- #1 コーポレート・ガバナンスの概要(連結)
1.取締役会
取締役会における具体的な検討内容として、決裁規程に基づく重要事項の審議のみならず、小売・フィンテック等主要事業の状況確認や各諮問委員会の報告に加え、「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」「次世代経営者育成」「人的資本経営」「サクセッションプラン」「役員報酬制度」といった特定の経営課題をテーマとして取り上げ、活発な議論を行いました。
2.指名・報酬委員会
2025/06/23 16:20- #2 サステナビリティに関する考え方及び取組(連結)
2050年を見据えた長期ビジョン「ビジョン2050」の策定に合わせ、当社グループが優先的に取り組むべき社会課題をインパクトとして定義しました。
2025年からは、新たに「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」を策定し、「好き」が駆動する経済の実現に向けて、共創を基盤にフィンテックを中心としたイベント・グッズ・サービス・共創投資・事業開発、そして人・組織・働き方などすべてを通じて「好き」を応援するビジネスを推進していきます。
当社グループが取り組むべきことを3テーマ6つのインパクト目標として設定し、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」ビジョンの実現に向けた取り組みを進めることで、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会をめざします。
2025/06/23 16:20- #3 セグメント情報等、連結財務諸表(連結)
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、提供する商品、サービス等により「小売」「フィンテック」の2つを報告セグメントとしています。
「小売」は、商業施設の賃貸・運営管理、衣料品・装飾雑貨等の仕入販売、空間プロデュース、広告宣伝、トータルファッション物流、総合ビルマネジメント等を行っています。「フィンテック」は、クレジットカード業務、カードキャッシング、家賃保証、情報システムサービス、不動産賃貸、投資信託の販売、少額短期保険業等を行っています。
2025/06/23 16:20- #4 セグメント表の脚注(連結)
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
3 店舗の固定資産は小売セグメント資産に含まれていますが、当社グループの「店舗・カード・Web」が相乗効果を発揮するビジネスモデルに基づき、店舗は新しい顧客獲得の重要なタッチポイントであり、エポスカードの発行拠点としてフィンテックセグメント利益にも貢献しています。
2025/06/23 16:20- #5 リスク管理、人的資本(連結)
当社グループの成長は、社員一人ひとりの成長や活躍により実現できると考えています。今後、人材獲得競争の激化や既存社員の流出、それにともなう将来の経営人材の不足等が顕在化した場合、事業の進化や継続性に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、すべての社員が自ら手を挙げてチャレンジできる風土をベースとした、将来の企業価値の源泉となる無形資産としての人的資本投資を重視しています。公募型の教育・研修プログラムはもとより、対話を通じてグループ経営にとって重要なテーマを考える「グループ公認プロジェクト」や一人ひとりが創造性を発揮し、価値を創出することを目的とした「グループ公認イニシアティブ」、経営に革新を起こせる人材を育成する「次世代経営者育成プログラム(共創経営塾:CMA)」の実施、さらにスタートアップ企業への出向など、計画的な人材投資により、さまざまな視点から、成長とやりがいを実感できる環境づくりを進めています。
人材獲得に向けて、新卒採用においては長期インターンシップ等の新たな手法を積極的に活用することで、優秀な学生と早期に接点を設け、当社とのエンゲージメント向上につなげています。中途採用については、フィンテックやEC事業のさらなる拡大に向け、これまで社内育成を行ってきた基幹系システム人材に加え、UI/UXにスピーディに対応すべくWeb系システム人材の採用を推進しています。採用確保に向けては、丸井グループの独自のビジネスモデルや成長戦略を採用市場にて明示するとともに、2022年に立ち上げたUI/UXデザインの先進的企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを通じた、UI/UXデザインの専門性を持つ人材の採用を行っています。また、デジタル顧客接点におけるアジャイルなプロダクト開発の推進・波及を目的として2024年9月に立ち上げた新会社マルイユナイトでは、DXによる変革を加速するために、エンジニアリング領域などで活躍するデジタル人材の採用を積極的に進めていきます。
2025/06/23 16:20- #6 事業の内容
3 【事業の内容】
当社グループは、小売とフィンテックを一体運営する企業グループであり、持株会社である当社と子会社23社および関連会社5社により構成されています。
当社グループの、各事業における業務内容および主要なグループ会社は次のとおりです。なお、事業区分については、セグメントと同一の区分です。
2025/06/23 16:20- #7 事業等のリスク
(影響)
当社グループは小売とフィンテックを一体運営しており、首都圏を中心とした営業店舗および全国各地の営業拠点で事業を展開しています。景気変動、物価高や金利上昇による経済状況の変化、人口減少等、個人消費の低迷をもたらす市場の変化をはじめ、競合の発生、EC市場の拡大、シェアリングエコノミーの台頭等により、店舗の入店客数や取扱高、クレジットカードの利用額が減少することが予想されます。また、キャッシュレス化の推進にともなう決済手段の多様化などテクノロジーの進化や、人口動態変化による価値観の多様化・消費者行動の変化等により、クレジットカードの市場環境が変動し、競合他社との競争が激化することによって、顧客の減少や手数料収入の減少が予想されます。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの財務状況および業績が影響を受ける可能性があります。
店舗運営においてはSC・定借化を進め安定的な収益構造を築いてきましたが、テナントの撤退による空室率の上昇や賃料収入の減少のほか、地価の変動による減損損失計上や関連税制の改正による税負担の増加等により、当社グループの売上収益や利益、財務状況が影響を受ける可能性があります。
2025/06/23 16:20- #8 会計方針に関する事項(連結)
(4) 重要な収益及び費用の計上基準
当社グループは、小売セグメントとして商業施設の賃貸および運営管理、衣料品・装飾雑貨等の仕入販売、空間プロデュース、広告宣伝、トータルファッション物流、総合ビルマネジメント等を、フィンテックセグメントとしてクレジットカード業務、カードキャッシングおよび家賃保証、情報システムサービス、不動産賃貸、投資信託の販売、少額短期保険業等を行っています。
小売セグメントについて、商業施設の賃貸および運営管理業務に係る定期借家テナント賃料収入の計上は「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号 2007年3月30日)に基づき、収益を認識しています。
2025/06/23 16:20- #9 収益認識関係、連結財務諸表(連結)
Ⅰ 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
| | | (単位:百万円) |
| 報告セグメント |
小売 | フィンテック | 合計 |
受託販売手数料(純額) | 5,513 | - | 5,513 |
(注) その他の収益は、「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号 2007年3月30日)に基づく定期借家テナント賃料等や、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日)に基づく分割・リボ手数料、カードキャッシング利息、保険法の定義を満たす保険料収入等です。
Ⅱ 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
2025/06/23 16:20- #10 従業員の状況(連結)
2025年3月31日現在
セグメントの名称 | 従業員数(名) |
小売 | 1,982 | [ 661] |
フィンテック | 1,799 | [ 764] |
全社(共通) | 270 | [ 28] |
(注) 1 従業員数は就業人員であり、従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の期中平均雇用者数(月間所定労働時間を基準に算出)です。
2 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない純粋持株会社である提出会社の従業員数です。主に管理部門および投資部門などに所属しています。
2025/06/23 16:20- #11 戦略、気候変動(連結)
気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することをめざす取り組みへの貢献が重要であると考えています。2℃以下シナリオ(1.5℃目標)への対応力を強化すべく、気候関連のリスクと機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定を進めています。
当社グループは、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、 そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスを推進していきます。気候変動は、台風・豪雨等の水害による店舗・施設等への被害や規制強化にともなう炭素税の導入による費用の増加等のリスクが考えられます。一方、消費者の環境意識の向上に対応した商品・サービスの提供や環境配慮に取り組む企業への投資は当社グループのビジネスの機会であるととらえています。
(財務的影響の分析・算定)
2025/06/23 16:20- #12 株式の保有状況(連結)
・「純投資目的以外の目的である投資株式」とは、当社グループの企業価値向上に向けて、戦略上重要な協業および取引関係の維持発展を目的に保有する株式です。
当社グループでは、これまで共創投資と新規事業投資を合わせて「未来投資」とし、「小売」「フィンテック」との三位一体のビジネスモデルにより、個々の事業の総和を超えた価値の創出をめざしてきました。現在は、「好き」を応援するビジネスへと転換し、その1つとして「共創投資」を推進しています。
<共創投資>・投資先との協業や共創によるシナジーを追求し、オープンイノベーションによる企業価値の向上を目的としています。協業の可能性を重視した少額投資を基本とし、協業が進み投資先の企業価値が向上しエグジットの可能性が高まった段階で、ファイナンシャルリターンを期待した追加投資も検討していきます。
2025/06/23 16:20- #13 監査報酬(連結)
①中計数値計画およびアロケーション計画の策定・進捗管理・計画修正の確認
②小売・フィンテック・未来投資の三位一体のビジネスモデルの進捗・課題の確認
・小売セグメント:売らない店・イベント等の取り組みの進捗・課題の確認
2025/06/23 16:20- #14 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(連結)

1)経営ビジョン
当社グループは、これまでの小売・
フィンテック・共創投資による三位一体ビジネスから、
フィンテックを中心とした「『好き』を応援するビジネス」へ転換することで、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを実現していきます。
経営ビジョンの前提として、30年以上続くデフレ経済は変化の潮目を迎えており、消費者の行動にも変化が生じる中、これまでのポイント還元に代表されるコスパ消費とは対極となる「『好き』が駆動する経済」という新たな経済の可能性を見出し、この新しい市場を創造することで成長していきます。
2025/06/23 16:20- #15 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(連結)

※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。
・グループ総取扱高は4兆9,269億円(前年比+10%、前年差+4,397億円)、
フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引したことにより、過去最高となりました。
・売上収益は2,544億円(前年比+8%)、営業利益は445億円(前年比+9%)、経常利益は399億円(前年比+3%)、当期利益は266億円(前年比+8%)と4期連続の増収増益となりました。
2025/06/23 16:20- #16 脚注(取締役(及び監査役)(連結)
取締役を兼務していない執行役員は次の19名です。
専務執行役員 | 中 村 正 雄 | CREO、経営企画・不動産・建築、CRE戦略推進担当、㈱エイムクリエイツ代表取締役社長 |
常務執行役員 | 斎 藤 義 則 | CSeO、㈱エポスカード代表取締役会長、㈱マルイホームサービス代表取締役社長 |
常務執行役員 | 相 田 昭 一 | フィンテック事業担当、CDO、DX推進担当、㈱エポスカード代表取締役社長 |
常務執行役員 | 青 野 真 博 | 小売事業担当、㈱丸井代表取締役社長 |
CDO:チーフデジタルオフィサー
CWO:チーフウェルビーイングオフィサー
2025/06/23 16:20- #17 設備投資等の概要
なお、セグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額(百万円) |
小売 | 11,264 |
フィンテック | 5,981 |
調整額 | △2,709 |
(注) 上記の金額には、有形固定資産のほか、無形固定資産を含んでいます。
2025/06/23 16:20- #18 重要な会計上の見積り、連結財務諸表(連結)
固定資産の減損に係る会計上の見積りにあたり、固定資産のグルーピングについて、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として主に店舗を基本単位とし、各店舗の資産または資産グループ(以下「店舗固定資産」という。)が使用されている「営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなっているかまたは、継続してマイナスとなる見込みである」、もしくは「使用範囲または方法について回収可能価額を著しく低下させる変化がある」等の場合に、減損が生じている可能性を示す事象(以下「減損の兆候」という。)を識別しています。
なお、各店舗の営業活動には、小売の損益だけではなく、フィンテックの損益を生み出す源泉となるエポスカードの発行も含まれると捉えており、減損の兆候の有無の判定にあたり、店舗固定資産が使用されている営業活動から生ずる損益について、各店舗における小売の営業損益に各店舗がカード発行を通じてフィンテックにもたらした損益として、各店舗において過去に発行したエポスカードから生じるフィンテックの営業損益に過去に閉店した店舗の実績に基づく、閉店後に利用されなくなるエポスカードの割合を乗じた金額を加算した金額を用いています。
減損の兆候があると判定された店舗については、店舗固定資産から得られる割引前将来キャッシュ・フロー見積りの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。なお、店舗固定資産の減損後帳簿価額は、122,643百万円となっています。
2025/06/23 16:20- #19 金融商品関係、連結財務諸表(連結)
(1) 金融商品に対する取り組み方針
・当社グループは、1931年の創業以来、小売と金融が一体となった独自のビジネスモデルを進化させ続けることで、他社にはない強みと地位を確立し、近年では、共創投資や新規事業投資からなる未来投資を加え、小売、フィンテック、未来投資の三位一体のビジネスモデルをめざしてきました。現在は、フィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスへと転換し、さらなる企業価値の拡大をめざしています。フィンテックにおいては、カードクレジットの伸長やカードキャッシングの安定的な取扱いにより営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)が増加してきましたが、創業から培ってきた「信用はお客さまと共につくるもの」という考えのもと適切な与信管理に努めています。
・フィンテックの成長にともない資金需要の増加が続き、資金調達額が拡大しています。その資金調達については「財務の安全性」を最優先に考えて取り組みを進めています。
2025/06/23 16:20