有価証券報告書-第69期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/29 14:14
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、緊急事態宣言の発出、外出自粛や海外渡航の制限等から、経済活動の停滞による深刻な打撃を被っております。アパレル業界におきましても、商業施設等の臨時休業、営業時間短縮や、感染防止対策としての各種催事の中止等により、消費が落ち込んでおります。また、景気の先行きが極めて不透明なことから、消費者の衣料品にかける支出は減少傾向で、併せて低価格志向が更に強まっており、依然として非常に厳しい経営環境が続いております。
このような経営環境の中、当社グループは、在宅勤務やテレワーク等の働き方改革の加速で、ライフスタイルがカジュアルなニュー・ワーク・スタイルに変化し、外出自粛等の影響で巣ごもり消費が増えていることから、ドレスシャツ事業ではカジュアルな商品提案を強化し、売上のシェア拡大に努めて参りました。この結果、百貨店における既製ドレスシャツ、オーダーシャツを合わせた当社シェアは、前連結会計年度末68%から当連結会計年度末は72%まで拡大することができ、量販店におきましても、シャツコンセ店舗を68店舗から80店舗まで拡げることができました。併せて、ネット購入の拡大が急速に進む中、上記店頭販売とネット販売のオムニチャネル化を最重要事業と位置づけ、販売促進を強化した結果、ネット販売の売上は前年同期比118%と好調に推移しました。
また、差別化商品の開発提案力を向上させるため、当社の企画開発力、技術開発力を更に強化し、ドレスシャツ事業、カジュアル事業、レディース事業におけるODM・OEMの受注拡大に注力しました。専門店、量販店におきましては、ビジネスアイテムの不振によるドレスシャツの受注減を、カジュアルやレディースのアイテムでカバーすべく、シャツジャケット、シャツワンピース、カットソー・アイテム等の受注獲得に努めました。生産部門では、シャツ生地を使用したウイルス感染予防マスクの受注および100万枚を超える医療用ガウンの受注生産に伴い、ユニフォーム事業まで営業活動を拡げた結果、官公庁の制服、企業制服や医療用制服等の新規取引先による受注が増加しました。
一方、大幅な減収対策として、営業部門では、直営店の閉鎖や子会社の株式譲渡等の不採算事業の撤退および期中での仕入抑制と在庫販売を強化し、製品在庫は前年度より4億38百万円減少しました。生産部門におきましても、工場での生産調整等による変動費の圧縮や人件費等の固定費の削減を行うとともに、国内外自家工場の生産ラインの見直しも実施しました。
以上のような対策を講じましたが、新型コロナウイルス感染症の業績への影響は甚大であり、この結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高103億33百万円(前年同期比32.7%減)、営業損失12億93百万円(前年同期は94百万円の利益)となり、同感染症による雇用調整助成金等の収入1億11百万円を営業外収益に計上いたしましたが、経常損失は12億6百万円(前年同期は1億41百万円の利益)となりました。また、中国上海子会社の生産ラインの閉鎖により、解雇給付金等を含むリストラクチャリング費用として、事業整理損1億82百万円を特別損失に計上いたしました。加えて、当期の業績および今後の業績見通しが不透明なことを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を検討し、法人税等調整額91百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、14億91百万円(前年同期は76百万円の利益)となりました。
事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
(国内販売)
国内販売セグメントは上述の要因により、売上高94億99百万円(前年同期比32.2%減)、セグメント損失11億52百万円(前年同期は53百万円の利益)と減収減益となりました。
(製造)
製造セグメントにおいては、中国(上海)工場の生産ラインの閉鎖等により、売上高は25億91百万円(前年同期比25.5%減)、セグメント損失1億47百万円(前年同期は49百万円の利益)と減収減益となりました。
(海外販売)
海外販売セグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症による受注減から、売上高は1億6百万円(前年同期比48.5%減)、セグメント損失18百万円(前年同期は7百万円の損失)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は132億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億7百万円減少となりました。これは主に、上述の要因により受取手形及び売掛金の減少や、仕入抑制により製品在庫が減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は82億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億15百万円減少となりました。この主な要因は、仕入抑制により支払手形及び買掛金が減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は50億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億92百万円減少となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億85百万円増加し、11億89百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、2億53百万円となりました(前年同期比34.9%減)。これは主に売上債権とたな卸資産が減少したものの、税金等調整前当期純損失を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、94百万円となりました(前年同期比51.6%減)。これは主に一部定期預金の期間を長期に変更したことによって、現金及び現金同等物と見なされなくなったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得た資金は、5億79百万円となりました(前年同期比8.5%減)。これは主に短期借入金が増加したこと等によるものであります。
④生産、受注および販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
国内販売(千円)5,927,70665.4
製造(千円)1,089,68085.9
海外販売(千円)19,65938.7
合計(千円)7,037,04767.7

(注)1 国内販売および海外販売については製品仕入金額、製造は実際製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大による売上の減少で、仕入れ抑制をしたこと等によるものであります。
(b)受注実績
原則として、受注生産は行っておりません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
国内販売(千円)9,489,59767.8
製造(千円)792,82663.2
海外販売(千円)50,81445.6
合計(千円)10,333,23867.3

(注)1 上記の金額には、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
2 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大による売上の減少によるものです。
3 販売実績に対する割合が100分の10以上の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
はるやま商事株式会社--1,057,66210.2

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
5 前連結会計年度におけるはるやま商事株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績
(売上高)
連結売上高は、新型コロナウイルス感染症の拡大による、2度の緊急事態宣言により、臨時休業や営業時短等を余儀なくされた結果、大幅減収となりました。特に当社の主力チャネルである、百貨店、メンズ&レディース専門店および量販店の売上は、43億48百万円減少しました。一方、ネット販売事業は、前年同期比118%と好調でしたが、直営店においては不採算事業からの撤退もあり、チャネル別の売上高では106.9%に留まりました。この結果、当連結会計年度の連結売上高は、32.7%減の103億33百万円(前年同期比50億22百万円の減収)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前述の売上高減収の影響を受け、大幅な減益になりました。売上高の減少率(前年同期比32.7%減)以上に、売上総利益の減少率(前年同期比46.4%減)が上回っているのは、粗利益率の高い高額な商品を取り扱う百貨店チャネルの減収が大きく影響しました。また、仕入抑制による過年度在庫の販売を強化したことで、粗利益率が低下したことも要因のひとつです。この結果、売上総利益は21億73百万円(前年同期比18億80百万円の減益)となり、売上総利益率は21.0%と前年同期比5.4%悪化しました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、売上高減収に伴い、取扱商品の出荷量が減少したことから、物流費が2億38百万円減少しました。また、取引先の休業や営業時間短縮での販売員の人件費減少、本社社員の賞与減額・残業代縮小など、人件費総額で1億90百万円減少しました。加えて、緊急事態宣言等により、出張等の移動制限もあり、旅費交通費が63百万円減少しました。この結果、販売費及び一般管理費は、34億67百万円(前年同期比12.4%減)となりました。
(営業外収支)
営業外収益は、国内工場の休業による従業員の人件費や、緊急事態宣言時の店舗休業による販売員の人件費等の助成金による収入が1億11百万円、為替差益14百万円、百貨店オーダーギフト券の前受金取崩益27百万円等により、合計1億72百万円となりました。一方、営業外費用は、支払利息45百万円、支払手数料25百万円等により、合計85百万円となりました。この結果、営業外収支は、87百万円(前年同期比88.4%増)の営業外収益となりました。
(特別損益)
特別損益は、21百万円の利益と、2億5百万円の損失により1億83百万円の損失(前年同期は37百万円の利益)となりました。主な利益は、合弁会社への貸付債務の免除益19百万円であり、主な損失は、中国上海工場の生産ラインの閉鎖に伴うリストラクチャリング費用1億82百万円、国内工場の環境対策費17百万円、子会社の事業撤退に伴う事業譲渡損とそれに伴う直営店の減損処理費用の5百万円であります。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
親会社株主に帰属する当期純損失は、法人税、住民税及び事業税19百万円、繰延税金資産の回収可能性の見直しによる法人税等調整額91百万円、非支配株主に帰属する当期純損失9百万円を計上したことにより、14億91百万円(前年同期76百万円の黒字)となりました。
アイテム別の売上高と構成比は次のとおりであります。
区分前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
売上高
前年同期比(%)
売上高(千円)構成比(%)売上高(千円)構成比(%)
ドレスシャツ9,859,18564.26,237,74160.463.3
オーダーシャツ2,585,24616.81,444,78714.055.9
カジュアルシャツ2,282,00114.92,176,35821.095.4
レディースシャツ527,0763.4371,3693.670.5
賃貸料収入102,4820.7102,9821.0100.5
合計15,355,992100.010,333,238100.067.3

販売先のチャネル別ではネット販売・直営店のチャネルの売上は増収となりましたが、その他の賃貸料収入以外のチャネルの売上は減収となりました。
チャネル別の売上高と構成比は次のとおりであります。
チャネル名前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
売上高
前年同期比(%)
売上高(千円)構成比(%)売上高(千円)構成比(%)
百貨店4,021,84026.21,807,54017.544.9
メンズ専門店3,405,70822.22,534,04524.574.4
量販店3,288,46021.42,186,41921.266.5
ネット販売・直営店585,4073.8625,9896.1106.9
レディース専門店471,6763.1311,4573.066.0
カジュアル専門店382,9632.5187,7941.849.0
国内その他2,312,77115.02,141,55420.792.6
海外その他784,6815.1435,4554.255.5
賃貸料収入102,4820.7102,9821.0100.5
合計15,355,992100.010,333,238100.067.3

(b) 財政状態
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金および設備等の資金需要については、自己資金を充当することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローの他、一部金融機関からの借入金等により調達しております。自己資金については、当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金効率の向上を図っております。金融機関からの借入金については、資金の効率的かつ安定的な調達を図るため、取引金融機関数行との間でシンジケート型のタームローン契約や当座貸越契約を締結しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1億85百万円増加し、11億89百万円となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大に備え、手元流動性を高めるべく短期借入を実行したため、前期末と比較して現金及び現金同等物が増加しました。営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権とたな卸資産が減少したものの、税金等調整前当期純損失を計上したこと等により、2億53百万円の支出となりました。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは短期借入金の増加により5億79百万円の収入となりました。たな卸資産の増加は営業活動によるキャッシュ・フローの収入を減少させるだけでなく、有利子負債の増加に直結するため、財務基盤を強化するための重点経営課題として認識し、店頭の消化状況に応じた生産管理を行い、有利子負債の圧縮に努めております。
当社が事業活動により得た利益は、新しい分野への設備投資や株主様に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けており、今後も安定的な利益還元を継続していくことを基本方針としております。
しかし、新型コロナウイルス感染症による、得意先様の営業自粛に伴う店舗や施設の休業が当社に及ぼす影響は甚大であり、現時点では、その収束時期が見通せない状況にあります。このような厳しい経営環境の下では、当社の企業体力の維持を最優先と考え、手元流動性の高い現金及び預金を確保し財務体質を強化することが急務であると判断し、2021年3月期の配当は無配としております。
また、「2.事業等のリスクの(8)」に記載の通り、新型コロナウイルス感染症の長期化の対応策として、仕入抑制と在庫販売の強化による製品在庫の削減を実行していくことで、有利子負債の削減に努め、さらにキャッシュ・フローの改善策の一環として生活応援セールなど販売促進強化により、更なるネット販売の売上拡大を図り、手元流動性の高い預金を増やすと同時に、調整可能経費の更なる削減を実施していきます。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益および費用の計上金額に影響を与えております。会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に行なっておりますが、前提条件や事業環境などに変化が生じた場合には、見積りと実際の結果が異なる場合があります。
(たな卸資産)
詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(繰延税金資産)
詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)等を適用しております。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
(返品調整引当金)
当社グループは製品の返品に伴う損失に備えるため、返品調整引当金を計上しております。この返品調整引当金は、過年度の返品実績率および売上総利益率に基づき計算された返品損失額のうち、当連結会計年度の負担額を計上しています。なお、返品損失額の算定に当たっては、返品実績率および売上総利益率の発生態様が異なる百貨店チャネルと百貨店チャネル以外に区分し計算しています。返品動向は製品の将来需要等の外部環境要因によって大きく変動する可能性があるため、その予測には高い不確実性を伴います。そのため実際の将来需要が見積りより悪化した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
(退職給付費用及び債務)
当社グループ従業員の退職給付費用および債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に費用化されるため、将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。

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