有価証券報告書-第158期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営の基本方針について
国内最大の紙の専門商社として、社会・産業・文化の発展を支え、人々の営みにおいて欠くことの出来ない紙・板紙の安定供給を果たすとともに、社会の要請に応じた新たな事業を展開していくことを基本方針としております。
また、社会と地球環境のよりよい未来を拓くことをグループ全体の使命として、グループ役職員は積極的に自らを変革し、領域を超えた挑戦を続け、新たな価値を創造することにより、全てのステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指してまいります。
なお、当社グループが目指すグループ企業理念等につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載しております。
(2) 当社を取り巻く経営環境と事業環境
当期における我が国経済は、海外経済の減速などを背景に外需が弱いものの、雇用、所得環境の改善などによって設備投資と個人消費の増加基調が続き、全体としては緩やかな回復が続きました。一方、世界経済におきましては、米中貿易摩擦の影響が米中のみならずユーロ圏にも波及し、主要国、地域の経済の減速を招く結果となりました。また、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染拡大が世界的な規模での経済活動の停滞をもたらし、予断を許さない状況が続いております。
紙パルプ業界におきましては、板紙は、加工食品、飲料用など生活必需品や、伸長著しいネット通販向けの梱包用段ボール原紙の出荷が堅調で前期並みとなったものの、紙は、人口減少、少子化、出版物や広告用途等におけるデジタル化の進展などの構造的要因から需要が減少し、当期における紙・板紙の内需は前年を下回る結果となりました。
(3) 中期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題
当社グループでは、2017年度からの3年間を対象とした『中期経営計画2019“Paper, and beyond”』(以下、「中計2019」といいます。)を策定し、当中計期間におけるグループ基本方針として『各事業分野のさらなる充実と収益の安定』を掲げ、中計最終年度(2019年度)グループ連結経常利益の目標を130億円とし、保有資産の効率的活用によるROAの向上に取り組むとともに、企業価値最大化の観点からROE8%を達成することを目指してまいりました。
中計2019の3年間においては、新たな収益基盤の獲得と既存事業との相乗効果の創出に取り組み、営業利益については3期連続で過去最高益を更新し、最終年度である当期は10,924百万円となりましたが、経常利益は9,800百万円となり、最終年度の数値目標としていた130億円には未達となりました。
なお、中計2019の達成状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 経営成績の状況 ④ 『中期経営計画2019“Paper, and beyond”』の達成状況」に記載しております。
紙は、国内および先進国において情報媒体の電子化など構造的な需要の縮小傾向が続いておりますが、新興国では経済成長に伴い今後も増加が見込まれております。板紙は国内、海外ともに段ボールを中心にパッケージ向け需要が引き続き増加しており、全世界での紙、板紙のトータルの需要は増加傾向にあります。他方で、新型コロナウイルス感染症の流行による世界規模での経済停滞は紙、板紙需要にも今後大きな影響を及ぼすことが予想され、現時点で業績を予想するのが困難な状況です。国内における外出の自粛や人との接触の削減、一部の海外子会社の拠点におけるロックダウン等により、国内外の経済状況、生活様式は大きく変化しており、当社グループの足元の状況では国内及び海外卸売事業において大幅に販売が減少しており、今後も当社グループの経営環境や事業環境が大きく変わる可能性があります。
当社グループでは中計2019の終了にあたり、2020年度をスタートとする新たな中期経営計画を策定し公表する準備を進めておりましたが、 新型コロナウイルスの当社グループ事業への影響は甚大であり、その影響が長期化するものと見込まれることから、新たな中期経営計画のスタートを延期することといたしました。
このような事業環境の中において、グループ企業理念を徹底尊重しながら、新型コロナウイルスの収束後も見据え、販売価格を堅持し、コストの徹底的な削減を実行すると共に、緊急時ゆえの、あるいはコロナ後のNew Normalを踏まえた需要、商機、事業、投資機会を探求することで、グループ業績の底上げに全力を投入してまいります。
(4) 財務上の対処すべき課題
当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、安定的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。経常利益率、資本効率を高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、ROA、ROEの向上など持続的な成長を目指してまいります。
当社の配当政策につきましては、安定的な株主還元を基本としております。また、自己株式の取得については、資本効率の向上に資する株主還元策として機動的に実施を検討することとしております。こうした方針のもと、当連結会計年度において、配当金の支払い及び自己株式の取得を実施いたしました。
なお、配当金の支払いについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結株主資本等変動計算書関係) 3 配当に関する事項」に、自己株式の取得については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」に記載しております。
(5) セグメントごとの経営環境と対処すべき課題
① 国内卸売セグメント
紙に関しては、新型コロナウイルス感染拡大により社会経済活動が制限され、主にチラシなどの広告向け商業印刷分野が大きく低迷しております。感染拡大が収束し社会経済活動が再開された場合、同分野の需要も回復すると見込まれますが、回復のタイミング、規模とも現時点では不透明な状況です。
一方、板紙に関しては、外出自粛の影響もあり加工食品や飲料などの需要が引き続き堅調でしたが、インバウンド需要の消失や、世界的な経済活動の低迷による輸出梱包向けの出荷が減少し、今後の需要動向は紙同様不透明な状況です。
国内での物流コストの上昇などマイナス要因もあり、紙、板紙の販売価格を堅持することで、今後も収益性の向上を目指してまいります。
当社は販売の規模拡大を図るだけでなく、収益の安定性を高めていく考えです。そのためにも、企画力、提案力を一層磨き、紙ならではの価値の再発見や新たな付加価値をもたらす取り組みや情報発信など、ステークホルダーとのコミュニケーションをより深める施策を実行してまいります。
② 海外卸売セグメント
当社グループは、世界最強の紙流通企業の実現に向けた事業体制の確立に向けて、海外においてはグローカリゼーションとして、グローバルネットワークとローカルな流通体制の構築に取り組んでおります。現在では、アメリカ、イギリス、オセアニア、インド、香港、シンガポール、マレーシアで紙商を経営し、保管、配送機能を備え、域内に製品を安定供給する体制を構築し、グローバルな調達、販売網を確立しております。
・米国と中国の貿易摩擦が両国経済に与えるマイナス効果が顕在化した場合は、両国におけるグループ会社の業績に直接影響するばかりではなく、輸出の1/3を中国に依存する豪州、両国市場への輸出が盛んなアジア周辺国を始め、欧州各国の経済が低迷することが想定され、各地域に所在するグループ会社の業績にも大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
・新型コロナウイルス感染症の影響は、日本のみならず全世界でいまなお経済・社会活動の制約となっており、当社グループの国内外各拠点も例外なくその影響により事業活動の制限を余儀なくされております。当社グループは国内外製紙メーカーと連携し、グローバルなサプライチェーンを最大限に活用することで人々の生活に不可欠な紙・板紙の安定供給に努めてまいります。
③ 製紙及び加工セグメント
古紙を原料とした家庭紙、段ボール原紙、印刷用紙の製紙事業を展開し、再生家庭紙製造国内最大手コアレックスグループを含む一連の古紙を利用した製紙事業への事業投資により、当社グループは、再生原料である古紙の回収から製紙及び加工、流通に至るまで、紙のサプライチェーンの川上から川下までをグループ内でカバーする体制を構築しております。この事業体制を活かして、部門全体では原料調達、製造、販売のサプライチェーンを最適化するとともにコスト低減を図り、一層の競争力強化に努め、環境配慮型の商品を効率的に生産し、安定的にお客様へ供給する事業を展開しております。
特に再生家庭紙事業では、コアレックスグループを中心に安定的な供給体制を構築しております。一方、段ボール製造事業における生産設備への投資や、多様なニーズに対応する加工体制の構築にも注力しております。
家庭紙は、足元では新型コロナウイルス感染症の影響下での海外観光客の減少によるマイナスの影響がある見込みですが、引き続き底堅い需要を見込んでおります。価格政策については、原料古紙の動向が不透明であり、物流コストも上昇していることから販売価格の維持に努め、収益の確保を目指してまいります。
段ボール原紙については、外出自粛の影響もあり加工食品や飲料向けなどの需要が引き続き堅調でしたが、インバウンド需要の消失や、世界的な経済活動の低迷による輸出梱包向けの出荷減少により、今後の需要動向は不透明な状況です。価格政策については原料古紙の動向が不透明であり、物流コストも上昇していることから販売価格の維持に努め、収益の確保を目指してまいります。
④ 資源及び環境セグメント
イ 古紙事業:
古紙の国内市況、需給状況は、国際需給すなわち古紙発生国である米国や欧州と、最大の古紙消費国である中国の動向、および為替レートの水準によって左右されます。その中国において2017年度から発動されている古紙輸入制限により、日本国内の古紙在庫が滞留したことに伴い、古紙価格は弱含んで推移しております。この価格動向は中長期的には東南アジア諸国で製紙工場が多く新設稼働する2022年頃まで継続するものと見込んでおります。
当社グループは古紙原料の安定供給体制の強化を図り、国内製紙メーカー向け供給を中心に、採算のバランスを勘案しながらアジア圏への輸出も行ってまいります。
ロ 資源・環境事業:
当社グループは、資源・環境事業を重点事業分野として位置付け、古紙の再資源化事業以外に、プラスチックや木質系廃棄物の再資源化事業、再生可能エネルギーによる発電事業などへの事業投資、参画を進めております。
・再生可能エネルギーによる発電事業:
現在、当社グループが参画している発電事業会社は岩手県、島根県での木質バイオマス発電事業会社2社のほか、北海道、岩手県、宮城県での太陽光発電事業会社3社の計5社になっており、そこで発電したエネルギーはすべて再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し社会に供給しております。
今後は資源・環境事業分野におけるノウハウをさらに蓄積し、資源循環型社会の構築に貢献する事業活動を進めていきたいと考えております。
⑤ 不動産賃貸セグメント
当社が東京・大阪・京都などに所有する不動産は立地条件に恵まれており、オフィス・集合住宅などでの活用およびホテル事業者への賃貸により得られる賃貸料収入は、当社業績に対して安定継続して寄与するものと見込んでおります。近年では、2018年6月に「OVOL日本橋ビル」、2019年3月に「OVOL京都駅前ビル」を竣工いたしました。当社は今後も所有不動産の有効活用を推し進めるとともに、地域社会の発展に貢献してまいります。
なお、コロナ後のNew Normalとして、今後オフィス需要の減少、賃料レベルの低下が懸念されますが、既存テナントを含めた稼働率の維持向上に取り組み、所有不動産の適正管理と価値最大化に取り組んでまいります。
国内最大の紙の専門商社として、社会・産業・文化の発展を支え、人々の営みにおいて欠くことの出来ない紙・板紙の安定供給を果たすとともに、社会の要請に応じた新たな事業を展開していくことを基本方針としております。
また、社会と地球環境のよりよい未来を拓くことをグループ全体の使命として、グループ役職員は積極的に自らを変革し、領域を超えた挑戦を続け、新たな価値を創造することにより、全てのステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指してまいります。
なお、当社グループが目指すグループ企業理念等につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載しております。
(2) 当社を取り巻く経営環境と事業環境
当期における我が国経済は、海外経済の減速などを背景に外需が弱いものの、雇用、所得環境の改善などによって設備投資と個人消費の増加基調が続き、全体としては緩やかな回復が続きました。一方、世界経済におきましては、米中貿易摩擦の影響が米中のみならずユーロ圏にも波及し、主要国、地域の経済の減速を招く結果となりました。また、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染拡大が世界的な規模での経済活動の停滞をもたらし、予断を許さない状況が続いております。
紙パルプ業界におきましては、板紙は、加工食品、飲料用など生活必需品や、伸長著しいネット通販向けの梱包用段ボール原紙の出荷が堅調で前期並みとなったものの、紙は、人口減少、少子化、出版物や広告用途等におけるデジタル化の進展などの構造的要因から需要が減少し、当期における紙・板紙の内需は前年を下回る結果となりました。
(3) 中期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題
当社グループでは、2017年度からの3年間を対象とした『中期経営計画2019“Paper, and beyond”』(以下、「中計2019」といいます。)を策定し、当中計期間におけるグループ基本方針として『各事業分野のさらなる充実と収益の安定』を掲げ、中計最終年度(2019年度)グループ連結経常利益の目標を130億円とし、保有資産の効率的活用によるROAの向上に取り組むとともに、企業価値最大化の観点からROE8%を達成することを目指してまいりました。
中計2019の3年間においては、新たな収益基盤の獲得と既存事業との相乗効果の創出に取り組み、営業利益については3期連続で過去最高益を更新し、最終年度である当期は10,924百万円となりましたが、経常利益は9,800百万円となり、最終年度の数値目標としていた130億円には未達となりました。
なお、中計2019の達成状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 経営成績の状況 ④ 『中期経営計画2019“Paper, and beyond”』の達成状況」に記載しております。
紙は、国内および先進国において情報媒体の電子化など構造的な需要の縮小傾向が続いておりますが、新興国では経済成長に伴い今後も増加が見込まれております。板紙は国内、海外ともに段ボールを中心にパッケージ向け需要が引き続き増加しており、全世界での紙、板紙のトータルの需要は増加傾向にあります。他方で、新型コロナウイルス感染症の流行による世界規模での経済停滞は紙、板紙需要にも今後大きな影響を及ぼすことが予想され、現時点で業績を予想するのが困難な状況です。国内における外出の自粛や人との接触の削減、一部の海外子会社の拠点におけるロックダウン等により、国内外の経済状況、生活様式は大きく変化しており、当社グループの足元の状況では国内及び海外卸売事業において大幅に販売が減少しており、今後も当社グループの経営環境や事業環境が大きく変わる可能性があります。
当社グループでは中計2019の終了にあたり、2020年度をスタートとする新たな中期経営計画を策定し公表する準備を進めておりましたが、 新型コロナウイルスの当社グループ事業への影響は甚大であり、その影響が長期化するものと見込まれることから、新たな中期経営計画のスタートを延期することといたしました。
このような事業環境の中において、グループ企業理念を徹底尊重しながら、新型コロナウイルスの収束後も見据え、販売価格を堅持し、コストの徹底的な削減を実行すると共に、緊急時ゆえの、あるいはコロナ後のNew Normalを踏まえた需要、商機、事業、投資機会を探求することで、グループ業績の底上げに全力を投入してまいります。
(4) 財務上の対処すべき課題
当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、安定的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。経常利益率、資本効率を高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、ROA、ROEの向上など持続的な成長を目指してまいります。
当社の配当政策につきましては、安定的な株主還元を基本としております。また、自己株式の取得については、資本効率の向上に資する株主還元策として機動的に実施を検討することとしております。こうした方針のもと、当連結会計年度において、配当金の支払い及び自己株式の取得を実施いたしました。
なお、配当金の支払いについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結株主資本等変動計算書関係) 3 配当に関する事項」に、自己株式の取得については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」に記載しております。
(5) セグメントごとの経営環境と対処すべき課題
① 国内卸売セグメント
紙に関しては、新型コロナウイルス感染拡大により社会経済活動が制限され、主にチラシなどの広告向け商業印刷分野が大きく低迷しております。感染拡大が収束し社会経済活動が再開された場合、同分野の需要も回復すると見込まれますが、回復のタイミング、規模とも現時点では不透明な状況です。
一方、板紙に関しては、外出自粛の影響もあり加工食品や飲料などの需要が引き続き堅調でしたが、インバウンド需要の消失や、世界的な経済活動の低迷による輸出梱包向けの出荷が減少し、今後の需要動向は紙同様不透明な状況です。
国内での物流コストの上昇などマイナス要因もあり、紙、板紙の販売価格を堅持することで、今後も収益性の向上を目指してまいります。
当社は販売の規模拡大を図るだけでなく、収益の安定性を高めていく考えです。そのためにも、企画力、提案力を一層磨き、紙ならではの価値の再発見や新たな付加価値をもたらす取り組みや情報発信など、ステークホルダーとのコミュニケーションをより深める施策を実行してまいります。
② 海外卸売セグメント
当社グループは、世界最強の紙流通企業の実現に向けた事業体制の確立に向けて、海外においてはグローカリゼーションとして、グローバルネットワークとローカルな流通体制の構築に取り組んでおります。現在では、アメリカ、イギリス、オセアニア、インド、香港、シンガポール、マレーシアで紙商を経営し、保管、配送機能を備え、域内に製品を安定供給する体制を構築し、グローバルな調達、販売網を確立しております。
・米国と中国の貿易摩擦が両国経済に与えるマイナス効果が顕在化した場合は、両国におけるグループ会社の業績に直接影響するばかりではなく、輸出の1/3を中国に依存する豪州、両国市場への輸出が盛んなアジア周辺国を始め、欧州各国の経済が低迷することが想定され、各地域に所在するグループ会社の業績にも大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
・新型コロナウイルス感染症の影響は、日本のみならず全世界でいまなお経済・社会活動の制約となっており、当社グループの国内外各拠点も例外なくその影響により事業活動の制限を余儀なくされております。当社グループは国内外製紙メーカーと連携し、グローバルなサプライチェーンを最大限に活用することで人々の生活に不可欠な紙・板紙の安定供給に努めてまいります。
③ 製紙及び加工セグメント
古紙を原料とした家庭紙、段ボール原紙、印刷用紙の製紙事業を展開し、再生家庭紙製造国内最大手コアレックスグループを含む一連の古紙を利用した製紙事業への事業投資により、当社グループは、再生原料である古紙の回収から製紙及び加工、流通に至るまで、紙のサプライチェーンの川上から川下までをグループ内でカバーする体制を構築しております。この事業体制を活かして、部門全体では原料調達、製造、販売のサプライチェーンを最適化するとともにコスト低減を図り、一層の競争力強化に努め、環境配慮型の商品を効率的に生産し、安定的にお客様へ供給する事業を展開しております。
特に再生家庭紙事業では、コアレックスグループを中心に安定的な供給体制を構築しております。一方、段ボール製造事業における生産設備への投資や、多様なニーズに対応する加工体制の構築にも注力しております。
家庭紙は、足元では新型コロナウイルス感染症の影響下での海外観光客の減少によるマイナスの影響がある見込みですが、引き続き底堅い需要を見込んでおります。価格政策については、原料古紙の動向が不透明であり、物流コストも上昇していることから販売価格の維持に努め、収益の確保を目指してまいります。
段ボール原紙については、外出自粛の影響もあり加工食品や飲料向けなどの需要が引き続き堅調でしたが、インバウンド需要の消失や、世界的な経済活動の低迷による輸出梱包向けの出荷減少により、今後の需要動向は不透明な状況です。価格政策については原料古紙の動向が不透明であり、物流コストも上昇していることから販売価格の維持に努め、収益の確保を目指してまいります。
④ 資源及び環境セグメント
イ 古紙事業:
古紙の国内市況、需給状況は、国際需給すなわち古紙発生国である米国や欧州と、最大の古紙消費国である中国の動向、および為替レートの水準によって左右されます。その中国において2017年度から発動されている古紙輸入制限により、日本国内の古紙在庫が滞留したことに伴い、古紙価格は弱含んで推移しております。この価格動向は中長期的には東南アジア諸国で製紙工場が多く新設稼働する2022年頃まで継続するものと見込んでおります。
当社グループは古紙原料の安定供給体制の強化を図り、国内製紙メーカー向け供給を中心に、採算のバランスを勘案しながらアジア圏への輸出も行ってまいります。
ロ 資源・環境事業:
当社グループは、資源・環境事業を重点事業分野として位置付け、古紙の再資源化事業以外に、プラスチックや木質系廃棄物の再資源化事業、再生可能エネルギーによる発電事業などへの事業投資、参画を進めております。
・再生可能エネルギーによる発電事業:
現在、当社グループが参画している発電事業会社は岩手県、島根県での木質バイオマス発電事業会社2社のほか、北海道、岩手県、宮城県での太陽光発電事業会社3社の計5社になっており、そこで発電したエネルギーはすべて再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し社会に供給しております。
今後は資源・環境事業分野におけるノウハウをさらに蓄積し、資源循環型社会の構築に貢献する事業活動を進めていきたいと考えております。
⑤ 不動産賃貸セグメント
当社が東京・大阪・京都などに所有する不動産は立地条件に恵まれており、オフィス・集合住宅などでの活用およびホテル事業者への賃貸により得られる賃貸料収入は、当社業績に対して安定継続して寄与するものと見込んでおります。近年では、2018年6月に「OVOL日本橋ビル」、2019年3月に「OVOL京都駅前ビル」を竣工いたしました。当社は今後も所有不動産の有効活用を推し進めるとともに、地域社会の発展に貢献してまいります。
なお、コロナ後のNew Normalとして、今後オフィス需要の減少、賃料レベルの低下が懸念されますが、既存テナントを含めた稼働率の維持向上に取り組み、所有不動産の適正管理と価値最大化に取り組んでまいります。