有価証券報告書-第71期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/21 14:16
【資料】
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【項目】
148項目

対処すべき課題

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、『私たちは、情報サービスを通して「価値あるしくみ」を創造することで、社会の発展に貢献します。』という経営理念の下、お客様の経営に役立つ最適な情報システムと高品質なサービスを提供いたします。また、より付加価値の高いビジネスに取り組むとともに、営業力を強化することで収益性を向上し、企業価値を高め、すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業となるべく、グループ全役職員が一丸となって取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「お客様の価値(業績)を高める経営パートナー」となることを目標に、お客様の企業価値を高める最適なソリューションの提案や高付加価値商品の開発・拡販に努め、お客様との信頼関係をより強いものにしてまいります。
中期経営計画「CANVAS ONE」(2022年度から2024年度)においては、新たな価値創造に挑戦し、新たなビジネスの種を生み出すM&A、業務提携、新規ビジネス投資, 挑戦する企業文化形成などに取り組んでおります。目標とする経営指標としては、成長性・収益性については売上高、営業利益ならびに営業利益率、資本効率についてはROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)としております。
そのため、当社グループのコア市場である中堅市場に経営資源を集中させるとともに、独自のビジネスモデルを創造することで、品質・生産性の向上に努め、収益力の強化を図ってまいります。
また、これまで培ってきたスキル・ノウハウの活用と共有による組織力強化に加え、最適なソリューションを提案できる人財の育成、あわせて外部パートナーとの協業を今まで以上に積極的に推進してまいります。
(3)経営環境および事業戦略
当社グループの事業基盤の特徴としては以下があげられます。
① 長い歴史の中で構築されたお客様からの信頼
当社は、設立以来70年に渡りお客様に寄り添い、業務を理解し提案することで深い信頼関係を構築しており、直接取引を中心とした2万社以上のお客様と取引を継続しております。信頼関係の維持ならびに向上に当たっては、毎年実施している顧客満足度アンケートにより、お客様からの評価を分析し具体的な改善活動に繋げております。これらの取り組みにより、既存のお客様からのリピート受注が90%を超えており、お客様の業務理解と信頼関係がさらに深化する好循環を構築しております。
② お客様の業務に精通することによる「コトづくり」の提供
当社は、富士通株式会社とパートナー契約を締結しており、同社との共創に加え、マルチベンダーの推進により常にお客様ニーズに合わせた最適な商品・サービスを提供しております。加えてソリューションパートナーを始めとした2,800社を超えるパートナー企業と密接なパートナーシップを構築し、互いの強みを融合して強力なソリューションを提供しております。
これらを統合して、ICTに関するコンサルティングからシステム設計、構築、運用、検証までをワンストップで最適解を提供することで差別化を図っております。
③ 共創から生まれた独自のパッケージソフトによる市場開拓
当社は、お客様の業務を理解し信頼関係を構築しながら、お客様のニーズに応えたソリューションの提供を継続してまいりましたが、個々のプロジェクトで培ったソリューションを自社パッケージ化し、同様のニーズを持つお客様に提供しております。具体的には、製造業向け個別受注型生産管理システム、間接材調達支援システム、流通専門店向け次世代POSシステム等、お客様との共創による成果として新規のお客様への提供にも寄与しております。
④ 新たなビジネス領域への投資ならびに挑戦
当社は、上記の既存ビジネス領域に加え中期経営計画「CANVAS ONE」において、新たなビジネス領域への投資ならびに挑戦を推進すべく、投資目標や投資ガバナンスを整備し中長期的な企業価値の向上に取り組んでおります。
今後の見通しにつきましては、企業の設備投資は増加基調が続き、雇用・所得環境の改善などを背景に個人消費も回復する見通しであり、景気は内需主導で緩やかな回復を辿ると思われますが、世界経済においては、欧米で予想される金融政策の転換や、地政学リスクの継続など、引き続き先行き不透明な状況にあります。
また、テクノロジーの急速な発展に伴うDX化や生成AIの活用、人材不足を背景とした省力化に向けたデジタル投資により、引き続きICTへのニーズは高まっていくものと思われます。
このような環境のなか、当社グループは、長期ビジョン「CANVAS」で掲げた「新たな価値提供への挑戦を続け、彩りのある企業へ~Be Challenging,Be Colorful~」をグループ共通のテーマとして、これまでの収益構造を変革し、環境変化に強い企業集団として新たな価値提供に努めていくとともに、「五方良し」経営を実践することで持続的な成長と企業価値の向上を図り、すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業となるべく、グループ全役職員が一丸となって取り組んでまいります。
なお、2025年3月期は大型商談やインボイス対応などの需要が一服する中で、中期経営計画「CANVAS ONE」の最終年として、次期中期経営計画に向けた礎を築くため、三つの基本戦略、①「新たな価値創造への『挑戦』」、②「『強み』を活かしたコアビジネスの成長」、③「『強み』×『挑戦』を支える事業基盤の強化」に基づき、シン・ビジネスや重点ソリューション拡大のための開発投資、事業を支える人的資本への投資を進めてまいります。
「CANVAS ONE」の三つの基本戦略に基づく重点施策は以下のとおりです。
① 新規事業創出早期化への取り組み
・社内の各部門や各タスクフォースが連携し、顧客課題の探求を通したマーケットニーズの抽出を行うことで事業創出を推進し、事業化へと引き上げる活動を展開します。
・新たな取り組みとして発表した「D-Ever flex」ビジネスを既存顧客への拡販を通して発展させ、より顧客に適合するソリューションに仕立てた上で、細業種戦略を実行します。
・パートナー企業との連携にて、双方の強みを活かした新たな連携ビジネスの創出を行います。
② 営業利益率5%に向けた取り組み
・KGIである営業利益率5%は既に達成しておりますが、更なる収益性を向上させるために、収益性の高い重点ソリューション拡販に向けた専門組織を配置し、高付加価値提案と拡販力の強化を図ります。
・ストックビジネスにおける当社独自のサービスメニュー、クラウドサービスの更なる販売強化を図ります。
・グループシナジーを発揮して、SEの生産力を強化するとともに、プロジェクトマネジメントスキルを強化することでSEサービスの拡大を図ります。
③ 挑戦する企業文化への取り組み
・従業員エンゲージメントの向上、従業員の行動変革を促す人事制度の見直しを図ります。
・人財開発部を新設し、新たな価値創造の担い手となるDX人財をグループ全体で育成します。
・社内表彰制度である「DAiKO Challenge」を更に拡充し、失敗を恐れない企業文化を成長させます。
「CANVAS ONE(キャンバス・ワン)」における目標数値は以下のとおりです。
2023年3月期2024年3月期2025年3月期
売上高(百万円)37,00038,00040,000
営業利益(百万円)1,5801,7002,000
営業利益率4.3%4.5%5.0%
ROE
(自己資本利益率)
11.2%11.4%13.0%
ROIC
(投下資本利益率)
9.3%9.3%10.0%

(4)コンプライアンスの徹底と有効な内部統制の整備・運用
当社グループは、今後もグループ全体のコンプライアンスの徹底と有効な内部統制の整備・運用に努めてまいります。