有価証券報告書-第31期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/21 11:33
【資料】
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【項目】
116項目

研究開発活動

当社グループは、従来型商社ビジネスからの転換を図るため、研究開発の充実によって当社グループ自身のエンジニアリング力を高め、市場動向及びニーズを重視しながら自社の新製品・新技術の研究開発を積極的に進めております。
現在の研究開発は、当社グループの各技術部門を中心に推進されており、主に当社において半導体テストシステムと組込み用途向けのCPUボード、子会社において半導体向けの信頼性試験装置等の開発を行っております。
当社グループの当連結会計年度の研究開発費の総額は9億60百万円となっており、このうち、設計開発ソリューション事業に係る研究開発費が2億41百万円、プロダクトソリューション事業に係る研究開発費が7億19百万円となっております。
(1)設計開発ソリューション事業
当連結会計年度における主な研究開発活動としましては、前年度に製品化いたしましたインテル社製第6世代Coreシリーズ(SkyLake)やAtom(BayTrail)を搭載したCPUボードの派生モデル、それらのCPUボードを搭載したBOX型PC製品であるEMBOXシリーズの充実、更には特定顧客向けを意識したモデル製品の開発に取り組みました。これにより、新規顧客の獲得と収益の向上を見込んでおります。
また、IoT時代を見据えて「エッジコンピューティング」を意識した異常検知等のソリューションについても、顧客のニーズを見極めながら開発を進めております。「エッジコンピューティング」とは、クラウド上にデータを送信する前に予め「エッジ(現地)」で画像や振動等の情報を処理・判断し、簡素化(セキュリティ化)されたデータを必要に応じてクラウド上に送信する構成を構築することであります。様々な通信手段(WiFi、3G/LTE、LPWA等)を含めたハードウェア及びソフトウェアの構成と「エッジ」での処理を可能とするソリューションを実現することで、付加価値のある新製品を企画・開発し、IoT市場での拡販を目指してまいります。
(2)プロダクトソリューション事業
当連結会計年度における主な研究開発活動としましては、前年度から継続しております先端通信規格に適応するためのイメージセンサー高速データ通信技術の開発や、海外顧客向けの画像処理技術の実験や評価などを、連結子会社である株式会社レグラスと共同で行いました。
メモリデバイス向けのテストシステムにおいては、中国市場向けのソフトウェア開発を進めており、翌連結会計年度以降での販売を目指しております。また、既存のテストシステムにおいても収益力の強化や改善を目的として、製造コスト低減のための部品の見直しや、それに伴う評価・実験に取り組みました。
さらに、連結子会社であるSTAr Technologies, Inc.とは、超小型LSIテストボードの企画など共同で開発を行いました。
翌連結会計年度においても、当社グループのエンジニアリング力を活かし、先端半導体テスト向けに特徴のある製品開発に取り組んでまいります。