有価証券報告書-第69期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が引き続き高水準で推移し、雇用・所得環境の改善により、個人消費にも持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復基調が続きました。
こうした状況下、当社グループにおいては、平成30年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定し、安定的に20億円以上の経常利益を達成するための投資を積極的に行うとの経営目標のもと、「新たなチャレンジ」として、OEM事業においては、国内外を含めた新規取引先の開拓や拡大に注力すること、また、売買仲介型から事業投資型へとさらに軸足を移すことで商権維持をより強固にするとともに収益確保の多様性を求めること、一方で、継続的にオペレーションコストの低減を図り価格訴求力をさらに高めること、また、ブランド事業においては、本質において秀逸な製品のみを厳選して取り扱うことを基本としつつ、M&Aや事業譲渡等により、多層的なブランドポートフォリオの構築を目指すとともに、既存の国内販売会社は市場環境に応じた戦略的なマーケティングに基づくブランドの認知度向上と販売力強化を目指すことといたしました。
しかしながら、当連結会計年度のOEM事業は、新規取引先の開拓は進めているものの、業績に影響を与えるほどには至っておらず、また、既存取引先においても、製品ライフサイクルが成熟期を迎えた商品の比率が高まったため売上増に結びつかなかったことや、市場での競争激化により利益率を落としたことを主因に前期比減収減益となりました。特にネットビジネスの拡大が著しい北米に関しては、当社グループの主たる取引先が従来型の店舗を持つ業態であることから、当社グループのビジネスにも大きな影響がありました。
一方、ブランド事業では、新たにドイツの老舗テーブルウエアブランド「Villeroy & Boch(ビレロイ アンド ボッホ)」の取扱いを始めることができたものの、ドイツのコンフォートシューズブランド「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」のブームが一段落したこと、プレミアム・カジュアルバッグブランド「Kipling(キプリング)」は並行輸入品が想定以上に市場に出回ったこと、また、ドイツの家庭用品ブランドである「WMF(ヴェーエムエフ)」等の販売代理店契約がブランドホルダーの意向で他社に移ったこと、さらには、新規自社ブランドである業務用キッチン家電の「MULTI CHEF(マルチシェフ)」については商品開発の遅延等悪材料が相次いだことなどから、ブランド事業全体で減収減益となりました。
この結果、当連結会計年度の連結売上高につきましては、前期比10.2%減少の446億9千2百万円となりました。
利益面につきましては、売上総利益率は改善したものの、売上高が減少したことから、売上総利益は前期比10億7千5百万円減少の128億8千3百万円となりました。営業利益につきましては、販管費が前期比減少したものの、前期比10億2千1百万円減少の16億8千3百万円となりました。経常利益につきましては、為替予約の実現益の計上はありましたが、前期比6億3百万円減少の18億3千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、自社倉庫に係る土地の時価下落に伴う減損や国内関係会社の店舗設備に係る減損などの特別損失により、前期比5億9千5百万円減少の8億3千2百万円となりました。
セグメント別でみた業績は次のとおりです。
(家具・家庭用品事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比16.0%減少の230億5千3百万円となりました。OEM事業では、ネットビジネスの拡大が著しい北米向けをはじめとして、家具・家庭用品ともに売り上げが減少しました。ブランド事業においても、家具・インテリアのネットショップ「MINT(ミント)」の売り上げは伸長しましたが、「WMF(ヴェーエムエフ)」等を販売するヴェーエムエフジャパンコンシューマーグッズ㈱の売り上げは減少しました。なお、ヴェーエムエフジャパンコンシューマーグッズ㈱は、昨年10月1日付で他社に「WMF(ヴェーエムエフ)」等の販売事業を譲渡するとともに、社名を㈱エッセンコーポレーションに変更し、その後、新たにドイツのテーブルウエアブランド「Villeroy & Boch(ビレロイ アンド ボッホ)」の販売子会社として活動しています。
セグメント利益については、売上高の減少に加えて売上総利益率も低下したことから、前期比9億6千7百万円減少の13億6百万円となりました。
(服飾雑貨事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比0.8%増加の136億8千3百万円となりました。OEM事業では、国内向けおよび海外向けの売り上げが増加しました。ブランド事業においては、「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」等を販売する㈱ベネクシーと、「Kipling(キプリング)」を販売する㈱L&Sコーポレーションの売り上げがそれぞれ減少しました。
セグメント利益については、売上高は微増したものの、売上総利益率が低下したことから、前期比1億8百万円減少の6億7百万円となりました。
(家電事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比6.8%減少の56億6千8百万円となりました。OEM事業では、国内向けおよび海外向けの売り上げが減少しました。また、三發電器製造廠有限公司の売り上げは前年実績を下回りました。ブランド事業においては、「Vitantonio(ビタントニオ)」ブランドの調理家電の売上減を主因に、㈱mhエンタープライズの売り上げが減少となりました。
セグメント利益については、売上高は減少したものの、売上総利益率が改善したことから、前期比2千3百万円増加の2億5千8百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注状況は、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 上記販売額には、㈱良品計画ならびに同社の子会社への売上高を記載しております。
次期連結会計年度の見通し
OEM事業につきましては、OEMに加えてODMも推進し、また、専門性を一層強化するために事業投資型のビジネススタイルに更に軸足を移すことを通じて取引先からの信頼度を高めるとともに、環境変化に応じた商品・販売・価格戦略を進めて参ります。製品ライフサイクルが成熟期に達した商品に関しては、早期に顧客ニーズを捉えた新商品を投入出来るように商品開発力を強め、一方で市場の競争激化への対応としては、調達コストを低減させるために調達先の変更や、よりコスト効率のよい商品の開発、さらには経費の効率的な運用を実施し、一層のローコストオペレーションを推進することにより収益力を高めて参ります。
ブランド事業につきましては、シナジーのあるブランドを複数持ち、商品ラインアップを充実させることにより、ブランド事業全体の拡大を目指して参ります。既存のブランドにつきましては、「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」は、シーズン商品の比率を高め、また収益性の高い商業施設への出店、および既存店舗の改装などを推し進め、安定的な成長を目指します。「Kipling(キプリング)」はブランドホルダーによる並行輸入品対策が徐々に効果が出始める兆候があり、また日本市場で人気のある商品投入頻度が高まって来ていることから現状の赤字経営からの脱却を図ります。「Villeroy & Boch(ビレロイ アンド ボッホ)」については、次期にドイツで創業270年周年を迎えることを契機に一気に認知度を高め、また、新たな販売ルートを開拓するなど売り上げの増加を目指します。「MULTI CHEF(マルチシェフ)」は本格立ち上げの実現に注力して参ります。
一方、当社グループの経営基盤を強化するべく、引き続き新基幹システムの導入を進めて参ります。
次期の具体的な連結業績につきましては、売上高500億円(前期比11.9%増加)、営業利益19億円(前期比12.8%増加)、経常利益19億円(前期比3.7%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益12億円(前期比44.1%増加)を予想しております。
なお、通期の業績見通しの前提となる為替レートは1米ドル110.00円としております。
(業績予想に関する留意事項)
本資料における業績予想および将来の予測等に関する記述は、当連結会計年度末現在で入手した情報に基づき判断した予想であり、潜在的なリスクや不確実性が含まれております。
従いまして、実際の業績は様々な要因により、これらの業績予想とは異なることがありますことをご承知おきください。
(2)財政状態
①流動資産
「現金及び預金」や「受取手形及び売掛金」などが増加しましたが、「商品及び製品」や「その他(デリバティブ債権)」などが減少したことにより、当連結会計年度末の流動資産は前連結会計年度末と比べて16億7百万円増加の184億4千3百万円となりました。当社グループでは、当社と国内子会社との間でCMSを利用した円資金の運用調達の効率化を図っておりますが、「現金及び預金」は前期比17億7千1百万円増加しています。増加の主因は、当社と子会社との間で決算期が異なることに伴う合計17億9千5百万円の連結調整をしていることによります。具体的には、当社の子会社貸付金の12月末残高と同3月末残高の差額13億8千8百万円については、国内子会社の12月決算時点ではまだ当社からの借入とはなっていないものの、連結決算上、3月末の当社からの借入金残高に合わせて「現金及び預金」を増加させています。このほか、当社と子会社間の買掛金残高と売掛金残高の差額4億6百万円についても、連結調整のため、「現金及び預金」を増加させています。
②固定資産
「建物及び構築物」および「土地」などが減少しましたが、「無形固定資産」および「投資有価証券」が増加したことを主因に、当連結会計年度末の固定資産は前連結会計年度末と比べて11億5千8百万円増加の73億7千9百万円となりました。「無形固定資産」は4億8千8百万円増加していますが、これは、当社グループの経営基盤拡充のために導入作業中の新基幹システムに関わるソフトウエア購入によるものです。また、「投資有価証券」は8億円増加しましたが、これは、取引関係の維持・強化および信頼関係をより強固なものとするために保有している取引先株式等の時価評価額が上昇したことによるものです。なお、「土地」の減少1億2千6百万円については、自社倉庫に係る土地の時価下落に伴う減損損失の計上によるものです。
③流動負債
主に「短期借入金」の増加により、当連結会計年度末の流動負債は前連結会計年度末と比べて18億4千2百万円増加の100億7千5百万円となりました。「短期借入金」は21億円の増加となりましたが、これは、新基幹システムに関わるソフトウエア購入資金や、当連結会計年度末が金融機関の休日と重なったことから大口の売掛金の回収が翌期初にずれ込んだため期末越えのつなぎ資金として運転資金を調達したことによるものです。
④固定負債
主に「繰延税金負債」の増加により、当連結会計年度末の固定負債は前連結会計年度末と比べて2億9千4百万円増加の23億1千万円となりました。「繰延税金負債」は2億5千6百万円の増加となりましたが、これは、取引関係の維持・強化および信頼関係をより強固なものとするために保有している取引先株式等の時価評価が上昇したことに伴うものです。具体的には、株式等の評価増加分のうち将来の税金支払見込額を原則として「繰延税金負債」に、評価増加分から「繰延税金負債」分を差引いた残額を「その他有価証券評価差額金」に計上しております。
⑤純資産
主に「利益剰余金」および「その他有価証券評価差額金」の増加により、当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末と比べて6億2千9万円増加の134億3千7百万円となりました。「その他有価証券評価差額金」は5億7千2百万円の増加となりましたが、これは取引関係の維持・強化および信頼関係をより強固なものとするために保有している取引先株式等の時価評価が上昇したことに伴うものです。
この結果、自己資本比率は51.6%、1株当たり純資産は5,570円34銭となりました。
(3)キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて17億7千1百万円増加の46億3千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、OEM事業およびブランド事業がともに減収となって売上総利益が減少したことを主因に、税金等調整前当期純利益が16億6千6百万円と前期比5億9千4百万円の減益となりました。これに、減価償却費や自家倉庫に係る土地の減損損失などの非資金費用のほか、たな卸資産の減少がありましたが、当期末が金融機関の休日と重なったことから大口の売掛金の回収が翌期初にずれ込んだため、売上債権が増加したこと、また、法人税等の支払額などの支出もあり、営業活動によるキャッシュ・フローは8億9千2百万円の収入(前期は14億2千1百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、ブランド販売子会社による店舗網拡充に係る有形固定資産の取得による支出があったほか、当社グループの経営基盤拡充のために導入作業中の新基幹システムに関わるソフトウエア購入などの支出があったことから、8億3千3百万円の支出(前期は4億9千2百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、大口の売掛金回収が翌期初にずれ込んだことに加えて、新基幹システムに関わるソフトウエアの購入やブランド販売子会社への運転資金貸付などの資金調達として短期借入金が21億円増加しましたが、配当金の支払いがあったことから、17億8百万円の収入(前期は15億1千3百万円の支出)となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1 各項目における算出式は、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としてお
ります。
6 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資金需要
当社グループの主要な資金需要はたな卸資産の購入のほか、人件費、販売費および一般管理費等の費用ならびに当社グループの設備の新設および改修等に係る投資となります。また、今後、当社グループの新たな収益源となり、企業価値向上に資するとの判断から、M&Aを含む新規事業への投資も資金需要の対象となります。
財務政策
資金需要の財源といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、主要取引銀行から供与された円資金借入枠に基づく借入金となります。なお、当社および国内関係会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、これにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理することで、資金効率の向上に努めています。また、「流動性の確保」「金利上昇リスクのヘッジ」等を目的に長期借入金も実行しております。
一方、当社では、為替相場変動リスクのヘッジ方法の一貫として、国内OEM取引先との間で商品代金等の決済を米ドル建てで行う契約を締結しています。このため、短期のつなぎ資金として米ドル資金が必要となりますが、その調達源として、当社では、主要取引銀行との間で中長期マルチ・カレンシー・コミットメントラインを締結しております。これにより、今後、本邦において米ドル資金調達リスクが想定外に顕在化した場合でも、米ドル資金の流動性を確保することができます。
重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。
①貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失として過去の貸倒実績率により、貸倒引当金を見積り計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる可能性があります。
②投資の減損
当社グループは、特定の顧客および金融機関に対する株式を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、一定の基準に基づいて投資の減損処理をしております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合は、評価損の計上が必要になる可能性があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産を計上する場合に将来の課税所得を合理的な予想に基づき回収可能性を検討しておりますが、繰延税金資産の一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の一部を費用として計上する可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が引き続き高水準で推移し、雇用・所得環境の改善により、個人消費にも持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復基調が続きました。
こうした状況下、当社グループにおいては、平成30年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定し、安定的に20億円以上の経常利益を達成するための投資を積極的に行うとの経営目標のもと、「新たなチャレンジ」として、OEM事業においては、国内外を含めた新規取引先の開拓や拡大に注力すること、また、売買仲介型から事業投資型へとさらに軸足を移すことで商権維持をより強固にするとともに収益確保の多様性を求めること、一方で、継続的にオペレーションコストの低減を図り価格訴求力をさらに高めること、また、ブランド事業においては、本質において秀逸な製品のみを厳選して取り扱うことを基本としつつ、M&Aや事業譲渡等により、多層的なブランドポートフォリオの構築を目指すとともに、既存の国内販売会社は市場環境に応じた戦略的なマーケティングに基づくブランドの認知度向上と販売力強化を目指すことといたしました。
しかしながら、当連結会計年度のOEM事業は、新規取引先の開拓は進めているものの、業績に影響を与えるほどには至っておらず、また、既存取引先においても、製品ライフサイクルが成熟期を迎えた商品の比率が高まったため売上増に結びつかなかったことや、市場での競争激化により利益率を落としたことを主因に前期比減収減益となりました。特にネットビジネスの拡大が著しい北米に関しては、当社グループの主たる取引先が従来型の店舗を持つ業態であることから、当社グループのビジネスにも大きな影響がありました。
一方、ブランド事業では、新たにドイツの老舗テーブルウエアブランド「Villeroy & Boch(ビレロイ アンド ボッホ)」の取扱いを始めることができたものの、ドイツのコンフォートシューズブランド「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」のブームが一段落したこと、プレミアム・カジュアルバッグブランド「Kipling(キプリング)」は並行輸入品が想定以上に市場に出回ったこと、また、ドイツの家庭用品ブランドである「WMF(ヴェーエムエフ)」等の販売代理店契約がブランドホルダーの意向で他社に移ったこと、さらには、新規自社ブランドである業務用キッチン家電の「MULTI CHEF(マルチシェフ)」については商品開発の遅延等悪材料が相次いだことなどから、ブランド事業全体で減収減益となりました。
この結果、当連結会計年度の連結売上高につきましては、前期比10.2%減少の446億9千2百万円となりました。
利益面につきましては、売上総利益率は改善したものの、売上高が減少したことから、売上総利益は前期比10億7千5百万円減少の128億8千3百万円となりました。営業利益につきましては、販管費が前期比減少したものの、前期比10億2千1百万円減少の16億8千3百万円となりました。経常利益につきましては、為替予約の実現益の計上はありましたが、前期比6億3百万円減少の18億3千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、自社倉庫に係る土地の時価下落に伴う減損や国内関係会社の店舗設備に係る減損などの特別損失により、前期比5億9千5百万円減少の8億3千2百万円となりました。
セグメント別でみた業績は次のとおりです。
(家具・家庭用品事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比16.0%減少の230億5千3百万円となりました。OEM事業では、ネットビジネスの拡大が著しい北米向けをはじめとして、家具・家庭用品ともに売り上げが減少しました。ブランド事業においても、家具・インテリアのネットショップ「MINT(ミント)」の売り上げは伸長しましたが、「WMF(ヴェーエムエフ)」等を販売するヴェーエムエフジャパンコンシューマーグッズ㈱の売り上げは減少しました。なお、ヴェーエムエフジャパンコンシューマーグッズ㈱は、昨年10月1日付で他社に「WMF(ヴェーエムエフ)」等の販売事業を譲渡するとともに、社名を㈱エッセンコーポレーションに変更し、その後、新たにドイツのテーブルウエアブランド「Villeroy & Boch(ビレロイ アンド ボッホ)」の販売子会社として活動しています。
セグメント利益については、売上高の減少に加えて売上総利益率も低下したことから、前期比9億6千7百万円減少の13億6百万円となりました。
(服飾雑貨事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比0.8%増加の136億8千3百万円となりました。OEM事業では、国内向けおよび海外向けの売り上げが増加しました。ブランド事業においては、「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」等を販売する㈱ベネクシーと、「Kipling(キプリング)」を販売する㈱L&Sコーポレーションの売り上げがそれぞれ減少しました。
セグメント利益については、売上高は微増したものの、売上総利益率が低下したことから、前期比1億8百万円減少の6億7百万円となりました。
(家電事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比6.8%減少の56億6千8百万円となりました。OEM事業では、国内向けおよび海外向けの売り上げが減少しました。また、三發電器製造廠有限公司の売り上げは前年実績を下回りました。ブランド事業においては、「Vitantonio(ビタントニオ)」ブランドの調理家電の売上減を主因に、㈱mhエンタープライズの売り上げが減少となりました。
セグメント利益については、売上高は減少したものの、売上総利益率が改善したことから、前期比2千3百万円増加の2億5千8百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日 | |
| 生産実績(千円) | 前期比(%) | |
| 家電事業 | 1,999,329 | △13.9 |
| 合計 | 1,999,329 | △13.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注状況は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日 | |||
| 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) | |
| 家具・家庭用品事業 | 21,027,928 | △27.6 | 5,144,472 | △28.3 |
| 服飾雑貨事業 | 13,773,662 | 6.0 | 1,465,261 | 6.5 |
| 家電事業 | 5,627,750 | △7.7 | 1,546,616 | △2.6 |
| 報告セグメント計 | 40,429,340 | △16.0 | 8,156,350 | △19.5 |
| その他 | 2,156,816 | △21.3 | 247,301 | △34.4 |
| 合計 | 42,586,157 | △16.3 | 8,403,651 | △20.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日 | |
| 販売高(千円) | 前期比(%) | |
| 家具・家庭用品事業 | 23,053,894 | △16.0 |
| 服飾雑貨事業 | 13,683,640 | 0.8 |
| 家電事業 | 5,668,594 | △6.8 |
| 報告セグメント計 | 42,406,129 | △9.9 |
| その他 | 2,286,663 | △15.3 |
| 合計 | 44,692,792 | △10.2 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、金額には、消費税等は含まれておりません。
| 相手先 | 前連結会計年度 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 | 当連結会計年度 自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| ㈱良品計画 | 17,840,763 | 35.8 | 16,827,979 | 37.7 |
(注) 上記販売額には、㈱良品計画ならびに同社の子会社への売上高を記載しております。
次期連結会計年度の見通し
OEM事業につきましては、OEMに加えてODMも推進し、また、専門性を一層強化するために事業投資型のビジネススタイルに更に軸足を移すことを通じて取引先からの信頼度を高めるとともに、環境変化に応じた商品・販売・価格戦略を進めて参ります。製品ライフサイクルが成熟期に達した商品に関しては、早期に顧客ニーズを捉えた新商品を投入出来るように商品開発力を強め、一方で市場の競争激化への対応としては、調達コストを低減させるために調達先の変更や、よりコスト効率のよい商品の開発、さらには経費の効率的な運用を実施し、一層のローコストオペレーションを推進することにより収益力を高めて参ります。
ブランド事業につきましては、シナジーのあるブランドを複数持ち、商品ラインアップを充実させることにより、ブランド事業全体の拡大を目指して参ります。既存のブランドにつきましては、「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」は、シーズン商品の比率を高め、また収益性の高い商業施設への出店、および既存店舗の改装などを推し進め、安定的な成長を目指します。「Kipling(キプリング)」はブランドホルダーによる並行輸入品対策が徐々に効果が出始める兆候があり、また日本市場で人気のある商品投入頻度が高まって来ていることから現状の赤字経営からの脱却を図ります。「Villeroy & Boch(ビレロイ アンド ボッホ)」については、次期にドイツで創業270年周年を迎えることを契機に一気に認知度を高め、また、新たな販売ルートを開拓するなど売り上げの増加を目指します。「MULTI CHEF(マルチシェフ)」は本格立ち上げの実現に注力して参ります。
一方、当社グループの経営基盤を強化するべく、引き続き新基幹システムの導入を進めて参ります。
次期の具体的な連結業績につきましては、売上高500億円(前期比11.9%増加)、営業利益19億円(前期比12.8%増加)、経常利益19億円(前期比3.7%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益12億円(前期比44.1%増加)を予想しております。
なお、通期の業績見通しの前提となる為替レートは1米ドル110.00円としております。
(業績予想に関する留意事項)
本資料における業績予想および将来の予測等に関する記述は、当連結会計年度末現在で入手した情報に基づき判断した予想であり、潜在的なリスクや不確実性が含まれております。
従いまして、実際の業績は様々な要因により、これらの業績予想とは異なることがありますことをご承知おきください。
(2)財政状態
①流動資産
「現金及び預金」や「受取手形及び売掛金」などが増加しましたが、「商品及び製品」や「その他(デリバティブ債権)」などが減少したことにより、当連結会計年度末の流動資産は前連結会計年度末と比べて16億7百万円増加の184億4千3百万円となりました。当社グループでは、当社と国内子会社との間でCMSを利用した円資金の運用調達の効率化を図っておりますが、「現金及び預金」は前期比17億7千1百万円増加しています。増加の主因は、当社と子会社との間で決算期が異なることに伴う合計17億9千5百万円の連結調整をしていることによります。具体的には、当社の子会社貸付金の12月末残高と同3月末残高の差額13億8千8百万円については、国内子会社の12月決算時点ではまだ当社からの借入とはなっていないものの、連結決算上、3月末の当社からの借入金残高に合わせて「現金及び預金」を増加させています。このほか、当社と子会社間の買掛金残高と売掛金残高の差額4億6百万円についても、連結調整のため、「現金及び預金」を増加させています。
②固定資産
「建物及び構築物」および「土地」などが減少しましたが、「無形固定資産」および「投資有価証券」が増加したことを主因に、当連結会計年度末の固定資産は前連結会計年度末と比べて11億5千8百万円増加の73億7千9百万円となりました。「無形固定資産」は4億8千8百万円増加していますが、これは、当社グループの経営基盤拡充のために導入作業中の新基幹システムに関わるソフトウエア購入によるものです。また、「投資有価証券」は8億円増加しましたが、これは、取引関係の維持・強化および信頼関係をより強固なものとするために保有している取引先株式等の時価評価額が上昇したことによるものです。なお、「土地」の減少1億2千6百万円については、自社倉庫に係る土地の時価下落に伴う減損損失の計上によるものです。
③流動負債
主に「短期借入金」の増加により、当連結会計年度末の流動負債は前連結会計年度末と比べて18億4千2百万円増加の100億7千5百万円となりました。「短期借入金」は21億円の増加となりましたが、これは、新基幹システムに関わるソフトウエア購入資金や、当連結会計年度末が金融機関の休日と重なったことから大口の売掛金の回収が翌期初にずれ込んだため期末越えのつなぎ資金として運転資金を調達したことによるものです。
④固定負債
主に「繰延税金負債」の増加により、当連結会計年度末の固定負債は前連結会計年度末と比べて2億9千4百万円増加の23億1千万円となりました。「繰延税金負債」は2億5千6百万円の増加となりましたが、これは、取引関係の維持・強化および信頼関係をより強固なものとするために保有している取引先株式等の時価評価が上昇したことに伴うものです。具体的には、株式等の評価増加分のうち将来の税金支払見込額を原則として「繰延税金負債」に、評価増加分から「繰延税金負債」分を差引いた残額を「その他有価証券評価差額金」に計上しております。
⑤純資産
主に「利益剰余金」および「その他有価証券評価差額金」の増加により、当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末と比べて6億2千9万円増加の134億3千7百万円となりました。「その他有価証券評価差額金」は5億7千2百万円の増加となりましたが、これは取引関係の維持・強化および信頼関係をより強固なものとするために保有している取引先株式等の時価評価が上昇したことに伴うものです。
この結果、自己資本比率は51.6%、1株当たり純資産は5,570円34銭となりました。
(3)キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて17億7千1百万円増加の46億3千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、OEM事業およびブランド事業がともに減収となって売上総利益が減少したことを主因に、税金等調整前当期純利益が16億6千6百万円と前期比5億9千4百万円の減益となりました。これに、減価償却費や自家倉庫に係る土地の減損損失などの非資金費用のほか、たな卸資産の減少がありましたが、当期末が金融機関の休日と重なったことから大口の売掛金の回収が翌期初にずれ込んだため、売上債権が増加したこと、また、法人税等の支払額などの支出もあり、営業活動によるキャッシュ・フローは8億9千2百万円の収入(前期は14億2千1百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、ブランド販売子会社による店舗網拡充に係る有形固定資産の取得による支出があったほか、当社グループの経営基盤拡充のために導入作業中の新基幹システムに関わるソフトウエア購入などの支出があったことから、8億3千3百万円の支出(前期は4億9千2百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、大口の売掛金回収が翌期初にずれ込んだことに加えて、新基幹システムに関わるソフトウエアの購入やブランド販売子会社への運転資金貸付などの資金調達として短期借入金が21億円増加しましたが、配当金の支払いがあったことから、17億8百万円の収入(前期は15億1千3百万円の支出)となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 49.7 | 48.0 | 47.5 | 55.1 | 51.6 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 29.0 | 28.6 | 42.1 | 37.8 | 35.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 8.9 | - | 1.5 | 2.6 | 6.5 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 9.4 | - | 61.9 | 34.9 | 28.7 |
(注)1 各項目における算出式は、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としてお
ります。
6 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資金需要
当社グループの主要な資金需要はたな卸資産の購入のほか、人件費、販売費および一般管理費等の費用ならびに当社グループの設備の新設および改修等に係る投資となります。また、今後、当社グループの新たな収益源となり、企業価値向上に資するとの判断から、M&Aを含む新規事業への投資も資金需要の対象となります。
財務政策
資金需要の財源といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、主要取引銀行から供与された円資金借入枠に基づく借入金となります。なお、当社および国内関係会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、これにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理することで、資金効率の向上に努めています。また、「流動性の確保」「金利上昇リスクのヘッジ」等を目的に長期借入金も実行しております。
一方、当社では、為替相場変動リスクのヘッジ方法の一貫として、国内OEM取引先との間で商品代金等の決済を米ドル建てで行う契約を締結しています。このため、短期のつなぎ資金として米ドル資金が必要となりますが、その調達源として、当社では、主要取引銀行との間で中長期マルチ・カレンシー・コミットメントラインを締結しております。これにより、今後、本邦において米ドル資金調達リスクが想定外に顕在化した場合でも、米ドル資金の流動性を確保することができます。
重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。
①貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失として過去の貸倒実績率により、貸倒引当金を見積り計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる可能性があります。
②投資の減損
当社グループは、特定の顧客および金融機関に対する株式を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、一定の基準に基づいて投資の減損処理をしております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合は、評価損の計上が必要になる可能性があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産を計上する場合に将来の課税所得を合理的な予想に基づき回収可能性を検討しておりますが、繰延税金資産の一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の一部を費用として計上する可能性があります。