有価証券報告書-第71期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/27 13:06
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業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、海外経済の復調を背景に輸出や設備投資が持ち直し、加えて、国内の雇用や所得環境の継続した改善で個人消費にも明るさが見られるなど、景気は引き続き緩やかな回復基調で推移しました。しかし一方では、米国をはじめとする保護主義的な経済政策や、中東・東アジアにおける地政学リスクの高まりが続いたことから、世界経済の不確実性が増しており、わが国経済の先行きは依然として不透明感を強めております。
こうした状況下で当社グループは、引き続き差別化製商品を主体とした販売政策など、当社グループの特長を生かした事業運営とスピーディーな経営判断を心がけ、国内市場をはじめとして、海外では、中国・アジアの成長市場や米国及びその周辺市場など、幅広いグローバル市場で拡販に努めるとともに、顧客ニーズの更なる深耕と新規市場の開拓にも鋭意取り組んでまいりました。かかる施策により、特長ある自社製品群の販売が国内外の市場で好調に推移し、当社グループの業績を牽引しました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高が225億1千4百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益が10億2千7百万円(前年同期比76.9%増)、経常利益が10億4百万円(前年同期比69.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益が9億1千1百万円(前年同期比78.2%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
[高機能材料事業]
スマートフォンなどの電子機器業界向け関連製商品の販売では、とりわけ上半期における関係業界の活発な需要を背景に主要顧客への販売が好調に推移し、また、新たな顧客開拓による新規の販売も加わって、コーティング製品など独自の差別化製品の販売が増加しました。また、自動車部品業界向け関連製商品の販売も、国内外の自動車生産が堅調に推移したことを受けて、高機能樹脂製品の販売が増加し、電子材料や機能性樹脂の関係商品の販売も増加しました。その結果、当事業全体の売上高は172億5百万円(前年同期比8.3%増)、営業利益は12億2千5百万円(前年同期比72.0%増)となりました。
(主な製商品群の概況)
製商品群概況(数値は前年同期との対比)
コーティング製品スマートフォンや光学機器向け電子部品・部材製造用のコーティング製品が関係業界の好調な需要や新規顧客の開拓などで販売が増加し、その他フィルム表面加工製品も販売が伸長して、22.8%の増収となりました。
高機能樹脂製品自動車部品業界向け電気絶縁用樹脂製品や電気・電子機器のセンサー用樹脂製品の販売などが国内外の市場で堅調に推移し、10.3%の増収となりました。
電子材料スマートフォンや自動車向け回路基板材料は他社との厳しい競合下で鋭意拡販に努めたことで販売が増加し、また、自動車・重電向け絶縁材料などの販売も堅調に推移して、4.9%の増収となりました。
機能性樹脂回路基板向け熱硬化性樹脂や自動車向け熱可塑性樹脂の販売は増加しましたが、樹脂用添加剤の販売が前年度で終売となった影響で大きく減少したため、2.3%の減収となりました。

[環境材料事業]
主要な販売先である製紙業界を中心に、差別化製商品の拡販と新たな用途や市場の開拓などに鋭意取り組んでまいりましたが、引き続き競合他社との激しい競争にさらされ、厳しい状況が続きました。とりわけ自社製品に係るファインケミカルズの販売では、歩留り向上剤などの製紙用ケミカルズ製品が他社との厳しい競争下で販売が大きく減少しました。一方、仕入商品に係る製紙用化学品の販売では、製紙関連ケミカルズ商品が新たな顧客層への拡販も浸透して増収となり、また、紙塗工用バインダーは原材料価格の上昇に伴う販売価格の値上げなどで販売が増加しました。その結果、当事業全体の売上高は42億3千2百万円(前年同期比2.7%増)となりましたが、営業損失が1千7百万円(前年同期は営業利益4千7百万円)となりました。
(主な製商品群の概況)
製商品群概況(数値は前年同期との対比)
ファインケミカルズ競合他社との厳しい競争が続くなか、歩留り向上剤などの製紙用ケミカルズ製品の販売が大きく減少し、また、工業用殺菌剤の販売も減少したため、20.3%の減収となりました。
製紙用化学品製紙関連ケミカルズ商品の販売がきめ細かな拡販施策の浸透で増加し、紙塗工用バインダーの販売も値上げの要因などで増加したため、11.3%の増収となりました。

[食品材料事業]
食品材料事業では、健康に優しく特長ある天然の食品素材を主要な取り扱い商品としており、関係する食品業界などへ、的を絞った施策の下に、これらの商品の販売を積極的に行っております。これに加えて更に、これまでの営業活動を通して蓄積した食品に関わる様々な情報や技術を活用して、新たな商材の発掘や市場の開拓、更には、独自性のある新規複合食品素材の開発といった新たなテーマにも積極的に取り組んでおります。当期におきましては、天然の増粘安定剤は、素材の特長を生かしたマーケティングの推進や販売価格の上昇も加わって増収となりました。また、乾燥野菜も積極的な拡販に取り組んだことで増収となりました。その結果、当事業全体の売上高は10億2千2百万円(前年同期比11.2%増)となりましたが、円安や産地の天候不順などの要因で現地価格が高騰し輸入コストが上昇したことに対して、価格転嫁が難航したため、営業利益は1億1百万円(前年同期比12.8%減)となりました。
(主な製商品群の概況)
製商品群概況(数値は前年同期との対比)
食品素材等増粘安定剤は、天然の特長を生かした販売政策の推進と需給要因での値上げの浸透で販売増となり、乾燥野菜も販売が増加して、全体では11.2%の増収となりました。

[その他の事業]
当社グループの成長を支える新たな事業領域を開発・育成すべく取り組んでいる「その他の事業」では、新たなビジネスチャンスの可能性を追求するため、市場開発用に新たな商材などを導入し、試販等による事業化への検討を行っております。当期におきましてはまだ試販の段階ではありますが、売上高は5千4百万円(前年同期比303.1%増)、営業利益は4百万円(前年同期は営業損失7百万円)となりました。
(2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入れによって資金を調達しております。また、営業活動、設備投資、借入金の返済等の資金需要に備えて、十分な資金を確保するために、資金調達及び資金の流動性の確保に努めております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して5億5千3百万円増加して、46億4千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9億2千万円の資金増加(前連結会計年度は10億4千4百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10億5百万円、減価償却費3億3千9百万円、仕入債務の増加6億3百万円等の資金増加要因が、売上債権の増加7億1千9百万円、たな卸資産の増加3億2千9百万円等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億5千万円の資金減少(前連結会計年度は2億1百万円の資金減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出を2億2千6百万円計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、6千2百万円の資金減少(前連結会計年度は4億1百万円の資金減少)となりました。これは主に、配当金の支払額5千7百万円によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
高機能材料事業(千円)5,335,083109.0
環境材料事業(千円)693,17492.0
食品材料事業(千円)8,003-
報告セグメント計(千円)6,036,261106.9
その他の事業(千円)--
合計(千円)6,036,261106.9

(注)1.金額は製造原価によって表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より製品・商品区分を一部見直したことに伴い、前期同期比については前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しおります。
(2)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
高機能材料事業(千円)8,539,114105.5
環境材料事業(千円)3,261,411112.0
食品材料事業(千円)920,237134.4
報告セグメント計(千円)12,720,763108.8
その他の事業(千円)35,994426.0
合計(千円)12,756,758109.0

(注)1.金額は仕入原価によって表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より製品・商品区分を一部見直したことに伴い、前期同期比については前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しおります。
(3)受注実績
当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
高機能材料事業(千円)17,205,437108.3
環境材料事業(千円)4,232,174102.7
食品材料事業(千円)1,022,721111.2
報告セグメント計(千円)22,460,333107.3
その他の事業(千円)54,180403.1
合計(千円)22,514,514107.5

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 有価証券の減損処理
当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。
② 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。
③ 退職給付債務について
当社は、従業員に対して確定給付型の退職給付制度を設けております。退職給付債務及び退職給付に係る負債並びに退職給付に係る資産の計算における年金資産については、割引率・長期期待運用収益率等各種比率に基づき合理的な基準による見積り計算を実施しております。
④ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は225億1千4百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益は10億2千7百万円(前年同期比76.9%増)、経常利益は10億4百万円(前年同期比69.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億1千1百万円(前年同期比78.2%増)となりました。
① 売上高の分析
海外経済の復調を背景に輸出や設備投資が持ち直し、加えて、国内の雇用や所得環境の継続した改善で個人消費にも明るさが見られるなど、景気は引き続き緩やかな回復基調で推移しました。しかし一方では、米国をはじめとする保護主義的な経済政策や、中東・東アジアにおける地政学リスクの高まりが続いたことから、世界経済の不確実性が増しており、わが国経済の先行きは依然として不透明感を強めております。
こうした状況下で当社グループは、引き続き差別化製商品を主体とした販売政策など、当社グループの特長を生かした事業運営とスピーディーな経営判断を心がけ、国内市場をはじめとして、海外では、中国・アジアの成長市場や米国及びその周辺市場など、幅広いグローバル市場で拡販に努めるとともに、顧客ニーズの更なる深耕と新規市場の開拓にも鋭意取り組んでまいりました。かかる施策により、特長ある自社製品群の販売が国内外の市場で好調に推移し、当社グループの業績を牽引しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は225億1千4百万円(前年同期比7.5%増)となりました。
② 販売費及び一般管理費の分析
当社グループ全体において、国内外の市場における販売が好調に推移したことによる発送配達費の増加や人件費の上昇等により、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は29億7千5百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
③ 営業外損益及び特別損益の分析
営業外収益は前連結会計年度から5千1百万円増加して8千万円(前年同期比6.8%増)となりました。これは主に、効率的な資金運用による受取利息等の増加によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度から3千8百万円増加して1億3百万円(前年同期比60.4%増)となりました。これは主に、貸倒引当金繰入額の増加によるものであります。
特別利益は当連結会計年度において固定資産売却益の1百万円を計上いたしました。また、特別損失は前連結会計年度から1百万円減少して0百万円(前年同期比72.0%減)となりました。これは、主に固定資産売却損を計上したことと、前連結会計年度においてゴルフ会員権売却損を計上していたことによるものであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
世界経済においては、とりわけ米国のトランプ政権に象徴される保護主義的な経済政策などから、世界経済の縮小懸念が強まり、更には、引き続く中東・東アジアにおける地政学リスクの高まりなどから、グローバル経済の先行きは不確実性を増しており、かかる状況下での様々な変化が、為替の大きな変動なども伴って当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼすことが予想されます。
当社グループを取り巻くこうした予測の難しい経営環境のなかで、当社グループは製造販売と仕入販売に係る業務を行っておりますが、当社グループが関係する市場や販売先では近年特に競争が激しさを増しており、そのため当社グループの経営環境は一段と厳しい状況となっております。
製造販売については、製品の販売先の動向や、その販売先が属する電子部品・自動車・製紙といった関係業界の動向、更には、販売先が関係業界で占める位置づけなどが、当社グループの販売数量及び販売価格に大きく影響を与える可能性があります。また、市場における競合各社間の競争激化を反映して、特にコーティング製品や高機能樹脂製品を中心に海外での廉価品の台頭などによって販売価格が下落したり、あるいは、原油価格の上昇などで原材料価格が上昇して製造コストが増加するといった要因により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
仕入販売については、製紙業界やIT関連業界、更には食品業界といった当社グループの販売先業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制と販売先の需要とのバランスが、販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。また、競合他社による廉価販売や新商品の市場投入で既存の商流・商権が変化することなどにより、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。
(4)戦略的現状と見通し
当社グループは、事業の重点化と他社との差別化を重要な戦略と位置づけて、引き続きグローバルな視野に立って将来的に成長が期待できる事業分野と市場へ、経営資源を重点的に集中させ、研究開発資源の有効かつ効率的な活用と「経営環境の変化に対するスピーディーな対応」で、ビジネスの強化と事業領域の拡大に努めてまいります。
具体的には、製造販売においては、とりわけ電子部品や自動車部品、更にはデジタル光学機器といった業界を中心に、コーティング製品や高機能樹脂製品の差別化戦略、付加価値の高い新規開発製品の市場投入などで拡販と事業領域の拡大を図り、また、仕入販売においては、特長ある既存商品群の物流・販売網強化と顧客ニーズに的確に応えるための仕入先との共同開発その他の協働、更には、新規商権の獲得などにも注力してまいります。
また、当社グループのグローバル展開では、アジア各地の当社子会社を拠点として、中国やタイ・インドを中心としたアジアの新興市場を事業活動のメインに据え、これに加えて、堅調な景気が続く米国やその周辺市場においても、生産・物流・販売の機能強化と更なる情報収集に努めてまいります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力しておりますが、米国のトランプ政権に象徴される保護主義的な経済政策の拡がりで世界経済が縮小する懸念や、引き続く中東・東アジアにおける地政学リスクの高まりなどから、当社グループの経営環境は大きな影響を受けて一段と厳しさを増すことが予想されます。
当社グループとしましては、今後もこの状況を正確かつ的確に把握してグループの総合力を効果的に発揮できるよう、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化とスピーディーな経営判断を心がけ、業績の向上に努めていく方針であります。

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