有価証券報告書-第58期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年5月30日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、企業部門主導の成長をはじめとして緩やかな景気回復が続いた一方、相次いだ自然災害による国内経済への影響や米中の通商問題から世界経済の先行きには不透明感が高まっています。足元では企業業績の成長鈍化も懸念され、家計部門では賃金の伸びが不十分な状況下で、物価上昇による可処分所得の落ち込みなどにより生活者の日常への消費意欲は低調に推移しました。
「平成30年7月豪雨」により、当社グループにおいては被災地域の一部店舗で被害を受けました。広島県内2店舗、岡山県内1店舗の計3店舗において、店内浸水等による被害が発生し、うち2店舗については早期に営業を再開した一方、当社の1店舗を閉店しました。さらに、被災地救援を目的としての支援活動、これら3店舗を除くグループ199店舗において災害義援金募金活動を展開し、1日も早い被災地の復興に向けた取り組みに注力しました。
このような状況の下、当社グループにおいては、“日本一の高質リージョナル総合スーパー”を目指し、「中期経営計画(2019年2月期から2021年2月期)」を策定しています。既存事業の競争力の更なる強化を図るとともに、成長分野への経営資源の重点投入を推し進めました。当期は同計画の初年度にあたり、これまで以上に積極的な成長戦略、競争力強化、人材育成の施策を打ち出すとともに、当社においては機構改革として「未来創造推進部」を設置しました。販売促進、お客様サービス、店舗業務の生産性改善、情報システムを一気通貫にデジタル化を推進することを通じて、将来のあるべき小売業の姿を再定義する取り組みをスタートさせました。
これらの結果、当期の営業成績は、以下のとおりとなりました。
営業成績の主な増減要因
a.営業収益及び売上総利益
営業収益のうち、売上高は前期比1,412百万円(0.2%)増加し、697,679百万円となりました。また、営業収入は前期比865百万円(2.6%)増加し、34,457百万円となりました。これは、既存店売上が伸び悩んだ一方、主に当期及び前期における新設店舗が稼動したことにより販売増となりました。
売上総利益は、153,571百万円(前期比512百万円増)となりました。売上高対比では22.0%となり前期に比べて横ばいとなりました。
b.販売費及び一般管理費並びに営業利益
販売費及び一般管理費については、経費抑制に努めた一方、主に人件費及び当期の新設店舗の創業経費等の増加により、前期比4,591百万円(3.1%)増加の152,754百万円となりました。売上高対比では21.9%となり前期に比べて0.6ポイント上昇しました。
これらの結果、営業利益は前期比3,213百万円(8.3%)減少の35,273百万円となり、売上高対比は5.1%と前期に比べて0.4ポイント低下しました。
c.営業外損益及び経常利益
営業外収益は、前期比44百万円(2.8%)減少の1,518百万円となりました。一方、営業外費用は、支払利息の減少等により前期比148百万円(8.1%)減少の1,692百万円となりました。
これらの結果、経常利益は前期比3,108百万円(8.1%)減少の35,099百万円となりました。売上高対比は5.0%と前期に比べて0.5ポイント低下しました。
d.特別損益、法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、補助金収入1,112百万円、保険金収入309百万円を計上したことなどにより、1,480百万円となりました(前期比963百万円の減少)。一方、特別損失は、出資金評価損1,029百万円、「平成30年7月豪雨」に起因する災害による損失360百万円及び復興寄付金450百万円、減損損失654百万円を計上したことなどにより、3,085百万円となりました(前期比1,636百万円の増加)。
法人税等は9,894百万円となりました(前期比2,007百万円の減少)。
非支配株主に帰属する当期純利益は111百万円となりました(前期比258百万円の減少)。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比3,443百万円(12.8%)減少の23,488百万円となりました。売上高対比は3.4%と前期に比べて0.5ポイント低下しました。
各セグメントの業績
■営業収益
■営業利益
a.小売事業
主力の小売事業においては、行動指針である“お客様のために尽くす”のもと、リアル店舗としての付加価値提案力を高めることでお客様満足の追求に努めてまいりました。
「平成30年7月豪雨」により、当社グループにおいては被災地域の一部店舗で被害を受けました。広島県内2店舗、岡山県内1店舗の計3店舗において、店内浸水等による被害が発生し、うち2店舗については早期に営業を再開した一方、当社の1店舗を閉店しました。さらに、被災地救援を目的としての支援活動、これら3店舗を除くグループ199店舗において災害義援金募金活動を展開し、1日も早い被災地の復興に向けた取り組みに注力しました。
商品面では、品質・価格の両面で競争力のある品揃えを追及するMD戦略“いいものを安く”の領域の拡大を図るとともに、既存領域の掘下げにより顧客価値の創造を推し進めました。高品質で付加価値の高い商品カテゴリーの掘下げを行うとともに、依然デフレマインドの残る消費者の暮らしに対する不安を払拭すべく価格対応を強化しました。
店舗面では、8月に合同会社西友より譲り受けた2店舗を、それぞれ10月に「ゆめタウン下松(山口県下松市)」、12月には「ゆめタウン姫路(兵庫県姫路市)」として開業しました。さらに、食品スーパー業態では、9月に「ゆめマート城野(北九州市小倉南区)」、11月には「ゆめマート久米(岡山市北区)」及び「ゆめマート木太(香川県高松市)」を計画どおり開業しました。既存店の活性化としては、4月に「ゆめタウン徳島(徳島県板野郡藍住町)」及び「ゆめタウン行橋(福岡県行橋市)」をリニューアルオープンさせ、販売は堅調に推移しています。「ゆめタウン徳島」では、四国・徳島初出店の旬なショップを軸に定借区画全体の6割超に達する区画を改装しました。また、三世代共通の需要である「食」の機能を充実させるとともに快適に過ごせる空間づくりとしてフードコート、レストラン、カフェの充実を図りました。
また、4月5日付で株式会社セブン&アイ・ホールディングスとの間で、業務提携に関する合意書を締結しました。マスメリットの獲得やドミナントの拡充に向けて実効性のある多くの取組みを想定し、有形無形の様々な効果を具現化していくための協議を開始しました。
これらの取り組みに対して販売動向は、依然デフレマインドの残る消費者の節約志向の強まりや天候不順などによる客数の低下を主因として軟調に推移しました。春先には、引っ越し難民の影響から新生活関連の販売が伸び悩むなど厳しい状況が続きました。一方、食料品分野で「これ旨」など付加価値が高く差別化となる商品開発などに努めるとともに、5月には購買頻度の高いコモディティを中心に値下げする「毎日のくらし応援! ザ・値下げ 最大 340品目」を開始しました。夏場以降は、お中元等のギフト需要が堅調に推移した一方、豪雨災害や度重なる台風襲来による不要不急の消費を控える動きが強まり難しい局面が続きました。このような環境は秋口に入ってからも継続し、昨年同時期の気温低下に対しても期間を通じて温暖な気候で推移したことで、衣料品等の季節商材の販売が伸び悩みました。冬場に入ると、食料品分野では地域の旬な名産品をラインナップしたお歳暮ギフトなど、ハレの日商材や企画が堅調に推移した一方で、青果物の市況悪化が販売価格を低下させました。これらの結果、当期における当社の既存店売上高は前年同期比では0.6%減となりました。
コスト面では、商品仕入において原価低減及びロスの抑制を引き続き推進し、売上総利益率の改善に努めました。また、販売費及び一般管理費については、経費抑制に努めた一方、主に人件費及び当期の新設店舗の創業経費等が増加しました。
これらの結果、営業収益は712,410百万円(前期比0.3%増)、営業利益は30,224百万円(前期比9.5%減)となりました。
b.小売周辺事業
小売周辺事業では、電子マネー「ゆめか」・クレジットカードにおける新規会員獲得、並びに小売事業の主力店舗「ゆめタウン」などの入居テナントをはじめとした外部加盟店での取扱いを拡大することで、取扱高の拡大を図りました。これにより、「ゆめか」の累計発行枚数は前期末における684万枚から当期末では752万枚に達し、当社グループにおけるカード戦略が一層深まりました。10月には、当社グループが営業展開する西日本エリア(12県)における当社グループ店舗(193店舗:2018年9月末現在)並びにセブン‐イレブン店舗(4,087店舗:2018年9月末現在)において、電子マネー「ゆめか」と「nanaco」の相互利用を開始しました。顧客利便性を高めることで利用頻度の向上を図り、小売事業への集客及び店舗間の相互送客を図るとともに、レジ業務の生産性改善に繋げました。
これらの結果、営業収益は96,924百万円(前期比1.9%減)、営業利益は4,183百万円(前期比4.2%減)となりました。
c.その他
卸売事業では、堅調な販売と継続的な原価低減により利益水準が改善しました。また、不動産賃貸事業では安定的な賃料収入を計上しました。
これらの結果、営業収益は5,332百万円(前期比1.1%増)、営業利益は1,086百万円(前期比3.3%増)となりました。
財政状態の分析
当期末における総資産、負債及び純資産の残高、前期末対比の増減額及び主な増減理由は以下のとおりです。
総 資 産
・当期の設備投資額は21,507百万円であり、これは主に店舗新設等によるものです。有形固定資産は、減価償却実施後で4,572百万円増加しました。
・受取手形及び売掛金は、クレジット取扱高の増加等により2,539百万円増加しました。
負 債
・支払手形及び買掛金は、信販会社のシステム障害に伴う未請求残高に対する当期の決済等で3,373百万円減少しました。
・未払法人税等は、課税所得の減少等により3,800百万円減少しました。
・短期借入金及び長期借入金は、8,945百万円減少しました。
純 資 産
・利益剰余金は、内部留保の上積みにより17,579百万円増加しました。
・これらの結果、自己資本比率は41.2%となり、前期末の38.1%に比べて3.1ポイント上昇しました。
② キャッシュ・フローの状況
当期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、税金等調整前当期純利益33,495百万円及び減価償却費15,862百万円です。
・主な支出項目は、法人税等の支払額13,887百万円、仕入債務の減少額3,373百万円及び売上債権の増加額2,539百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フロー
・主な支出項目は、有形固定資産の取得による支出17,378百万円です。これは主に、店舗新設等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、長期借入れによる収入19,500百万円です。
・主な支出項目は、長期借入金の返済による支出29,521百万円及び配当金の支払額5,732百万円です。
以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期末対比252百万円減少し、8,136百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.仕入実績
当期における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要は、主に商品・原材料仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、投資資金需要は、店舗の新設及び改装等によるものです。これらに対しては、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れ等により充当しています。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
小売業界におきましては、マーケットの成熟化と競争激化など引き続き経営環境は楽観できないものと予想されますが、当社では、お客様のニーズを見極め、地域特性へのきめ細かな対応を図ると同時に、品揃え・鮮度・買い易さなどあらゆる面での売場レベルの向上に努め、快適で楽しい売場を実現してまいります。
当社グループにおきましては、2017年10月に中期経営計画(2019年2月期から2021年2月期)を公表しました。“日本一の高質リージョナル総合スーパーを目指す”とした経営ビジョンを掲げ、小売業界の厳しい経営環境をむしろチャンスと捉えるとともに、外部環境の変化に対応し一段の成長と企業価値の向上を果たすべく、これまで以上に積極的な成長戦略、競争力強化、人材育成の施策を打ち出し、推進してきました。
今後の見通しにつきましては、海外経済の減速を背景とした輸出の低迷により、これまで経済成長を支えてきた企業の利益成長が鈍化することで経済成長は停滞色を強めていくことが懸念されます。消費増税に対しては、政府による大規模な対策が打ち出されることから、家計への影響は1997年度・2014年度の増税時を下回ると考えられます。しかしながら、家計部門の厳しい状況に変わりはなく、個人消費は引き続き低調に推移することが想定されます。また、人手不足による採用難で人員確保が深刻な課題となってきています。さらに、建築コストの高騰に伴う新規出店に掛かる採算見通しの低下が課題となっています。
このような状況下において、当社グループは、中期経営計画の初年度の環境悪化の状況はしばらく続くものと判断し、2017年10月10日に公表しました中期経営計画を修正しました。詳細につきましては、2019年4月9日に公表しました「中期経営計画の見直しに関するお知らせ」をご参照ください。
なお、店舗展開では、株式会社イトーヨーカ堂よりショッピングセンター1店舗の営業を引き継ぎ、「ゆめタウン福山(仮称)」(広島県福山市)として開業いたします。2019年3月の物件引継ぎ後に改装工事を経て、2019年初夏には全館オープンを目指します。また、食品スーパー業態では4店舗を新規出店する予定です。
・2019年3月 ゆめタウン福山(仮称)(広島県福山市) ※ 2019年初夏にグランドオープン予定
・2019年4月 ゆめマート日田(大分県日田市)
・2019年4月 ゆめマート三田尻(山口県防府市)
・2019年5月 ゆめマート南小野田(山口県山陽小野田市)
・2019年 夏 ゆめマート青山(仮称)(北九州市八幡西区)
これらにより、お客様の満足を実現するとともに、地域ドミナントの更なる拡大・深耕を図っていくことで、経営効率を高め、より一層の企業成長に繋げてまいります。なお、次期における当社の既存店売上高の前年比は101.0%を見込んでいます。
また、連結子会社各社はその事業領域を明確にし、相互に補完することで、イズミグループとしての収益向上と成長を目指してまいります。小売事業を中核とし、無駄のないスリムなグループ構造を維持すると同時に、その他関連事業とのシナジー効果を追求してまいります。そして、お客様ニーズの変化へ適切に対応できる組織・人材の養成と、競争優位な分野への経営資源の選択的投資により、独自の付加価値を創造し、企業価値の着実な増大を図ってまいります。さらに、地域に密着した企業として、経済、環境、雇用、文化への貢献を果たしてまいります。
なお、ブランド戦略の統一化を図るため、1974年設立以来加盟しておりました、日本流通産業株式会社(大阪市中央区、代表取締役社長:夏原 平和)が運営するニチリウグループを2020年2月20日をもって退会することとしました。当社は、株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区、代表取締役社長:井阪 隆一)と2018年4月に業務提携を締結し、「両社グループが有する経営資源の有効活用による企業価値の向上」を図るべく協議を進めており、すでに一部商品の共同調達、福山店の営業引継ぎ、電子マネーの相互開放等、提携内容を具現化させています。
このたびのニチリウグループ退会に伴い、業務提携の検討項目の一つであるプライベートブランド「セブンプレミアム」の取扱いにつきましても、現在、導入に向けて両社で具体的な協議を進めています。市場から高い評価を得ている「セブンプレミアム」の導入は当社の企業価値をさらに向上させ、「安全・安心な高品質商品をお客さまに提供していく」という当社方針の実現に大きく貢献するものと考えています。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、企業部門主導の成長をはじめとして緩やかな景気回復が続いた一方、相次いだ自然災害による国内経済への影響や米中の通商問題から世界経済の先行きには不透明感が高まっています。足元では企業業績の成長鈍化も懸念され、家計部門では賃金の伸びが不十分な状況下で、物価上昇による可処分所得の落ち込みなどにより生活者の日常への消費意欲は低調に推移しました。
「平成30年7月豪雨」により、当社グループにおいては被災地域の一部店舗で被害を受けました。広島県内2店舗、岡山県内1店舗の計3店舗において、店内浸水等による被害が発生し、うち2店舗については早期に営業を再開した一方、当社の1店舗を閉店しました。さらに、被災地救援を目的としての支援活動、これら3店舗を除くグループ199店舗において災害義援金募金活動を展開し、1日も早い被災地の復興に向けた取り組みに注力しました。
このような状況の下、当社グループにおいては、“日本一の高質リージョナル総合スーパー”を目指し、「中期経営計画(2019年2月期から2021年2月期)」を策定しています。既存事業の競争力の更なる強化を図るとともに、成長分野への経営資源の重点投入を推し進めました。当期は同計画の初年度にあたり、これまで以上に積極的な成長戦略、競争力強化、人材育成の施策を打ち出すとともに、当社においては機構改革として「未来創造推進部」を設置しました。販売促進、お客様サービス、店舗業務の生産性改善、情報システムを一気通貫にデジタル化を推進することを通じて、将来のあるべき小売業の姿を再定義する取り組みをスタートさせました。
これらの結果、当期の営業成績は、以下のとおりとなりました。
| 金額 | 前期比 | |
| 営業収益 | 732,136百万円 | 0.3%増 |
| 営業利益 | 35,273百万円 | 8.3%減 |
| 経常利益 | 35,099百万円 | 8.1%減 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 23,488百万円 | 12.8%減 |
営業成績の主な増減要因
a.営業収益及び売上総利益
営業収益のうち、売上高は前期比1,412百万円(0.2%)増加し、697,679百万円となりました。また、営業収入は前期比865百万円(2.6%)増加し、34,457百万円となりました。これは、既存店売上が伸び悩んだ一方、主に当期及び前期における新設店舗が稼動したことにより販売増となりました。
売上総利益は、153,571百万円(前期比512百万円増)となりました。売上高対比では22.0%となり前期に比べて横ばいとなりました。
b.販売費及び一般管理費並びに営業利益
販売費及び一般管理費については、経費抑制に努めた一方、主に人件費及び当期の新設店舗の創業経費等の増加により、前期比4,591百万円(3.1%)増加の152,754百万円となりました。売上高対比では21.9%となり前期に比べて0.6ポイント上昇しました。
これらの結果、営業利益は前期比3,213百万円(8.3%)減少の35,273百万円となり、売上高対比は5.1%と前期に比べて0.4ポイント低下しました。
c.営業外損益及び経常利益
営業外収益は、前期比44百万円(2.8%)減少の1,518百万円となりました。一方、営業外費用は、支払利息の減少等により前期比148百万円(8.1%)減少の1,692百万円となりました。
これらの結果、経常利益は前期比3,108百万円(8.1%)減少の35,099百万円となりました。売上高対比は5.0%と前期に比べて0.5ポイント低下しました。
d.特別損益、法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、補助金収入1,112百万円、保険金収入309百万円を計上したことなどにより、1,480百万円となりました(前期比963百万円の減少)。一方、特別損失は、出資金評価損1,029百万円、「平成30年7月豪雨」に起因する災害による損失360百万円及び復興寄付金450百万円、減損損失654百万円を計上したことなどにより、3,085百万円となりました(前期比1,636百万円の増加)。
法人税等は9,894百万円となりました(前期比2,007百万円の減少)。
非支配株主に帰属する当期純利益は111百万円となりました(前期比258百万円の減少)。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比3,443百万円(12.8%)減少の23,488百万円となりました。売上高対比は3.4%と前期に比べて0.5ポイント低下しました。
各セグメントの業績
■営業収益
| 前期 (2017年3月~2018年2月) | 当期 (2018年3月~2019年2月) | 増減(金額) | 増減(率) | |
| 小売事業 | 710,545百万円 | 712,410百万円 | 1,864百万円 | 0.3% |
| 小売周辺事業 | 98,839百万円 | 96,924百万円 | △1,915百万円 | △1.9% |
| その他 | 5,273百万円 | 5,332百万円 | 59百万円 | 1.1% |
| 調整額 | △84,800百万円 | △82,530百万円 | 2,269百万円 | ― |
| 合計 | 729,857百万円 | 732,136百万円 | 2,278百万円 | 0.3% |
■営業利益
| 前期 (2017年3月~2018年2月) | 当期 (2018年3月~2019年2月) | 増減(金額) | 増減(率) | |
| 小売事業 | 33,397百万円 | 30,224百万円 | △3,172百万円 | △9.5% |
| 小売周辺事業 | 4,366百万円 | 4,183百万円 | △183百万円 | △4.2% |
| その他 | 1,052百万円 | 1,086百万円 | 34百万円 | 3.3% |
| 調整額 | △329百万円 | △220百万円 | 108百万円 | ― |
| 合計 | 38,487百万円 | 35,273百万円 | △3,213百万円 | △8.3% |
a.小売事業
主力の小売事業においては、行動指針である“お客様のために尽くす”のもと、リアル店舗としての付加価値提案力を高めることでお客様満足の追求に努めてまいりました。
「平成30年7月豪雨」により、当社グループにおいては被災地域の一部店舗で被害を受けました。広島県内2店舗、岡山県内1店舗の計3店舗において、店内浸水等による被害が発生し、うち2店舗については早期に営業を再開した一方、当社の1店舗を閉店しました。さらに、被災地救援を目的としての支援活動、これら3店舗を除くグループ199店舗において災害義援金募金活動を展開し、1日も早い被災地の復興に向けた取り組みに注力しました。
商品面では、品質・価格の両面で競争力のある品揃えを追及するMD戦略“いいものを安く”の領域の拡大を図るとともに、既存領域の掘下げにより顧客価値の創造を推し進めました。高品質で付加価値の高い商品カテゴリーの掘下げを行うとともに、依然デフレマインドの残る消費者の暮らしに対する不安を払拭すべく価格対応を強化しました。
店舗面では、8月に合同会社西友より譲り受けた2店舗を、それぞれ10月に「ゆめタウン下松(山口県下松市)」、12月には「ゆめタウン姫路(兵庫県姫路市)」として開業しました。さらに、食品スーパー業態では、9月に「ゆめマート城野(北九州市小倉南区)」、11月には「ゆめマート久米(岡山市北区)」及び「ゆめマート木太(香川県高松市)」を計画どおり開業しました。既存店の活性化としては、4月に「ゆめタウン徳島(徳島県板野郡藍住町)」及び「ゆめタウン行橋(福岡県行橋市)」をリニューアルオープンさせ、販売は堅調に推移しています。「ゆめタウン徳島」では、四国・徳島初出店の旬なショップを軸に定借区画全体の6割超に達する区画を改装しました。また、三世代共通の需要である「食」の機能を充実させるとともに快適に過ごせる空間づくりとしてフードコート、レストラン、カフェの充実を図りました。
また、4月5日付で株式会社セブン&アイ・ホールディングスとの間で、業務提携に関する合意書を締結しました。マスメリットの獲得やドミナントの拡充に向けて実効性のある多くの取組みを想定し、有形無形の様々な効果を具現化していくための協議を開始しました。
これらの取り組みに対して販売動向は、依然デフレマインドの残る消費者の節約志向の強まりや天候不順などによる客数の低下を主因として軟調に推移しました。春先には、引っ越し難民の影響から新生活関連の販売が伸び悩むなど厳しい状況が続きました。一方、食料品分野で「これ旨」など付加価値が高く差別化となる商品開発などに努めるとともに、5月には購買頻度の高いコモディティを中心に値下げする「毎日のくらし応援! ザ・値下げ 最大 340品目」を開始しました。夏場以降は、お中元等のギフト需要が堅調に推移した一方、豪雨災害や度重なる台風襲来による不要不急の消費を控える動きが強まり難しい局面が続きました。このような環境は秋口に入ってからも継続し、昨年同時期の気温低下に対しても期間を通じて温暖な気候で推移したことで、衣料品等の季節商材の販売が伸び悩みました。冬場に入ると、食料品分野では地域の旬な名産品をラインナップしたお歳暮ギフトなど、ハレの日商材や企画が堅調に推移した一方で、青果物の市況悪化が販売価格を低下させました。これらの結果、当期における当社の既存店売上高は前年同期比では0.6%減となりました。
コスト面では、商品仕入において原価低減及びロスの抑制を引き続き推進し、売上総利益率の改善に努めました。また、販売費及び一般管理費については、経費抑制に努めた一方、主に人件費及び当期の新設店舗の創業経費等が増加しました。
これらの結果、営業収益は712,410百万円(前期比0.3%増)、営業利益は30,224百万円(前期比9.5%減)となりました。
b.小売周辺事業
小売周辺事業では、電子マネー「ゆめか」・クレジットカードにおける新規会員獲得、並びに小売事業の主力店舗「ゆめタウン」などの入居テナントをはじめとした外部加盟店での取扱いを拡大することで、取扱高の拡大を図りました。これにより、「ゆめか」の累計発行枚数は前期末における684万枚から当期末では752万枚に達し、当社グループにおけるカード戦略が一層深まりました。10月には、当社グループが営業展開する西日本エリア(12県)における当社グループ店舗(193店舗:2018年9月末現在)並びにセブン‐イレブン店舗(4,087店舗:2018年9月末現在)において、電子マネー「ゆめか」と「nanaco」の相互利用を開始しました。顧客利便性を高めることで利用頻度の向上を図り、小売事業への集客及び店舗間の相互送客を図るとともに、レジ業務の生産性改善に繋げました。
これらの結果、営業収益は96,924百万円(前期比1.9%減)、営業利益は4,183百万円(前期比4.2%減)となりました。
c.その他
卸売事業では、堅調な販売と継続的な原価低減により利益水準が改善しました。また、不動産賃貸事業では安定的な賃料収入を計上しました。
これらの結果、営業収益は5,332百万円(前期比1.1%増)、営業利益は1,086百万円(前期比3.3%増)となりました。
財政状態の分析
当期末における総資産、負債及び純資産の残高、前期末対比の増減額及び主な増減理由は以下のとおりです。
| 前期末 (2018年2月28日) | 当期末 (2019年2月28日) | 増減 | |
| 総資産 | 479,867百万円 | 485,173百万円 | 5,306百万円 |
| 負債 | 285,015百万円 | 273,626百万円 | △11,388百万円 |
| 純資産 | 194,851百万円 | 211,546百万円 | 16,695百万円 |
総 資 産
・当期の設備投資額は21,507百万円であり、これは主に店舗新設等によるものです。有形固定資産は、減価償却実施後で4,572百万円増加しました。
・受取手形及び売掛金は、クレジット取扱高の増加等により2,539百万円増加しました。
負 債
・支払手形及び買掛金は、信販会社のシステム障害に伴う未請求残高に対する当期の決済等で3,373百万円減少しました。
・未払法人税等は、課税所得の減少等により3,800百万円減少しました。
・短期借入金及び長期借入金は、8,945百万円減少しました。
純 資 産
・利益剰余金は、内部留保の上積みにより17,579百万円増加しました。
・これらの結果、自己資本比率は41.2%となり、前期末の38.1%に比べて3.1ポイント上昇しました。
② キャッシュ・フローの状況
当期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
| 前期 (2017年3月~2018年2月) | 当期 (2018年3月~2019年2月) | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 42,592百万円 | 33,642百万円 | △8,950百万円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △29,067百万円 | △19,101百万円 | 9,965百万円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △15,477百万円 | △14,793百万円 | 684百万円 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、税金等調整前当期純利益33,495百万円及び減価償却費15,862百万円です。
・主な支出項目は、法人税等の支払額13,887百万円、仕入債務の減少額3,373百万円及び売上債権の増加額2,539百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フロー
・主な支出項目は、有形固定資産の取得による支出17,378百万円です。これは主に、店舗新設等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、長期借入れによる収入19,500百万円です。
・主な支出項目は、長期借入金の返済による支出29,521百万円及び配当金の支払額5,732百万円です。
以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期末対比252百万円減少し、8,136百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 営業収益(百万円) | 前期比(%) |
| 小売事業 | 712,410 | 0.3 |
| 小売周辺事業 | 96,924 | △1.9 |
| その他 | 5,332 | 1.1 |
| 小計 | 814,667 | 0.0 |
| 調整額 | △82,530 | ― |
| 合計 | 732,136 | 0.3 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.仕入実績
当期における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前期比(%) |
| 小売事業 | 538,185 | 0.2 |
| 小売周辺事業 | 68,790 | △3.5 |
| その他 | 2,958 | 2.1 |
| 小計 | 609,935 | △0.3 |
| 調整額 | △73,304 | ― |
| 合計 | 536,630 | 0.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要は、主に商品・原材料仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、投資資金需要は、店舗の新設及び改装等によるものです。これらに対しては、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れ等により充当しています。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
小売業界におきましては、マーケットの成熟化と競争激化など引き続き経営環境は楽観できないものと予想されますが、当社では、お客様のニーズを見極め、地域特性へのきめ細かな対応を図ると同時に、品揃え・鮮度・買い易さなどあらゆる面での売場レベルの向上に努め、快適で楽しい売場を実現してまいります。
当社グループにおきましては、2017年10月に中期経営計画(2019年2月期から2021年2月期)を公表しました。“日本一の高質リージョナル総合スーパーを目指す”とした経営ビジョンを掲げ、小売業界の厳しい経営環境をむしろチャンスと捉えるとともに、外部環境の変化に対応し一段の成長と企業価値の向上を果たすべく、これまで以上に積極的な成長戦略、競争力強化、人材育成の施策を打ち出し、推進してきました。
今後の見通しにつきましては、海外経済の減速を背景とした輸出の低迷により、これまで経済成長を支えてきた企業の利益成長が鈍化することで経済成長は停滞色を強めていくことが懸念されます。消費増税に対しては、政府による大規模な対策が打ち出されることから、家計への影響は1997年度・2014年度の増税時を下回ると考えられます。しかしながら、家計部門の厳しい状況に変わりはなく、個人消費は引き続き低調に推移することが想定されます。また、人手不足による採用難で人員確保が深刻な課題となってきています。さらに、建築コストの高騰に伴う新規出店に掛かる採算見通しの低下が課題となっています。
このような状況下において、当社グループは、中期経営計画の初年度の環境悪化の状況はしばらく続くものと判断し、2017年10月10日に公表しました中期経営計画を修正しました。詳細につきましては、2019年4月9日に公表しました「中期経営計画の見直しに関するお知らせ」をご参照ください。
なお、店舗展開では、株式会社イトーヨーカ堂よりショッピングセンター1店舗の営業を引き継ぎ、「ゆめタウン福山(仮称)」(広島県福山市)として開業いたします。2019年3月の物件引継ぎ後に改装工事を経て、2019年初夏には全館オープンを目指します。また、食品スーパー業態では4店舗を新規出店する予定です。
・2019年3月 ゆめタウン福山(仮称)(広島県福山市) ※ 2019年初夏にグランドオープン予定
・2019年4月 ゆめマート日田(大分県日田市)
・2019年4月 ゆめマート三田尻(山口県防府市)
・2019年5月 ゆめマート南小野田(山口県山陽小野田市)
・2019年 夏 ゆめマート青山(仮称)(北九州市八幡西区)
これらにより、お客様の満足を実現するとともに、地域ドミナントの更なる拡大・深耕を図っていくことで、経営効率を高め、より一層の企業成長に繋げてまいります。なお、次期における当社の既存店売上高の前年比は101.0%を見込んでいます。
また、連結子会社各社はその事業領域を明確にし、相互に補完することで、イズミグループとしての収益向上と成長を目指してまいります。小売事業を中核とし、無駄のないスリムなグループ構造を維持すると同時に、その他関連事業とのシナジー効果を追求してまいります。そして、お客様ニーズの変化へ適切に対応できる組織・人材の養成と、競争優位な分野への経営資源の選択的投資により、独自の付加価値を創造し、企業価値の着実な増大を図ってまいります。さらに、地域に密着した企業として、経済、環境、雇用、文化への貢献を果たしてまいります。
なお、ブランド戦略の統一化を図るため、1974年設立以来加盟しておりました、日本流通産業株式会社(大阪市中央区、代表取締役社長:夏原 平和)が運営するニチリウグループを2020年2月20日をもって退会することとしました。当社は、株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区、代表取締役社長:井阪 隆一)と2018年4月に業務提携を締結し、「両社グループが有する経営資源の有効活用による企業価値の向上」を図るべく協議を進めており、すでに一部商品の共同調達、福山店の営業引継ぎ、電子マネーの相互開放等、提携内容を具現化させています。
このたびのニチリウグループ退会に伴い、業務提携の検討項目の一つであるプライベートブランド「セブンプレミアム」の取扱いにつきましても、現在、導入に向けて両社で具体的な協議を進めています。市場から高い評価を得ている「セブンプレミアム」の導入は当社の企業価値をさらに向上させ、「安全・安心な高品質商品をお客さまに提供していく」という当社方針の実現に大きく貢献するものと考えています。