有価証券報告書-第153期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 13:12
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の概況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響を受ける中、中国においては輸出が順調に拡大するなど景気回復基調が持続し、米国では感染再拡大に伴う活動規制強化により停滞していた個人消費が経済対策やワクチンの普及などによって持ち直してきた一方で、東南アジアにおいては回復の動きは緩慢であり、全体としては景気の減速が続く状況となりました。
わが国経済も、世界経済全体の減速により減少していた輸出は各国の経済活動再開などによって回復基調が持続し、企業収益は非製造業に弱さがみられるものの、改善傾向が継続した一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う休業要請・外出自粛要請などの解除によって持ち直す兆しを見せた個人消費に感染再拡大による低迷の動きがみられ、企業の設備投資も減少するなど、厳しい状況が続きました。
当社グループは、当連結会計年度を安定して年間10億円以上の連結経常利益を創出できる企業体へ早期に変革するための基盤づくりの年度と位置付けておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらした環境変化への対応として、感染拡大防止と従業員の安全確保に最大限配慮しつつ事業への影響を最小限に抑え、収益改善を果たすべく注力してまいりました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、電子関連がホコリセンサの受注増加などにより伸長した一方で、食品関連が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたことや、繊維関連が前連結会計年度に不振事業から撤退したことなどから減少し、全体では37,265百万円(前連結会計年度比9.5%減)となりました。
利益面におきましては、電子関連の増収や繊維関連における不振事業からの撤退による改善のほか、全社的に取組んだ経費の削減もあり、営業利益は778百万円(前連結会計年度比116.4%増)、経常利益は676百万円(前連結会計年度比148.3%増)となりました。
また、特別損失においてフイルムコンデンサの取引に関する米国における集団訴訟に対応するための弁護士報酬などに係る訴訟関連損失が前連結会計年度比で大幅に減少したほか、前連結会計年度において繊維関連で事業整理損を計上していたことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は500百万円(前連結会計年度は677百万円の損失)となり大幅に改善いたしました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
食品関連
食品業界の輸入食材を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の拡大により内食需要が増加した一方で、学校給食・産業給食・外食産業など幅広い分野において需要が減少しました。市場が収縮した環境下において、商品が滞留し価格競争はますます激化する状況にありました。
このような状況の中で、当社グループの冷凍食品分野では、ホテル・飲食店用途などの外食産業向け及び産業給食等向けについては、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、冷凍野菜・冷凍調理品・冷凍水産加工品の各商材で取扱いが減少しました。売上の減少を最小限に抑えるために、高齢化市場としての医療老健施設向けなど品質管理要求の高いルートへの販売に引き続き注力するとともに、強みである品質管理体制と品揃え、きめ細かな配送サービスを活かした販路拡大や内食需要の拡大への取組みを強化したことで、量販店向けの冷凍野菜と冷凍調理品は伸長しました。利益面では、在庫圧縮などによる経費削減にも注力しましたが、外食産業向け及び産業給食等向けの取扱い減少の影響が大きく、全体では売上・利益ともに減少しました。
農産分野では、生落花生は競争激化により取扱量が減少し、ナッツ類は取扱量は増加したものの市場価格の下落を受けたことなどで、売上・利益ともに減少しました。
その結果、食品関連の売上高は25,110百万円(前連結会計年度比10.7%減)、セグメント利益は1,304百万円(前連結会計年度比9.5%減)となりました。
物資関連
新型コロナウイルス感染症の拡大により、海外渡航を制限する動きが世界中で継続し、経済活動の規制により欧米向けの機械等の輸出は減少しました。
このような状況ではありましたが、当社グループの機械機器・金属製品分野では、大型建設機械の輸出案件の取扱いが伸長したことに加えて、北米向けのハードウエアや各種試験機の輸出が堅調に推移したことから、売上・利益ともに大幅に増加しました。
一方で、防災関連分野では、年度後半において対象地域への海外渡航ができる状態にはなったものの、役務の提供や商談が遅延したことから、売上・利益ともに減少しました。
建築金物・資材分野では、国内におけるマンション等の住宅建設関連の着工数が減少し、特に近畿圏での金物受注が落ち込み、また輸入ガラスも首都圏での取扱いが低調に推移したことで、売上・利益ともに減少しました。
その結果、物資関連の売上高は4,246百万円(前連結会計年度比6.3%減)、セグメント利益は276百万円(前連結会計年度比0.0%増)となりました。
繊維関連
繊維業界では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内では外出自粛により購買意欲が低下し、生産地である中国等においても一時的な生産力低下などが見られ、厳しい状況が続きました。
当社グループのアパレル卸売分野では、テレワーク・巣ごもりなど新たな生活様式に伴い消費者の購買活動に変化がみられ、アパレル専門店向けの取扱いや百貨店アパレル用途の生地販売が減少した一方で、量販店向けの紳士用ホームウエアや企画提案が高く評価されたテレビショッピング用婦人服の取扱いが増加しました。また、ホームセンター向けの吸汗・冷感など機能性衣料やマスク関連商材が伸長し、売上・利益ともに増加しました。
前連結会計年度において不振事業であったアパレル小売分野及びレッグウエア分野から撤退したことで、売上は大幅な減少となりましたが、固定費を削減できたことで収益は改善しました。
その結果、繊維関連の売上高は3,333百万円(前連結会計年度比26.2%減)、セグメント利益は30百万円(前連結会計年度は170百万円の損失)となりました。
電子関連
電子部品業界は、世界的な半導体不足や新型コロナウイルス感染再拡大が懸念される中、パソコンやゲーム機向けが好調であったことに加え、中国と米国を中心とした自動車生産の急速な回復により、全体としては堅調に推移しました。
当社グループのセンサ機器分野では、湿度センサは産業用途などの受注が減少したものの、ホコリセンサは国内及び中国・韓国市場向け空気清浄機用途に加えて車載用途でも増加したことから、売上・利益ともに大幅に増加しました。
計測・試験機器分野では、試験機が国内・海外向けともに堅調に推移したことに加え、新製品の温度ロガーを新型コロナワクチンの温度管理用に受注したことで、売上が増加し、利益は大幅に増加しました。
コンデンサ分野では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、マレーシアの工場が一時操業停止となるなど影響を受けたほか、照明や調理家電用途などが低調であったことにより売上は減少しましたが、生産性向上による利益率の改善により採算面は好転しました。
その結果、電子関連の売上高は4,574百万円(前連結会計年度比14.3%増)、セグメント利益は368百万円(前連結会計年度比237.6%増)となりました。
※ セグメント利益は、報告セグメントに帰属しない一般管理費等配賦前の経常利益の金額に
基づいております。
② 財政状態の概況
当連結会計年度末の資産は、21,193百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,121百万円の減少となりました。これは投資有価証券が時価の上昇などに伴い733百万円増加した一方で、商品及び製品が843百万円、受取手形及び売掛金が455百万円、流動資産のその他に含まれる預託金が300百万円、繰延税金資産が201百万円減少したことなどによるものであります。
また、負債は18,519百万円であり、前連結会計年度末に比べて2,156百万円の減少となりました。これは長短借入金が1,418百万円、流動負債のその他に含まれる未払金が327百万円、社債(1年内償還予定を含む)が250百万円減少したことなどによるものであります。
一方、純資産は2,673百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,035百万円の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益500百万円の計上などにより株主資本が518百万円増加したことに加え、その他有価証券評価差額金などのその他の包括利益累計額が517百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,124百万円の収入(前連結会計年度比1,113百万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益598百万円及びたな卸資産の減少858百万円並びに売上債権の減少448百万円などにより増加したことによるものであります。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは、224百万円の支出(前連結会計年度比412百万円の支出増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出194百万円などにより減少したことによるものであります。
一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,716百万円の支出(前連結会計年度比670百万円の支出増)となりました。これは、長短借入金の純減額1,418百万円及び社債の償還による支出250百万円などにより減少したことによるものであります。
その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は164百万円増加(前連結会計年度は158百万円の増加)して1,351百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前連結会計年度比
(%)
電子関連4,099114.6
合計4,099114.6

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前連結会計年度比
(%)
受注残高(百万円)前連結会計年度比
(%)
電子関連4,260118.9443136.4
合計4,260118.9443136.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前連結会計年度比
(%)
食品関連25,11089.3
物資関連4,24693.7
繊維関連3,33373.8
電子関連4,574114.3
合計37,26590.5

(注) 1 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の内部売上高は控除しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績につきましては、当社グループの当連結会計年度における経営成績に重要な影響を与える要因についての分析等は、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりでありますが、当連結会計年度におきましては、前連結会計年度において繊維関連における不振事業から撤退したことによる固定費削減や全社的に取組んだ経費削減などにより、前連結会計年度に比べ大きく収益改善を果たしました。一方でコロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた食品関連の収益が落ち込んだものの、依然として食品関連に収益を依存している状況に変わりなく、当社グループの課題であります。そのため、2022年3月期からの新中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」においては、すべてのセグメントが収益を拡大しつつバランスの取れた事業ポートフォリオとすることを目指し、取組みを進めてまいります。
財政状態につきましては、食品関連において新型コロナウイルス感染拡大による外食産業向け及び産業給食等向けの需要の減少に伴い、売上債権が減少したことに加え、売上高の減少により在庫水準を抑制したこともあり、運転資金が大きく減少したことで、総資産は減少しました。一方で、純資産は利益計上や投資有価証券の時価が上昇したことなどに伴い増加したことで、連結自己資本比率は前連結会計年度から5.3ポイント上昇し12.6%となりました。引き続き連結自己資本比率の改善に向け、強みを有する中核的事業の拡大と今後中核となりうる事業の育成に取組むことで、すべての事業における収益基盤の確立を図り、また保有資産の効率的な活用などによる総資産の圧縮に取組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであります。資本の財源及び資金の流動性につきましては、利益計上や主に食品関連における運転資金が減少したほか、設備投資を減価償却費の範囲内で行ったことにより、有利子負債の削減を進めました。2022年3月期においては、設備投資は減価償却費の範囲内で行うことを原則としつつ、今後の収益拡大に向けた設備投資を行うこととし、また売上拡大に伴う運転資金の増加も見込むものの、収益の確保などにより、有利子負債の削減もしくは増加を最小限に抑えるべく、取組みを進めてまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、当社グループとして重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、回収可能性があると判断した将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について繰延税金資産を計上しております。また回収可能性については、過去の実績に基づき見積可能期間に応じた将来の課税所得を見積もっております。
なお、当連結会計年度の見積りについては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響を含め、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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