四半期報告書-第67期第3四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/11/14 9:01
【資料】
PDFをみる
【項目】
28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用環境や所得環境の改善がみられ、生産活動においても緩やかな拡大傾向が継続し、景気は全般的に堅調に推移しました。
世界経済におきましては、米国の保護主義的な通商政策に伴う貿易摩擦の激化や一部の地域における地政学リスク等の影響が懸念され、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループの属しておりますエレクトロニクス業界におきましては、国内外で自動車の電装化や生産現場における産業用ロボットの導入などが進展し、様々な場面で電子部品、生産設備の需要が増加しました。
このような状況下、当社グループは、「第9次中期経営計画(平成29年~平成32年)」の基本方針に基づき、オリジナル製品の拡販や新市場の開拓、海外事業の拡大に取組みました。
この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は42,632百万円(前年同期比11.4%増)、営業利益は2,465百万円(前年同期比22.0%増)、経常利益は2,520百万円(前年同期比22.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,755百万円(前年同期比23.0%増)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
国内販売事業
当セグメントにつきましては、電子機器及び部品では、半導体や車載用電子部品の生産設備向けに「画像関連機器・部品」のカメラやレンズ・照明の販売が、半導体やロボット産業の生産設備向けに「電子部品&アセンブリ商品」のコネクタの販売が、データセンター向けに大型無停電電源装置(UPS)の販売が、それぞれ好調に推移しました。製造装置では、レーザーダイオードや電子部品の生産用に電子部品製造装置の販売が好調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は35,392百万円(前年同期比12.0%増)となりましたが、売上原価や販売費及び一般管理費の増加によりセグメント利益(営業利益)は1,067百万円(前年同期比6.2%減)となりました。
国内製造事業
当セグメントにつきましては、製造装置を手掛ける装置事業部門は、半導体ウェーハの生産用に半導体・FPD製造装置の販売が、レーザーダイオードや電子部品の生産用に電子部品製造装置の販売がそれぞれ好調に推移しました。また、電子機器及び部品を手掛ける部品事業部門は、耐水・耐圧コネクタやケーブルハーネスの販売が好調に推移したことから売上、利益共に前年同期の実績を上回りました。
この結果、セグメント間の内部売上高を含めた当セグメントの総売上高は7,327百万円(前年同期比20.2%増)となりました。また、外部顧客への売上高は2,612百万円(前年同期比30.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1,059百万円(前年同期比114.8%増)となりました。
海外子会社
当セグメントにつきましては、北米市場にて「半導体・FPD製造装置」「電子部品製造装置」や中国市場で「半導体」の販売が伸長しましたが、「電子部品&アセンブリ商品」や「画像関連機器・部品」の販売の減少を補うには至りませんでした。
この結果、当セグメントの売上高は4,627百万円(前年同期比0.6%減)となり、セグメント利益(営業利益)は362百万円(前年同期比21.1%減)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略、事業上及び財務上の対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略、事業上及び財務上の対処すべき課題等について重要な変更はありません。
なお、当社は「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を定めており、その内容は以下のとおりであります。
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
Ⅰ 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の概要
当社は、公開会社として、株主、投資家の皆様による当社株券等の自由な売買を認める以上、大量買付行為に応じて当社株券等の売却を行うか否かのご判断は、最終的には当社株券等を保有する当社株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、近年のわが国の資本市場においては、対象会社となる会社の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付行為を強行する動きも見受けられます。こうした大量買付行為の中には、対象会社の企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主共同の利益の実現に資さないものも少なくありません。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の様々な企業価値の源泉を十分に理解し、当社を支えていただいておりますステークホルダーとの信頼関係を築き、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。したがいまして、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切ではないと考えております。
Ⅱ 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社では、当社の企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主共同の利益の実現によって、株主、投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、上記Ⅰの基本方針の実現に資する特別な取組みとして、以下の施策を実施しております。
この取組みは、下記2.の当社の企業価値の源泉を十分に理解した上で策定されており、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させるべく十分に検討されたものであります。したがいまして、この取組みは、上記Ⅰの基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
1.企業価値向上に資する取組み
当社グループでは、「ダイトロン・スピリッツ」と称して、創業の精神、行動規範、経営理念を制定し、株主満足・顧客満足・仕入先満足・従業員満足の4つの視点を経営方針として定めると共に、法令遵守や社会貢献への取組みを企業の基本姿勢として提示しております。
⦅中期経営計画について⦆
平成29年を初年度とする「第9次中期経営計画(平成29年~平成32年)」を策定し、次の2つの経営指針「Creator for the NEXT」「製販融合路線」をそれぞれグループ・ステートメント及び中期経営計画スローガンとして定めております。
2.企業価値の源泉
当社グループは、3社統合効果の最大化を図り、製販融合路線による“エレクトロニクス業界の技術立社”として、市場ニーズを見極める「マーケティング力」と高付加価値なオリジナル製品を生み出す「開発・製造力」を併せ持った独自性を武器に、確かな業界でのプレゼンス(存在感)を発揮してまいります。
① 製販融合路線の経営
② 先見性とマーケティング力
③ 総合サポート機能
これらの強みを活かすことにより、顧客ニーズを的確に具現化し、付加価値とコスト競争力の高い商品・サービスの提供を可能にしております。
3.コーポレート・ガバナンスの強化に対する取組み
当社グループは、経済のグローバル化が進み企業を取り巻く経営環境が著しく変化する中、企業が持続的に発展し、「企業価値の最大化」を常に追求していくことが社会の健全な発展に寄与し、社会的責任を果たすものと考えております。そのために必要不可欠となる法令遵守はもとより、企業倫理、地球環境、社会貢献等を含んだ経営理念を制定しております。この経営理念を実現するためにはコーポレート・ガバナンスの強化が重要課題であると認識し、平成30年3月30日提出の第66期有価証券報告書の「第4 提出会社の状況」の「6 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの状況」に記載のとおりの施策を実施しております。
4.ステークホルダーからの信頼を得るための取組み
当社グループは、株主の皆様、顧客、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーからの信頼を一層高めるため、コンプライアンス、リスク管理、環境・安全・品質の確保、社会貢献活動等CSR(企業の社会的責任)活動の更なる充実・強化に努めてまいります。
Ⅲ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社としては、当社株券等に対する大量買付行為が行われた場合、当該大量買付行為が当社の企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主共同の利益の実現に資するものであるか否か、株主の皆様に適切に判断していただき、当該大量買付行為に関する提案に応じるか否かを決定していただくためには、大量買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、検討のための十分な期間が確保されることが不可欠であると考えております。また、当社取締役会は、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益の確保又は向上の観点から大量買付行為の条件・方法を変更・改善させる必要があると判断する場合には、大量買付行為の条件・方法について、大量買付者と交渉すると共に、当社の株主の皆様に対して代替案の提案等を行う必要もあると考えておりますので、そのために必要な時間も十分に確保されるべきであります。
当社は、このような考え方に立ち、平成29年2月7日開催の取締役会において、当社株券等の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)の具体的内容を決定し、平成29年3月30日開催の第65期定時株主総会にて、株主の皆様より承認、可決され、更新いたしました。なお、当社は、平成26年3月28日開催の第62期定時株主総会における株主の皆様のご承認を得て当社株券等の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「旧プラン」といいます。)を導入していたものであり、本プランは、旧プランの有効期間満了に伴い、これを更新したものです。
本プランは、大量買付者に対し、本プランの遵守を求めると共に、大量買付者が本プランを遵守しない場合、並びに大量買付行為が当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合の対抗措置を定めており、その概要は以下のとおりであります(なお、本プランの詳細につきましては、当社のウェブサイト(http://www.daitron.co.jp/index.html)で公表している平成29年2月7日付プレスリリース「会社の支配に関する基本方針及び当社株券等の大量買付行為への対応策(買収防衛策)の更新に関するお知らせ」をご参照ください。)。
1.本プランの発動に係る手続
本プランの対象となる行為は、当社株券等の一定数以上の買付けその他の有償の譲受け又はこれらに類似する行為(以下「大量買付行為」といいます。)が行われる場合に、大量買付行為を行い又は行おうとする者(以下「大量買付者」といいます。)に対し、当該大量買付行為の内容の検討に必要な情報の提供を求め、当該大量買付行為についての情報の収集及び検討のための一定の期間を確保した上で、必要に応じて、大量買付者との間で大量買付行為に関する条件・方法について交渉し、更に、当社取締役会として、株主の皆様に代替案を提示するなどの対応を行っていくための手続を定めております。
2.対抗措置の概要
本プランは、大量買付者に対して所定の手続に従うことを要請すると共に、かかる手続に従わない大量買付行為がなされる場合や、かかる手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものです。
本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、①大量買付者及びその関係者による行使を禁止する行使条件や、②当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社普通株式を交付する取得条項等を付すことが予定されております。
また、会社法その他の法律及び当社の定款上認められるその他の対抗措置を発動することが適切と判断された場合には当該その他の対抗措置が用いられることもあります。
本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。
3.独立委員会の設置
本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、及び、本プランに定めるルールが遵守された場合に当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるために必要かつ相当と考えられる一定の対抗措置を講じるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置することとします。独立委員会は、3名以上5名以下の委員により構成され、委員は、社外取締役、社外監査役、弁護士、税理
士、公認会計士、学識経験者、投資銀行業務に精通する者及び他社の取締役又は執行役として経験のある社外者等の中から当社取締役会が選任するものとします。
4.情報開示
当社は、本プランに基づく手続を進めるにあたって、大量買付者が出現した事実、大量買付者から十分な情報が提供された事実、取締役会の判断の概要、対抗措置の発動又は不発動決定の概要、対抗措置の発動に関する事項その他の事項について、株主の皆様に対し、適時適切に開示いたします。
Ⅳ 本プランの合理性(本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと及びその理由)
当社取締役会は、本プランが、以下の理由により、上記Ⅰの基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。
1.買収防衛策に関する指針(経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」)等の要件等を完全に充足していること
2.企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益の確保又は向上を目的として更新されていること
3.株主意思を重視するものであること
4.独立性の高い社外者(独立委員会)の判断の重視
5.対抗措置に係る合理的な客観的要件の設定
6.当社から独立した地位にある第三者専門家の助言の取得
7.デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は97百万円であり、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中でありました当社中部工場(愛知県一宮市)の敷地内に第二工場を建設することについて、当第3四半期連結累計期間に次のとおり変更いたしました。
会社名
事業所名
所在地セグメントの名称設備の
内容
投資予定金額
(百万円)
資金調達方法着手年月完成予定
年月
総額既支払額
当社中部工場愛知県
一宮市
国内製造事業事務所
工場
798449自己資金
及び借入金
平成30年
6月
平成30年
12月

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.完成後の増加能力につきましては、合理的な算定が困難なため記載しておりません。
3.当社中部工場については、前連結会計年度末において未定としていた投資予定金額の総額、資金調達方法及び着手年月を変更いたしました。また、既支払額についても前連結会計年度末から変更いたしました。