用リスクの特徴が類似する資産ごとにグルーピングを行い、集合的に予想信用損失を評価し、損失評価引当金を計上しております。
信用減損金融資産に該当しているかは、債務者の重大な財政状態の悪化、利息または元本支払の債務不履行もしくは延滞、債務者の破産等の客観的証拠により判断しております。
合理的な回収見込みがないと判断された債権については、当該金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
③非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債は、取引日に当初認識し、償却原価で測定する金融負債に分類した上で、公正価値からその発生に直接起因する取引コストを控除した金額で測定しております。当初認識後は、実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
当該金融負債は、契約上の義務が履行された場合、債務が免責、取消または失効となった場合に認識を中止しております。
④デリバティブ及びヘッジ会計
為替変動リスク、金利変動リスク及び商品価格変動リスクをヘッジするため、為替予約、金利スワップ及び商品先物・先渡等のデリバティブ取引を行っております。
デリバティブは、公正価値で当初認識し、関連する取引コストは発生時に純損益として認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
ただし、ヘッジ会計の適格要件を満たす場合には、次のとおり処理しております。
(a)公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の公正価値の変動リスクをヘッジする手段であるデリバティブに係る利得または損失は、純損益として認識しております。また、ヘッジ対象に係る利得または損失は、ヘッジ対象の帳簿価額を調整するとともに、純損益として認識しております。
(b)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする手段であるデリバティブに係る利得または損失のうち、有効なヘッジと判断される部分はその他の包括利益として認識し、非有効な部分は純損益として認識しております。
その他の包括利益として認識した金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える連結会計年度において、その他の資本の構成要素から純損益に振替えております。ただし、予定取引のヘッジがその後に非金融資産または非金融負債の認識を生じさせる場合には、その他の包括利益として認識した金額を当該非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振替えております。
ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がもはや見込まれない場合にはヘッジ会計を中止して、その他の包括利益として認識した金額をその他の資本の構成要素から純損益に振替えております。
(c)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資に係る為替相場の変動リスクをヘッジする手段である借入金等の非デリバティブ金融負債は、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の処理をしております。その他の包括利益として認識したヘッジの有効部分は、在外営業活動体の処分時にその他の資本の構成要素から純損益に振替えております。
⑤金融資産及び金融負債の相殺
金融資産及び金融負債は、認識した金額を相殺する法的に強制可能な権利を有し、かつ、純額で決済するまたは資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
⑥金利指標改革(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正 )の適用
(a)金利指標改革フェーズ1
2019年9月、国際会計基準審議会は、「金利指標改革」(IFRS第9号、IAS第39号及びIFRS第7号の修正)を公表しました。
これは、銀行間金利(IBORs)等の金利指標の段階的廃止から生じる不確実性の期間における企業による有用な財務情報の提供を支援するため、
・予定取引が発生する可能性が非常に高いかどうかを判定する目的上、ヘッジされているキャッシュ・フローの基礎となっている金利指標が、金利指標改革の結果として変更されない
・ヘッジ対象、ヘッジされるリスクに関連する金利指標、又はヘッジ手段に関連する金利指標が、金利指標改革の結果として変更されない
とする仮定等を追加し、ヘッジ会計に関する要求事項の一部を修正するものであります。当社グループは、IFRS第9号及びIFRS第7号の修正を前連結会計年度の期首時点で存在していたか又はその後に指定されたヘッジ関係、及び前連結会計年度の期首時点で存在していたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の累計額に遡及適用しております。
(b)金利指標改革フェーズ2
当連結会計年度より、2020年8月に公表された「金利指標改革フェーズ2」(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正)を適用し、主に以下の実務上の便法を適用しております。
・金融商品の契約上のキャッシュ・フローの決定基礎の変更が、金利指標改革の直接の結果として必要であり、かつ、契約上のキャッシュ・フローの新しい決定基礎が、従前の基礎(すなわち、変更直前の基礎)と経済的に同等である場合、実務上の便法として、これを認識の中止や帳簿価額の修正として扱わず、代替的な指標金利への変更を反映するために実効金利を更新する
・「金利指標改革フェーズ1」におけるヘッジ会計の要求事項の修正の適用が終了した場合、金利指標改革によって要求される変更を反映するため、ヘッジ指定及びヘッジ文書の変更を行ったという理由だけで、ヘッジ会計を中止する必要はない
(7)有形固定資産
有形固定資産は、取得に直接関連するコスト、解体・除去及び土地の原状回復費用並びに意図した使用が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産の取得・建設等に直接起因する借入コスト等を含めた取得原価で当初認識しております。当初認識後は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、見積耐用年数にわたり主として定額法で減価償却を行っており、主要な見積耐用年数は、次のとおりであります。
建物及び構築物 2-60年
機械装置及び運搬具 2-40年
有形固定資産の減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(8)無形資産
①のれん
のれんは、当初認識後、償却を行わず取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
②のれん以外の無形資産
のれん以外の無形資産は、個別に取得した場合は取得原価で当初認識し、企業結合で取得した場合は取得日時点の公正価値で当初認識しております。当初認識後は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
鉱業権は、主として見積埋蔵量に基づく生産高比例法により償却しております。鉱業権を除くのれん以外の無形資産は、見積耐用年数にわたり定額法で償却を行っており、主要な見積耐用年数は、次のとおりであります。
販売権・顧客関係等 10-15年
ソフトウェア 2-15年
のれん以外の無形資産の償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(9)投資不動産
投資不動産は、賃料収入またはキャピタル・ゲインもしくはその両方を得ることを目的として保有しております。
投資不動産は、取得に直接関連するコスト及び資産計上すべき借入コスト等を含めた取得原価で当初認識しております。当初認識後は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
投資不動産は、見積耐用年数(10-47年)にわたり定額法で減価償却を行っております。
投資不動産の減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(10)リース
契約がリースであるか否か、契約にリースが含まれているか否かについては、リース開始日における契約の実質により判断しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるかまたはリースを含んでおります。
①借手側
リースの開始日において、原資産をリース期間にわたり使用する権利を表す資産(使用権資産)とリース料に係る支払義務(リース負債)を認識します。その後、使用権資産から生じる減価償却費とリース負債から生じる利息費用を別個に認識します。ただし、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料をリース期間にわたって、定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
②貸手側
リース取引のうち、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんど全てを移転する場合はファイナンス・リースに分類し、それ以外の場合にはオペレーティング・リースに分類しております。
(a)ファイナンス・リース
リース開始日に、ファイナンス・リースに基づいて所有している資産を連結財政状態計算書に認識し、それらを正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として計上しております。金融収益は、正味リース投資未回収額に対して一定の利益率を反映する方法により認識しております。
(b)オペレーティング・リース
リースの対象となっている原資産を連結財政状態計算書に計上し、保有している同様の資産と整合的な方法で減価償却を行っております。受取リース料は、他の規則的な方法がリース資産からの使用便益の減少の時間的パターンをより適切に示す場合を除きリース期間にわたり定額法により認識しております。
(11)非金融資産の減損
非金融資産のうち有形固定資産、のれん以外の無形資産、投資不動産及び使用権資産について、減損の兆候の有無を期末日に検討しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位の回収可能価額を見積もっております。のれんについては毎期、更に減損の兆候がある場合には都度、帳簿価額と回収可能価額を比較しております。回収可能価額は、資産または資金生成単位の使用価値と売却コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い金額で測定しております。資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額より高い場合は、当該帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。
また、過去において認識した減損損失がもはや存在しない、または減少している可能性を示す兆候の有無を期末日に検討しております。当該兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位の回収可能価額を見積もっております。資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額より低い場合は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費または償却費を控除した後の帳簿価額を超えない範囲で、減損損失を戻入れております。ただし、のれんについて認識した減損損失は、以後の連結会計年度において戻入れておりません。
なお、持分法適用会社に対する投資については、投資の総額を単一の資産として減損テストを実施しております。
当連結会計年度末においては、新型コロナウイルス感染症の収束の見通しは未だ不透明であるものの、直近の業績を鑑み、当社グループの各事業に与える影響は軽微であるという前提を置き、減損の兆候の判定および回収可能価額の算定を行っております。
一方、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性が高いため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
(12)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、現在の法的債務または推定的債務が存在しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値で引当金を測定しております。
(13)従業員給付
①確定給付制度
確定給付債務の現在価値と制度資産の公正価値の純額を制度ごとに算出し、負債または資産として計上しております。割引率は、確定給付債務の期間及び通貨と整合する期末時点の優良社債の利回りを参照して決定しております。過去勤務費用は、即時に純損益として認識しております。
確定給付制度から生じるすべての確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えております。
②確定拠出制度
確定拠出制度への拠出は、従業員が関連するサービスを提供した期間に費用として計上しております。
③短期従業員給付
短期従業員給付は、関連する勤務が提供された時点で、割引計算を行わない金額で費用として計上しております。過去の勤務の結果として支払うべき現在の法的債務または推定的債務が存在しており、かつ、信頼性のある金額を見積もることができる場合に、その見積額を負債として計上しております。
(14)株式報酬
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)、取締役を兼務しない経営幹部を対象とした譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。譲渡制限付株式報酬制度における報酬費用は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測定しております。
(15)資本
①資本金及び資本剰余金
当社が発行した資本性金融商品は、当該発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、当該発行に直接起因する費用は資本剰余金から控除しております。
②自己株式
自己株式を取得した場合は、当該取得に直接起因する費用を含む取得原価を、資本の減少として認識しております。自己株式を売却した場合は、受取対価を資本の増加として認識しております。
(16)収益認識
①収益の認識及び測定の基礎
下記の5ステップアプローチに基づき、収益を測定し認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する
②収益の認識時点
上記の5ステップアプローチに基づき契約の履行義務を充足した時点で収益を認識いたします。
当社グループでは、金属、自動車、自動車用構成部品、機械、化学品、食料等の商品・製品の販売を行っております。このような物品の販売については、商品・製品の支配が顧客に移転した一時点において契約の履行義務を充足しております。すなわち、顧客との契約により指定された引き渡し場所において引き渡した時点もしくは検収された時点で、当社グループが商品・製品に対する支払いを受ける権利が発生し、また、顧客に商品・製品の法的所有権、物理的占有、所有に伴う重大なリスクと経済価値が移転した時点で収益を認識しております。
また、役務提供、工事契約、受注製作のソフトウェア開発等を行っております。これらの取引は契約に従い一定の期間にわたり契約の履行義務を充足しておりますが、提供する役務・財に対する支配を顧客に移転する際の履行を描写するために履行義務の完全な充足に向けての進捗度を測定することにより、その進捗度に応じて収益を認識しております。なお、進捗度の測定方法は、原則として発生したコストに基づいたインプット法を用いておりますが、個々の取引の契約内容及びその役務・財の性質を考慮した上で、適切な測定方法を決定しております。
③収益の総額表示と純額表示
物品の販売、サービスの提供等において、当社グループが主たる当事者として取引を行っている場合は収益を総額で、代理人として取引を行っている場合は収益を純額で表示しております。主たる当事者か代理人かの判定に際しては、下記の3つの指標に基づき総合的に判断しております。
・顧客の注文の前後、出荷中または返品時に当社グループが在庫リスクを有するかどうか
・他の当事者の財またはサービスの価値の設定における自由が当社グループにあるかどうか、また当社グループが当該財またはサービスから受け取ることのできる便益が制限されているかどうか
・当社グループが契約の履行に主たる責任を有しているかどうか
(17)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用及び繰延税金費用から構成されており、その他の包括利益または資本で直接認識する項目から生じる場合及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しております。
当期税金費用は、税務当局に対する納付または税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に用いる税率及び税法は、期末日までに制定または実質的に制定されているものであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差額である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、期末日における法定税率または実質的法定税率及び税法に基づいて、資産が実現する連結会計年度または負債が決済される連結会計年度に適用されると予想される税率及び税法を用いて算定しております。次の場合には、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識しておりません。
・将来加算一時差異がのれんの当初認識から生じる場合
・企業結合ではなく、かつ、取引日に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響しない取引における資産または負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異について、解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な将来にその差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異について、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合または当該一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が低い場合
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった範囲について減額しております。未認識の繰延税金資産についても期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなった範囲で認識しております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制可能な権利を有し、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合または別々の納税主体であるものの当期税金資産及び当期税金負債を純額で決済するあるいは資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
(18)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ、補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に認識し、公正価値で測定しております。資産に関する補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。
(19)連結納税制度の適用
当社及び一部の連結子会社は、連結納税制度を適用しております。
(20)未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設または改訂のうち、当社グループに重要な影響を及ぼすものはありません。