有価証券報告書-第80期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 15:35
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【項目】
145項目
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
BIPROGYグループが持続的に成長し、中長期的な企業価値の向上を図るためには、適正かつ有効な監視・監督のもと、経営者による健全かつ迅速な経営判断を可能とする仕組み(コーポレート・ガバナンス)が不可欠であり、当社はその構築および維持ならびに不断の改善を行います。
また、企業の存在価値が、社会に対し貢献することにあることをふまえ、すべてのステークホルダーとの信頼関係を構築することができるよう、「ステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、企業価値向上に努めます」を企業理念のひとつとして定めるとともに、当社はこの理念に沿って事業活動を進めます。
なお、当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本方針については、「コーポレート・ガバナンスおよび内部統制原則」として定め、以下の当社ウェブサイトに掲載していますのでご参照下さい。
当社ウェブサイト https://www.biprogy.com/invest-j/com/governance.html
②コーポレート・ガバナンス体制および当該体制を採用する理由
ア.コーポレート・ガバナンス体制の概要
当社は、監査役会設置会社制度を採用しております。株主をはじめとするステークホルダーのために有効なコーポレート・ガバナンスを実現するため、以下の体制を構築し、維持しております。
a.取締役会
取締役会は社外取締役4名を含む取締役8名(うち女性2名)で構成され、原則として毎月開催しております。取締役会では、当社の経営の基本方針その他重要事項等の審議、決定を行うとともに、取締役および執行役員による職務執行を含め経営全般に対する監督を行っております。また、経営環境の変化に迅速に対応できる機動的な経営体制の確立と取締役の経営責任を明確にするため、取締役の任期を1年としております。
(構成員)齊藤 昇(議長/代表取締役社長)、葛谷 幸司、澤上 多恵子、
金沢 貴人、ナリン アドバニ、池田 義典、大崎 麻子、片山 雄一
※ナリン アドバニ、池田 義典、大崎 麻子、片山 雄一の4氏は独立社外取締役です。
(監査役)古林 幹教(議長/常勤監査役)、大石 正弥、橋本 博文、古城 春実、水口 啓子
※大石 正弥、古城 春実、水口 啓子の3氏は独立社外監査役です。
当事業年度は、12回開催され、①経営方針(2021-2023)の進捗状況、②役員等の人事や評価、報酬に関する事項、③当社グループのリスク管理やコンプライアンスを含む内部統制システムの運用状況、④政策保有株式や取締役会の実効性評価を含むコーポレート・ガバナンスコードに関する取り組み状況、⑤サステナビリティに関する取り組み状況、⑥投資家との対話状況、⑦情報セキュリティ事案をふまえた再発防止策や組織風土改革等の取り組み状況、⑧経営方針(2024-2026)の検討状況等、重要な業務執行に関する事項について関係部門から報告を受け、審議・議論しております。
b.監査役会
監査役会は常勤監査役2名(うち独立社外監査役1名)と非常勤監査役3名(うち2名が独立社外監査役)の5名で構成されています。各監査役は取締役会をはじめとする重要な会議への出席、業務や財産の状況の調査、会計監査人の選解任や監査報酬に係る権限の行使等を通じて、取締役の職務執行および内部統制システムに関わる監査を行っております。
なお、監査役の監査の実効性を高め、かつ監査機能が円滑に遂行されるよう、監査役室員(専任者2名)が監査役の職務遂行を補佐しております。
(構成員)古林 幹教(議長)、大石 正弥、橋本 博文、古城 春実、水口 啓子
※大石 正弥、古城 春実、水口 啓子の3氏は独立社外監査役です。
c.会計監査人
当社は会計監査人として有限責任監査法人トーマツを選任し、会計監査を受けております。
d.指名・報酬委員会
当社役員および執行役員の人事および報酬に関する事項を審議・答申するため、取締役会の諮問委員会として、3名の独立社外取締役を含む4名の取締役により構成される「指名・報酬委員会」を設置しております。決議の成立には、独立社外取締役の出席を必須とし、かつ独立社外取締役を含む出席委員の全員一致が必要です。
(構成員)ナリン アドバニ(委員長/独立社外取締役)、池田 義典(独立社外取締役)、
大崎 麻子(独立社外取締役)、澤上 多恵子(社内取締役)
当事業年度は8回開催され、各回とも委員全員が出席し、①取締役会・監査役会の構成や取締役・監査役に求められる専門性と経験(スキル・マトリックス)に関する事項、②取締役および執行役員候補者の人事案(代表取締役、職務代行順位、実績評価および再任妥当性、後継者育成計画等を含む)、③賞与支給額、④譲渡制限付株式の発行・割り当て等について検討を行い、取締役会へその結果を報告・答申しています。
なお、2024年3月期における取締役・監査役の氏名およびその出席状況は以下のとおりです。
取締役会監査役会指名・報酬委員会
氏名開催回数出席回数開催回数出席回数開催回数出席回数


平岡 昭良
(代表取締役社長/取締役会議長)
12回12回----
齊藤 昇12回12回--8回8回
葛谷 幸司12回12回----
金沢 貴人12回12回----
佐藤 智恵12回12回----
ナリン アドバニ
(指名・報酬委員会
委員長)
12回12回--8回8回
池田 義典※112回12回--5回5回
大崎 麻子※210回10回----
薗田 綾子※32回2回--3回3回


寺西 裕二
(常勤監査役/
監査役会議長)
12回12回16回16回--
大石 正弥12回12回16回16回--
橋本 博文12回12回16回16回--
古城 春実12回12回16回16回--
水口 啓子12回12回16回16回--

※1 池田 義典氏は、2023年6月28日に指名・報酬委員会委員に選定され、同日以降に開催した指名・報酬委員会の回数は5回です。
※2 大崎 麻子氏は、2023年6月28日に取締役に就任し、同日以降に開催した取締役会の回数は10回です。
※3 薗田 綾子氏は、2023年6月28日に取締役および指名・報酬委員会委員を退任し、同日以前に開催した取締役会の回数は2回、指名・報酬委員会の回数は3回です。
e.業務執行体制
・執行役員制度・業務執行役員制度
経営の監督と執行を分離し、迅速な業務執行を可能とするべく、執行役員制度および業務執行役員制度を採用し、適切な範囲で権限委譲を行っております。
・経営会議
業務執行の重要事項を決定するための意思決定機関として、取締役を兼務する執行役員および社長が任命する者を構成員とする経営会議を設置し、効率的な意思決定を行っております。なお、経営会議には監査役が出席できることとしており、通常、常勤監査役が出席しております。
(構成員)齊藤 昇(委員長/代表取締役社長)、葛谷 幸司、澤上 多恵子、梅原 一眞、佐々木 貴司、永島 直史、山田 健嗣、宮下 尚、馬場 定行
・各種委員会
取締役の業務執行に関する個別経営課題を実務的な観点から審議するために、以下の各種委員会を設置しております。
(a) 投資委員会
当社グループで定めた注力領域の方針に基づき、事業や商品・サービスに関する計画の妥当性を審議し、投資の可否を決定するとともに、当該計画について予実管理や評価を行い、必要に応じて見直しを求めております。
(b) ビジネス審査委員会
重要な開発・サービスビジネス案件に対するビジネスリスクおよびその対策の妥当性の見極め、実行の可否の決定を行うとともに、プロジェクト計画について予実管理や評価を行い、必要に応じて見直しを求めております。
(c) 情報システム投資委員会
当社グループの自社システムの開発・運用等について、コスト、効果および適用技術の妥当性などを審議し、投資の可否を決定するとともに、これらに関する計画について予実管理や評価を行い、必要に応じて見直しを求めております。
(d) 技術戦略委員会
当社グループが取り組むべき技術分野を定め、その対象技術の獲得・強化・事業適用に向けた開発、投資、活用等の技術戦略およびその実行計画に関する妥当性を審議し、実行計画のモニタリングを実施しております。
(e) サステナビリティ委員会
当社グループのSDGs達成に対する取り組み方針の策定、ESG観点での事業活動全体の適正性判断と活動の推進・評価を総合的に判断し、必要に応じて見直しを求めております。
(f) 環境貢献委員会
当社グループの環境貢献に関する対応方針の検討、環境貢献を推進するための仕組みの設計と実行状況を管理、監督しております。
(g) ソーシャル委員会
当社グループの社会分野に関する対応方針の検討、社会分野への対応を推進するための仕組みの設計と実行状況の管理・監督および懸案事項に関する是正指示等を行っております。
(h) コンプライアンス委員会
当社グループのコンプライアンス・プログラムの策定、運用、コンプライアンス推進方針の策定、コンプライアンス違反にかかる事案分析、調査報告、再発防止策の検討を行っております。
(i) リスク管理委員会・事業継続プロジェクト
当社グループ経営に重大な影響を及ぼす様々なリスクに対処するとともに、事業継続性の確保を図っております。
(j) 総合セキュリティ委員会
当社グループの総合セキュリティ・個人情報保護戦略を策定し、それらに基づく諸施策の検討および推進を行っております。
(k) 生命科学研究倫理審査委員会
当社における、人を対象とした研究について、会社から独立した機関において、倫理的・科学的観点から研究の妥当性の審査を行い、必要に応じて見直しを求めております。
・稟議制度
経営上重要な案件については、関連コーポレートスタッフ部長の専門的意見を反映させた上で、担当役員、担当役員および関係役員の合議、意思決定機関(委員会)または経営会議構成メンバーの合議により決裁する制度を構築、運営しております。
・グループ内部監査部
グループ全体の内部統制の有効性と効率性を監査するために、社長直属の独立した当社社内組織として、グループ内部監査部を設置しております。
イ.現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用する理由
当社では、社外監査役も含めた監査体制が経営監視に有効と判断し、監査役会設置会社制度を採用しております。取締役会につきましては、変化の激しい業界であることから、業界・社内の状況に精通した、執行役員を兼務する取締役(3名)を中心とし、そこに、豊富な企業経営経験等を当社の経営に活かしていただくこと、社外の客観的・専門的見地から経営全般についての助言を行っていただくこと、実効性ある経営監督機関となっていただくことを期待して、社外より5名の取締役(うち社外取締役は4名)を選任しております。これにより、より広い視野と客観性を併せ持った意思決定と、より実効性の高い職務執行の監督が実現できると考えております。
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③内部統制システムの整備の状況
当社グループでは、経営の効率性および透明性の向上とコンプライアンス遵守の経営を徹底するため、内部統制の4つの目的である「業務の有効性および効率性の向上」、「財務報告の信頼性の確保」、「事業活動に関わる法令等の遵守」および「資産の保全」が円滑かつ有効に機能するべく、以下の通り、内部統制システムの適切な整備・運用、継続的改善に努めております。
ア.業務の有効性および効率性の向上
当社グループでは、経営方針を立案し具体的な経営目標を定めるとともに、業務の有効性および効率性の向上のための体制整備に努めております。
・経営方針の達成に向けた事業戦略および利益計画を策定し、四半期ごとの経営レビューにて、進捗状況の確認、評価を行っております。
・経営会議および各種委員会にて、業務執行の重要事項について、意思決定を行うとともに、事業部門に適切な権限の委譲を行うことにより、迅速な業務執行を図っております。
・商品やサービスの提供および資本参画等の事業投資に係る投資の効率性を確保するため、投資委員会にて、商品やサービスの事業計画の妥当性および資本参画等の事業投資の妥当性等について審議、評価を行っております。また、サービスビジネスの採算性を確保するため、ビジネス審査委員会にて、重要なシステムサービス案件等の実施計画の妥当性等について審議、評価を行っております。
イ.財務報告の信頼性確保
当社グループでは、財務報告の信頼性を確保するために、「BIPROGYグループの適正な財務報告を行うための基本方針」を定め、経営者・社員が遵守、実践しております。
・チーフ・ファイナンシャル・オフィサー(CFO)の統括のもと、財務報告に関わる内部統制担当部署を定め、業務執行部署における整備作業を支援すると共に、整備・運用状況を評価しております。評価結果は都度、業務執行部署から経営者に報告され、経営者がその有効性を確認しております。なお、不備等を発見した場合は、業務執行部署が速やかに改善を行っております。
・当社グループでは、適正な財務報告が企業の社会的責任であることを常に念頭に置き、財務報告の虚偽につながる不正や誤りが生じないよう内部統制担当部署が作成するeラーニング(内部統制を正しく理解するために)を毎年実施するなど、内部統制の浸透を図っております。
ウ.コンプライアンス
当社グループでは、コンプライアンスを業務執行の最重要課題と認識し、「企業行動憲章」、「グループコンプライアンス基本規程」および「グループ役職員行動規範」を策定し、これに基づき、グループの全役職員は、法令、社会規範および社内規則を遵守し、倫理的な活動を行うこととしております。
この実現のため、当社グループでは、「コンプライアンス委員会」を設置し、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)の統括のもと、コンプライアンス・プログラムの推進を図っております。そして、コンプライアンス意識の徹底・向上を図るための方策として、当社グループ各社の全役職員に対して、eラーニングや研修会等の実施によるコンプライアンスに関する継続的な教育・啓発活動を実践しております。また、コンプライアンスに関する報告、相談ルートとして、コミュニケーション・ルートを設定しております。さらに、コンプライアンス委員会および監査役への直接の報告・相談ルート(ホットライン)を確立するとともに、ホットライン利用者が不利益を被らないよう厳格な措置を講じております。
エ.リスク管理
当社グループは、グループ全体のリスク管理の統括・指揮管理を行うためチーフ・リスク・マネジメント・オフィサー(CRMO)を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しております。
リスク管理委員会では、管理対象とするリスクをグループ全体で共通化し一元的に管理することを目的に、グループ共通のリスク分類体系を整備しております。現在、情報管理関連リスク、システム開発関連リスク、災害・事故関連リスクなど約130項目のリスク管理項目に分類しており、各リスク管理項目に対しては当該リスクの統制を担当するスタッフ部門または委員会等が管理規程や具体的な未然防止策・発生時対応策を立案し対応しております。
万一の重大リスク発生時には、発生部署または委員会等からリスク管理委員会へ速やかに報告され、そのリスクの影響度に応じて「リスク対策会議」または「リスク対策本部」を設置し的確に対処する体制を敷いております。
なお、地震や新型インフルエンザなどの感染症等による事業継続リスクについては、CRMOが統括する「事業継続プロジェクト」にて、安全確保、社内業務復旧、顧客対応の各観点から事業継続計画(BCP)の策定と継続的な見直し・改善を実施しております。CRMO(本社災害対策本部長就任順位1位)は、有事の際には速やかに災害対策本部を立ち上げ、事業継続のための活動を開始いたします。
子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況については、グループ会社の自律経営を原則としたうえで、当社ならびにグループ会社の経営効率の向上および経営理念の統一化を図り、グループとしての企業価値向上および持続的成長を遂げるために制定した「関係会社管理規程」に基づき、グループ会社毎に設けた当社の各主管部署を通じて、親会社としての適切かつ実効的なグループ会社管理を行っております。また、子会社・関連会社に対し、当社から取締役および監査役を派遣し、派遣先会社の取締役の職務執行を監督しております。
以上のほか、会社法に則り、「株式会社の業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)」を取締役会で決議し、開示しております。