有価証券報告書-第159期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 11:40
【資料】
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【項目】
150項目
(1) 経営の基本方針について
国内最大の紙の専門商社として、社会・産業・文化の発展を支え、人々の営みにおいて欠くことの出来ない紙・板紙の安定供給を果たすとともに、社会の要請に応じた新たな事業を展開していくことを基本方針としております。
また、社会と地球環境のよりよい未来を拓くことをグループ全体の使命として、グループ役職員は積極的に自らを変革し、領域を超えた挑戦を続け、新たな価値を創造することにより、全てのステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指してまいります。
なお、当社グループが目指すグループ企業理念等につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載しております。
(2) 当社を取り巻く経営環境と事業環境
当期における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、社会経済活動の大幅な停滞を余儀なくされ、非常に厳しい一年となりました。また、世界経済におきましても、同様に経済の大幅な減速・停滞を招く結果となり、ワクチン効果や経済対策への期待はあるものの、依然として、予断を許さない状況が続いております。
このような情勢のもと、当社グループは、取引先・従業員等関係者の安全に最大限の注意を払いつつ、紙・板紙の安定的な供給をはじめ、多角化した各事業に精力的に取り組みました。
(3) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び事業上の対処すべき課題
当社グループは、長期ビジョン『OVOL長期ビジョン2030 “Paper, and beyond”』(以下、「長期ビジョン2030」)を策定し、2030年のあるべき姿を掲げ、その実現を目指して参ります。
(当社グループのあるべき姿)
「世界最強の紙流通企業グループ」
「持続可能な社会と地球環境に一層貢献する企業グループ」
「紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニー」
また、長期ビジョン2030の実現に向け、2021年度を初年度とした3年間の新たな中期経営計画『中期経営計画2023』を策定いたしました。
当中計期間におけるグループの基本方針として『New Normal、新たな価値観の中での付加価値の創造』、『紙業界の枠を超えたエクセレントカンパニーへの進化』を掲げ、中計最終年度(2023年度)グループ連結経常利益の目標を150億円とし、ネットD/Eレシオを 1.4倍以下としつつ、ROAの向上とROE8%の達成を目指してまいります。
セグメント別には次の事業方針を掲げ、各事業のさらなる充実に向け挑戦を継続してまいります。
(セグメント別事業方針)
「国内卸売セグメント」
構造改革と合理化による収益回復
「海外卸売セグメント」
既存プラットフォームの強化と安定した収益体制の構築
「製紙加工セグメント」
製紙・加工事業におけるグループの総合力向上
「環境原材料セグメント」
安全操業のもとでの持続可能な社会と地球環境への貢献
「不動産賃貸セグメント」
保有不動産からの安定収益の継続と不動産ポートフォリオの最適化
なお、2022年3月期第1四半期より、「製紙及び加工」を「製紙加工」、「資源及び環境」を「環境原材料」へ報告セグメントの名称変更を行っておりますが、各報告セグメントの事業内容等については変更ありません。
(4) 財務上の対処すべき課題
当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、安定的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。経常利益率、資本効率を高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、ROA、ROEの向上等、持続的な成長を目指してまいります。
当社の配当政策につきましては、安定的な株主還元を基本としており、こうした方針のもと、当連結会計年度において配当金の支払いを実施いたしました。また、自己株式の取得については、資本効率の向上に資する株主還元策として機動的に実施を検討することとしております。
なお、配当金の支払いについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結株主資本等変動計算書関係) 3 配当に関する事項」に記載しております。
(5) セグメントごとの経営環境と対処すべき課題
① 国内卸売セグメント
紙については、人口減少や紙から電子媒体へのシフト等の構造的要因を背景とした需要の減少傾向に加え、新型コロナウイルス感染拡大により、チラシやイベントのパンフレット等の広告向け商業印刷分野が大きく低迷しております。この先、ワクチン接種率の増加と社会経済活動の回復に向けた消費喚起策等により、同分野の需要の回復が見込まれますが、回復のタイミング、規模とも現時点では不透明な状況です。
一方、板紙についてはインバウンド需要や世界的な経済活動の再開による輸出梱包向けの出荷の回復については不透明な状況ではありますが、通販関連や加工食品向けに堅調な需要を見込んでおります。
当社グループは、販売規模の拡大以上に、適正な販売価格、利益、利益率の確保を重視し、更に業務効率や資本効率を高めることで収益の拡大を目指してまいります。
また、サステナブル素材である紙・板紙に対し、容器や包装資材としての注目が増している中、新たな需要への取り組みについても積極的に推進しております。
紙の専門商社である当社の機能と付加価値を提供し続け、市場での存在感を一層拡大させるとともに、紙・パルプ業界並びに広く社会に貢献してまいります。
② 海外卸売セグメント
当社グループは、世界最強の紙流通企業グループの実現に向けた事業体制の確立に向けて、海外においてはグローカリゼーションとして、グローバルネットワークと地場に根差した流通体制の構築に取り組み、現在では、アメリカ、イギリス、オセアニア、インド、香港、シンガポール、マレーシアで自前の在庫・物流機能を有する紙商を経営し、世界最強の紙流通企業グループの実現に必要なプラットフォームを有しており、今後それらのプラットフォームを一層強化することに注力してまいります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界規模で紙需要は大きく落ち込んでおり、各事業拠点における社会経済活動の回復状況には地域差もあり、コロナ禍以前の水準までの需要回復については不透明な状況です。
当社グループは国内外製紙メーカーと連携し、グローバルなサプライチェーンを最大限に活用することで回復する需要を確実に取り込むと共に、パッケージング、化成品、機能性商品、環境対応素材の取り扱いを拡大してまいります。そして、その効果的な拡大のために、補完的なM&Aも必要に応じて実施してまいります。
③ 製紙加工セグメント
当社グループは、古紙を主原料とした家庭紙、段ボール原紙、印刷用紙の製紙事業を展開し、再生原料である古紙の回収から製紙、加工、流通に至るまで、紙のサプライチェーンの川上から川下までをグループ内でカバーする事業体制を構築しております。この事業体制を活かして、製紙加工セグメントでは原料調達、製造、販売のサプライチェーンを最適化するとともにコスト低減を図り、一層の競争力強化に努め、環境配慮型の商品を効率的に生産し、安定的にお客様へ供給する事業を展開しております。
再生家庭紙事業では、同分野国内最大手のコアレックスグループによる安定的な供給体制を構築しており、災害発生時のトイレットペーパーの供給支援や災害に備えた備蓄推進活動も行っております。一方、段ボール事業では、段ボール原紙生産設備の更新投資や、多様なニーズに対応する段ボール加工体制の構築にも注力し、市場が拡大している海外においては、2021年度中にインドネシアにおいて段ボール加工の新工場稼働を予定しております。
再生家庭紙については、新型コロナウイルス感染拡大によるオフィスや商業施設、インバウンド消費の減少に伴い、業務用需要の減少があったものの、引き続き底堅い需要を見込んでおります。
段ボール原紙については、コロナ禍においても通販関連や加工食品向けを中心とした日本国内の需要に加え、中国をはじめアジア諸国への輸出が増加しており、堅調な需要を見込んでおります。
再生家庭紙事業、段ボール事業ともに販売価格の維持に努め、安全操業と環境対応の管理を徹底し、安定した収益の確保を目指してまいります。
④ 環境原材料セグメント
イ 古紙再資源化事業:
古紙の国内市況と需給状況は、中国政府による古紙輸入規制とそれに伴うアジア諸国の需給の変動、米国や欧州の古紙発生量、為替レートの水準によって左右されております。中国向け輸出の減少により、日本国内の古紙在庫が滞留したことで、古紙価格は一時的に弱含みとなっておりましたが、コロナ禍において、米国や欧州の古紙発生量が減少したことと、アジア諸国への代替需要が急拡大したことに加え、海上コンテナの不足による運賃上昇も影響し、輸出価格が上昇する動きもあり、今後の国内市況と需給状況は不透明なものとなっております。
当社グループは、国内製紙メーカーへの原料古紙の安定供給を最優先し、国内の古紙リサイクルシステムの維持と古紙利用率の向上に貢献しつつ、採算とのバランスを勘案しながらアジア諸国への輸出も行ってまいります。
ロ 環境事業:
当社グループは、環境事業を重点事業分野として位置付け、プラスチックや木質系廃棄物の再資源化事業、再生可能エネルギーによる発電事業等への投資、参画を進めております。
現在、当社グループが参画している発電事業会社は岩手県、島根県での木質バイオマス発電事業会社2社、北海道、岩手県、宮城県での太陽光発電事業会社3社の計5社になっており、そこで発電したエネルギーはすべて再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し社会に供給しております。
今後は同事業分野におけるノウハウをさらに蓄積し、安全かつ安定操業の徹底により、脱炭素化をはじめとした持続可能な社会と地球環境に貢献する事業活動のさらなる拡大に取り組んでまいります。
⑤ 不動産賃貸セグメント
当社が東京・大阪・京都等に所有する不動産は立地条件に恵まれており、オフィス・集合住宅等での活用及びホテル事業者への賃貸により得られる賃貸料収入は、当社グループ業績に対して継続して安定的に寄与するものと見込んでおります。
コロナ禍においても、今後契約テナントの営業活動の変動により、契約テナントの退去、賃料レベルの低下等が懸念されるものの、保有テナントビルは高稼働を維持しております。
今後も所有不動産の価値最大化のため、稼働率の維持向上と所有不動産の有効活用を推し進めてまいります。

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