有価証券報告書-第60期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針及び経営戦略
当社グループは、「革新と創造」という経営理念のもとで、「顧客満足度の追求」を徹底することにより業容を拡大し、併せて業務の効率化を推進することによって収益力の強化・企業価値の増大を図ることを経営の基本方針としております。
「顧客満足度の追求」につきましては、より多様化するユーザーニーズにきめ細かく対応するために、魅力ある幅広い品揃え、カタログやインターネット等による様々な情報の提供に加え、商品のクイックデリバリーやサポートサービス等、お客様の利便性向上が重要であると考えております。
<目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略>中期経営計画「PROJECT ONE」の推進
当社グループは、2020年度よりスタートした中期経営計画「PROJECT ONE」を基本方針とし、2024年度の達成すべき目標に向け活動していくとともに、その先の将来に向けても成長を継続することができるよう経営基盤の構築に邁進してまいります。
[中期経営計画 -Opportunity of Next Evolution-「PROJECT ONE」(2020年度~2024年度)]
① 経営ビジョン
「アズワンは、「科学」・「医療」を中心とした専門分野を主な事業領域とし、顧客が必要とする商品・サービス・情報を提供することで、社会に貢献する企業を目指します」
② 3つの課題
ⅰ.成長のシフトアップ
ⅱ.収益性の向上
ⅲ.企業価値の向上
③ 目標とする経営指標
2024年度において、連結売上高1,000億円、連結営業利益率12.5%、ROE(株主資本利益率)12.0%を実現することを目標としております。
(2) 経営環境
当社を取り巻く環境としては、以下のような変化が見られます。
ユーザーサイドの発注管理の効率化やコンプライアンスの観点から取引の電子化を求めるニーズが高まってきております。また、電子購買に移行するにあたっても、専門的でかつワンストップで購買ができる品揃えの豊富さやスピーディーに納品できる高度な物流機能が重視されております。さらに、研究開発或いは製造プロセスにおいて機器類の品質を担保するニーズが高まっており、点検・校正などのアフターメンテナンスサービスを求められるケースが増えてきております。一方、利用する様々な機器メーカーに、個々に点検や校正を依頼すると管理が煩雑になることから、管理を一括化したいというニーズが生じております。
海外においては、日本の2~3倍の研究開発費を使う米国や中国、或いはそれに追随する欧州などの広大な研究開発市場があります。また、国内ユーザー企業のグローバル化は伸展し、工場進出先の中国から東南アジアへのシフトや、欧米企業とのアライアンスなど多方面への拡大が見られます。一方、保護主義的な経済のブロック化への動きや、新型コロナウイルスによるパンデミック発生により、グローバルなサプライチェーンの寸断リスクを目の当たりにし、国内回帰の機運も高まっております。
医療業界においては、中長期的に医療費抑制という国を挙げての方向性があり病院の経営環境は引き続き厳しく、病院数、病床数は減少傾向にある一方、クリニックや介護施設は増加傾向にあります。一方、足もとにおいては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う病床・医療器材・医療者の不足から医療崩壊の瀬戸際までの経験を経て、国家的対応が行われている状況にあります。
社会構造の変化として、人口の高齢化に伴い労働力人口はマイナスに転じております。また、労働の質という面からは働き方改革という言葉に象徴される効率的な働き方が推奨されております。こうした変化は、例えば物流業界で、人材確保難や労働環境の改善等から配送費等の上昇という形で表出しております。当社グループにおいても、運賃や倉庫作業料の上昇という形で少なからず影響を受けております。
また、シェアリングエコノミーという言葉に代表される、所有から利用へという流れも、研究プロセスにおける実験機器の所有にこだわるより、機器の利用或いは委託によるアウトプットのみを求めるという形で当業界においても変化していくことが予想されます。
さらに、Society5.0時代のAI(人工知能)やIoT、ロボットなどの新しいテクノロジーは、人の介在を減らし社会に大きなパラダイムシフトをもたらすものと期待されていますが、遠隔操作や非接触を旨とする新型コロナウイルス感染拡大への対応は、ますますこの変化を加速させております。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、2020年度よりスタートした中期経営計画「PROJECT ONE」を基本方針とし、3つの課題として「成長のシフトアップ」「収益性の向上」「企業価値の向上」を挙げております。当社グループのリソースを最大限活用し、課題解決に尽力してまいります。
ⅰ.成長のシフトアップ
イ)eコマースの強化及び海外チャネルの拡大
eコマースの強化
eコマースについては、大規模ユーザーに集中購買システム「ocean」を、小規模ユーザーに対しては自社ネットショップ「AXEL Shop」の機能強化・利用促進を推進するほか、中堅ユーザー向けには販売店がエンドユーザーに提供する専用ECシステムを支援する「Wave」の利用拡大を営業の柱としております。業界のDX化にも貢献している「Wave」は、計画を大きく上回るペースで販売店、エンドユーザーとの接続が進んでおり、より利便性を追求することで、より多くのお客様の利用を促進してまいります。
コロナ禍は対面営業に変化をもたらしましたが、当社の豊富な品揃えとECの組み合わせは、時代のニーズに合致し、人の往来が再開してもお客様に大きな利便性をもたらすものです。ネット通販事業者向けの供給アイテムの促進など、様々なECチャネルに対しマーケティングを強化し、eコマースの更なる拡大に向け取り組んでまいります。
海外チャネルの拡大
海外チャネルの拡大は重要な課題であると同時に、大きなチャンスであると捉えています。現在の海外事業で最も力を入れている地域は、現地法人を置く中国です。中国では、沿岸部に6営業拠点を展開し、現地に在庫を持ち、中国語のカタログを活用して営業しております。今後も、現地販売店の開拓に力を入れ、国営企業向け集中購買システムの導入等に取り組んでまいります。
また、当社が運営する海外向けの多言語商品サイト「AXEL_GLOBAL」の取扱商品点数は約167万点にのぼりますが、今後も更に拡充し、欧米や東南アジア市場の開拓に力を入れてまいります。
一方調達面では、日本国内における海外商品の輸入販売は150億円を超えてきており、重要な収益の柱でもあります。調達拠点としては中国以外に米国にも現地法人を構えておりますが、コロナ禍が落ち着けば、欧州や東南アジアにも自前の調達拠点を設け、海外調達力をより強固にしていく所存です。
ロ)品揃えと物流機能の強化
品揃えの拡充
当社は商品データベース「SHARE-DB」を業界共通の商品のデータベースと位置づけ、誰かが必要としていて、ここへアクセスすれば見つかるという環境をサプライヤーとの連携や新規開拓を進めながら整えております。品揃えは、1年間で約90万点増え、2021年3月末には510万点を超えました。これらは、「AXEL」など当社のWEBサイトを通じてどなたでもご覧いただけます。
一点一点では利用頻度の少ないロングテール商品も含まれますが、紙面のカタログに掲載せずWEBサイトのみで紹介する商品の売上高は72億円(前期比56.0%増)となり、当社の売上高を牽引する一つの要素でもあります。サプライヤーにも販売店にもユーザーにも使いやすい共通のデータベースとするべく、今後も日本国内のみならず世界各国のサプライヤーとの連携強化を通し、専門性にこだわった品揃えの拡充を図ってまいります。
物流機能の強化・活用
当社では、物流機能の強化に常に取り組むことで、カタログ掲載品の当日出荷率を95%程度と高い水準で維持するなど、研究や医療の現場に必要なモノをスピーディーにお届けする社会的使命を担ってまいりました。2020年5月には、中期経営計画の目標売上高1,000億円に向けて増大する在庫量・出荷量へ対応すべく千葉市稲毛区に新物流拠点「Smart DC」を開設しました。今後は、庫内のオペレーションの効率化を図っていくとともに、大阪、東京、九州、千葉の物流拠点の最適活用を進めてまいります。
また、物流の効率化は社会的課題でもあります。当社のルート配送を活用した共同配送を一部開始しております。更にアライアンスを展開し理化学業界のロジ・シェアリングに貢献してまいります。当社は、サプライヤーと販売店をつなぐ役割を担っておりますが、流通のハブとしてのポジションを更に強固にすべく、物流機能を武器に業容の拡大を図ってまいります。
ハ)サービス事業拡大及び新規ビジネスの展開
サービス事業の拡大
当社グループの主要なお客様である研究者の多くは、「時間がない」「予算がない」「もったいない」の『3つのない』の悩み(=課題)を抱えています。従来、当社では、モノの購買の利便性を高めることに注力することで研究者の課題解決に貢献してきましたが、今後は研究者のニーズに対応する様々なサービス事業の開発に力を入れてまいります。
例えば、校正サービスでは、複数メーカーの機器校正を当社が一括受託することで、お客様が各メーカーに発注する手間を削減できる上、短納期・低価格である点も評価を受けています。また、期間限定の治験等に利用いただくレンタルサービスは、所有にこだわらないシェアリング時代に合ったものであり、需要の拡大を期待しております。その他、研究受託や点検サービスなど様々なサービスメニューを展開してまいります。
新規ビジネスの展開
研究者の悩みを解決する手段として、デジタル化も注目されています。リアルな実験を計算科学シミュレーションを利用することで効率化したり、RPAやAI(人工知能)などを応用したりすることでお客様の課題を解決できる可能性が広がっています。当社では2021年4月にはデジタルイノベーションを推進する組織を新設し、研究現場のデジタル化の促進を図ってまいります。また、2021年度中には研究者向けの情報発信サイトをスタートし、研究者との接点を増やしていく予定です。様々な接点から研究者の悩みを捉え、当社が有するハブとしての機能を活かしあらゆる技術、機能をつなげ、新しいビジネスの開発に取り組み、お客様の研究成果の効率的な創出に貢献してまいります。
また、子会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチ(以下「トライアンフ21」という)では、従来のモノに加えて通信費や人材派遣料などの間接経費も一括して最適購買する業務代行ビジネスへと領域を拡大させてまいります。
ⅱ.収益性の向上
当連結会計年度においては、「Smart DC」の開設に伴う固定費の増加を見込んでおりましたが、大幅な売上成長により前連結会計年度に引き続き営業利益率12%台の高い収益性を示すことができました。
しかしながら、環境変化のスピードは極めて速く、予断を許しません。中長期的な視点に立ち、付加価値の高いオリジナル商品やサービス事業の拡大に加え、eコマース拡大、RPA・AI活用によるデスクワークのデジタル化、物流の効率化等を推進することで収益性のさらなる向上を図ってまいります。
当社グループは、卸でありながら10%以上の営業利益率を確保し、収益性にこだわってまいりました。引き続き中期経営計画で掲げる営業利益率12.5%に向けて、着実に各施策を推進してまいります。
ⅲ.企業価値の向上
当社グループは、資産効率を意識して資金の配分を検討し、成長への効率的かつ積極的な投資を行い、一株当たりの利益を高めてまいります。また、資本コストを意識し、ROE(株主資本利益率)を高めることで、株主価値の向上に努めてまいります。
ⅳ.新型コロナウイルス感染拡大への対応
喫緊の課題として、新型コロナウイルス感染拡大への対応がございます。医療や研究開発を下支えする企業として、社員の安全を守りつつ、医療用品の供給など事業を継続することが必要です。大半の社員のテレワークが可能なインフラの整備や、物流施設においては、毎日の検温、マスク着用、昼食時間の分散などの予防措置を講じるなどにより操業を継続してまいります。医療機関に十分な医療器材・感染防止・保護用品が行きわたらない状況もある中、代替品の供給や新規調達ルートの開拓等を通じ少しでも早くお届けできるよう注力してまいります。
コロナ禍に伴い世界は一変しました。ウィズコロナ或いはアフターコロナへと環境が変化していく中で、「革新と創造」という経営理念のもと、変化をチャンスと捉えて新しいことにチャレンジし、新しい仕組みを作り出すことにより、社会に必要な会社として企業価値を向上させてまいります。
(1) 経営方針及び経営戦略
当社グループは、「革新と創造」という経営理念のもとで、「顧客満足度の追求」を徹底することにより業容を拡大し、併せて業務の効率化を推進することによって収益力の強化・企業価値の増大を図ることを経営の基本方針としております。
「顧客満足度の追求」につきましては、より多様化するユーザーニーズにきめ細かく対応するために、魅力ある幅広い品揃え、カタログやインターネット等による様々な情報の提供に加え、商品のクイックデリバリーやサポートサービス等、お客様の利便性向上が重要であると考えております。
<目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略>中期経営計画「PROJECT ONE」の推進
当社グループは、2020年度よりスタートした中期経営計画「PROJECT ONE」を基本方針とし、2024年度の達成すべき目標に向け活動していくとともに、その先の将来に向けても成長を継続することができるよう経営基盤の構築に邁進してまいります。
[中期経営計画 -Opportunity of Next Evolution-「PROJECT ONE」(2020年度~2024年度)]
① 経営ビジョン
「アズワンは、「科学」・「医療」を中心とした専門分野を主な事業領域とし、顧客が必要とする商品・サービス・情報を提供することで、社会に貢献する企業を目指します」
② 3つの課題
ⅰ.成長のシフトアップ
ⅱ.収益性の向上
ⅲ.企業価値の向上
③ 目標とする経営指標
2024年度において、連結売上高1,000億円、連結営業利益率12.5%、ROE(株主資本利益率)12.0%を実現することを目標としております。
(2) 経営環境
当社を取り巻く環境としては、以下のような変化が見られます。
ユーザーサイドの発注管理の効率化やコンプライアンスの観点から取引の電子化を求めるニーズが高まってきております。また、電子購買に移行するにあたっても、専門的でかつワンストップで購買ができる品揃えの豊富さやスピーディーに納品できる高度な物流機能が重視されております。さらに、研究開発或いは製造プロセスにおいて機器類の品質を担保するニーズが高まっており、点検・校正などのアフターメンテナンスサービスを求められるケースが増えてきております。一方、利用する様々な機器メーカーに、個々に点検や校正を依頼すると管理が煩雑になることから、管理を一括化したいというニーズが生じております。
海外においては、日本の2~3倍の研究開発費を使う米国や中国、或いはそれに追随する欧州などの広大な研究開発市場があります。また、国内ユーザー企業のグローバル化は伸展し、工場進出先の中国から東南アジアへのシフトや、欧米企業とのアライアンスなど多方面への拡大が見られます。一方、保護主義的な経済のブロック化への動きや、新型コロナウイルスによるパンデミック発生により、グローバルなサプライチェーンの寸断リスクを目の当たりにし、国内回帰の機運も高まっております。
医療業界においては、中長期的に医療費抑制という国を挙げての方向性があり病院の経営環境は引き続き厳しく、病院数、病床数は減少傾向にある一方、クリニックや介護施設は増加傾向にあります。一方、足もとにおいては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う病床・医療器材・医療者の不足から医療崩壊の瀬戸際までの経験を経て、国家的対応が行われている状況にあります。
社会構造の変化として、人口の高齢化に伴い労働力人口はマイナスに転じております。また、労働の質という面からは働き方改革という言葉に象徴される効率的な働き方が推奨されております。こうした変化は、例えば物流業界で、人材確保難や労働環境の改善等から配送費等の上昇という形で表出しております。当社グループにおいても、運賃や倉庫作業料の上昇という形で少なからず影響を受けております。
また、シェアリングエコノミーという言葉に代表される、所有から利用へという流れも、研究プロセスにおける実験機器の所有にこだわるより、機器の利用或いは委託によるアウトプットのみを求めるという形で当業界においても変化していくことが予想されます。
さらに、Society5.0時代のAI(人工知能)やIoT、ロボットなどの新しいテクノロジーは、人の介在を減らし社会に大きなパラダイムシフトをもたらすものと期待されていますが、遠隔操作や非接触を旨とする新型コロナウイルス感染拡大への対応は、ますますこの変化を加速させております。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、2020年度よりスタートした中期経営計画「PROJECT ONE」を基本方針とし、3つの課題として「成長のシフトアップ」「収益性の向上」「企業価値の向上」を挙げております。当社グループのリソースを最大限活用し、課題解決に尽力してまいります。
ⅰ.成長のシフトアップ
イ)eコマースの強化及び海外チャネルの拡大
eコマースの強化
eコマースについては、大規模ユーザーに集中購買システム「ocean」を、小規模ユーザーに対しては自社ネットショップ「AXEL Shop」の機能強化・利用促進を推進するほか、中堅ユーザー向けには販売店がエンドユーザーに提供する専用ECシステムを支援する「Wave」の利用拡大を営業の柱としております。業界のDX化にも貢献している「Wave」は、計画を大きく上回るペースで販売店、エンドユーザーとの接続が進んでおり、より利便性を追求することで、より多くのお客様の利用を促進してまいります。
コロナ禍は対面営業に変化をもたらしましたが、当社の豊富な品揃えとECの組み合わせは、時代のニーズに合致し、人の往来が再開してもお客様に大きな利便性をもたらすものです。ネット通販事業者向けの供給アイテムの促進など、様々なECチャネルに対しマーケティングを強化し、eコマースの更なる拡大に向け取り組んでまいります。
海外チャネルの拡大
海外チャネルの拡大は重要な課題であると同時に、大きなチャンスであると捉えています。現在の海外事業で最も力を入れている地域は、現地法人を置く中国です。中国では、沿岸部に6営業拠点を展開し、現地に在庫を持ち、中国語のカタログを活用して営業しております。今後も、現地販売店の開拓に力を入れ、国営企業向け集中購買システムの導入等に取り組んでまいります。
また、当社が運営する海外向けの多言語商品サイト「AXEL_GLOBAL」の取扱商品点数は約167万点にのぼりますが、今後も更に拡充し、欧米や東南アジア市場の開拓に力を入れてまいります。
一方調達面では、日本国内における海外商品の輸入販売は150億円を超えてきており、重要な収益の柱でもあります。調達拠点としては中国以外に米国にも現地法人を構えておりますが、コロナ禍が落ち着けば、欧州や東南アジアにも自前の調達拠点を設け、海外調達力をより強固にしていく所存です。
ロ)品揃えと物流機能の強化
品揃えの拡充
当社は商品データベース「SHARE-DB」を業界共通の商品のデータベースと位置づけ、誰かが必要としていて、ここへアクセスすれば見つかるという環境をサプライヤーとの連携や新規開拓を進めながら整えております。品揃えは、1年間で約90万点増え、2021年3月末には510万点を超えました。これらは、「AXEL」など当社のWEBサイトを通じてどなたでもご覧いただけます。
一点一点では利用頻度の少ないロングテール商品も含まれますが、紙面のカタログに掲載せずWEBサイトのみで紹介する商品の売上高は72億円(前期比56.0%増)となり、当社の売上高を牽引する一つの要素でもあります。サプライヤーにも販売店にもユーザーにも使いやすい共通のデータベースとするべく、今後も日本国内のみならず世界各国のサプライヤーとの連携強化を通し、専門性にこだわった品揃えの拡充を図ってまいります。
物流機能の強化・活用
当社では、物流機能の強化に常に取り組むことで、カタログ掲載品の当日出荷率を95%程度と高い水準で維持するなど、研究や医療の現場に必要なモノをスピーディーにお届けする社会的使命を担ってまいりました。2020年5月には、中期経営計画の目標売上高1,000億円に向けて増大する在庫量・出荷量へ対応すべく千葉市稲毛区に新物流拠点「Smart DC」を開設しました。今後は、庫内のオペレーションの効率化を図っていくとともに、大阪、東京、九州、千葉の物流拠点の最適活用を進めてまいります。
また、物流の効率化は社会的課題でもあります。当社のルート配送を活用した共同配送を一部開始しております。更にアライアンスを展開し理化学業界のロジ・シェアリングに貢献してまいります。当社は、サプライヤーと販売店をつなぐ役割を担っておりますが、流通のハブとしてのポジションを更に強固にすべく、物流機能を武器に業容の拡大を図ってまいります。
ハ)サービス事業拡大及び新規ビジネスの展開
サービス事業の拡大
当社グループの主要なお客様である研究者の多くは、「時間がない」「予算がない」「もったいない」の『3つのない』の悩み(=課題)を抱えています。従来、当社では、モノの購買の利便性を高めることに注力することで研究者の課題解決に貢献してきましたが、今後は研究者のニーズに対応する様々なサービス事業の開発に力を入れてまいります。
例えば、校正サービスでは、複数メーカーの機器校正を当社が一括受託することで、お客様が各メーカーに発注する手間を削減できる上、短納期・低価格である点も評価を受けています。また、期間限定の治験等に利用いただくレンタルサービスは、所有にこだわらないシェアリング時代に合ったものであり、需要の拡大を期待しております。その他、研究受託や点検サービスなど様々なサービスメニューを展開してまいります。
新規ビジネスの展開
研究者の悩みを解決する手段として、デジタル化も注目されています。リアルな実験を計算科学シミュレーションを利用することで効率化したり、RPAやAI(人工知能)などを応用したりすることでお客様の課題を解決できる可能性が広がっています。当社では2021年4月にはデジタルイノベーションを推進する組織を新設し、研究現場のデジタル化の促進を図ってまいります。また、2021年度中には研究者向けの情報発信サイトをスタートし、研究者との接点を増やしていく予定です。様々な接点から研究者の悩みを捉え、当社が有するハブとしての機能を活かしあらゆる技術、機能をつなげ、新しいビジネスの開発に取り組み、お客様の研究成果の効率的な創出に貢献してまいります。
また、子会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチ(以下「トライアンフ21」という)では、従来のモノに加えて通信費や人材派遣料などの間接経費も一括して最適購買する業務代行ビジネスへと領域を拡大させてまいります。
ⅱ.収益性の向上
当連結会計年度においては、「Smart DC」の開設に伴う固定費の増加を見込んでおりましたが、大幅な売上成長により前連結会計年度に引き続き営業利益率12%台の高い収益性を示すことができました。
しかしながら、環境変化のスピードは極めて速く、予断を許しません。中長期的な視点に立ち、付加価値の高いオリジナル商品やサービス事業の拡大に加え、eコマース拡大、RPA・AI活用によるデスクワークのデジタル化、物流の効率化等を推進することで収益性のさらなる向上を図ってまいります。
当社グループは、卸でありながら10%以上の営業利益率を確保し、収益性にこだわってまいりました。引き続き中期経営計画で掲げる営業利益率12.5%に向けて、着実に各施策を推進してまいります。
ⅲ.企業価値の向上
当社グループは、資産効率を意識して資金の配分を検討し、成長への効率的かつ積極的な投資を行い、一株当たりの利益を高めてまいります。また、資本コストを意識し、ROE(株主資本利益率)を高めることで、株主価値の向上に努めてまいります。
ⅳ.新型コロナウイルス感染拡大への対応
喫緊の課題として、新型コロナウイルス感染拡大への対応がございます。医療や研究開発を下支えする企業として、社員の安全を守りつつ、医療用品の供給など事業を継続することが必要です。大半の社員のテレワークが可能なインフラの整備や、物流施設においては、毎日の検温、マスク着用、昼食時間の分散などの予防措置を講じるなどにより操業を継続してまいります。医療機関に十分な医療器材・感染防止・保護用品が行きわたらない状況もある中、代替品の供給や新規調達ルートの開拓等を通じ少しでも早くお届けできるよう注力してまいります。
コロナ禍に伴い世界は一変しました。ウィズコロナ或いはアフターコロナへと環境が変化していく中で、「革新と創造」という経営理念のもと、変化をチャンスと捉えて新しいことにチャレンジし、新しい仕組みを作り出すことにより、社会に必要な会社として企業価値を向上させてまいります。