有価証券報告書-第71期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナに向けた政策の転換で社会経済活動が正常化に向かう一方、ウクライナ情勢の長期化に伴うエネルギー・原材料価格の高騰や急激な円安ドル高の進行による物価上昇で、先行き不透明な状況が続いております。個人消費につきましても、物価高を背景に実質可処分所得が伸び悩んでおり、節約志向が強まっております。当アパレル業界におきましては、当連結会計年度を通して新型コロナウイルス感染症の影響は続いたものの、行動制限に繋がる規制が実施されなかったこともあり、その影響は前連結会計年度と比較し、限定的な範囲に止まりました。しかしながら、世界的なエネルギー資源の高騰や円安ドル高の影響による物価上昇もあり、景気の先行きが未だ不透明なことから、消費者の衣料品にかける支出は減少傾向にあり、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような経営環境の中、当社グループでは、さらなる業績回復に向け、2022年度からスタートした中期3ヵ年経営計画に掲げた以下の基本方針に取り組んでおります。
・オリジナルブランドの構築
・BtoCの強化による収益アップ
・ドレス・カジュアル・レディース・ユニフォームの新商品開発と売上拡大
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が徐々に緩和される中、働き方改革の影響もあり、ビジネススタイル
らにカジュアル化の傾向が強まっており、いわゆるビジカジアイテムの充実を図ると共に、SDGsの取り組みも強化しております。また、以前から進めております取引条件の改定・為替変動による納品価格のアップ・店頭小売価格の見直しなどの各施策の効果が、当連結会計年度第4四半期以降から現れ始めております。
具体的には、百貨店チャネルにおきまして、引き続きCHOYAブランドのコーナー化・一社化・ショップ化に注力しており、東急百貨店吉祥寺店に「STYLE WORKS」、京王百貨店新宿店紳士服売り場に「CHOYA SHIRT SHOP」をオープンするなど、シェアアップの売上拡大策を実施することにより、既製ドレスシャツの売上高は前年同期比136%、粗利益は前年同期比128%、オーダーシャツの売上高は前年同期比111%、粗利益は前年同期比122%となり、売上高・粗利益とも増加傾向を維持しております。あわせて、継続して進めております取引条件の改定などの効果により、収益改善が順調に進んでおります。
量販店チャネルにおきましても、新型コロナウイルス感染症の影響も収まり、人の動きも活発化し、卒業式、入学式、入社式などが対面で実施されたことにより、コンセ売場である「SHIRT HOUSE」は、白無地などベーシックなドレスシャツの売上が好調で、売上高は前年同期比142%、粗利益が前年同期比142%と伸長しており、収益改善が進んでおります。展開店舗数も前年より13店舗増の109店舗となり、さらなる成長を期待できる状況になっております。また、オリジナルブランドの復活を目指すSWANブランドは、2023年春物から展開中で、続いて夏物、秋物の企画も進行しております。
ネット販売におきましては、自社サイトである山喜オンラインショップの会員数は、前連結会計年度末の19,007名から、当連結会計年度末は26,651名へと増加しており、売上高は前年同期比117%、粗利益は118%と順調に推移しました。引き続き、会員数増加策を強化し、お客様に喜んでいただける見易い自社サイトの構築に努めてまいります。
ODM・OEM受注が好調であったドレスシャツ・カジュアル・レディースの各アイテムも、売上高・粗利益ともに前連結会計年度を上回りましたが、円安ドル高などの製品原価高の影響を受け、粗利益率は前連結会計年度を下回りました。
このような状況の中、原副材料の見直しも含めた製品原価の低減、為替予約の見直し、納品価格の値上げ交渉、店頭小売価格の見直しなどの対策を講じた結果、売上高は前年同期比118%と好調に推移し、粗利益は前年同期比138%となりました。
しかしながら、原材料価格の高騰や円安ドル高による製品原価高騰の業績への影響は依然厳しく、全体の売上高は大幅に増加したものの、営業利益の黒字化までには至りませんでした。このような経営状況の中、賃貸物件である東京2号館の売却、および、連結子会社である上海山喜服装有限公司の全株式の売却による特別利益を計上いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高113億97百万円(前年同期は96億62百万円)、営業損失1億1百万円(前年同期は10億26百万円の損失)、経常損失は79百万円(前年同期は9億57百万円の損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、4億68百万円(前年同期は13億36百万円の損失)となりました。
事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
また、当社の長崎工場および郡山工場における生産事業を連結子会社である高山CHOYAソーイング株式会社に事業譲渡し、生産事業の一社化に合わせて、高山CHOYAソーイング株式会社の社名を山喜ソーイング株式会社に変更いたしました。これに伴い、当連結会計年度において従来「国内販売」に含まれていた該当事業を「製造」に含めております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報は変更後のセグメント区分に基づき作成しております。
(国内販売)
国内販売セグメントは上述の要因により、売上高100億66百万円(前年同期比20.2%増)、セグメント損失1億7百万円(前年同期は7億28百万円の損失)となりました。
(製造)
製造セグメントにおいては、中国の工場閉鎖などにより、売上高は24億62百万円(前年同期比14.4%減)となりましたが、国内工場の一社化など収益改善策を実施し、セグメント利益50百万円(前年同期は3億8百万円の損失)となりました。
(海外販売)
海外販売セグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和等により、受注が回復傾向にあり売上高は3億14百万円(前年同期比111.6%増)、セグメント利益5百万円(前年同期は3百万円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は122億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億61百万円増加となりました。これは主に、期末売上高の増加により流動資産その他の未収入金が増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は83億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億67百万円増加となりました。この主な要因は、仕入増加により支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は38億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億94百万円増加となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億59百万円増加し、11億35百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は、31百万円となりました(前年同期は2億41百万円の収入)。これは主に仕入債務の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得た資金は、3億92百万円となりました(前年同期は12百万円の支出)。これは主に有形固定資産の売却による収入であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2億47百万円となりました(前年同期は4億68百万円の支出)。これは主に長期借入金の返済等によるものであります。
④ 生産、受注および販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)国内販売および海外販売については製品仕入金額、製造は実際製造原価によっております。
(b)受注実績
原則として、受注生産は行っておりません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、セグメント間の内部売上高または振替高は含まれておりません。
2.販売実績に対する割合が100分の10以上の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績
(売上高)
連結売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響も徐々に収まり、人の動きも活発化し、主力のドレスシャツの売上が好調で前連結会計年度から増収となりました。主なチャネル別では、百貨店チャネルは前年同期比123%、メンズ専門店は前年同期比108%、量販店は前年同期比138%、ネット販売・直営店チャネルは前年同期比115%となりました。この結果、当連結会計年度の連結売上高は、18.0%増加の113億97百万円(前年同期比17億34百万円の増収)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、原材料価格の上昇や円安ドル高による製品原価高騰の影響はありましたが、取引条件の改定や粗利益率の高いオリジナル商品の販売強化に努め、前連結会計年度に実施した中国の2工場の閉鎖や国内工場の一社化によるコスト削減策の実施により、売上総利益は28億4百万円(前年同期比7億78百万円の増益)、売上総利益率は24.6%と前年同期と比較して3.6%改善されました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に実施した、不採算店舗の販売員の削減や物流センターの集約化に伴う人件費の削減、早期退職などの構造改革の実施により、人件費合計で1億74百万円減少しました。販売費及び一般管理費は、29億6百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
(営業外収支)
営業外収益は、助成金収入が39百万円、為替差益61百万円等などより、合計1億34百万円となりました。一方、営業外費用は、支払利息57百万円、支払手数料44百万円などにより、合計1億12百万円となりました。この結果、営業外収支は、21百万円(前年同期比68.3%減)の営業外収益となりました。
(特別損益)
特別損益は、6億30百万円の利益と、85百万円の損失により5億45百万円の利益(前年同期は3億11百万円の損失)となりました。利益は、固定資産売却益および関係会社株式売却益であり、固定資産売却益は東京の賃貸物件の売却に伴う利益、関係会社株式売却益は中国子会社の株式譲渡に伴う利益によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税33百万円、法人税等調整額△35百万円を計上したことにより、4億68百万円(前年同期は13億36百万円の損失)となりました。
アイテム別の売上高と構成比は次のとおりであります。
チャネル別の売上高と構成比は次のとおりであります。
販売先のチャネル別では百貨店、量販店、メンズ専門店、Webショップ、海外その他、レディース専門店およびカジュアル専門店売上は増収となりました。
(b)財政状態
財政状態の状況に関する認識および分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金および設備等の資金需要については、自己資金を充当することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローの他、一部金融機関からの借入金等により調達しております。自己資金については、当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金効率の向上を図っております。金融機関からの借入金については、資金の効率的かつ安定的な調達を図るため、取引金融機関数行との間でシンジケート型のタームローン契約や当座貸越契約を締結しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1億59百万円増加し、11億35百万円となりました。
これは、営業活動によるキャッシュ・フローおよび投資活動によるキャッシュ・フローによる収入によるものであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務が増加したことにより、31百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却などにより、3億92百万円の収入となりました。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金の返済などにより2億47百万円の支出となりました。
当社が事業活動により得た利益は、新しい分野への設備投資や株主様に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けており、今後も安定的な利益還元を継続していくことを基本方針としております。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大に加えて、ウクライナ戦争を原因とする急激な円安と物価高による厳しい経営環境の下、企業体力維持を最優先と考え、手元流動性を確保し財務体質を強化することが急務であると判断し、2023年3月期は誠に遺憾ながら無配とさせていただきました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益および費用の計上金額に影響を与えております。会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に行なっておりますが、前提条件や事業環境などに変化が生じた場合には、見積りと実際の結果が異なる場合があります。
(棚卸資産)
詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)等を適用しております。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
(退職給付費用及び債務)
当社グループ従業員の退職給付費用および債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に費用化されるため、将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナに向けた政策の転換で社会経済活動が正常化に向かう一方、ウクライナ情勢の長期化に伴うエネルギー・原材料価格の高騰や急激な円安ドル高の進行による物価上昇で、先行き不透明な状況が続いております。個人消費につきましても、物価高を背景に実質可処分所得が伸び悩んでおり、節約志向が強まっております。当アパレル業界におきましては、当連結会計年度を通して新型コロナウイルス感染症の影響は続いたものの、行動制限に繋がる規制が実施されなかったこともあり、その影響は前連結会計年度と比較し、限定的な範囲に止まりました。しかしながら、世界的なエネルギー資源の高騰や円安ドル高の影響による物価上昇もあり、景気の先行きが未だ不透明なことから、消費者の衣料品にかける支出は減少傾向にあり、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような経営環境の中、当社グループでは、さらなる業績回復に向け、2022年度からスタートした中期3ヵ年経営計画に掲げた以下の基本方針に取り組んでおります。
・オリジナルブランドの構築
・BtoCの強化による収益アップ
・ドレス・カジュアル・レディース・ユニフォームの新商品開発と売上拡大
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が徐々に緩和される中、働き方改革の影響もあり、ビジネススタイル
らにカジュアル化の傾向が強まっており、いわゆるビジカジアイテムの充実を図ると共に、SDGsの取り組みも強化しております。また、以前から進めております取引条件の改定・為替変動による納品価格のアップ・店頭小売価格の見直しなどの各施策の効果が、当連結会計年度第4四半期以降から現れ始めております。
具体的には、百貨店チャネルにおきまして、引き続きCHOYAブランドのコーナー化・一社化・ショップ化に注力しており、東急百貨店吉祥寺店に「STYLE WORKS」、京王百貨店新宿店紳士服売り場に「CHOYA SHIRT SHOP」をオープンするなど、シェアアップの売上拡大策を実施することにより、既製ドレスシャツの売上高は前年同期比136%、粗利益は前年同期比128%、オーダーシャツの売上高は前年同期比111%、粗利益は前年同期比122%となり、売上高・粗利益とも増加傾向を維持しております。あわせて、継続して進めております取引条件の改定などの効果により、収益改善が順調に進んでおります。
量販店チャネルにおきましても、新型コロナウイルス感染症の影響も収まり、人の動きも活発化し、卒業式、入学式、入社式などが対面で実施されたことにより、コンセ売場である「SHIRT HOUSE」は、白無地などベーシックなドレスシャツの売上が好調で、売上高は前年同期比142%、粗利益が前年同期比142%と伸長しており、収益改善が進んでおります。展開店舗数も前年より13店舗増の109店舗となり、さらなる成長を期待できる状況になっております。また、オリジナルブランドの復活を目指すSWANブランドは、2023年春物から展開中で、続いて夏物、秋物の企画も進行しております。
ネット販売におきましては、自社サイトである山喜オンラインショップの会員数は、前連結会計年度末の19,007名から、当連結会計年度末は26,651名へと増加しており、売上高は前年同期比117%、粗利益は118%と順調に推移しました。引き続き、会員数増加策を強化し、お客様に喜んでいただける見易い自社サイトの構築に努めてまいります。
ODM・OEM受注が好調であったドレスシャツ・カジュアル・レディースの各アイテムも、売上高・粗利益ともに前連結会計年度を上回りましたが、円安ドル高などの製品原価高の影響を受け、粗利益率は前連結会計年度を下回りました。
このような状況の中、原副材料の見直しも含めた製品原価の低減、為替予約の見直し、納品価格の値上げ交渉、店頭小売価格の見直しなどの対策を講じた結果、売上高は前年同期比118%と好調に推移し、粗利益は前年同期比138%となりました。
しかしながら、原材料価格の高騰や円安ドル高による製品原価高騰の業績への影響は依然厳しく、全体の売上高は大幅に増加したものの、営業利益の黒字化までには至りませんでした。このような経営状況の中、賃貸物件である東京2号館の売却、および、連結子会社である上海山喜服装有限公司の全株式の売却による特別利益を計上いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高113億97百万円(前年同期は96億62百万円)、営業損失1億1百万円(前年同期は10億26百万円の損失)、経常損失は79百万円(前年同期は9億57百万円の損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、4億68百万円(前年同期は13億36百万円の損失)となりました。
事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
また、当社の長崎工場および郡山工場における生産事業を連結子会社である高山CHOYAソーイング株式会社に事業譲渡し、生産事業の一社化に合わせて、高山CHOYAソーイング株式会社の社名を山喜ソーイング株式会社に変更いたしました。これに伴い、当連結会計年度において従来「国内販売」に含まれていた該当事業を「製造」に含めております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報は変更後のセグメント区分に基づき作成しております。
(国内販売)
国内販売セグメントは上述の要因により、売上高100億66百万円(前年同期比20.2%増)、セグメント損失1億7百万円(前年同期は7億28百万円の損失)となりました。
(製造)
製造セグメントにおいては、中国の工場閉鎖などにより、売上高は24億62百万円(前年同期比14.4%減)となりましたが、国内工場の一社化など収益改善策を実施し、セグメント利益50百万円(前年同期は3億8百万円の損失)となりました。
(海外販売)
海外販売セグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和等により、受注が回復傾向にあり売上高は3億14百万円(前年同期比111.6%増)、セグメント利益5百万円(前年同期は3百万円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は122億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億61百万円増加となりました。これは主に、期末売上高の増加により流動資産その他の未収入金が増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は83億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億67百万円増加となりました。この主な要因は、仕入増加により支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は38億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億94百万円増加となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億59百万円増加し、11億35百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は、31百万円となりました(前年同期は2億41百万円の収入)。これは主に仕入債務の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得た資金は、3億92百万円となりました(前年同期は12百万円の支出)。これは主に有形固定資産の売却による収入であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2億47百万円となりました(前年同期は4億68百万円の支出)。これは主に長期借入金の返済等によるものであります。
④ 生産、受注および販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内販売(千円) | 7,229,708 | 172.2 |
| 製造(千円) | 357,187 | 38.7 |
| 海外販売(千円) | 82,195 | 378.9 |
| 合計(千円) | 7,669,091 | 149.1 |
(注)国内販売および海外販売については製品仕入金額、製造は実際製造原価によっております。
(b)受注実績
原則として、受注生産は行っておりません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内販売(千円) | 10,042,976 | 120.2 |
| 製造(千円) | 1,101,097 | 90.0 |
| 海外販売(千円) | 253,391 | 297.5 |
| 合計(千円) | 11,397,464 | 118.0 |
(注)1.上記の金額には、セグメント間の内部売上高または振替高は含まれておりません。
2.販売実績に対する割合が100分の10以上の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
| 相手先 | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 金額(千円) | 割合(%) | |
| イオン株式会社 | 1,147,830 | 10.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績
(売上高)
連結売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響も徐々に収まり、人の動きも活発化し、主力のドレスシャツの売上が好調で前連結会計年度から増収となりました。主なチャネル別では、百貨店チャネルは前年同期比123%、メンズ専門店は前年同期比108%、量販店は前年同期比138%、ネット販売・直営店チャネルは前年同期比115%となりました。この結果、当連結会計年度の連結売上高は、18.0%増加の113億97百万円(前年同期比17億34百万円の増収)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、原材料価格の上昇や円安ドル高による製品原価高騰の影響はありましたが、取引条件の改定や粗利益率の高いオリジナル商品の販売強化に努め、前連結会計年度に実施した中国の2工場の閉鎖や国内工場の一社化によるコスト削減策の実施により、売上総利益は28億4百万円(前年同期比7億78百万円の増益)、売上総利益率は24.6%と前年同期と比較して3.6%改善されました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に実施した、不採算店舗の販売員の削減や物流センターの集約化に伴う人件費の削減、早期退職などの構造改革の実施により、人件費合計で1億74百万円減少しました。販売費及び一般管理費は、29億6百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
(営業外収支)
営業外収益は、助成金収入が39百万円、為替差益61百万円等などより、合計1億34百万円となりました。一方、営業外費用は、支払利息57百万円、支払手数料44百万円などにより、合計1億12百万円となりました。この結果、営業外収支は、21百万円(前年同期比68.3%減)の営業外収益となりました。
(特別損益)
特別損益は、6億30百万円の利益と、85百万円の損失により5億45百万円の利益(前年同期は3億11百万円の損失)となりました。利益は、固定資産売却益および関係会社株式売却益であり、固定資産売却益は東京の賃貸物件の売却に伴う利益、関係会社株式売却益は中国子会社の株式譲渡に伴う利益によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税33百万円、法人税等調整額△35百万円を計上したことにより、4億68百万円(前年同期は13億36百万円の損失)となりました。
アイテム別の売上高と構成比は次のとおりであります。
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 売上高 前年同期比(%) | ||
| 売上高(千円) | 構成比(%) | 売上高(千円) | 構成比(%) | ||
| ドレスシャツ | 5,544,418 | 57.4 | 6,805,827 | 59.8 | 122.8 |
| オーダーシャツ | 1,771,199 | 18.3 | 2,098,624 | 18.4 | 118.5 |
| カジュアル | 1,766,430 | 18.3 | 1,813,064 | 15.9 | 102.6 |
| レディースシャツ | 480,560 | 5.0 | 586,416 | 5.1 | 122.0 |
| 賃貸料収入 | 100,006 | 1.0 | 93,531 | 0.8 | 93.5 |
| 合計 | 9,662,616 | 100.0 | 11,397,464 | 100.0 | 118.0 |
チャネル別の売上高と構成比は次のとおりであります。
| チャネル名 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 売上高 前年同期比(%) | ||
| 売上高(千円) | 構成比(%) | 売上高(千円) | 構成比(%) | ||
| 百貨店 | 2,322,002 | 24.0 | 2,859,038 | 25.1 | 123.1 |
| 量販店 | 1,900,635 | 19.7 | 2,638,009 | 23.1 | 138.8 |
| メンズ専門店 | 1,945,684 | 20.1 | 2,117,295 | 18.6 | 108.8 |
| 国内その他 | 1,723,333 | 17.8 | 1,717,957 | 15.1 | 99.7 |
| Webショップ | 603,054 | 6.2 | 696,376 | 6.1 | 115.5 |
| 海外その他 | 452,075 | 4.7 | 589,098 | 5.2 | 130.3 |
| レディース専門店 | 373,919 | 3.9 | 407,784 | 3.6 | 109.1 |
| カジュアル専門店 | 227,095 | 2.4 | 271,715 | 2.4 | 119.6 |
| 賃貸料収入 | 100,007 | 1.0 | 93,532 | 0.8 | 93.5 |
| 直営店 | 14,813 | 0.2 | 6,660 | 0.1 | 45.0 |
| 合計 | 9,662,616 | 100.0 | 11,397,464 | 100.0 | 118.0 |
販売先のチャネル別では百貨店、量販店、メンズ専門店、Webショップ、海外その他、レディース専門店およびカジュアル専門店売上は増収となりました。
(b)財政状態
財政状態の状況に関する認識および分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金および設備等の資金需要については、自己資金を充当することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローの他、一部金融機関からの借入金等により調達しております。自己資金については、当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金効率の向上を図っております。金融機関からの借入金については、資金の効率的かつ安定的な調達を図るため、取引金融機関数行との間でシンジケート型のタームローン契約や当座貸越契約を締結しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1億59百万円増加し、11億35百万円となりました。
これは、営業活動によるキャッシュ・フローおよび投資活動によるキャッシュ・フローによる収入によるものであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務が増加したことにより、31百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却などにより、3億92百万円の収入となりました。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金の返済などにより2億47百万円の支出となりました。
当社が事業活動により得た利益は、新しい分野への設備投資や株主様に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けており、今後も安定的な利益還元を継続していくことを基本方針としております。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大に加えて、ウクライナ戦争を原因とする急激な円安と物価高による厳しい経営環境の下、企業体力維持を最優先と考え、手元流動性を確保し財務体質を強化することが急務であると判断し、2023年3月期は誠に遺憾ながら無配とさせていただきました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益および費用の計上金額に影響を与えております。会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に行なっておりますが、前提条件や事業環境などに変化が生じた場合には、見積りと実際の結果が異なる場合があります。
(棚卸資産)
詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)等を適用しております。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
(退職給付費用及び債務)
当社グループ従業員の退職給付費用および債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に費用化されるため、将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。