有価証券報告書-第26期(平成27年2月1日-平成28年1月31日)
事業等のリスク
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、それらの発生の回避、発生した場合の対応に努める方針でありますが、投資における判断は、本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載は、全てのリスクを網羅するものではなく、また、文中における将来に関する事項は提出日(平成28年4月27日)現在において、当社グループが判断したものでありますのでご留意願います。
(1) 最近5年間における業績及び関連指標について
第26期の業績動向は、小売事業において第22期以降最高売上高となった一方で、卸売事業では、売上高増加率が前年同期比△6.2%と前年を大きく下回りました。
今後、卸売事業において靴専門店の倒産あるいは廃業により取引先が減少した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの最近年度における業績の概要及びセグメント別売上高は以下のとおりであります。
(注)1. 売上高には、消費税等は含まれておりません。
2. 子会社売上高については内部売上高であるため構成比を記載しておりません。
3. 従業員数は、役員を除く期末就業人員数であります。
4. 従業員数欄の( )は、外書きにて臨時雇用者数の年間平均雇用人員であります。
5. 直営店舗数は、期末店舗数であります。
(2) 流行・気候等が経営成績に与える影響について
婦人靴は、流行性、季節性の高い商品であるため、ファッションの流行や気候・気温の変動により業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、極端な冷夏・暖冬等の異常気象の発生により、想定した商品の需要と実際の市場のニーズが異なった場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、社内に商品企画部を設置しており、市場の流行に合致する商品のデザイン企画・商品選別等に努めることに加え、流行の変化によってある特定のブランドの業績が悪化した場合でも別のブランドで補うべく、旗艦ブランドである「JELLY BEANS」に続くブランドの育成を行う方針であります。
また、国内仕入の商品は、企画着手から約35日で市場に投入する仕入体制を構築しておりますが、気候・気温の変動の影響や流行の変化が想定するものと異なり、消費者の嗜好に合致した商品をタイムリーに提供できない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 少子化の傾向について
当社グループの商品は、主として少子化傾向にある10代から20代前半の若年女性をターゲットとした商品であるため、今後の継続的な市場規模の拡大は難しいと考えられますが、実用品としてよりもファッションアイテムとしての需要が高いこと、婦人靴市場における当社グループの成長余力は十分残されていると考えられることから、消費者のニーズに応えられる商品を提供し続けていく限り、少子化が直接当社グループの事業の衰退に結びつく可能性は高くないと認識しております。
今後も、強みである企画力を活かし、消費者のニーズに合致した商品を作り続けるとともに、小売店舗の新規出店等により、現在の事業規模を維持・拡大できるものと考えておりますが、こうした施策が奏功しない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 輸入規制緩和による影響について
靴は、使用素材によりノンレザー靴、皮革靴、布靴と大別されますが、皮革靴は関税割当(Tariff Quota(タリフクオータ)、以下TQという)制度の対象品目であり、皮革靴を輸入する業者はそのTQ枠を使用して輸入することが義務付けられております。TQ枠の設定により、国内の皮革靴業界は海外商品の過剰流入から保護されておりますが、今後、TQ枠が撤廃され完全自由化が実施された場合、ヨーロッパなど海外からの皮革靴の流入量が増加し、商品価格の低下等、靴業界に多大な影響をもたらす可能性があります。
当社グループは、ノンレザー素材の優れた加工容易性を活かし、価格訴求力よりもデザイン性を追求したノンレザー婦人靴を取扱っておりますが、TQ枠の撤廃による皮革靴市場の価格変動により、ノンレザー靴に対しても価格低下圧力が加わった場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 個人情報保護について
直営小売店やインターネット上での通信販売などにおいて取得・保有しております一般顧客の個人情報の保護につきましては、社内規程及び運用マニュアル等の整備、売場へのガイドラインの配布や社員教育等を通じ、内部管理体制を徹底するとともに、不正な外部侵入を防止するためにネットワークセキュリティーを強化するなど、個人情報が外部に流出することのないよう、十分留意しております。
しかしながら、不測の事態により個人情報の漏洩等の重大なトラブルが発生した場合、信用力の低下や、損害賠償請求等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 有利子負債について
事業に使用される本社ビル、第2ビル、物流管理棟、ショールーム等の運営に係る設備及び運転資金は、主に金融機関からの借入金に依存しております。平成28年1月期末における借入金残高は2,353百万円であり、リース債務を含む有利子負債の合計は2,567百万円(総資産に対し44.7%)となっております。
これら債務については、漸次返済を行い、その依存度を低下させる所存でありますが、これが達成されるまでの間においては、今後の金利動向により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損会計による影響について
平成28年1月31日現在、当社グループでは、本邦に時価の下落がみられる土地・建物を保有しており、その帳簿価額は2,832百万円(評価額1,532百万円)であります。それぞれ、本社ビル、事務管理棟、物流倉庫等の事業の用に使用しておりますが、これら固定資産につきましては、現在においてキャッシュ・フローを生成しており、また、今後とも、原則的には継続して所有し事業の用に供する予定であることから、現在、減損損失の認識の対象外となっております。しかし、今後、事業単位毎の収益性の低下等、減損会計基準等により減損損失を認識する事態が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 売掛債権におけるリスク
卸売販売のリスクを軽減すべく、営業担当者や同業他社からの情報収集や、外部調査機関を利用した得意先の財務状況等の信用調査を実施し与信管理を行っております。しかしながら、靴小売業界において、大手業者による寡占の進行により中小規模の靴小売店の企業淘汰が進行し、不良債権が発生した場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 仕入取引について
①中国からの仕入について
商品は、国内メーカー、国内メーカーの中国協力工場等への生産委託(間接輸入)、中国メーカー(直接輸入)を通じて調達しております。
このうち直接輸入については外貨建てにより行っているため、為替相場の変動が業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、中国における政治体制の変更や労働コストが上昇した場合、仕入体制に影響を及ぼす可能性があります。
②仕入先メーカーに対する依存について
当社グループは、主に、国内及び海外生産品を問わず、ケミカルシューズ産業の集積地である兵庫県神戸市長田区に在する複数の国内メーカーより商品を調達しております。これらの商品は、①商品企画部でデザイン・企画したものを取引メーカーに生産委託した商品(オリジナル商品)、②メーカーの提案商品にアレンジを加えた商品(アレンジ商品)、③メーカー提案商品の中から選別した商品(セレクト商品)に区分されますが、いずれの場合も、長田地区の靴メーカーの存在は欠かせないものとなっております。
長田地区の靴メーカーとの取引により、デザイン面、品質面、納期面、価格面等で当社の希望を満たした商品の調達が可能である一方、取引先メーカーは企業規模が小さなところが多く、何らかの障害が発生した場合や、今後、後継者不足によりメーカーの廃業等が増加した場合、仕入体制に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 知的財産権等について
①商標権の使用について
ブランドは重要な知的財産であるとの観点から、平成28年1月31日現在において、52件の商標権を取得しております(うち19件については海外における商標権)。しかしながら、今後海外進出を行う場合、或いは販売先が、独自の判断において日本国外で商品を流通する場合において、当社グループに先行して、第三者により同一商標の登録がなされていた場合、商標の使用が制限または禁止される可能性があります。そうした事象が発生した場合、異業種コラボレーションによる靴以外の商品を取扱う機会や、ブランド使用許諾(ライセンス)の付与による事業化の機会が制限或いは禁止されることなどにより、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、第三者が保有している同一商標の使用態様により、商標・ブランドに悪影響が及んだ場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②訴訟の可能性について
販売先が、その独自の判断において日本国外で商品を流通した場合において、それに起因・関連して当社グループが第三者の知的財産権を侵害したと判断された場合は、当該第三者から損害賠償請求や使用差止め請求等の訴えを提訴される可能性があります。このような場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 出店政策について
当社グループは、平成15年より小売事業への進出を本格的に開始し、平成28年1月31日現在、首都圏及び地方都市を中心に直営小売店を33店舗出店しております。
出店に当たっては、出店効果、店舗の採算性、市場の規模、賃貸条件、お取引先との競合状況等を考慮して決定しており、今後、駅ビル、ファッションビル、SCを対象に首都圏を中心として新規出店を行う方針であります。しかし、出店条件に合致した物件がなく計画どおりに出店ができない場合や、出店後に立地環境等に変化が生じた場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、店舗の運営に尽力してまいりますが、期待どおりの成果が必ずしも上がらない可能性もあります。
(12) 人材の確保及び育成について
当社グループは、設立以来、卸売事業を主な事業としてきたため、小売店舗の出店・拡充を推進していくに当たり小売事業に精通する優秀な人材の育成・確保が重要な課題となっております。また、各店舗の運営につきましても、店舗責任者として、店舗を滞りなく運営し業績の伸長や店舗イメージの向上に貢献できる人材の育成・確保が急務であります。
今後とも、適した人材の採用、教育・研修制度の充実に努めていく方針でありますが、必要とする人材の育成・確保が、事業展開に対応して進まない場合、あるいは、何らかの理由により人材が流出した場合には、今後の事業展開及び業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、以下の記載は、全てのリスクを網羅するものではなく、また、文中における将来に関する事項は提出日(平成28年4月27日)現在において、当社グループが判断したものでありますのでご留意願います。
(1) 最近5年間における業績及び関連指標について
第26期の業績動向は、小売事業において第22期以降最高売上高となった一方で、卸売事業では、売上高増加率が前年同期比△6.2%と前年を大きく下回りました。
今後、卸売事業において靴専門店の倒産あるいは廃業により取引先が減少した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの最近年度における業績の概要及びセグメント別売上高は以下のとおりであります。
決算年次 | 第22期 | 第23期 | 第24期 | 第25期 | 第26期 | ||
平成24年1月 | 平成25年1月 | 平成26年1月 | 平成27年1月 | 平成28年1月 | |||
売上高 | (千円) | 5,766,900 | 6,149,179 | 6,848,819 | 7,336,128 | 7,269,704 | |
卸売売上高 (構成比) | (千円) (%) | 4,621,189 (80.1) | 4,653,726 (75.7) | 5,043,853 (73.6) | 5,070,741 (69.1) | 4,757,831 (65.4) | |
小売売上高 (構成比) | (千円) (%) | 1,145,710 (19.9) | 1,495,453 (24.3) | 1,804,965 (26.4) | 2,265,387 (30.9) | 2,511,872 (34.6) | |
子会社売上高 (構成比) | (千円) (%) | 44,058 (-) | 68,579 (-) | 58,734 (-) | 50,960 (-) | 54,539 (-) | |
経常利益 | (千円) | 281,750 | 325,735 | 268,873 | 252,273 | 184,268 | |
当期純利益 | (千円) | 170,681 | 190,136 | 147,531 | 127,252 | 46,914 | |
資本金 | (千円) | 308,100 | 308,100 | 308,100 | 308,100 | 308,100 | |
純資産額 | (千円) | 1,588,888 | 1,817,647 | 1,959,143 | 2,076,228 | 2,103,905 | |
総資産額 | (千円) | 5,471,189 | 5,417,836 | 5,470,916 | 5,887,776 | 5,744,327 | |
従業員数(人) (外、平均臨時雇用者数) | 110 (98) | 109 (130) | 115 (165) | 126 (197) | 144 (205) | ||
直営店舗数 | 18 | 20 | 28 | 27 | 33 |
(注)1. 売上高には、消費税等は含まれておりません。
2. 子会社売上高については内部売上高であるため構成比を記載しておりません。
3. 従業員数は、役員を除く期末就業人員数であります。
4. 従業員数欄の( )は、外書きにて臨時雇用者数の年間平均雇用人員であります。
5. 直営店舗数は、期末店舗数であります。
(2) 流行・気候等が経営成績に与える影響について
婦人靴は、流行性、季節性の高い商品であるため、ファッションの流行や気候・気温の変動により業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、極端な冷夏・暖冬等の異常気象の発生により、想定した商品の需要と実際の市場のニーズが異なった場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、社内に商品企画部を設置しており、市場の流行に合致する商品のデザイン企画・商品選別等に努めることに加え、流行の変化によってある特定のブランドの業績が悪化した場合でも別のブランドで補うべく、旗艦ブランドである「JELLY BEANS」に続くブランドの育成を行う方針であります。
また、国内仕入の商品は、企画着手から約35日で市場に投入する仕入体制を構築しておりますが、気候・気温の変動の影響や流行の変化が想定するものと異なり、消費者の嗜好に合致した商品をタイムリーに提供できない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
ブランド | 第25期(平成27年1月期) | 第26期(平成28年1月期) | ||||||
販売金額 (千円) | 構成比 (%) | 販売足数 (足) | 構成比 (%) | 販売金額 (千円) | 構成比 (%) | 販売足数 (足) | 構成比 (%) | |
JELLY BEANS | 5,854,891 | 79.8 | 1,487,553 | 78.7 | 6,203,491 | 85.3 | 1,511,094 | 85.4 |
MINX | 448,251 | 6.1 | 130,374 | 6.9 | 96,478 | 1.3 | 23,934 | 1.4 |
Le Chione | 461,649 | 6.3 | 116,409 | 6.2 | 494,877 | 6.8 | 120,421 | 6.8 |
GINETTE | 58,004 | 0.8 | 10,381 | 0.5 | 26,566 | 0.4 | 4,445 | 0.3 |
その他 | 513,331 | 7.0 | 145,675 | 7.7 | 448,292 | 6.2 | 109,149 | 6.2 |
合計 | 7,336,128 | 100.0 | 1,890,392 | 100.0 | 7,269,704 | 100.0 | 1,769,043 | 100.0 |
(3) 少子化の傾向について
当社グループの商品は、主として少子化傾向にある10代から20代前半の若年女性をターゲットとした商品であるため、今後の継続的な市場規模の拡大は難しいと考えられますが、実用品としてよりもファッションアイテムとしての需要が高いこと、婦人靴市場における当社グループの成長余力は十分残されていると考えられることから、消費者のニーズに応えられる商品を提供し続けていく限り、少子化が直接当社グループの事業の衰退に結びつく可能性は高くないと認識しております。
今後も、強みである企画力を活かし、消費者のニーズに合致した商品を作り続けるとともに、小売店舗の新規出店等により、現在の事業規模を維持・拡大できるものと考えておりますが、こうした施策が奏功しない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 輸入規制緩和による影響について
靴は、使用素材によりノンレザー靴、皮革靴、布靴と大別されますが、皮革靴は関税割当(Tariff Quota(タリフクオータ)、以下TQという)制度の対象品目であり、皮革靴を輸入する業者はそのTQ枠を使用して輸入することが義務付けられております。TQ枠の設定により、国内の皮革靴業界は海外商品の過剰流入から保護されておりますが、今後、TQ枠が撤廃され完全自由化が実施された場合、ヨーロッパなど海外からの皮革靴の流入量が増加し、商品価格の低下等、靴業界に多大な影響をもたらす可能性があります。
当社グループは、ノンレザー素材の優れた加工容易性を活かし、価格訴求力よりもデザイン性を追求したノンレザー婦人靴を取扱っておりますが、TQ枠の撤廃による皮革靴市場の価格変動により、ノンレザー靴に対しても価格低下圧力が加わった場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 個人情報保護について
直営小売店やインターネット上での通信販売などにおいて取得・保有しております一般顧客の個人情報の保護につきましては、社内規程及び運用マニュアル等の整備、売場へのガイドラインの配布や社員教育等を通じ、内部管理体制を徹底するとともに、不正な外部侵入を防止するためにネットワークセキュリティーを強化するなど、個人情報が外部に流出することのないよう、十分留意しております。
しかしながら、不測の事態により個人情報の漏洩等の重大なトラブルが発生した場合、信用力の低下や、損害賠償請求等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 有利子負債について
事業に使用される本社ビル、第2ビル、物流管理棟、ショールーム等の運営に係る設備及び運転資金は、主に金融機関からの借入金に依存しております。平成28年1月期末における借入金残高は2,353百万円であり、リース債務を含む有利子負債の合計は2,567百万円(総資産に対し44.7%)となっております。
これら債務については、漸次返済を行い、その依存度を低下させる所存でありますが、これが達成されるまでの間においては、今後の金利動向により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損会計による影響について
平成28年1月31日現在、当社グループでは、本邦に時価の下落がみられる土地・建物を保有しており、その帳簿価額は2,832百万円(評価額1,532百万円)であります。それぞれ、本社ビル、事務管理棟、物流倉庫等の事業の用に使用しておりますが、これら固定資産につきましては、現在においてキャッシュ・フローを生成しており、また、今後とも、原則的には継続して所有し事業の用に供する予定であることから、現在、減損損失の認識の対象外となっております。しかし、今後、事業単位毎の収益性の低下等、減損会計基準等により減損損失を認識する事態が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 売掛債権におけるリスク
卸売販売のリスクを軽減すべく、営業担当者や同業他社からの情報収集や、外部調査機関を利用した得意先の財務状況等の信用調査を実施し与信管理を行っております。しかしながら、靴小売業界において、大手業者による寡占の進行により中小規模の靴小売店の企業淘汰が進行し、不良債権が発生した場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 仕入取引について
①中国からの仕入について
商品は、国内メーカー、国内メーカーの中国協力工場等への生産委託(間接輸入)、中国メーカー(直接輸入)を通じて調達しております。
このうち直接輸入については外貨建てにより行っているため、為替相場の変動が業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、中国における政治体制の変更や労働コストが上昇した場合、仕入体制に影響を及ぼす可能性があります。
②仕入先メーカーに対する依存について
当社グループは、主に、国内及び海外生産品を問わず、ケミカルシューズ産業の集積地である兵庫県神戸市長田区に在する複数の国内メーカーより商品を調達しております。これらの商品は、①商品企画部でデザイン・企画したものを取引メーカーに生産委託した商品(オリジナル商品)、②メーカーの提案商品にアレンジを加えた商品(アレンジ商品)、③メーカー提案商品の中から選別した商品(セレクト商品)に区分されますが、いずれの場合も、長田地区の靴メーカーの存在は欠かせないものとなっております。
長田地区の靴メーカーとの取引により、デザイン面、品質面、納期面、価格面等で当社の希望を満たした商品の調達が可能である一方、取引先メーカーは企業規模が小さなところが多く、何らかの障害が発生した場合や、今後、後継者不足によりメーカーの廃業等が増加した場合、仕入体制に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 知的財産権等について
①商標権の使用について
ブランドは重要な知的財産であるとの観点から、平成28年1月31日現在において、52件の商標権を取得しております(うち19件については海外における商標権)。しかしながら、今後海外進出を行う場合、或いは販売先が、独自の判断において日本国外で商品を流通する場合において、当社グループに先行して、第三者により同一商標の登録がなされていた場合、商標の使用が制限または禁止される可能性があります。そうした事象が発生した場合、異業種コラボレーションによる靴以外の商品を取扱う機会や、ブランド使用許諾(ライセンス)の付与による事業化の機会が制限或いは禁止されることなどにより、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、第三者が保有している同一商標の使用態様により、商標・ブランドに悪影響が及んだ場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②訴訟の可能性について
販売先が、その独自の判断において日本国外で商品を流通した場合において、それに起因・関連して当社グループが第三者の知的財産権を侵害したと判断された場合は、当該第三者から損害賠償請求や使用差止め請求等の訴えを提訴される可能性があります。このような場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 出店政策について
当社グループは、平成15年より小売事業への進出を本格的に開始し、平成28年1月31日現在、首都圏及び地方都市を中心に直営小売店を33店舗出店しております。
出店に当たっては、出店効果、店舗の採算性、市場の規模、賃貸条件、お取引先との競合状況等を考慮して決定しており、今後、駅ビル、ファッションビル、SCを対象に首都圏を中心として新規出店を行う方針であります。しかし、出店条件に合致した物件がなく計画どおりに出店ができない場合や、出店後に立地環境等に変化が生じた場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、店舗の運営に尽力してまいりますが、期待どおりの成果が必ずしも上がらない可能性もあります。
(12) 人材の確保及び育成について
当社グループは、設立以来、卸売事業を主な事業としてきたため、小売店舗の出店・拡充を推進していくに当たり小売事業に精通する優秀な人材の育成・確保が重要な課題となっております。また、各店舗の運営につきましても、店舗責任者として、店舗を滞りなく運営し業績の伸長や店舗イメージの向上に貢献できる人材の育成・確保が急務であります。
今後とも、適した人材の採用、教育・研修制度の充実に努めていく方針でありますが、必要とする人材の育成・確保が、事業展開に対応して進まない場合、あるいは、何らかの理由により人材が流出した場合には、今後の事業展開及び業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。