有価証券報告書-第79期(2025/04/01-2026/03/31)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「私たちは、時代と市場の変化に迅速に対応し、『流通のプロ』として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献します」との経営理念のもと、事業活動を展開しております。
また、この理念を具体化し、当社グループが社会に対して果たすべきミッションとして、「すべての『ほしい』をつなげてく。ユーザーの為に、ユーザーと共に。」を掲げ、顧客第一主義のもと、従来のトレーディング機能を基盤としながら、サプライチェーン全体の設計・統合を通じた付加価値創出へと進化させることで、持続的な企業価値向上を目指しております。
さらに、当社グループのスピリッツとして「GRIP & GRIT(つかんでやり抜く力)」を掲げ、市場やユーザーのニーズ等を的確に「つかみ」、困難な状況においても粘り強く「やり抜く」ことで、持続的な価値創造を実現してまいります。このように、理念を基盤としつつ、ミッション及びスピリッツを通じて価値創造プロセスを進化させ、またコンプライアンスを重視し、事業を通じて国際社会や地域社会に貢献することで「企業の社会的責任」を果たし、すべてのステークホルダーからの評価・支持を得られる企業価値の持続的向上を目指しております。

(2) 経営環境及び対処すべき課題
今後の経済環境は、米国の通商政策や外交面での不確実性をはじめ、ウクライナや中東を中心とする地政学リスク、中国経済の動向、日本を含めた各国の金融政策等の影響を受けて不透明な状況が続くものと想定されます。また、中東情勢が一段と緊迫化した場合、現時点では当社事業への直接的な影響は限定的であると認識しておりますが、資源価格や物流コストの上昇等を通じて当社を取り巻く環境に波及する可能性もあることから、引き続き情勢の推移を注視してまいります。
当社グループとしましては、このような先行き不透明感が強まっている事業環境の中においても、各事業分野における需要動向や、ユーザーや社会のニーズ・課題を的確に把握し、それら課題を解決する事業を推進していくことで、業績の維持・向上に注力していく所存です。
当社グループの対処すべき課題としては、以下を認識しております。
営業面では、サプライチェーン全体の最適化を志向した事業戦略を軸に、既存事業の競争力強化及びグループ会社の増加を踏まえた事業の最適配置を進めることで、安定した収益基盤の確立を図ると共に、成長分野・市場への展開を加速してまいります。
経営管理面では、資本配分・ポートフォリオマネジメントの高度化を進め、投融資管理及びガバナンスの強化を通じて資本効率の向上と持続的成長の両立を図ってまいります。また、業務執行体制への権限委譲の推進等により、よりスピーディかつ適切な経営判断が可能な体制を構築してまいります。
さらに、DX・AI・データ活用の経営実装およびサステナビリティ管理体制の強化を進めるほか、多様な人材の活躍を支える人的資本戦略の強化及び組織体制の見直しに取り組んでまいります。加えて、資本市場との建設的な対話を通じ、資本効率の向上及び資本コストを意識した経営の徹底により、市場からの評価向上を図ってまいります。
(3) 中長期的な経営戦略
当社グループは2026年5月に、2026年度から2028年度までの3ヵ年にわたる「中期経営計画2028」を策定いたしました(計画の詳細は、2026年5月12日発表の「阪和興業 中期経営計画(2026年度-2028年度)に関するお知らせ」をご参照ください。)。
「中期経営計画2025」で強化した財務基盤・リスク管理体制を土台に、「中期経営計画 2028」においては「非連続的成長に資する攻めの事業投資への転換」、「事業戦略を推進するための原動力となる人的資本の強化」、「事業ポートフォリオの磨き上げ・再構築」を着実に実施すると共に、グローバルに事業と人材の最適配置を進めてまいります。引き続き、持続可能な社会を支える「サプライチェーン創造型商社」を目指し、企業価値の向上に努めてまいります。
中期経営計画の概要は以下のとおりです。
《テーマ》
『Go Beyond ~殻を打ち破れ~』
《定量目標》
最終年度(2029年3月期)
(注)1 ROE(株主資本利益率)=親会社株主に帰属する当期純利益÷期首・期末平均株主資本
2 DOE(株主資本配当率)=配当総額÷期首株主資本
《事業戦略》
当社グループは、国内事業で培ったキャッシュ創出力を基盤とし、成長市場に対して経営資源を重点配分することで、グローバルでの持続的な成長を実現する方針としております。とりわけ、海外においてはM&Aを含む投資を通じて事業基盤の拡充を図り、各地域におけるインサイダー化を推進することで、域内ニーズに即した機能の獲得と競争力の強化を進めてまいります。

さらに、当社の強みであるサプライチェーン創造力を起点として、「ユーザー課題解決型ビジネス」及び「社会課題解決型ビジネス」を事業成長の中核に位置付けております。
また、事業ポートフォリオの高度化に向け、セグメント別に成長性及び資本収益性の観点から各事業を評価し、既存事業・資産の入れ替えを通じたキャッシュの創出と、成長領域への経営資源の重点配分による好循環の確立による事業ポートフォリオの磨き上げ・再構築を推進していきます
《人的資本戦略、IT・DX戦略、サステナビリティ戦略及び資本政策》
当社グループは、事業戦略の実現に向け、人的資本、IT・DX、サステナビリティ及び資本政策を一体的に推進することで、持続的な成長と企業価値の向上を図っております。
① 人的資本戦略
当社は、「企業の繁栄と社員の幸福は車の両輪である」との考えのもと、従業員一人ひとりが全力で活躍できる企業風土の醸成に取り組んでおります。具体的には、理念・戦略への共感を基盤としたエンゲージメントの向上、多様な視点の融合による価値創出、自律的に力を発揮できる組織風土の維持・向上、次世代リーダーの育成及びサクセッションの推進、並びにDX人材基盤の充実を図っております。
また、戦略推進人材として、グローバル人材、エンジニアリング/加工ソリューション領域人材、事業投資高度化人材、次世代経営人材及びコーポレートプロフェッショナル人材の育成を進めると共に、戦略軸に基づく組織体制の構築及びDXを活用した経営基盤・収益力の強化に取り組んでおります。
② IT・DX戦略
事業モデルの変革、経営基盤の強化及びIT・DX人材育成を三位一体で推進し、生産性及び業務効率の向上を図っております。事業モデルの変革に向けては、事業部門を巻き込んだ全社的なデジタル推進を展開すべく、デジタル推進室の新設を図り、生成AIやデータ分析の活用によるデータドリブンな営業・経営の高度化を進めると共に、営業業務管理システム(SFA)の全社導入による情報共有の深化に注力していく所存です。
③ サステナビリティ戦略
サプライチェーン全体を通じて環境・社会・ガバナンスの課題に対応することを基本方針としております。具体的には、「攻め」と「守り」の両面から取り組みを推進しております。
「攻め」の側面では、顧客・市場の移行ニーズを起点に、当社の商流・情報・機能を通じて収益機会の拡大を図り、環境価値の事業化を推進しております。また、脱炭素・資源循環を軸とした収益機会の創出や、CFP算定の推進、カーボンクレジットの創出等を含む環境関連サービス及び環境配慮型商材ビジネスの強化に取り組んでおります。
一方、「守り」の側面では、商社としての広範なサプライチェーンを踏まえ、リスクの可視化と管理体制の強化を図ると共に、ESGリスクの把握・管理の高度化及び取引先等のサプライチェーン上における責任ある事業運営に取り組んでおります。
④ キャッシュアロケーション及び財務戦略
中期経営計画(2026年度-2028年度)におけるキャッシュアロケーション計画については、基礎営業キャッシュフローによるキャッシュインを約1,700億円想定しており、これに加え、政策保有株式等の縮減等による資産の入れ替えや、信用格付A格の維持を前提としたNet DER1.0倍程度の水準までの規律ある有利子負債の活用を行った上で、投融資に約1,600億円、株主還元に約550億円を配分する計画です。
⑤ 株主還元方針
配当については、安定的かつ累進的な配当を基本方針とし、株主資本配当率(DOE)の下限を2.5%から3.5%へ引き上げます。また、新たに総還元性向40%程度を目標とすることを導入し、自己株式の取得についても機動的かつ継続的に実施することで株主還元の充実と資本効率の向上を図ってまいります。
(4) 2027年3月期の通期業績予想
2027年3月期の通期業績予想につきましては、売上高は3兆円、営業利益は625億円、経常利益は570億円、親会社株主に帰属する当期純利益は400億円としております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「私たちは、時代と市場の変化に迅速に対応し、『流通のプロ』として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献します」との経営理念のもと、事業活動を展開しております。
また、この理念を具体化し、当社グループが社会に対して果たすべきミッションとして、「すべての『ほしい』をつなげてく。ユーザーの為に、ユーザーと共に。」を掲げ、顧客第一主義のもと、従来のトレーディング機能を基盤としながら、サプライチェーン全体の設計・統合を通じた付加価値創出へと進化させることで、持続的な企業価値向上を目指しております。
さらに、当社グループのスピリッツとして「GRIP & GRIT(つかんでやり抜く力)」を掲げ、市場やユーザーのニーズ等を的確に「つかみ」、困難な状況においても粘り強く「やり抜く」ことで、持続的な価値創造を実現してまいります。このように、理念を基盤としつつ、ミッション及びスピリッツを通じて価値創造プロセスを進化させ、またコンプライアンスを重視し、事業を通じて国際社会や地域社会に貢献することで「企業の社会的責任」を果たし、すべてのステークホルダーからの評価・支持を得られる企業価値の持続的向上を目指しております。

(2) 経営環境及び対処すべき課題
今後の経済環境は、米国の通商政策や外交面での不確実性をはじめ、ウクライナや中東を中心とする地政学リスク、中国経済の動向、日本を含めた各国の金融政策等の影響を受けて不透明な状況が続くものと想定されます。また、中東情勢が一段と緊迫化した場合、現時点では当社事業への直接的な影響は限定的であると認識しておりますが、資源価格や物流コストの上昇等を通じて当社を取り巻く環境に波及する可能性もあることから、引き続き情勢の推移を注視してまいります。
当社グループとしましては、このような先行き不透明感が強まっている事業環境の中においても、各事業分野における需要動向や、ユーザーや社会のニーズ・課題を的確に把握し、それら課題を解決する事業を推進していくことで、業績の維持・向上に注力していく所存です。
当社グループの対処すべき課題としては、以下を認識しております。
営業面では、サプライチェーン全体の最適化を志向した事業戦略を軸に、既存事業の競争力強化及びグループ会社の増加を踏まえた事業の最適配置を進めることで、安定した収益基盤の確立を図ると共に、成長分野・市場への展開を加速してまいります。
経営管理面では、資本配分・ポートフォリオマネジメントの高度化を進め、投融資管理及びガバナンスの強化を通じて資本効率の向上と持続的成長の両立を図ってまいります。また、業務執行体制への権限委譲の推進等により、よりスピーディかつ適切な経営判断が可能な体制を構築してまいります。
さらに、DX・AI・データ活用の経営実装およびサステナビリティ管理体制の強化を進めるほか、多様な人材の活躍を支える人的資本戦略の強化及び組織体制の見直しに取り組んでまいります。加えて、資本市場との建設的な対話を通じ、資本効率の向上及び資本コストを意識した経営の徹底により、市場からの評価向上を図ってまいります。
(3) 中長期的な経営戦略
当社グループは2026年5月に、2026年度から2028年度までの3ヵ年にわたる「中期経営計画2028」を策定いたしました(計画の詳細は、2026年5月12日発表の「阪和興業 中期経営計画(2026年度-2028年度)に関するお知らせ」をご参照ください。)。
「中期経営計画2025」で強化した財務基盤・リスク管理体制を土台に、「中期経営計画 2028」においては「非連続的成長に資する攻めの事業投資への転換」、「事業戦略を推進するための原動力となる人的資本の強化」、「事業ポートフォリオの磨き上げ・再構築」を着実に実施すると共に、グローバルに事業と人材の最適配置を進めてまいります。引き続き、持続可能な社会を支える「サプライチェーン創造型商社」を目指し、企業価値の向上に努めてまいります。
中期経営計画の概要は以下のとおりです。
《テーマ》
『Go Beyond ~殻を打ち破れ~』
《定量目標》
最終年度(2029年3月期)
| 資本効率性 | 経常利益 (最終年度) | 投融資枠 (中計期間3年累計) |
| ROE 12.0%以上(注1) | 750億円 | 1,600億円 |
| 株主還元 | グローバル鉄鋼取扱重量 | 財務健全性 |
| DOE3.5%下限(注2)及び 総還元性向40%程度を目標 | 1,700万トン | Net DER 1.0倍程度 |
(注)1 ROE(株主資本利益率)=親会社株主に帰属する当期純利益÷期首・期末平均株主資本
2 DOE(株主資本配当率)=配当総額÷期首株主資本
《事業戦略》
当社グループは、国内事業で培ったキャッシュ創出力を基盤とし、成長市場に対して経営資源を重点配分することで、グローバルでの持続的な成長を実現する方針としております。とりわけ、海外においてはM&Aを含む投資を通じて事業基盤の拡充を図り、各地域におけるインサイダー化を推進することで、域内ニーズに即した機能の獲得と競争力の強化を進めてまいります。

さらに、当社の強みであるサプライチェーン創造力を起点として、「ユーザー課題解決型ビジネス」及び「社会課題解決型ビジネス」を事業成長の中核に位置付けております。
また、事業ポートフォリオの高度化に向け、セグメント別に成長性及び資本収益性の観点から各事業を評価し、既存事業・資産の入れ替えを通じたキャッシュの創出と、成長領域への経営資源の重点配分による好循環の確立による事業ポートフォリオの磨き上げ・再構築を推進していきます
《人的資本戦略、IT・DX戦略、サステナビリティ戦略及び資本政策》
当社グループは、事業戦略の実現に向け、人的資本、IT・DX、サステナビリティ及び資本政策を一体的に推進することで、持続的な成長と企業価値の向上を図っております。
① 人的資本戦略
当社は、「企業の繁栄と社員の幸福は車の両輪である」との考えのもと、従業員一人ひとりが全力で活躍できる企業風土の醸成に取り組んでおります。具体的には、理念・戦略への共感を基盤としたエンゲージメントの向上、多様な視点の融合による価値創出、自律的に力を発揮できる組織風土の維持・向上、次世代リーダーの育成及びサクセッションの推進、並びにDX人材基盤の充実を図っております。
また、戦略推進人材として、グローバル人材、エンジニアリング/加工ソリューション領域人材、事業投資高度化人材、次世代経営人材及びコーポレートプロフェッショナル人材の育成を進めると共に、戦略軸に基づく組織体制の構築及びDXを活用した経営基盤・収益力の強化に取り組んでおります。
② IT・DX戦略
事業モデルの変革、経営基盤の強化及びIT・DX人材育成を三位一体で推進し、生産性及び業務効率の向上を図っております。事業モデルの変革に向けては、事業部門を巻き込んだ全社的なデジタル推進を展開すべく、デジタル推進室の新設を図り、生成AIやデータ分析の活用によるデータドリブンな営業・経営の高度化を進めると共に、営業業務管理システム(SFA)の全社導入による情報共有の深化に注力していく所存です。
③ サステナビリティ戦略
サプライチェーン全体を通じて環境・社会・ガバナンスの課題に対応することを基本方針としております。具体的には、「攻め」と「守り」の両面から取り組みを推進しております。
「攻め」の側面では、顧客・市場の移行ニーズを起点に、当社の商流・情報・機能を通じて収益機会の拡大を図り、環境価値の事業化を推進しております。また、脱炭素・資源循環を軸とした収益機会の創出や、CFP算定の推進、カーボンクレジットの創出等を含む環境関連サービス及び環境配慮型商材ビジネスの強化に取り組んでおります。
一方、「守り」の側面では、商社としての広範なサプライチェーンを踏まえ、リスクの可視化と管理体制の強化を図ると共に、ESGリスクの把握・管理の高度化及び取引先等のサプライチェーン上における責任ある事業運営に取り組んでおります。
④ キャッシュアロケーション及び財務戦略
中期経営計画(2026年度-2028年度)におけるキャッシュアロケーション計画については、基礎営業キャッシュフローによるキャッシュインを約1,700億円想定しており、これに加え、政策保有株式等の縮減等による資産の入れ替えや、信用格付A格の維持を前提としたNet DER1.0倍程度の水準までの規律ある有利子負債の活用を行った上で、投融資に約1,600億円、株主還元に約550億円を配分する計画です。
⑤ 株主還元方針
配当については、安定的かつ累進的な配当を基本方針とし、株主資本配当率(DOE)の下限を2.5%から3.5%へ引き上げます。また、新たに総還元性向40%程度を目標とすることを導入し、自己株式の取得についても機動的かつ継続的に実施することで株主還元の充実と資本効率の向上を図ってまいります。
(4) 2027年3月期の通期業績予想
2027年3月期の通期業績予想につきましては、売上高は3兆円、営業利益は625億円、経常利益は570億円、親会社株主に帰属する当期純利益は400億円としております。