有価証券報告書-第13期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの状況】
① 基本的な考え方
当社は、「双日グループ企業理念」(「双日グループは、誠実な心で世界を結び、新たな価値と豊かな未来を創造します」)に基づき、継続的に中長期に亘る企業価値の向上を図ると共に、豊かな社会の実現に貢献することを目指しております。
この実現に向け、コーポレート・ガバナンスの強化が経営の重要課題であるとの認識のもと、以下のようなコーポレート・ガバナンス体制を構築し、株主をはじめとするステークホルダーに対する経営責任と説明責任を果たすことを含め、健全性、透明性、効率性の高い経営体制の確立に努めております。
1) 経営と執行の分離、業務執行の監督
当社では、経営の意思決定と業務執行の分離による権限、責任の明確化及び業務執行の迅速化を実現するため、執行役員制度を導入しております。取締役会は、取締役会長が議長を務め、当社グループ経営に係る基本方針と最重要案件の審議、決裁を行う最高意思決定機関であるとともに、業務執行機関からの重要事項の付議、定例報告などを通じて業務の執行状況の監督を行っております。業務執行機関としては、当社グループの経営及び執行に係る重要事項を全社的視野並びに中長期的な観点で審議、決裁する経営会議を設置し、最高責任者である社長が議長を務めております。加えて、社長管下には、重要な投融資案件を審議・決裁する投融資審議会、重要な人事事項を審議・決裁する人事審議会、組織横断的な視点で取り組むべき事項を推進する社内委員会を設置しております。
なお、急速な経営環境の変化に迅速かつ適切に対応し、経営に対する責任を明確にするため、取締役と執行役員の任期を1年としております。
2) 経営に対する監視・監督体制
当社では、当社経営に対し、客観的な立場からの外部視点による適切な助言・提言を受けること及び取締役会の監督機能の強化を図ることを目的に複数の社外取締役を選任しております。また、社外取締役が取締役会の諮問機関である指名委員会、報酬委員会の委員長を務めることにより、取締役の選任、報酬に関する妥当性、透明性を確保しております。
なお、当社は監査役会設置会社であり、監査役会が、取締役の職務執行を取締役から独立した立場から、経営に対する監視・監査機能を果たしております。
② 経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織等
1) 会社の機関
(A) 取締役会
当社の取締役会は、最高意思決定機関として、当社グループ経営に係る基本方針と最重要案件の審議、決裁を行っております。また、取締役会の議長を務める取締役会長、取締役副会長及び社外取締役は、業務執行取締役及び当社執行体制全般に対する監督、当社ガバナンス体制全般への意見具申を行っております。取締役会は、当社における豊富な業務経験を持つ社内取締役(5名)と、客観的かつ専門的な視点や多様な知見を持つ社外取締役(2名)で構成されており、2016年6月16日時点において、当社の取締役は、7名(男性6名・女性1名)となっております。
(B) 取締役会の実効性に関する分析・評価
当社は、取締役会の機能の向上を図るため、毎年、取締役会全体の実効性について分析・評価を行うこととしております。
<分析・評価方法>全取締役に対して書面による自己評価アンケートを実施し、アンケート回答の集計結果に基づいて、 取締役会において実効性について議論いたします。
<自己評価アンケート項目の概要>取締役会の役割・責務、取締役会の構成、取締役会の運営、取締役会の意思決定プロセス、取締役会による監督、取締役のトレーニング、取締役会の諮問機関である指名委員会・報酬委員会、社外取締役に関する事項、取締役会の意思決定機能/監督機能、取締役会の実効性
(C) 監査役会
当社の監査役は、諸法令、定款、諸規程及び監査役会が定めた監査役監査基準に基づき、取締役会から独立した立場で取締役の職務執行の監査を行っております。また、監査役は、取締役会に加えて、業務執行に関する主要会議に出席するほか、取締役からの聴取、重要な決裁書類の閲覧などを通じて監査を実施し、経営に対する監視・監査機能を果たしております。当社の監査役会は、当社における豊富な業務経験を持つ社内監査役と、客観的かつ専門的な視点や多様な知見を持つ社外監査役で構成されており、2016年6月16日時点では、社外監査役4名(男性3名・女性1名)を含む5名(常勤2名)となっております。
(D) 役員の選任、報酬の決定
当社は、役員の選任、報酬の決定にあたり、取締役会の諮問機関として以下を設置し、各々の委員会の審議を経て、取締役会において決議を行っております。
・指名委員会
社外取締役を委員長とし、取締役候補者・執行役員候補者の選任に関する基準・方法の審議・提案、候補者選任案の審議を行います。
・報酬委員会
社外取締役を委員長とし、取締役・執行役員の報酬水準、評価・報酬に関する諸制度の審議・提案を行います。
なお、取締役報酬は、会社業績を総合的に勘案し、決定されます。また、監査役の報酬は原則、監査役会において協議・決定されます。いずれの場合においても、当社定時株主総会において決議された報酬限度額の範囲内で決定されます。
2) 社外取締役及び社外監査役に関する事項
(A) 社外取締役及び社外監査役の員数
当社の社外取締役は2名、社外監査役は4名であります。(2016年6月16日現在)
(B) 社外役員選任における方針および独立性に関する基準
当社は、社外取締役の選任にあたり、企業経営者、政府機関出身者など産業界や行政分野における豊富な経験を有する者、世界情勢、社会・経済動向、企業経営に関する客観的かつ専門的な視点を有する者など、広範な知識と高い見識を持つ者を複数名、選任しております。また、社外監査役の選任にあたっては、上記に加え、多様なステークホルダーの視点を事業活動の監査に取り入れる視点から、その出身分野などの多様性にも留意しております。
当社は、社外役員の実質的な独立性を重視し、会社法上の要件に加え独自の「社外役員の独立性基準」を策定し、社外役員全員がこの基準を満たしていることを確認しております。「社外役員の独立性基準」につきましては、以下のとおりであります。
<社外役員の独立性基準>金融商品取引所が定める独立性基準に加え、以下のいずれの基準にも該当していないことを確認の上、独立性を判断しております。
1. 当社の大株主(総議決権の10%以上の議決権を保有する者)又はその業務執行者
2. 当社の主要借入先(直近事業年度の借入額が連結総資産の2%を超える当社の借入先)又はその業務執行者
3. 当社の主要取引先(直近事業年度の年間連結収益が2%を超える取引先)又はその業務執行者
4. 当社を主要取引先(直近事業年度の年間連結売上高が2%を超える取引先)とする者又はその業務執行者
5. 当社から役員報酬以外に、個人として過去3事業年度の平均で年間1,000万円を超える金銭その他の財産を得ている弁護士、公認会計士、税理士、コンサルタント等(ただし、当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、過去3事業年度の平均で年間1,000万円または当該団体の年間総収入額もしくは連結売上高の2%のいずれか高い額を超える当該団体に所属する者)
6. 当社から年間1,000万円を超える寄付・助成等を受けている者(ただし、当該寄付・助成等を受けている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体の業務執行者)
7. 当社の会計監査人又はその社員等として当社の監査業務を担当している者
8. 過去3年間において上記1~7に該当していた者
9. 上記1~8のいずれかに掲げる者(ただし、役員など重要な者に限る)の配偶者又は二親等内の親族
10. 当社もしくは当社連結子会社の業務執行者(ただし、役員など重要な者に限る)の配偶者又は二親等内の親族
11. 当社における社外役員としての在任期間が8年間を超える者
12. その他、社外役員としての職務を遂行する上で、一般株主全体との間に恒常的で実質的な利益相反が生じるなど独立性に疑いが有る者
(C) 社外取締役及び社外監査役の当社との利害関係及び当社の企業統治において果たす機能・役割、選任の状況に関する考え方
当社は社外取締役及び社外監査役との間に、特別な利害関係はありません。
なお、資本的関係につきましては、各社外取締役及び社外監査役の当社株式の保有状況を「第4 提出会社の状況 5 役員の状況」に記載しております。
<社外取締役>
<社外監査役>
(D) 社外取締役・社外監査役のサポート、情報提供体制
社外取締役に対しては、取締役会議案の事前説明を含む情報提供、報告及び連絡などを行っております。
社外監査役に対しては、監査役会の専属組織である監査役業務室の専任スタッフを中心に、情報提供、報告及び連絡などを行っております。
3) 業務執行体制
(A) 業務執行体制
当社は、以下をはじめとする業務執行機関を設置しております。
・経営会議
業務執行取締役及び営業管掌役員やコーポレートの責任者などから構成され、経営及び執行に係る重要事項を審議し、決裁を行います。
・投融資審議会
業務執行取締役及び営業管掌役員やコーポレートの責任者などから構成され、重要な投融資案件を審議し、決裁を行います。
・人事審議会
業務執行取締役及び営業管掌役員やコーポレートの責任者などから構成され、重要な人事事項を審議し、決裁を行います。
・社内委員会
企業価値向上のため、組織横断的に取り組むべき経営事項を推進する社長管下の業務執行機関として、以下の社内委員会を設置、運営しており、各社内委員会は、取締役会や経営会議にその活動内容に基づく報告を定期的に行っております。
◆内部統制委員会
会社法上の内部統制規定及び金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制体制整備の進捗及び運用状況のモニタリング、並びに当社の内部統制体制の維持、高度化を図るための方針の策定を行います。
◆コンプライアンス委員
コンプライアンスに関する基本方針などの検討・策定及び具体的な施策に関する審議を行います。
◆CSR委員会
CSR(Corporate Social Responsibility)推進に関わる基本方針、施策の検討・策定を行います。
なお、社内委員会の下部組織として、個別分野のテーマを取り扱う、開示分科会、安全保障貿易管理分科会、情報セキュリティ分科会を設置しております。
(B) 監査役監査、会計監査及び内部監査の状況
監査役、会計監査人及び監査部は、それぞれの立場で監査業務を実施するうえで、監査の相互補完及び効率性の観点から双方向的な情報交換を行い、監査の実効性を高めております。
・監査役監査
監査役は、取締役会に加えて、監査役会が定めた監査役監査基準に則り、経営会議、投融資審議会などの重要会議に出席するほか、監査実施計画及び業務分担などを定め、取締役などからその職務の執行状況の聴取、重要な決裁書類などの閲覧、さらには連結子会社から事業の報告を求めるなどの方法により監査を実施し、経営に対する監視・監査機能を果たしております。なお、監査役の監査機能の充実を図るため、監査役会の専属組織である監査役業務室を設置し専任スタッフを配置しております。
監査役は、会計監査人より監査計画の説明及び定期的な監査実施状況の報告を受け、相互に情報を共有し、効率的な監査を実施するとともに、会計監査人の独立性について監視しております。また、監査部より監査計画の説明のほか、半期ごとに監査役会で監査実施状況の報告を受けるとともに、常勤監査役が、監査部が開催する監査講評会に出席し意見を述べ、監査部の監査結果に対する監査役の意見書を提出するなど双方向的な情報交換を日常的に行っております。
・会計監査
当社は、会社法に基づく会計監査並びに金融商品取引法に基づく財務諸表監査、四半期レビュー及び内部統制監査に関し、有限責任 あずさ監査法人に監査を依頼しております。当事業年度における業務執行社員の氏名、監査業務に係る補助者の構成は以下のとおりです。なお、継続監査年数については業務を執行した公認会計士全員が7年以内であるため、記載を省略しております。
(指定有限責任社員、業務執行社員): 平野 厳、根本 剛光、山田 大介
(監査業務に係る補助者): 公認会計士21名、その他25名
・内部監査
毎期初に取締役会の承認を受けた監査計画に基づき、営業部、コーポレート、海外主要現地法人を含む連結子会社を主たる対象とし、監査を実施しております。
監査手続きにおいては、組織体のガバナンス・リスク管理・内部統制が適切に機能しているかについて検証するとともに、損失の未然防止や問題解決に向けた実効的な改善提案を行っております。
監査後は、監査対象組織及び関係先(主管本部長、コーポレート各部の担当役員、監査役等)を対象とする監査講評会を開催し報告を行うほか、監査報告書を社長に提出するとともに、毎月、社内取締役への説明を行っております。また、監査時の指摘、改善事項の早期改善を目的に3ヶ月後、6ヶ月後に改善状況報告を受けるとともに、フォローアップ監査により改善状況を確認しております。
このほか、当社及び連結子会社において「自己点検制度」を導入しており、各組織が取引リスクを適時・詳細に把握管理し、反復自己点検することにより、現場での問題点の早期発見と業務効率の改善、損失発生の未然防止に加え、リスク管理マインドの醸成を図っております。
2016年6月16日時点において、監査部には部長以下計29名が所属しております。
③ 株主との建設的な対話
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取り組みや、経営理念、経営ビジョン、経営方針などについて、適切な情報を適時提供するとともに、分かり易い説明を継続的に実施すること、株主の意見を経営に報告・反映させることなどにより、株主との間で建設的な対話を行うことを基本方針としております。具体的な体制と対応状況は以下の通りです。
1) 体制
株主との対話は、取締役(社外取締役を含む)が主体となり専任組織であるIR室が補助する体制を整備しています。
2) 株主への情報提供
全ての株主に対して公正かつ平等に情報発信を行うことを基本としております。中期経営計画や決算内容については、取締役会での決議後速やかにTDnetや当社ウェブサイトによって電子的に公表します。中期経営計画には、中長期の経営ビジョン、定量目標(当期純利益、ROA、ROE、ネットDER、3ヶ年投資額、配当性向等)、および目標達成に向けた経営資源の配分を含めた戦略の骨子を記載します。
3) 株主との対話機会
・国内機関投資家
決算等の説明会や個別面談等を通じて対話を実施しています。
・海外機関投資家
個別面談において直接対話する機会を確保しています。
・個人株主・個人投資家
決算や中期経営計画をはじめとする経営動向、経営方針や経営ビジョンなどについて
代表取締役やCFO、IR担当役員が説明する機会を確保しています。
4) 株主からの意見・懸念事項への対応
対話を通じて株主からいただいた意見は、IR担当役員を通じて経営幹部に報告され、重要な指摘・示唆については経営に反映させております。
5) 対話における情報管理
対話に際しては、当社が定めるインサイダー取引防止規程を遵守しております。
◇2015年度の具体的な対話活動
④ ステークホルダーとの適切な協働
1) 多様なステークホルダーの立場の尊重について
当社が、世界中の多様なステークホルダーのニーズや期待を把握し、それらに誠実に応えていくことは、双日グループ企業理念の実践につながる重要な取り組み、かつ当社の使命であると認識し、「New way(新しい方法)」「New value(新しい価値)」を提供し続けることで、ステークホルダーとの強固な信頼関係を築くことを目指しております。
そのために、当社ではグループ全役職員が実践すべきものとして、以下を定め、これらの周知・徹底を図っております。
● 行動指針
● 双日グループ・コンプライアンス行動基準
● 双日グループCSRポリシー
● 双日グループ サプライチェーンCSR行動指針
● 双日環境方針
2) CSR、環境に関する取り組み
当社は、「双日グループCSRポリシー」において、企業理念の地道な実践を通じ、企業活動と社会・環境の共存共栄を目指し、社会にとっての価値と双日にとっての価値の最大化を追求しています。
その実現のために、 以下の重点取り組みテーマに基づいたCSR推進を図っております。
「サプライチェーンにおけるCSRの推進」
「気候変動防止に貢献する事業の推進」
「途上国・新興国の発展に寄与する事業の推進」
「社員一人ひとりが能力を発揮できる制度・環境の整備」
2015年度は、環境・社会リスクマネジメント体制の整備を進め、研修・情報発信等の社内浸透に取り組んだほか、教育支援、東日本大震災復興支援などの社会貢献活動にも積極的に取り組みました。
3) 女性活躍推進を含む社内の多様性に関する取り組み
当社では、環境変化のスピードが著しい中、将来に亘り双日グループが社会に適合した企業体としてグローバルな事業展開を通じ、競争力を強化し続ける為には、多様な人材を採用・育成・活用することが不可欠であると認識し、性別、国籍、年代を問わず、優秀な人材を活用することを、人材戦略の柱の1つに掲げております。
・女性活躍推進
中長期的な視点で、女性のキャリア形成と継続を促すため、職場環境の整備、上司の意識啓蒙、女性社員のキャリア意識向上などへの諸施策を実施しております。また、人事総務部内の専門部署が、各部署の所属長と連携しながら、女性管理職の育成促進に取り組んでおり、新卒総合職の女性採用比率を高め、女性管理職数を増やすことを2020年度末までの具体的な目標として設定しております。
なお、石倉洋子氏が社外取締役に、瀬古美喜氏が社外監査役に就任しており、現在の当社の女性役員は2名となっております。
・グローバル人材
多様性に富んだ組織を目指し、外国人の本社採用を強化しております。新卒採用においては外国人の採用を1~2割程度とする方針とし、アジアを中心とした海外の有力大学に赴いて日本語能力不問での採用を継続して実施しております。また、海外現地スタッフの幹部候補者を育成すべく、「日本と双日を知る」というテーマのもと、東京本社にて1~2週間の研修を継続実施しており、海外の成長戦略を実行する人材を育てております。このほか、本社においては、入社5年以内に全員を海外に派遣する海外トレーニー制度や海外語学研修制度、MBA・LLMプログラムへの留学制度などグローバルな視点をもった人材に育成するための施策も積極的に行っています。
・年代を問わない人材の活用
今後年々増加する見込みである50歳以上のシニア社員が、経験、知見など持てる力を最大限に発揮し活躍できる環境の整備を進めております。
評価制度においては、優秀な社員のモチベーション向上を促すため、評価におけるメリハリを強化することによって個人の成果が処遇に反映されやすい制度としております。
・障がい者雇用
障害者雇用促進法に定められた法定雇用率2.0%を達成しております。また、2012年には更なる障がい者の雇用促進を目的として、法に基づく「特例子会社」としての認定を受ける子会社を設立するなど、個々の障がい特性に合わせた業務の細分化及び生活面をもフォローする体制を整備することで、知的・精神障がい者にも適した就労環境を構築しています。
⑤ 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備・運用状況
1) 基本的な考え方
当社は、規程・組織・体制などの内部統制システムの整備に努めており、会社法及び会社法施行規則を踏まえ、2015年4月24日の取締役会にて、「当社グループの業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針」を以下のとおり決議しております。
2) 整備・運用状況
(A) 内部統制システム全般
(整備状況の概要)
当社グループの内部統制システム全般につきましては、内部統制委員会が中心となり、内部統制活動を担う各種委員会・組織と連携し、体制整備・維持・高度化を図っております。このうち、法令及び社内規程の遵守状況の点検・強化はコンプライアンス委員会が(詳細は後記B)、リスク管理手法の点検・強化はリスク管理企画部が(詳細は後記C)、グループ会社経営管理は経営企画部が(詳細は後記D)中心となって行っております。
また、金融商品取引法に定める内部統制報告制度に則り「適正な財務報告を確保するための基本方針」を定め、当社グループ全体での財務報告に係る内部統制評価、財務報告の信頼性確保のための取り組みを進めております。
(運用状況の概要)
内部統制委員会は、内部統制システム全般の整備・運用状況の全体俯瞰と定期的なモニタリングを実施するとともに、社内制度・体制等の全社的な課題の抽出と検討、担当部署への指示、改善を行っております。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制評価、財務報告の信頼性確保も実践しております。なお、内部統制委員会は2015年度に4回開催いたしました。
このほか、当社の営業部・コーポレート及び連結子会社に対して内部監査を実施し、ガバナンス、リスク管理、内部統制が適切に機能しているか検証すると共に、損失の未然防止や問題解決に向けた実効的な改善提案を行っております。
(B) コンプライアンス
(整備状況の概要)
当社グループでは、「双日グループコンプライアンス・プログラム」にコンプライアンス徹底のための手順を定めるとともに、「双日グループ・コンプライアンス行動基準」を策定して、当社グループ役職員の拠りどころとなる世界共通の判断基準を示しています。
また、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)を委員長とするコンプライアンス委員会が中心となって、当社グループ会社及び海外拠点にコンプライアンス責任者やコンプライアンス委員会を設置する等の体制構築を行っております。コンプライアンス違反の防止や早期発見に向けては、CCO及び社外弁護士へのホットライン(内部通報制度)、コンプライアンス委員会事務局につながる相談窓口、及び24時間365日活用できる多言語対応の「双日エシックスホットライン」を当社グループ役職員に周知しております。加えて、腐敗行為を防止するために、「双日グループ腐敗行為防止規程」及び「双日グループ腐敗行為防止要領」を制定し、海外地域、当社グループ会社においてもこれに準じた規程を導入しています。
(運用状況の概要)
昨今の国内外諸法令の改正や社会通念等の変化を踏まえて、「双日グループ・コンプライアンス行動基準」の内容の見直しを行い、2016年度から改訂版の行動基準を当社グループ会社に展開しております。また、コンプライアンス委員会で策定した活動計画の下、同委員会事務局を務める法務部がコンプライアンス事案に関する再発防止策の協議や当社グループ会社に対するコンプライアンスの実践に向けての支援・指導を行っております。
2015年度における具体的な活動は以下の通りです。
・CCOと当社グループ会社社長との面談
・当社グループ会社コンプライアンス担当者連絡会の定期開催
・インサイダー取引防止、ハラスメント防止、腐敗行為防止に関する説明会
・e-ラーニング、反社会的勢力への対応、等の各種研修の実施
なお、2015年度においてコンプライアンス委員会は四半期ごとに計4回開催いたしました。
(C) リスク管理
(整備状況の概要)
当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングしたうえで年度末に総括を行っております。
(運用状況の概要)
上記「リスク管理運営方針・運営計画」の策定、リスク管理運営状況の進捗につきましては、内部統制委員会での討議を経て、経営会議、及び取締役会に報告されております。また、事業環境の変化などに伴う対応策の全社周知や既存のリスク領域以外の対応が必要となった場合は、適宜、経営へ課題認識や対応状況について報告のうえ対処しております。
分類した10のリスクのうち、計測可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、計測を行わないリスク項目(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害リスク、システムリスク)については、四半期のモニタリングの対象として管理状況などを経営に報告しております。
社員に対しては、リスク管理研修や、失敗事例を取り上げたケースメソッド研修を管理職手前の社員や当社グループ会社管理者層向けに実施するなど、リスク管理意識の浸透に向けての教育・啓蒙を実施しております。
(D) グループ会社経営管理
(整備状況の概要)
グループ会社の経営管理につきましては、「グループ経営基本規程」、「グループ経営運営規程」にて当社グループの経営管理体制を定め、各グループ会社が体制の整備を行っております。また、各社の体制整備状況については、経営企画部が確認を行っております。
加えて、当社取締役は、主管者または、当社がグループ会社に派遣した取締役、監査役等を通じ、グループ会社の経営の状況を把握するものとしております。
(運用状況の概要)
当社がグループ会社に派遣した取締役や監査役等を通じ、適正な経営基盤やガバナンスの整備・運営等の経営監督を行い、年度事業報告・月次営業活動報告等による定期的な報告を受けております。また、重要事項については双日本社への事前協議を求め、グループ会社の重要な業務執行について適切に管理しております。
また、グループ経営を推進するために、主管者を通じグループ経営方針の説明を行うほかに、当社グループ会社の役職員向け研修等においても当社グループの経営理念、方針について浸透に努めております。
(E) 監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(整備状況の概要)
当社は、監査体制を補助する目的で監査役業務室を設置し、専任の使用人を配置し、監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性とその職務執行の実効性を確保しております。
監査役への報告体制につきましては、取締役からの報告に加え、コンプライアンス委員会や監査部等を通じた当社グループに関する事項、連結子会社からの事業報告等、監査に必要な報告が適宜行われる体制を整備しております。また、監査役への報告者が不利な取扱いを受けないよう、関連規程に規定しております。
監査に係る費用につきましては、予算計上された経費以外の緊急又は臨時に支出した費用についても会社に請求できる体制としております。
会計監査につきましては、監査役が会計監査人より監査計画の説明及び定期的な監査実施状況の報告を受け、相互に情報を共有し、効率的な監査が実施できる体制を構築するとともに、会計監査人の独立性についても監査可能な体制としております。
(運用状況の概要)
監査役への報告は適時に行われており、監査役と取締役との面談も定期的に実施され、意見交換が行われております。
なお、コーポレート・ガバナンス体制につきましては、以下の模式図をご覧ください。
(2016年6月16日現在)
⑥ 役員の報酬等
1) 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(当事業年度)
※1 取締役の報酬限度額:2007年6月27日定時株主総会決議
(社外取締役を除く)年額 550百万円(使用人兼務取締役の使用人分給与を含まない)
(社外取締役) 年額 50百万円
※2 監査役の報酬限度額:2007年6月27日定時株主総会決議
年額 150百万円
(注) 期末日現在の人員数は、取締役7名、監査役4名であります。なお、監査役の報酬等の総額には、2016年2月26日に辞任により退任した監査役1名を含んでおります。
2) 役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
⑦ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
取締役報酬は、会社業績を総合的に勘案し、報酬委員会における審議を経て、取締役会において決定されます。また、監査役の報酬は原則、監査役会において協議・決定されます。
いずれの場合においても、当社定時株主総会において決議された報酬限度額の範囲内で決定されます。
⑧ 責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役及び監査役との間で責任限度額を10百万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度とする責任限定契約を締結しております。
⑨ 取締役の員数
当社は、当社の取締役は10名以内とする旨、定款に定めております。
⑩ 取締役の選任決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらない旨、定款に定めております。
⑪ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができるとしている事項
1) 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨、定款に定めております。これは、財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを目的とするものであります。
2) 取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)による会社法第423条第1項の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨、定款に定めております。これは、取締役及び監査役が善意にして、且つ重大な過失がないことを前提としたもので、職務の遂行にあたり期待される役割を効率的且つ有効に発揮できるようにするためであります。
3) 中間配当
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨、定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
⑫ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めております。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑬ 株式の保有状況
1) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
2) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
イ 保有に関する方針
純投資以外の目的で上場株式を保有するにあたっては、営業戦略上の関係強化による収益獲得が期待できるか、株式を保有することにより中長期的な収益機会を有するかなどを総合的に判断しております。
また、保有株式に関しては、上記定性面に加えて、毎年個別の投資先ごとに関連する収益や受取配当金等のリターンを定量的に検証することにより、保有意義の見直しを行っております。
ロ 議決権の行使
上場株式の保有意義を踏まえ、当社と投資先企業双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に適うか否かを基準に、議決権を行使することとしており、議決権の行使状況を会社として把握する体制としております。
(前事業年度末)
特定投資株式
(注)保有目的は取引関係の維持・強化を目的としております。
みなし保有株式
該当する銘柄はありません。
(当事業年度末)
特定投資株式
(注)保有目的は取引関係の維持・強化を目的としております。
みなし保有株式
該当する銘柄はありません。
3) 保有目的が純投資目的である投資株式
① 基本的な考え方
当社は、「双日グループ企業理念」(「双日グループは、誠実な心で世界を結び、新たな価値と豊かな未来を創造します」)に基づき、継続的に中長期に亘る企業価値の向上を図ると共に、豊かな社会の実現に貢献することを目指しております。
この実現に向け、コーポレート・ガバナンスの強化が経営の重要課題であるとの認識のもと、以下のようなコーポレート・ガバナンス体制を構築し、株主をはじめとするステークホルダーに対する経営責任と説明責任を果たすことを含め、健全性、透明性、効率性の高い経営体制の確立に努めております。
1) 経営と執行の分離、業務執行の監督
当社では、経営の意思決定と業務執行の分離による権限、責任の明確化及び業務執行の迅速化を実現するため、執行役員制度を導入しております。取締役会は、取締役会長が議長を務め、当社グループ経営に係る基本方針と最重要案件の審議、決裁を行う最高意思決定機関であるとともに、業務執行機関からの重要事項の付議、定例報告などを通じて業務の執行状況の監督を行っております。業務執行機関としては、当社グループの経営及び執行に係る重要事項を全社的視野並びに中長期的な観点で審議、決裁する経営会議を設置し、最高責任者である社長が議長を務めております。加えて、社長管下には、重要な投融資案件を審議・決裁する投融資審議会、重要な人事事項を審議・決裁する人事審議会、組織横断的な視点で取り組むべき事項を推進する社内委員会を設置しております。
なお、急速な経営環境の変化に迅速かつ適切に対応し、経営に対する責任を明確にするため、取締役と執行役員の任期を1年としております。
2) 経営に対する監視・監督体制
当社では、当社経営に対し、客観的な立場からの外部視点による適切な助言・提言を受けること及び取締役会の監督機能の強化を図ることを目的に複数の社外取締役を選任しております。また、社外取締役が取締役会の諮問機関である指名委員会、報酬委員会の委員長を務めることにより、取締役の選任、報酬に関する妥当性、透明性を確保しております。
なお、当社は監査役会設置会社であり、監査役会が、取締役の職務執行を取締役から独立した立場から、経営に対する監視・監査機能を果たしております。
② 経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織等
1) 会社の機関
(A) 取締役会
当社の取締役会は、最高意思決定機関として、当社グループ経営に係る基本方針と最重要案件の審議、決裁を行っております。また、取締役会の議長を務める取締役会長、取締役副会長及び社外取締役は、業務執行取締役及び当社執行体制全般に対する監督、当社ガバナンス体制全般への意見具申を行っております。取締役会は、当社における豊富な業務経験を持つ社内取締役(5名)と、客観的かつ専門的な視点や多様な知見を持つ社外取締役(2名)で構成されており、2016年6月16日時点において、当社の取締役は、7名(男性6名・女性1名)となっております。
(B) 取締役会の実効性に関する分析・評価
当社は、取締役会の機能の向上を図るため、毎年、取締役会全体の実効性について分析・評価を行うこととしております。
<分析・評価方法>全取締役に対して書面による自己評価アンケートを実施し、アンケート回答の集計結果に基づいて、 取締役会において実効性について議論いたします。
<自己評価アンケート項目の概要>取締役会の役割・責務、取締役会の構成、取締役会の運営、取締役会の意思決定プロセス、取締役会による監督、取締役のトレーニング、取締役会の諮問機関である指名委員会・報酬委員会、社外取締役に関する事項、取締役会の意思決定機能/監督機能、取締役会の実効性
(C) 監査役会
当社の監査役は、諸法令、定款、諸規程及び監査役会が定めた監査役監査基準に基づき、取締役会から独立した立場で取締役の職務執行の監査を行っております。また、監査役は、取締役会に加えて、業務執行に関する主要会議に出席するほか、取締役からの聴取、重要な決裁書類の閲覧などを通じて監査を実施し、経営に対する監視・監査機能を果たしております。当社の監査役会は、当社における豊富な業務経験を持つ社内監査役と、客観的かつ専門的な視点や多様な知見を持つ社外監査役で構成されており、2016年6月16日時点では、社外監査役4名(男性3名・女性1名)を含む5名(常勤2名)となっております。
(D) 役員の選任、報酬の決定
当社は、役員の選任、報酬の決定にあたり、取締役会の諮問機関として以下を設置し、各々の委員会の審議を経て、取締役会において決議を行っております。
・指名委員会
社外取締役を委員長とし、取締役候補者・執行役員候補者の選任に関する基準・方法の審議・提案、候補者選任案の審議を行います。
・報酬委員会
社外取締役を委員長とし、取締役・執行役員の報酬水準、評価・報酬に関する諸制度の審議・提案を行います。
なお、取締役報酬は、会社業績を総合的に勘案し、決定されます。また、監査役の報酬は原則、監査役会において協議・決定されます。いずれの場合においても、当社定時株主総会において決議された報酬限度額の範囲内で決定されます。
2) 社外取締役及び社外監査役に関する事項
(A) 社外取締役及び社外監査役の員数
当社の社外取締役は2名、社外監査役は4名であります。(2016年6月16日現在)
(B) 社外役員選任における方針および独立性に関する基準
当社は、社外取締役の選任にあたり、企業経営者、政府機関出身者など産業界や行政分野における豊富な経験を有する者、世界情勢、社会・経済動向、企業経営に関する客観的かつ専門的な視点を有する者など、広範な知識と高い見識を持つ者を複数名、選任しております。また、社外監査役の選任にあたっては、上記に加え、多様なステークホルダーの視点を事業活動の監査に取り入れる視点から、その出身分野などの多様性にも留意しております。
当社は、社外役員の実質的な独立性を重視し、会社法上の要件に加え独自の「社外役員の独立性基準」を策定し、社外役員全員がこの基準を満たしていることを確認しております。「社外役員の独立性基準」につきましては、以下のとおりであります。
<社外役員の独立性基準>金融商品取引所が定める独立性基準に加え、以下のいずれの基準にも該当していないことを確認の上、独立性を判断しております。
1. 当社の大株主(総議決権の10%以上の議決権を保有する者)又はその業務執行者
2. 当社の主要借入先(直近事業年度の借入額が連結総資産の2%を超える当社の借入先)又はその業務執行者
3. 当社の主要取引先(直近事業年度の年間連結収益が2%を超える取引先)又はその業務執行者
4. 当社を主要取引先(直近事業年度の年間連結売上高が2%を超える取引先)とする者又はその業務執行者
5. 当社から役員報酬以外に、個人として過去3事業年度の平均で年間1,000万円を超える金銭その他の財産を得ている弁護士、公認会計士、税理士、コンサルタント等(ただし、当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、過去3事業年度の平均で年間1,000万円または当該団体の年間総収入額もしくは連結売上高の2%のいずれか高い額を超える当該団体に所属する者)
6. 当社から年間1,000万円を超える寄付・助成等を受けている者(ただし、当該寄付・助成等を受けている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体の業務執行者)
7. 当社の会計監査人又はその社員等として当社の監査業務を担当している者
8. 過去3年間において上記1~7に該当していた者
9. 上記1~8のいずれかに掲げる者(ただし、役員など重要な者に限る)の配偶者又は二親等内の親族
10. 当社もしくは当社連結子会社の業務執行者(ただし、役員など重要な者に限る)の配偶者又は二親等内の親族
11. 当社における社外役員としての在任期間が8年間を超える者
12. その他、社外役員としての職務を遂行する上で、一般株主全体との間に恒常的で実質的な利益相反が生じるなど独立性に疑いが有る者
(C) 社外取締役及び社外監査役の当社との利害関係及び当社の企業統治において果たす機能・役割、選任の状況に関する考え方
当社は社外取締役及び社外監査役との間に、特別な利害関係はありません。
なお、資本的関係につきましては、各社外取締役及び社外監査役の当社株式の保有状況を「第4 提出会社の状況 5 役員の状況」に記載しております。
<社外取締役>
氏名 | 当社との関係 | 当社の企業統治において 果たす機能・役割、選任理由 |
石倉 洋子 (栗田 洋子) | 人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。 | 学識者としての国際競争力や国際企業戦略の分野に関する豊富な知識や、他の複数の企業での社外役員としての経験に基づき、当社社外取締役として社外の独立した立場から、当社業務に関して適切かつ有意義な助言・提言を行っており、選任しています。 |
北爪 由紀夫 | 当社は、同氏が理事を務め、2007年7月まで在職していた独立行政法人日本貿易保険の貿易保険制度を活用しておりますが、独立行政法人日本貿易保険は日本政府100%出資の独立行政法人であり、その性質等から同氏の独立性に影響を及ぼすおそれがないものと判断しております。 | 行政分野において要職を歴任し、また、外交官を務めるなど長年の経験と豊富な見識に基づき、当社社外取締役として社外の独立した立場から、当社業務に関して適切かつ有意義な助言・提言を行っており、選任しています。 |
<社外監査役>
氏名 | 当社との関係 | 当社の企業統治において 果たす機能・役割、選任理由 |
石毛 孝幸 | 同氏が2015年3月まで常勤監査役を務めていた花王株式会社と当社との取引実績は、直近事業年度の当社連結決算における収益の1%未満であり、当社の主要な取引先には該当しないことから同氏の独立性に影響を及ぼすおそれがないものと判断しております。 | 花王株式会社にて長年にわたり財務・経理、経営監査等の職務を担当し、また同社の社内監査役も務めた経験に基づき、当社社外監査役として独立した立場と客観的視点から当社の経営を監視し、取締役会の内外において的確な助言を行うことを期待して、選任しています。 |
瀬古 美喜 | 人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。 | 経済学の大学教授としての長年の経験と豊富な知識を有し、高い専門性及び知見に基づき、当社社外監査役として独立した立場と客観的視点から当社の経営を監視し、取締役会の内外において的確な助言を行っており、選任しています。 |
氏名 | 当社との関係 | 当社の企業統治において 果たす機能・役割、選任理由 |
津谷 忠男 | 同氏が2009年12月まで執行役を務めていたオリックス株式会社と当社との取引実績は、直近事業年度の当社連結決算における収益の1%未満であり、当社の主要な取引先には該当しないことから同氏の独立性に影響を及ぼすおそれがないものと判断しております。 | 公認会計士として豊富な専門知識を有し、企業においても要職を歴任する中で培った貴重な知識、経験などに基づき、当社社外監査役として独立した立場と客観的視点から当社の経営を監視し、取締役会の内外において的確な助言を行っており、選任しています。 |
北田 幹直 | 同氏が2014年3月から客員弁護士を務める森・濱田松本法律事務所と当社との取引実績は、直近事業年度の当社連結決算における収益の0.5%未満、同事務所の売上の0.5%未満であり、当社の主要な取引先には該当しないことから同氏の独立性に影響を及ぼすおそれがないものと判断しております。 | 検察官・弁護士といった司法分野において要職を歴任するほか、企業の社外取締役や社外監査役も務める経験に基づき、当社社外監査役として独立した立場と客観的視点から当社の経営を監視し、取締役会の内外において的確な助言を行うことを期待して 、選任しています。 |
(D) 社外取締役・社外監査役のサポート、情報提供体制
社外取締役に対しては、取締役会議案の事前説明を含む情報提供、報告及び連絡などを行っております。
社外監査役に対しては、監査役会の専属組織である監査役業務室の専任スタッフを中心に、情報提供、報告及び連絡などを行っております。
3) 業務執行体制
(A) 業務執行体制
当社は、以下をはじめとする業務執行機関を設置しております。
・経営会議
業務執行取締役及び営業管掌役員やコーポレートの責任者などから構成され、経営及び執行に係る重要事項を審議し、決裁を行います。
・投融資審議会
業務執行取締役及び営業管掌役員やコーポレートの責任者などから構成され、重要な投融資案件を審議し、決裁を行います。
・人事審議会
業務執行取締役及び営業管掌役員やコーポレートの責任者などから構成され、重要な人事事項を審議し、決裁を行います。
・社内委員会
企業価値向上のため、組織横断的に取り組むべき経営事項を推進する社長管下の業務執行機関として、以下の社内委員会を設置、運営しており、各社内委員会は、取締役会や経営会議にその活動内容に基づく報告を定期的に行っております。
◆内部統制委員会
会社法上の内部統制規定及び金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制体制整備の進捗及び運用状況のモニタリング、並びに当社の内部統制体制の維持、高度化を図るための方針の策定を行います。
◆コンプライアンス委員
コンプライアンスに関する基本方針などの検討・策定及び具体的な施策に関する審議を行います。
◆CSR委員会
CSR(Corporate Social Responsibility)推進に関わる基本方針、施策の検討・策定を行います。
なお、社内委員会の下部組織として、個別分野のテーマを取り扱う、開示分科会、安全保障貿易管理分科会、情報セキュリティ分科会を設置しております。
(B) 監査役監査、会計監査及び内部監査の状況
監査役、会計監査人及び監査部は、それぞれの立場で監査業務を実施するうえで、監査の相互補完及び効率性の観点から双方向的な情報交換を行い、監査の実効性を高めております。
・監査役監査
監査役は、取締役会に加えて、監査役会が定めた監査役監査基準に則り、経営会議、投融資審議会などの重要会議に出席するほか、監査実施計画及び業務分担などを定め、取締役などからその職務の執行状況の聴取、重要な決裁書類などの閲覧、さらには連結子会社から事業の報告を求めるなどの方法により監査を実施し、経営に対する監視・監査機能を果たしております。なお、監査役の監査機能の充実を図るため、監査役会の専属組織である監査役業務室を設置し専任スタッフを配置しております。
監査役は、会計監査人より監査計画の説明及び定期的な監査実施状況の報告を受け、相互に情報を共有し、効率的な監査を実施するとともに、会計監査人の独立性について監視しております。また、監査部より監査計画の説明のほか、半期ごとに監査役会で監査実施状況の報告を受けるとともに、常勤監査役が、監査部が開催する監査講評会に出席し意見を述べ、監査部の監査結果に対する監査役の意見書を提出するなど双方向的な情報交換を日常的に行っております。
・会計監査
当社は、会社法に基づく会計監査並びに金融商品取引法に基づく財務諸表監査、四半期レビュー及び内部統制監査に関し、有限責任 あずさ監査法人に監査を依頼しております。当事業年度における業務執行社員の氏名、監査業務に係る補助者の構成は以下のとおりです。なお、継続監査年数については業務を執行した公認会計士全員が7年以内であるため、記載を省略しております。
(指定有限責任社員、業務執行社員): 平野 厳、根本 剛光、山田 大介
(監査業務に係る補助者): 公認会計士21名、その他25名
・内部監査
毎期初に取締役会の承認を受けた監査計画に基づき、営業部、コーポレート、海外主要現地法人を含む連結子会社を主たる対象とし、監査を実施しております。
監査手続きにおいては、組織体のガバナンス・リスク管理・内部統制が適切に機能しているかについて検証するとともに、損失の未然防止や問題解決に向けた実効的な改善提案を行っております。
監査後は、監査対象組織及び関係先(主管本部長、コーポレート各部の担当役員、監査役等)を対象とする監査講評会を開催し報告を行うほか、監査報告書を社長に提出するとともに、毎月、社内取締役への説明を行っております。また、監査時の指摘、改善事項の早期改善を目的に3ヶ月後、6ヶ月後に改善状況報告を受けるとともに、フォローアップ監査により改善状況を確認しております。
このほか、当社及び連結子会社において「自己点検制度」を導入しており、各組織が取引リスクを適時・詳細に把握管理し、反復自己点検することにより、現場での問題点の早期発見と業務効率の改善、損失発生の未然防止に加え、リスク管理マインドの醸成を図っております。
2016年6月16日時点において、監査部には部長以下計29名が所属しております。
③ 株主との建設的な対話
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取り組みや、経営理念、経営ビジョン、経営方針などについて、適切な情報を適時提供するとともに、分かり易い説明を継続的に実施すること、株主の意見を経営に報告・反映させることなどにより、株主との間で建設的な対話を行うことを基本方針としております。具体的な体制と対応状況は以下の通りです。
1) 体制
株主との対話は、取締役(社外取締役を含む)が主体となり専任組織であるIR室が補助する体制を整備しています。
2) 株主への情報提供
全ての株主に対して公正かつ平等に情報発信を行うことを基本としております。中期経営計画や決算内容については、取締役会での決議後速やかにTDnetや当社ウェブサイトによって電子的に公表します。中期経営計画には、中長期の経営ビジョン、定量目標(当期純利益、ROA、ROE、ネットDER、3ヶ年投資額、配当性向等)、および目標達成に向けた経営資源の配分を含めた戦略の骨子を記載します。
3) 株主との対話機会
・国内機関投資家
決算等の説明会や個別面談等を通じて対話を実施しています。
・海外機関投資家
個別面談において直接対話する機会を確保しています。
・個人株主・個人投資家
決算や中期経営計画をはじめとする経営動向、経営方針や経営ビジョンなどについて
代表取締役やCFO、IR担当役員が説明する機会を確保しています。
4) 株主からの意見・懸念事項への対応
対話を通じて株主からいただいた意見は、IR担当役員を通じて経営幹部に報告され、重要な指摘・示唆については経営に反映させております。
5) 対話における情報管理
対話に際しては、当社が定めるインサイダー取引防止規程を遵守しております。
◇2015年度の具体的な対話活動
対象 | 活動内容 |
機関投資家(運用担当者) | 決算説明会 事業説明会 個別面談(社長25件、CFO約60件、IR担当役員またはIR室約200件) 証券会社主催の国内外カンファレンスへの参加 |
機関投資家(議決権行使担当者) | スモールミーティングの実施(ガバナンス体制の紹介) |
個人株主 | 株主説明会(福岡・大阪・名古屋・浜松) |
個人投資家 | 個人投資家説明会 証券会社主催IRイベントへの参加 |
証券アナリスト・報道機関 | 決算説明会 事業説明会 |
証券アナリスト | ベトナムサイトツアー(当社事業の視察) |
④ ステークホルダーとの適切な協働
1) 多様なステークホルダーの立場の尊重について
当社が、世界中の多様なステークホルダーのニーズや期待を把握し、それらに誠実に応えていくことは、双日グループ企業理念の実践につながる重要な取り組み、かつ当社の使命であると認識し、「New way(新しい方法)」「New value(新しい価値)」を提供し続けることで、ステークホルダーとの強固な信頼関係を築くことを目指しております。
そのために、当社ではグループ全役職員が実践すべきものとして、以下を定め、これらの周知・徹底を図っております。
● 行動指針
● 双日グループ・コンプライアンス行動基準
● 双日グループCSRポリシー
● 双日グループ サプライチェーンCSR行動指針
● 双日環境方針
2) CSR、環境に関する取り組み
当社は、「双日グループCSRポリシー」において、企業理念の地道な実践を通じ、企業活動と社会・環境の共存共栄を目指し、社会にとっての価値と双日にとっての価値の最大化を追求しています。
その実現のために、 以下の重点取り組みテーマに基づいたCSR推進を図っております。
「サプライチェーンにおけるCSRの推進」
「気候変動防止に貢献する事業の推進」
「途上国・新興国の発展に寄与する事業の推進」
「社員一人ひとりが能力を発揮できる制度・環境の整備」
2015年度は、環境・社会リスクマネジメント体制の整備を進め、研修・情報発信等の社内浸透に取り組んだほか、教育支援、東日本大震災復興支援などの社会貢献活動にも積極的に取り組みました。
3) 女性活躍推進を含む社内の多様性に関する取り組み
当社では、環境変化のスピードが著しい中、将来に亘り双日グループが社会に適合した企業体としてグローバルな事業展開を通じ、競争力を強化し続ける為には、多様な人材を採用・育成・活用することが不可欠であると認識し、性別、国籍、年代を問わず、優秀な人材を活用することを、人材戦略の柱の1つに掲げております。
・女性活躍推進
中長期的な視点で、女性のキャリア形成と継続を促すため、職場環境の整備、上司の意識啓蒙、女性社員のキャリア意識向上などへの諸施策を実施しております。また、人事総務部内の専門部署が、各部署の所属長と連携しながら、女性管理職の育成促進に取り組んでおり、新卒総合職の女性採用比率を高め、女性管理職数を増やすことを2020年度末までの具体的な目標として設定しております。
なお、石倉洋子氏が社外取締役に、瀬古美喜氏が社外監査役に就任しており、現在の当社の女性役員は2名となっております。
・グローバル人材
多様性に富んだ組織を目指し、外国人の本社採用を強化しております。新卒採用においては外国人の採用を1~2割程度とする方針とし、アジアを中心とした海外の有力大学に赴いて日本語能力不問での採用を継続して実施しております。また、海外現地スタッフの幹部候補者を育成すべく、「日本と双日を知る」というテーマのもと、東京本社にて1~2週間の研修を継続実施しており、海外の成長戦略を実行する人材を育てております。このほか、本社においては、入社5年以内に全員を海外に派遣する海外トレーニー制度や海外語学研修制度、MBA・LLMプログラムへの留学制度などグローバルな視点をもった人材に育成するための施策も積極的に行っています。
・年代を問わない人材の活用
今後年々増加する見込みである50歳以上のシニア社員が、経験、知見など持てる力を最大限に発揮し活躍できる環境の整備を進めております。
評価制度においては、優秀な社員のモチベーション向上を促すため、評価におけるメリハリを強化することによって個人の成果が処遇に反映されやすい制度としております。
・障がい者雇用
障害者雇用促進法に定められた法定雇用率2.0%を達成しております。また、2012年には更なる障がい者の雇用促進を目的として、法に基づく「特例子会社」としての認定を受ける子会社を設立するなど、個々の障がい特性に合わせた業務の細分化及び生活面をもフォローする体制を整備することで、知的・精神障がい者にも適した就労環境を構築しています。
⑤ 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備・運用状況
1) 基本的な考え方
当社は、規程・組織・体制などの内部統制システムの整備に努めており、会社法及び会社法施行規則を踏まえ、2015年4月24日の取締役会にて、「当社グループの業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針」を以下のとおり決議しております。
1. 当社取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 | ・当社の取締役会議事録及び稟議決裁書等、当社取締役の職務の執行に係る重要文書は、当社の取締役会規程及び文書管理・情報管理に関する社内規程に従い、法定の保存期間に対応した保存期間及び保存責任部署を定め、必要に応じて閲覧に供せる体制とする。 |
2. 当社及び子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 | ・当社は、双日グループ・コンプライアンス行動基準及びそれを実施するためのマニュアル並びに双日グループコンプライアンス・プログラムを策定し、当社グループの役職員による法令及び定款並びに社内規程の遵守徹底を図る。 ・当社は、当社グループにおける関係諸法令の改正等の把握及びその遵守の徹底を図るために、コンプライアンス委員会を中心にコンプライアンス体制の整備を促進するとともに、当社内各部署の職務分掌及び当社グループ会社の主管者を明確にする。 ・当社は、反社会的勢力とは取引を含む一切の関係を持たず、不当な要求に対しては、法的対応を含め、毅然と対応するものとし、当社グループにおいて、その徹底を図る。 |
3. 当社及び子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 | ・当社は、当社グループの損失に結びつく信用リスク、事業投資リスク、市場リスク、災害リスク等様々な社内外のリスクを識別・分類し、それぞれについての社内規程ないし対応手順と主管部署を定め、当社グループの損失発生を防ぐとともに発生時の損失極小化を図る。 ・定められた社内規程や対応手順については、不断にその実効性を確認・改善するとともに、事業環境の変化に伴って当社グループに新たなリスクが生じる場合には、速やかにこれに対応する責任者、主管部署、社内規程等を定める。 |
4. 当社及び子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 | ・当社は、当社の取締役及び執行役員の役割分担、社内各部署の職務分掌、指揮命令系統、権限及び意思決定のルールを明確に定める。 ・当社は、取締役会で決議すべき重要事項は取締役会規程に明定し、それに準ずる重要事項・分野の審議もしくは決定を行う機関として、経営会議の他、それぞれに対応する審議会あるいは委員会を設置する。また、取締役会に報告すべき事項も取締役会規程に明定し報告せしめる。 ・当社は、当社グループ会社の管理運営体制を統轄する部署を設置し、当社グループ会社の経営の健全性確保に務める。 ・当社グループの経営方針は、当社の経営会議、経営企画部又は主管者により速やかにこれを当社グループ会社に知らしめるとともに、他の口頭及び文書による方法も加えて、当社グループの役職員への浸透に努める。 ・当社は、連結ベースでの経営計画を策定し、経営目標および経営指標を当社グループで共有し、グループ経営を推進する。 |
5. 子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制、並びに、当社及び子会社における業務の適正を確保するためのその他の体制 | ・当社は、グループ経営基本規程において、当社グループ会社を主管する主管者を必ず定めることとする。主管者は重要事項について、当社グループ会社に対し事前協議を求め、事業年度報告及び営業活動報告等について当社への定期的な報告を義務付ける。 ・当社は、連結財務報告に係る内部統制評価の観点からも、当社グループ会社の業務プロセスの検証・整備を図る。 ・当社監査部は、当社グループ会社の内部監査を実施し、業務の適正を検証する。 |
6. 当社監査役の職務を補助する使用人及び当該使用人の取締役からの独立性、並びに当社監査役から当使用人に対する指示の実効性の確保に関する体制 | ・当社監査役の職務を補助する部署として監査役業務室を設置し、所要の使用人を配置する。 ・同使用人は当社監査役の指示に従い職務を遂行するものとし、その評価、異動には当社監査役の同意を要するものとする。 |
7. 当社及び子会社における当社監査役への報告に関する体制 | ・当社取締役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合は、直ちにこれを当社監査役に報告しなければならない旨、当社取締役会規程にて定める。 ・当社グループの内部通報制度の担当部署は、当社グループの役職員からの内部通報の状況について、コンプライアンス委員会等を通じて、定期的に当社監査役に対して報告する。 ・当社監査部は監査終了の都度、内部監査報告書の写しを当社監査役に配布することとする。 ・当社監査役会は、必要に応じて、会計監査人、当社取締役もしくはその他の者に対して報告を求めることができる体制とする。 |
8. 当社監査役へ報告した者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 | ・当社は、内部通報制度等(当社監査役等への報告も含む)を通じて報告を行った当社グループの役職員に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行わない。 |
9. その他当社監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制 | ・当社は、監査役監査の効率性及び適正性に留意しながら、必要と認める費用を支出する。 ・当社監査役は当社取締役会に出席して、必要に応じて意見を述べ、当社経営会議その他の重要な会議にも出席して重要事項の審議ないし報告状況を直接認識できる体制とする。 ・当社代表取締役は当社監査役と定期的に会合を持ち、会社が対処すべき課題、監査役監査の環境整備状況、監査上の重要課題等について意見交換を行う。 |
2) 整備・運用状況
(A) 内部統制システム全般
(整備状況の概要)
当社グループの内部統制システム全般につきましては、内部統制委員会が中心となり、内部統制活動を担う各種委員会・組織と連携し、体制整備・維持・高度化を図っております。このうち、法令及び社内規程の遵守状況の点検・強化はコンプライアンス委員会が(詳細は後記B)、リスク管理手法の点検・強化はリスク管理企画部が(詳細は後記C)、グループ会社経営管理は経営企画部が(詳細は後記D)中心となって行っております。
また、金融商品取引法に定める内部統制報告制度に則り「適正な財務報告を確保するための基本方針」を定め、当社グループ全体での財務報告に係る内部統制評価、財務報告の信頼性確保のための取り組みを進めております。
(運用状況の概要)
内部統制委員会は、内部統制システム全般の整備・運用状況の全体俯瞰と定期的なモニタリングを実施するとともに、社内制度・体制等の全社的な課題の抽出と検討、担当部署への指示、改善を行っております。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制評価、財務報告の信頼性確保も実践しております。なお、内部統制委員会は2015年度に4回開催いたしました。
このほか、当社の営業部・コーポレート及び連結子会社に対して内部監査を実施し、ガバナンス、リスク管理、内部統制が適切に機能しているか検証すると共に、損失の未然防止や問題解決に向けた実効的な改善提案を行っております。
(B) コンプライアンス
(整備状況の概要)
当社グループでは、「双日グループコンプライアンス・プログラム」にコンプライアンス徹底のための手順を定めるとともに、「双日グループ・コンプライアンス行動基準」を策定して、当社グループ役職員の拠りどころとなる世界共通の判断基準を示しています。
また、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)を委員長とするコンプライアンス委員会が中心となって、当社グループ会社及び海外拠点にコンプライアンス責任者やコンプライアンス委員会を設置する等の体制構築を行っております。コンプライアンス違反の防止や早期発見に向けては、CCO及び社外弁護士へのホットライン(内部通報制度)、コンプライアンス委員会事務局につながる相談窓口、及び24時間365日活用できる多言語対応の「双日エシックスホットライン」を当社グループ役職員に周知しております。加えて、腐敗行為を防止するために、「双日グループ腐敗行為防止規程」及び「双日グループ腐敗行為防止要領」を制定し、海外地域、当社グループ会社においてもこれに準じた規程を導入しています。
(運用状況の概要)
昨今の国内外諸法令の改正や社会通念等の変化を踏まえて、「双日グループ・コンプライアンス行動基準」の内容の見直しを行い、2016年度から改訂版の行動基準を当社グループ会社に展開しております。また、コンプライアンス委員会で策定した活動計画の下、同委員会事務局を務める法務部がコンプライアンス事案に関する再発防止策の協議や当社グループ会社に対するコンプライアンスの実践に向けての支援・指導を行っております。
2015年度における具体的な活動は以下の通りです。
・CCOと当社グループ会社社長との面談
・当社グループ会社コンプライアンス担当者連絡会の定期開催
・インサイダー取引防止、ハラスメント防止、腐敗行為防止に関する説明会
・e-ラーニング、反社会的勢力への対応、等の各種研修の実施
なお、2015年度においてコンプライアンス委員会は四半期ごとに計4回開催いたしました。
(C) リスク管理
(整備状況の概要)
当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングしたうえで年度末に総括を行っております。
(運用状況の概要)
上記「リスク管理運営方針・運営計画」の策定、リスク管理運営状況の進捗につきましては、内部統制委員会での討議を経て、経営会議、及び取締役会に報告されております。また、事業環境の変化などに伴う対応策の全社周知や既存のリスク領域以外の対応が必要となった場合は、適宜、経営へ課題認識や対応状況について報告のうえ対処しております。
分類した10のリスクのうち、計測可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、計測を行わないリスク項目(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害リスク、システムリスク)については、四半期のモニタリングの対象として管理状況などを経営に報告しております。
社員に対しては、リスク管理研修や、失敗事例を取り上げたケースメソッド研修を管理職手前の社員や当社グループ会社管理者層向けに実施するなど、リスク管理意識の浸透に向けての教育・啓蒙を実施しております。
(D) グループ会社経営管理
(整備状況の概要)
グループ会社の経営管理につきましては、「グループ経営基本規程」、「グループ経営運営規程」にて当社グループの経営管理体制を定め、各グループ会社が体制の整備を行っております。また、各社の体制整備状況については、経営企画部が確認を行っております。
加えて、当社取締役は、主管者または、当社がグループ会社に派遣した取締役、監査役等を通じ、グループ会社の経営の状況を把握するものとしております。
(運用状況の概要)
当社がグループ会社に派遣した取締役や監査役等を通じ、適正な経営基盤やガバナンスの整備・運営等の経営監督を行い、年度事業報告・月次営業活動報告等による定期的な報告を受けております。また、重要事項については双日本社への事前協議を求め、グループ会社の重要な業務執行について適切に管理しております。
また、グループ経営を推進するために、主管者を通じグループ経営方針の説明を行うほかに、当社グループ会社の役職員向け研修等においても当社グループの経営理念、方針について浸透に努めております。
(E) 監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(整備状況の概要)
当社は、監査体制を補助する目的で監査役業務室を設置し、専任の使用人を配置し、監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性とその職務執行の実効性を確保しております。
監査役への報告体制につきましては、取締役からの報告に加え、コンプライアンス委員会や監査部等を通じた当社グループに関する事項、連結子会社からの事業報告等、監査に必要な報告が適宜行われる体制を整備しております。また、監査役への報告者が不利な取扱いを受けないよう、関連規程に規定しております。
監査に係る費用につきましては、予算計上された経費以外の緊急又は臨時に支出した費用についても会社に請求できる体制としております。
会計監査につきましては、監査役が会計監査人より監査計画の説明及び定期的な監査実施状況の報告を受け、相互に情報を共有し、効率的な監査が実施できる体制を構築するとともに、会計監査人の独立性についても監査可能な体制としております。
(運用状況の概要)
監査役への報告は適時に行われており、監査役と取締役との面談も定期的に実施され、意見交換が行われております。
なお、コーポレート・ガバナンス体制につきましては、以下の模式図をご覧ください。
(2016年6月16日現在)
⑥ 役員の報酬等
1) 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(当事業年度)
区分 | 取締役 | 監査役 | 合計 | ||||||
支給人員 (名) | 基本報酬 (百万円) | 種類別の総額 (百万円) | 支給人員 (名) | 基本報酬 (百万円) | 種類別の総額 (百万円) | 支給人員 (名) | 基本報酬 (百万円) | 種類別の総額 (百万円) | |
株主総会決議 (※1、※2)に基づく報酬等 | 7 | 368 | 368 | 5 | 103 | 103 | 12 | 471 | 471 |
内、社内 | 5 | 344 | 344 | 1 | 37 | 37 | 6 | 381 | 381 |
内、社外 | 2 | 24 | 24 | 4 | 65 | 65 | 6 | 89 | 89 |
※1 取締役の報酬限度額:2007年6月27日定時株主総会決議
(社外取締役を除く)年額 550百万円(使用人兼務取締役の使用人分給与を含まない)
(社外取締役) 年額 50百万円
※2 監査役の報酬限度額:2007年6月27日定時株主総会決議
年額 150百万円
(注) 期末日現在の人員数は、取締役7名、監査役4名であります。なお、監査役の報酬等の総額には、2016年2月26日に辞任により退任した監査役1名を含んでおります。
2) 役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
⑦ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
取締役報酬は、会社業績を総合的に勘案し、報酬委員会における審議を経て、取締役会において決定されます。また、監査役の報酬は原則、監査役会において協議・決定されます。
いずれの場合においても、当社定時株主総会において決議された報酬限度額の範囲内で決定されます。
⑧ 責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役及び監査役との間で責任限度額を10百万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度とする責任限定契約を締結しております。
⑨ 取締役の員数
当社は、当社の取締役は10名以内とする旨、定款に定めております。
⑩ 取締役の選任決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらない旨、定款に定めております。
⑪ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができるとしている事項
1) 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨、定款に定めております。これは、財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを目的とするものであります。
2) 取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)による会社法第423条第1項の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨、定款に定めております。これは、取締役及び監査役が善意にして、且つ重大な過失がないことを前提としたもので、職務の遂行にあたり期待される役割を効率的且つ有効に発揮できるようにするためであります。
3) 中間配当
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨、定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
⑫ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めております。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑬ 株式の保有状況
1) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
銘柄数 | 246 | 銘柄 |
貸借対照表計上額の合計額 | 99,045 | 百万円 |
2) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
イ 保有に関する方針
純投資以外の目的で上場株式を保有するにあたっては、営業戦略上の関係強化による収益獲得が期待できるか、株式を保有することにより中長期的な収益機会を有するかなどを総合的に判断しております。
また、保有株式に関しては、上記定性面に加えて、毎年個別の投資先ごとに関連する収益や受取配当金等のリターンを定量的に検証することにより、保有意義の見直しを行っております。
ロ 議決権の行使
上場株式の保有意義を踏まえ、当社と投資先企業双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に適うか否かを基準に、議決権を行使することとしており、議決権の行使状況を会社として把握する体制としております。
(前事業年度末)
特定投資株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表計上額 (百万円) | 保有目的 |
日本発条㈱ | 11,346,462 | 14,217 | (注) |
関西ペイント㈱ | 4,626,401 | 10,104 | (注) |
㈱神戸製鋼所 | 45,016,000 | 9,993 | (注) |
日本空港ビルデング㈱ | 845,000 | 6,151 | (注) |
山崎製パン㈱ | 2,399,089 | 5,198 | (注) |
ANAホールディングス㈱ | 14,136,000 | 4,548 | (注) |
東京海上ホールディングス㈱ | 723,012 | 3,281 | (注) |
㈱ダイセル | 1,950,000 | 2,794 | (注) |
㈱T&Dホールディングス | 1,615,010 | 2,672 | (注) |
㈱日清製粉グループ本社 | 1,773,610 | 2,507 | (注) |
PT. Nippon Indosari Corpindo Tbk | 215,126,500 | 2,414 | (注) |
大阪ガス㈱ | 4,661,000 | 2,343 | (注) |
昭和産業㈱ | 5,000,000 | 2,310 | (注) |
オリックス㈱ | 1,288,540 | 2,175 | (注) |
富士フイルムホールディングス㈱ | 439,230 | 1,878 | (注) |
MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱ | 535,631 | 1,805 | (注) |
㈱日本触媒 | 962,576 | 1,697 | (注) |
㈱トクヤマ | 6,484,200 | 1,634 | (注) |
Braskem S.A. | 4,345,162 | 1,309 | (注) |
㈱ニチリン | 880,000 | 1,269 | (注) |
㈱TSIホールディングス | 1,363,000 | 1,104 | (注) |
三井製糖㈱ | 2,500,000 | 1,055 | (注) |
日本製粉㈱ | 1,676,256 | 995 | (注) |
損保ジャパン日本興亜ホールディングス㈱ | 234,025 | 874 | (注) |
㈱ADEKA | 547,867 | 851 | (注) |
テイカ㈱ | 1,961,392 | 847 | (注) |
新日鐵住金㈱ | 2,659,000 | 804 | (注) |
日本農薬㈱ | 604,000 | 726 | (注) |
東リ㈱ | 2,532,100 | 698 | (注) |
㈱MORESCO | 327,000 | 664 | (注) |
(注)保有目的は取引関係の維持・強化を目的としております。
みなし保有株式
該当する銘柄はありません。
(当事業年度末)
特定投資株式
銘柄 | 株式数 (株) | 貸借対照表計上額 (百万円) | 保有目的 |
日本発条㈱ | 11,346,462 | 12,220 | (注) |
関西ペイント㈱ | 4,630,161 | 8,371 | (注) |
山崎製パン㈱ | 2,399,089 | 5,688 | (注) |
ANAホールディングス㈱ | 14,136,000 | 4,482 | (注) |
㈱神戸製鋼所 | 45,016,000 | 4,456 | (注) |
日本空港ビルデング㈱ | 845,000 | 3,380 | (注) |
㈱日清製粉グループ本社 | 1,773,610 | 3,172 | (注) |
㈱ダイセル | 1,950,000 | 2,999 | (注) |
Braskem S.A. | 4,345,162 | 2,785 | (注) |
東京海上ホールディングス㈱ | 723,012 | 2,747 | (注) |
PT. Nippon Indosari Corpindo Tbk | 215,126,500 | 2,340 | (注) |
昭和産業㈱ | 5,000,000 | 2,330 | (注) |
オリックス㈱ | 1,288,540 | 2,068 | (注) |
大阪ガス㈱ | 4,661,000 | 2,015 | (注) |
富士フイルムホールディングス㈱ | 439,230 | 1,955 | (注) |
㈱T&Dホールディングス | 1,615,010 | 1,694 | (注) |
MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱ | 535,631 | 1,679 | (注) |
日本製粉㈱ | 1,676,256 | 1,550 | (注) |
三井製糖㈱ | 2,500,000 | 1,255 | (注) |
㈱トクヤマ | 6,484,200 | 1,128 | (注) |
㈱ニチリン | 880,000 | 1,119 | (注) |
㈱日本触媒 | 192,515 | 1,103 | (注) |
㈱ADEKA | 549,824 | 903 | (注) |
損保ジャパン日本興亜ホールディングス㈱ | 234,025 | 746 | (注) |
東リ㈱ | 2,532,100 | 726 | (注) |
㈱ジャパンインベストメントアドバイザー | 200,000 | 676 | (注) |
新日鐵住金㈱ | 265,900 | 574 | (注) |
テイカ㈱ | 1,000,392 | 529 | (注) |
広島ガス㈱ | 1,350,000 | 518 | (注) |
大末建設㈱ | 618,987 | 492 | (注) |
(注)保有目的は取引関係の維持・強化を目的としております。
みなし保有株式
該当する銘柄はありません。
3) 保有目的が純投資目的である投資株式
前事業年度 (百万円) | 当事業年度 (百万円) | ||||
貸借対照表 計上額 | 貸借対照表 計上額 | 受取配当金 | 売却損益 | 評価損益 | |
非上場株式 | 30 | 30 | 0 | ― | ― |