有価証券報告書-第75期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 9:03
【資料】
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【項目】
175項目
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループの人材戦略に関する基本方針等は、以下のとおりであります。なお、文中の数値及び金額は、当連結会計年度末現在のものであります。
また、当社ホームページ(http://www.sanshin.co.jp)の採用情報内にある「Human Capital Report」にも関連情報を公開しておりますので併せてご参照ください。
①経営戦略と人材戦略の連動
当社グループは、国内外の半導体及び電子部品メーカーから仕入れた商品に当社価値を付加した商品やソリューションを提供するデバイス事業と、ICTネットワークインフラの構築からAI、DXを活用した顧客のIT環境課題の解決まで、元請け(プライムベンダー)として一貫提供するソリューション事業の二軸で成長を追求しております。V76中期経営計画において掲げる「収益性、安定性、成長性の向上」を実現するためには、各事業の競争優位の源泉を担う人材の質と厚みを高めることが不可欠であると認識しております。
なお当社グループの人材戦略は、全社共通の育成基盤と処遇制度を土台としながら、事業モデルの本質的な差異に応じた固有の人材育成方針を並走させる二層構造を基本としております。それぞれの事業が異なる競争環境に置かれている以上、人材への投資もその勝ち筋に沿って設計されなければ意味をなさないと考えるからです。
セグメントの名称競争優位の源泉重点人材課題
デバイス事業顧客ニーズの理解力、デザインイン能力、調達・受給調整力、新商材開拓力、グローバルネットワーク力、金融や在庫などを含む商社機能技術理解を伴う提案営業力、サプライチェーンCSRに関する理解深化、グローバル人材の育成
ソリューション事業プライムベンダーとしての顧客密着型提案力、先端技術実装力、設計構築から運用保守までのワンストップソリューション力、ストック収益力コンサルティング人材やPM(プロジェクトマネジメント)人材の育成、マルチスキルSE人材の拡充、プリセールス営業の強化、専門性強化、事業拡大のための人材獲得

②人材戦略の方針
イ.全社共通方針
持続的な企業価値向上を図るためには、企業活動の主体である人材の価値向上が始発点であると考えます。当社は積極的な人的資本投資を通じて個々の人材価値と組織力の向上を図るため、以下の共通方針のもと、多様で有能な人材の採用・育成・定着に取り組んでまいります。
ⅰ.人材育成への継続的投資
階層別集合研修、eラーニング(7,000講座以上)、資格取得奨励制度の三本柱による教育体系を維持・拡充します。教育関連費用は総額32百万円になっております。この投資水準を維持しながら、事業戦略との連動をより明確にした形で教育施策を進化させます。特に、管理職の経営能力の開発のため、事業戦略、財務会計、人材マネジメントに関する研修を刷新して展開する予定です。こうした取り組みを通じ、事業戦略を自ら推進できる経営人材の育成を組織全体で推進してまいります。
ⅱ.多様な人材の活躍推進
性別、国籍、年齢、経験にかかわらず個々の持ち味を発揮できる環境整備を進めます。外国籍人材の継続採用、シニア人材の戦力化(定年後再雇用率88.9%)に加え、公的資格やベンダー資格等の戦略スキル保有者については社内技術認定制度(認定者24名)による手当支給を通じて、専門人材の定着を促します。
女性活躍については、管理的地位にある労働者比率の向上(提出会社目標:2031年3月期末7%)を中長期目標として掲げつつ、現実的な中間ステップとして管理職前段階にある主任職の拡大を優先課題と位置づけております。主任職女性社員は8名に増加しており、今後は新卒・中途採用の双方において女性基幹職の獲得を意識的に進めることで、退職等による人材流出リスクにも備えながら管理職候補層の厚みを積み上げてまいります。
なお、労働者の男女の賃金の額の差異については、定型的な事務を担うサポート職が女性のみで構成されていることが主たる要因です。このため職種間比較は困難ですが、基幹職内においては同一等級における労働者の男女の賃金の額の差異は制度上生じない設計となっております。引き続きサポート職から基幹職へのコース転換を促す制度整備を通じ、格差の縮小に取り組んでまいります。
ⅲ.職場環境の整備
フレックス制度(活用部門比率95.6%)、テレワーク、有給休暇取得促進(取得率69.6%)を継続し、多様なライフスタイルと業務の両立を支援します。外部機関のエンゲージメントサーベイ(受験率91.9%、スコア51.3「やや高い」)の結果を人事施策に反映し、働きがいの向上を継続的に図ります。
ロ.デバイス事業固有の人材戦略
デバイス事業における競争力の核心は、顧客からの深い信頼を獲得することはもとより、国内外の仕入先メーカーから「最も信頼できる販売パートナー」として選ばれ続けることにあります。そのためには市場動向や顧客ニーズを的確に把握し、競争力ある提案構築力による継続的な販売拡大が問われます。以下の二点を、デバイス事業固有の人材戦略の柱と位置付けております。
ⅰ. 営業・マーケティング人材の専門性強化
商社においては、単に製品を販売するだけではなく、技術知識や業界動向を踏まえながら顧客の課題に深く入り込み、付加価値の高い提案を行える人材が求められます。営業部門・販売推進部門の双方において、製品・技術知識に加え、仕入先、顧客との交渉力や折衝力を強化するための実務教育を継続的に実施するとともに、新商品開拓や新規ビジネス提案に関する実践機会を通じて、新たな事業を創造する発想力・実現力の強化にも取り組みます。市場変化に対応しながら信頼関係を構築し、事業機会の創出につなげられる人材を組織的に育成してまいります。
ⅱ.グローバル人材の育成と定着
海外ベンダーとの関係深化には、語学力を基礎としながら、日本市場の理解、マーケティング企画力、ビジネス遂行能力を兼ね備えた複合型人材が必要です。即戦力の外部採用については業界経験を持つ人材の登用なども活用しつつ、中核はグローバル志向を持つ社員の育成に置きます。英語による実務遂行を経験したうえで、将来的な海外担当へのキャリアパスを明示することで、挑戦意欲のある人材が継続的に育つ環境を整備します。当社から海外子会社へ出向している勤務者は16名で、例年概ね同水準を維持しており、この層を組織的に機能させるための知識継承、引き継ぎ体制の整備を人材マネジメントの重点課題として取り組みます。
ハ.ソリューション事業固有の人材戦略
ソリューション事業は、官公庁・地方自治体から民間企業まで幅広い顧客を有しており、ICTインフラやセキュリティ、その上で稼働するアプリケーションまで一貫して提供することで顧客価値創出を目指しております。従業員241名という規模は大手SIerに及ばないものの、顧客課題を上流から捉え、設計・構築・運用保守をワンストップで担うことができる強みを持続的に発展させることが人材戦略の根幹でもあります。以下の三点をソリューション事業固有の人材戦略の柱として位置づけております。
ⅰ.上流シフトを担うプロジェクトマネジメント人材の育成
ソリューション事業が目指すのは、更なる上流工程へのシフトです。顧客課題を要件として整理し、パートナー企業と分業しながらプロジェクト全体を主導できる人材の育成が急務です。当社はコンサルテーション機能を自社に保持することを基礎とし、顧客課題に応じたオファリングの展開、要件定義から詳細設計、運用提案までをリードするSE人材の育成に注力しております。また、プロジェクトマネージャー試験(情報処理技術者レベル4)をはじめとするPM系資格の取得を奨励するとともに、既存の資格取得奨励制度を上流工程シフトの文脈で積極的に活用します。情報処理技術者レベル4資格累積取得者は34名に達しており、この層を上流人材の候補として計画的に育成、登用していきます。
ⅱ.先端技術の実装とマルチスキル人材の育成
IT業界における先端技術(クラウドシフト、ゼロトラストセキュリティ、AI、DX等)を活用し顧客提案を通じて実装することで、その知見を幅広く展開、波及させる学習サイクルを人材育成の設計軸として位置づけます。ソリューション事業のSE比率は48.8%に達しており、この技術人材層を継続的にスキルアップすることで事業基盤の強化を図り競争力を高めております。Cisco、AWS、Microsoft Azure、Oracle等のベンダー資格取得を継続的に奨励するとともに、複数の事業領域(ネットワーク、セキュリティ、クラウド化)を横断的に経験させるローテーションを通じ、マルチスキル人材を育成します。
ⅲ.SE能力を備えたプリセールス営業とクロスセルの推進
当社グループが求めるのは、技術を理解した上で顧客の経営課題と結びつけた提案ができる人材です。ソリューション事業における営業比率は39.2%であり、SE的素養を持つプリセールス人材の質が、複数ビジネス・ユニットの商材をクロスセルする事業モデルの鍵を握ります。IT知識と顧客折衝を統合的に習得させることを念頭に育成を行っております。
③従業員の給与等の決定に関する方針
当社グループは上記の人材戦略を実現するにあたり、「人材を惹きつけ、貢献に応じて報いる」報酬体系の整備を段階的に進めます。
ⅰ.給与について
賃金水準については、物価上昇率および同規模・同業種比較における賃金競争力を定期的に調査、検証し、従業員が安心して生活できる水準の確保に努めます。近年においてはベースアップを毎年実施し、直近3年間の累積賃上げ率は13.3%になっております。
全社の等級・賃金体系を基本として評価における貢献度の反映にメリハリをつけることで、高付加価値業務を担う人材のモチベーションを支えます。特に専門技術人材については社内技術認定制度を、また全従業員を対象とした資格取得奨励制度と組み合わせることで、スキルの深化が処遇に直結する仕組みを制度化しております。
ⅱ.賞与について
賞与原資は全社一律ではなく、各事業部門のセグメント利益の水準に連動して決定される設計としております。自らが属する事業の業績が直接自身の処遇に反映される仕組みは、従業員一人ひとりの事業参画意識を高め、組織全体の収益に対する感度を底上げすることを意図しております。
業績下振れ局面においても一定水準の賞与原資を確保する方針のもと、従業員の生活安定を支えながら、好業績時には原資が拡大し、その恩恵が個人の評価結果に基づいて配分されます。
この仕組みと各期の業績見通しは半期ごとに従業員へ開示・説明されます。「自分の事業部門が今どこにいるか」を全員が共有した上で次の半期に臨む文化は、企業業績への当事者意識と日々の働きがいを有機的に結びつける基盤となっております。
  • 有価証券報告書-第75期(2025/04/01-2026/03/31)

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