有価証券報告書-第31期(2023/10/01-2024/09/30)
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
(子会社)
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。
支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利、及び投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力の全てを有している場合をいいます。
子会社については、支配獲得日から支配喪失日までの期間を連結しております。
子会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を行っております。また、子会社の決算日が当社の決算日と異なる場合には、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく子会社の財務数値を用いております。
非支配持分は、当初の支配獲得日での持分額及び支配獲得日からの非支配持分の変動から構成されております。
子会社の包括利益は、たとえ非支配持分が負の残高になる場合であっても、親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分に配分しております。
グループ内の債権債務残高、取引、及びグループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表作成にあたり消去しております。
支配を喪失しない子会社に対する持分の変動は、資本取引として会計処理しております。当社グループの持分及び非支配持分の帳簿価額は、子会社に対する持分の変動を反映して調整しております。
非支配持分を調整した額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額は資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させております。
当社が子会社の支配を喪失する場合、関連する損益は以下の差額として認識しております。
・受取対価の公正価値及び残存持分の公正価値の合計
・子会社の資産(のれんを含む)、負債及び非支配持分の支配喪失時の帳簿価額(純額)
子会社について、それまで認識していたその他の包括利益累計額は、純損益に振り替えております。
(関連会社)
関連会社とは、当社グループが財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業であり、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から喪失する日まで、持分法により処理しております。
持分法において関連会社に対する投資は、取得時に取得原価で認識し、それ以後は、関連会社の純資産に対する当社グループ持分の取得後の変動に応じて投資額を変動させております。その際、関連会社の純損益のうち当社グループの持分相当額は当社グループの純損益に計上しております。また、関連会社のその他の包括利益のうち当社グループの持分相当額は当社グループのその他の包括利益に計上しております。関連会社との取引から発生した未実現損益は、投資に加減算しております。
関連会社の損失が、当該会社に対する投資持分を超過する場合は、実質的に当該会社に対する正味投資の一部を構成する長期投資を零まで減損し、当社グループが当該会社に対して法的債務もしくは推定的債務を負担する、又は当該会社に代わって支払いを行う場合を除き、それ以上の損失は認識しておりません。
関連会社に対する投資額の取得対価が、取得日に認識した資産、負債及び偶発負債の正味の公正価値に対する持分を超える金額は、のれんとして認識し、投資の帳簿価額に含めており、償却はしておりません。
関連会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、当社グループの会計方針と整合させるため、その関連会社の財務諸表の調整を行っております。
関連会社の決算日が当社の決算日と異なる場合には、連結決算日時点で実施した仮決算に基づく関連会社の財務数値を用いております。
関連会社に対する重要な影響力を喪失した場合、当社グループは残存する投資を公正価値で測定し認識しております。重要な影響力を喪失した日の関連会社の帳簿価額と残存する投資の公正価値及び処分による受取額との差額は純損益として認識しております。
(2) 企業結合
企業結合は支配獲得日に、取得法によって会計処理しております。
企業結合時に移転した対価は、当社グループが移転した資産、当社グループが引受けた被取得企業の旧所有者の負債、及び支配獲得日における当社グループが発行した資本性金融商品の公正価値の合計として測定しております。取得関連費用は発生時に純損益で認識しております。
支配獲得日において、取得した識別可能な資産及び引受けた負債は、支配獲得日における公正価値(但し、繰延税金資産、繰延税金負債、並びに従業員給付に係る資産及び負債等、IFRS第3号「企業結合」により公正価値以外で測定すべきとされている資産及び負債については、IFRS第3号「企業結合」に規定する価額)で認識しております。
のれんは、移転した対価と被取得企業の非支配持分の金額並びに取得企業が以前に所有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計金額が、支配獲得日における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しております。この差額が負の金額である場合には、直ちに純損益で認識しております。
当社グループは、非支配持分を当社グループで認識した識別可能純資産に対する非支配持分の比例割合で測定しております。段階的に達成する企業結合の場合、当社グループが以前に保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測定し、発生した利得又は損失は純損益で認識しております。
なお、従前の会計基準(日本基準)で認識していた企業結合により生じたのれんは、減損テストを実施した後の帳簿価額で認識しております。
共通支配下における企業結合取引(全ての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的ではない企業結合取引)については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
(3) 外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。また、グループ会社は、それぞれ機能通貨を決定し、各社の取引はその機能通貨により測定しております。
② 外貨建取引
外貨建取引については、取引日における直物為替レートにより機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性項目は決算日レートを用いて機能通貨に換算し、外貨建非貨幣性項目は取得原価で測定されているものは取引日の為替レート、公正価値で測定されているものは、公正価値が測定された日の為替レートを用いて換算しております。
③ 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については決算日レートで換算しております。また、在外営業活動体の収益及び費用については、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートで換算しております。これらの換算差額はその他の包括利益で認識しております。
在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力を喪失する場合には、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額を処分した期の純損益として認識しております。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
(5) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産又は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融資産を認識しております。
全ての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で当初測定しております。また、重大な金融要素を含まない営業債権は、取引価格で当初測定しております。
金融資産は以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
公正価値で測定する資本性金融商品については、当初認識時において個々の資本性金融商品ごとに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に取消不能の指定をしております。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については実効金利法による償却原価により測定しております。
(b) 公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
但し、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値の殆ど全てを移転する場合において、金融資産の認識を中止しております。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識しております。
(ⅳ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、四半期ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しております。但し、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、単純化したアプローチにより貸倒引当金を測定しております。
信用リスクが著しく増加しているか否かは、債務不履行の発生するリスクの変化に基づいて判断しており、その判断にあたっては、一定の期日経過情報や取引先の財政状態の悪化等の客観的な情報を考慮しております。当社グループは、期日経過が3ヶ月を超える場合など、金融資産の全体または一部分について回収できず、または回収が極めて困難であると判断された場合には、債務不履行とみなしております。
予想信用損失は、契約に従って当社グループに支払われるべき全ての契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいる全てのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しております。
当社グループは、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合は、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額で認識しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、貸倒引当金の戻入額を純損益で認識しております。
② 金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について、償却原価で測定する金融負債として認識しております。この認識は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。また、当該負債証券以外のその他の金融負債は、全て、当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しております。
なお、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(ⅱ)事後測定
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しております。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融収益又は金融費用として認識しております。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、即ち、契約中の特定された債務が免責、取消し、又は、失効となったときに、金融負債の認識を中止しております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しております。棚卸資産は、主に商品から構成され、原価は、購入原価及び現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の全ての原価を含めております。原価は、主として移動平均法を用いて算定しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積販売価格から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しております。
(7) 有形固定資産(使用権資産を除く)
有形固定資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。取得原価には、当該資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び設置場所の原状回復費用の当初見積額を含めております。
減価償却費は、償却可能額を各構成要素の耐用年数にわたって、主として定額法により算定しております。償却可能額は、資産の取得原価から残存価額を差し引いて算出しております。土地及び建設仮勘定は減価償却を行っておりません。
主要な有形固定資産項目ごとの耐用年数は、次のとおりです。
建物及び建築物
3~40年
機械装置及び運搬具
3~10年
工具、器具及び備品
3~15年
資産の減価償却方法、耐用年数及び残存価額は各年度末に見直し、変更がある場合は、会計上の見積りを変更しております。
(8) のれん
当初認識時におけるのれんの測定は、「3.重要性がある会計方針 (2) 企業結合」に記載しております。
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
のれんは償却を行わず、配分した資金生成単位又は資金生成単位グループに減損の兆候がある場合、及び減損の兆候の有無に関わらず各年度の一定時期に、減損テストを実施しております。減損については「3.重要性がある会計方針(11)非金融資産の減損」に記載しております。
(9) 無形資産
無形資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、耐用年数にわたって、定額法にしております。
耐用年数を確定できる主要な無形資産項目ごとの耐用年数は、次のとおりです。
① ソフトウエア
当社グループは、自社利用ソフトウエアの取得に際し発生した一定の原価を資産計上しており、耐用年数にわたって、定額法により償却を行っております。
耐用年数:5年
② 顧客関連資産
当社グループは、企業結合により取得した無形資産は、当初認識時にのれんとは区分して認識し、支配獲得日の公正価値で測定しており、耐用年数にわたって、定額法により償却を行っております。
耐用年数:5年
資産の償却方法、耐用年数及び残存価額は各年度末に見直し、変更がある場合は、会計上の見積りを変更しております。
(10) リース
(借手側)
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態を取らないものであっても、契約の実質に基づき判断しております。
リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値を測定しており、リース負債として計上しております。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初測定しております。使用権資産は、資産の耐用年数又はリース期間のうちいずれか短い期間にわたり規則的に、減価償却を行っております。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。金融費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
なお、リース期間が12ヶ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについて、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
(11) 非金融資産の減損
① 有形固定資産、使用権資産及びのれん以外の無形資産の減損
当社グループでは、期末日ごとに、有形固定資産、使用権資産及び無形資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判断しております。
減損の兆候がある場合には、回収可能価額の見積りを実施しております。個々の資産の回収可能価額を見積もることができない場合には、その資産の属する資金生成単位の回収可能価額を見積もっております。資金生成単位は、他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小単位の資産グループとしております。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で算定しております。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失は純損益で認識しております。
のれん以外の資産における過年度に認識した減損損失については、期末において、減損損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻入れの兆候がある場合には、その資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行っております。回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を上回る場合には、回収可能価額と過年度に減損損失が認識されていなかった場合の償却又は減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失の戻入れを実施しております。
② のれんの減損
のれんは、企業結合のシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、その資金生成単位又は資金生成単位グループに減損の兆候がある場合、及び減損の兆候の有無に関わらず各年度の一定時期に、減損テストを実施しております。減損テストにおいて資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失は資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額から減額し、次に資金生成単位又は資金生成単位グループにおけるその他の資産の帳簿価額の比例割合に応じて各資産の帳簿価額から減額しております。
のれんの減損損失は純損益に認識し、その後の期間に戻入れは行っておりません。
(12) 売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産及び資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約している場合には、売却目的で保有する資産及び処分グループとして分類し、資産は減価償却又は償却は行わず、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
(13) 引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として、現在の法的債務又は推定的債務を負い、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、その債務の金額について信頼性のある見積りが可能な場合に認識しております。
引当金は、貨幣の時間的価値が重要な場合には、期末日における将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその負債に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて測定しております。
当社グループは引当金として、資産除去債務を認識しております。
(14) 従業員給付
短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。
賞与及び有給休暇費用については、従業員から過年度及び当連結会計年度に提供されたサービスの対価として支払うべき現在の法的もしくは推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
(15) 株式報酬
当社グループは、持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションの対価として受領したサービスは費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しております。当該費用は、付与日におけるストック・オプションの公正価値によって見積っております。公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズモデルを用いて算定しております。
(16) 自己株式
自己株式を取得した場合には、株式の取得に直接関連して発生した費用を含めた支払対価を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を処分した場合には、受取対価と自己株式の帳簿価額との差額を資本として認識しております。
(17) 収益認識
当社グループは、顧客との契約から生じる収益について、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。
具体的な収益認識基準は「23.売上収益」に記載しております。
(18) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合から生じる税金、及びその他の包括利益又は直接資本に認識する項目から生じる税金を除き、純損益で認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定し、税額の算定においては、期末日に制定又は実質的に制定されている税率及び税法を使用しております。
繰延税金は、決算期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異等に基づいて測定しております。なお、当社及び国内連結子会社の殆どは、当社を連結納税親会社とする連結納税制度を適用しております。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異及び未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除について認識しております。繰延税金資産については、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。
企業結合以外の取引で、かつ、会計上の利益にも課税所得にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る一時差異、当社が解消する時期をコントロールすることができ、かつ、予測可能な期間内に解消されない可能性が高い子会社及び関連会社に対する投資に関連する一時差異並びにのれんの当初認識において生じる加算一時差異については繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
繰延税金資産及び負債は、期末日に制定又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される時点において適用されると予想される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
(19) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、全ての希薄化効果のある潜在株式が転換されたと仮定して、親会社の所有者に帰属する利益及び自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数を調整することにより算定しております。
(1) 連結の基礎
(子会社)
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。
支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利、及び投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力の全てを有している場合をいいます。
子会社については、支配獲得日から支配喪失日までの期間を連結しております。
子会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を行っております。また、子会社の決算日が当社の決算日と異なる場合には、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく子会社の財務数値を用いております。
非支配持分は、当初の支配獲得日での持分額及び支配獲得日からの非支配持分の変動から構成されております。
子会社の包括利益は、たとえ非支配持分が負の残高になる場合であっても、親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分に配分しております。
グループ内の債権債務残高、取引、及びグループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表作成にあたり消去しております。
支配を喪失しない子会社に対する持分の変動は、資本取引として会計処理しております。当社グループの持分及び非支配持分の帳簿価額は、子会社に対する持分の変動を反映して調整しております。
非支配持分を調整した額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額は資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させております。
当社が子会社の支配を喪失する場合、関連する損益は以下の差額として認識しております。
・受取対価の公正価値及び残存持分の公正価値の合計
・子会社の資産(のれんを含む)、負債及び非支配持分の支配喪失時の帳簿価額(純額)
子会社について、それまで認識していたその他の包括利益累計額は、純損益に振り替えております。
(関連会社)
関連会社とは、当社グループが財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業であり、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から喪失する日まで、持分法により処理しております。
持分法において関連会社に対する投資は、取得時に取得原価で認識し、それ以後は、関連会社の純資産に対する当社グループ持分の取得後の変動に応じて投資額を変動させております。その際、関連会社の純損益のうち当社グループの持分相当額は当社グループの純損益に計上しております。また、関連会社のその他の包括利益のうち当社グループの持分相当額は当社グループのその他の包括利益に計上しております。関連会社との取引から発生した未実現損益は、投資に加減算しております。
関連会社の損失が、当該会社に対する投資持分を超過する場合は、実質的に当該会社に対する正味投資の一部を構成する長期投資を零まで減損し、当社グループが当該会社に対して法的債務もしくは推定的債務を負担する、又は当該会社に代わって支払いを行う場合を除き、それ以上の損失は認識しておりません。
関連会社に対する投資額の取得対価が、取得日に認識した資産、負債及び偶発負債の正味の公正価値に対する持分を超える金額は、のれんとして認識し、投資の帳簿価額に含めており、償却はしておりません。
関連会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、当社グループの会計方針と整合させるため、その関連会社の財務諸表の調整を行っております。
関連会社の決算日が当社の決算日と異なる場合には、連結決算日時点で実施した仮決算に基づく関連会社の財務数値を用いております。
関連会社に対する重要な影響力を喪失した場合、当社グループは残存する投資を公正価値で測定し認識しております。重要な影響力を喪失した日の関連会社の帳簿価額と残存する投資の公正価値及び処分による受取額との差額は純損益として認識しております。
(2) 企業結合
企業結合は支配獲得日に、取得法によって会計処理しております。
企業結合時に移転した対価は、当社グループが移転した資産、当社グループが引受けた被取得企業の旧所有者の負債、及び支配獲得日における当社グループが発行した資本性金融商品の公正価値の合計として測定しております。取得関連費用は発生時に純損益で認識しております。
支配獲得日において、取得した識別可能な資産及び引受けた負債は、支配獲得日における公正価値(但し、繰延税金資産、繰延税金負債、並びに従業員給付に係る資産及び負債等、IFRS第3号「企業結合」により公正価値以外で測定すべきとされている資産及び負債については、IFRS第3号「企業結合」に規定する価額)で認識しております。
のれんは、移転した対価と被取得企業の非支配持分の金額並びに取得企業が以前に所有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計金額が、支配獲得日における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しております。この差額が負の金額である場合には、直ちに純損益で認識しております。
当社グループは、非支配持分を当社グループで認識した識別可能純資産に対する非支配持分の比例割合で測定しております。段階的に達成する企業結合の場合、当社グループが以前に保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測定し、発生した利得又は損失は純損益で認識しております。
なお、従前の会計基準(日本基準)で認識していた企業結合により生じたのれんは、減損テストを実施した後の帳簿価額で認識しております。
共通支配下における企業結合取引(全ての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的ではない企業結合取引)については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
(3) 外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。また、グループ会社は、それぞれ機能通貨を決定し、各社の取引はその機能通貨により測定しております。
② 外貨建取引
外貨建取引については、取引日における直物為替レートにより機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性項目は決算日レートを用いて機能通貨に換算し、外貨建非貨幣性項目は取得原価で測定されているものは取引日の為替レート、公正価値で測定されているものは、公正価値が測定された日の為替レートを用いて換算しております。
③ 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については決算日レートで換算しております。また、在外営業活動体の収益及び費用については、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートで換算しております。これらの換算差額はその他の包括利益で認識しております。
在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力を喪失する場合には、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額を処分した期の純損益として認識しております。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
(5) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産又は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融資産を認識しております。
全ての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で当初測定しております。また、重大な金融要素を含まない営業債権は、取引価格で当初測定しております。
金融資産は以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
公正価値で測定する資本性金融商品については、当初認識時において個々の資本性金融商品ごとに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に取消不能の指定をしております。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については実効金利法による償却原価により測定しております。
(b) 公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
但し、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値の殆ど全てを移転する場合において、金融資産の認識を中止しております。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識しております。
(ⅳ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、四半期ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しております。但し、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、単純化したアプローチにより貸倒引当金を測定しております。
信用リスクが著しく増加しているか否かは、債務不履行の発生するリスクの変化に基づいて判断しており、その判断にあたっては、一定の期日経過情報や取引先の財政状態の悪化等の客観的な情報を考慮しております。当社グループは、期日経過が3ヶ月を超える場合など、金融資産の全体または一部分について回収できず、または回収が極めて困難であると判断された場合には、債務不履行とみなしております。
予想信用損失は、契約に従って当社グループに支払われるべき全ての契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいる全てのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しております。
当社グループは、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合は、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額で認識しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、貸倒引当金の戻入額を純損益で認識しております。
② 金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について、償却原価で測定する金融負債として認識しております。この認識は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。また、当該負債証券以外のその他の金融負債は、全て、当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しております。
なお、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(ⅱ)事後測定
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しております。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融収益又は金融費用として認識しております。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、即ち、契約中の特定された債務が免責、取消し、又は、失効となったときに、金融負債の認識を中止しております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しております。棚卸資産は、主に商品から構成され、原価は、購入原価及び現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の全ての原価を含めております。原価は、主として移動平均法を用いて算定しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積販売価格から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しております。
(7) 有形固定資産(使用権資産を除く)
有形固定資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。取得原価には、当該資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び設置場所の原状回復費用の当初見積額を含めております。
減価償却費は、償却可能額を各構成要素の耐用年数にわたって、主として定額法により算定しております。償却可能額は、資産の取得原価から残存価額を差し引いて算出しております。土地及び建設仮勘定は減価償却を行っておりません。
主要な有形固定資産項目ごとの耐用年数は、次のとおりです。
建物及び建築物
3~40年
機械装置及び運搬具
3~10年
工具、器具及び備品
3~15年
資産の減価償却方法、耐用年数及び残存価額は各年度末に見直し、変更がある場合は、会計上の見積りを変更しております。
(8) のれん
当初認識時におけるのれんの測定は、「3.重要性がある会計方針 (2) 企業結合」に記載しております。
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
のれんは償却を行わず、配分した資金生成単位又は資金生成単位グループに減損の兆候がある場合、及び減損の兆候の有無に関わらず各年度の一定時期に、減損テストを実施しております。減損については「3.重要性がある会計方針(11)非金融資産の減損」に記載しております。
(9) 無形資産
無形資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、耐用年数にわたって、定額法にしております。
耐用年数を確定できる主要な無形資産項目ごとの耐用年数は、次のとおりです。
① ソフトウエア
当社グループは、自社利用ソフトウエアの取得に際し発生した一定の原価を資産計上しており、耐用年数にわたって、定額法により償却を行っております。
耐用年数:5年
② 顧客関連資産
当社グループは、企業結合により取得した無形資産は、当初認識時にのれんとは区分して認識し、支配獲得日の公正価値で測定しており、耐用年数にわたって、定額法により償却を行っております。
耐用年数:5年
資産の償却方法、耐用年数及び残存価額は各年度末に見直し、変更がある場合は、会計上の見積りを変更しております。
(10) リース
(借手側)
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態を取らないものであっても、契約の実質に基づき判断しております。
リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値を測定しており、リース負債として計上しております。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初測定しております。使用権資産は、資産の耐用年数又はリース期間のうちいずれか短い期間にわたり規則的に、減価償却を行っております。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。金融費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
なお、リース期間が12ヶ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについて、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
(11) 非金融資産の減損
① 有形固定資産、使用権資産及びのれん以外の無形資産の減損
当社グループでは、期末日ごとに、有形固定資産、使用権資産及び無形資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判断しております。
減損の兆候がある場合には、回収可能価額の見積りを実施しております。個々の資産の回収可能価額を見積もることができない場合には、その資産の属する資金生成単位の回収可能価額を見積もっております。資金生成単位は、他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小単位の資産グループとしております。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で算定しております。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失は純損益で認識しております。
のれん以外の資産における過年度に認識した減損損失については、期末において、減損損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻入れの兆候がある場合には、その資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行っております。回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を上回る場合には、回収可能価額と過年度に減損損失が認識されていなかった場合の償却又は減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失の戻入れを実施しております。
② のれんの減損
のれんは、企業結合のシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、その資金生成単位又は資金生成単位グループに減損の兆候がある場合、及び減損の兆候の有無に関わらず各年度の一定時期に、減損テストを実施しております。減損テストにおいて資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失は資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額から減額し、次に資金生成単位又は資金生成単位グループにおけるその他の資産の帳簿価額の比例割合に応じて各資産の帳簿価額から減額しております。
のれんの減損損失は純損益に認識し、その後の期間に戻入れは行っておりません。
(12) 売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産及び資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約している場合には、売却目的で保有する資産及び処分グループとして分類し、資産は減価償却又は償却は行わず、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
(13) 引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として、現在の法的債務又は推定的債務を負い、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、その債務の金額について信頼性のある見積りが可能な場合に認識しております。
引当金は、貨幣の時間的価値が重要な場合には、期末日における将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその負債に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて測定しております。
当社グループは引当金として、資産除去債務を認識しております。
(14) 従業員給付
短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。
賞与及び有給休暇費用については、従業員から過年度及び当連結会計年度に提供されたサービスの対価として支払うべき現在の法的もしくは推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
(15) 株式報酬
当社グループは、持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションの対価として受領したサービスは費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しております。当該費用は、付与日におけるストック・オプションの公正価値によって見積っております。公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズモデルを用いて算定しております。
(16) 自己株式
自己株式を取得した場合には、株式の取得に直接関連して発生した費用を含めた支払対価を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を処分した場合には、受取対価と自己株式の帳簿価額との差額を資本として認識しております。
(17) 収益認識
当社グループは、顧客との契約から生じる収益について、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。
具体的な収益認識基準は「23.売上収益」に記載しております。
(18) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合から生じる税金、及びその他の包括利益又は直接資本に認識する項目から生じる税金を除き、純損益で認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定し、税額の算定においては、期末日に制定又は実質的に制定されている税率及び税法を使用しております。
繰延税金は、決算期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異等に基づいて測定しております。なお、当社及び国内連結子会社の殆どは、当社を連結納税親会社とする連結納税制度を適用しております。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異及び未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除について認識しております。繰延税金資産については、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。
企業結合以外の取引で、かつ、会計上の利益にも課税所得にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る一時差異、当社が解消する時期をコントロールすることができ、かつ、予測可能な期間内に解消されない可能性が高い子会社及び関連会社に対する投資に関連する一時差異並びにのれんの当初認識において生じる加算一時差異については繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
繰延税金資産及び負債は、期末日に制定又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される時点において適用されると予想される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
(19) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、全ての希薄化効果のある潜在株式が転換されたと仮定して、親会社の所有者に帰属する利益及び自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数を調整することにより算定しております。