有価証券報告書-第59期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

【提出】
2020/05/28 15:11
【資料】
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【項目】
156項目
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年5月28日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、緩やかな景気回復途上にあるとされた一方で、米中の通商問題などに加え、新型コロナウイルス感染症の蔓延がグローバルな生産活動に影響を与え、世界経済の行方に不透明感が漂っています。家計においては、賃金の伸び悩みや年金への将来不安などから価格への意識が高まる中、消費増税を境に節約ムードが強まるとともに、不要不急の消費を控える動きが強まりました。
このような状況の下、当社グループにおいては、“日本一の高質リージョナル総合スーパーを目指す”とした経営ビジョンを掲げた「中期経営計画(2019年2月期から2021年2月期の3カ年)」を策定・推進してきました。しかしながら、軟調な消費環境や人手不足による採用難、さらには建築コストの高騰等により、新規出店の採算見通し低下といった懸案を踏まえ、2年目に当たる当期4月に当該中期経営計画の数値目標を下方修正しました。経営ビジョン等の基本的な考え方は変更せず、新規出店計画をやや抑制する一方で、既存店の活性化としてリニューアル投資、スクラップ&ビルド、デジタル・トランスフォーメーション及びM&A等への投資ウェイトを高め、これまで以上に収益性を重視した成長戦略の展開を開始しました。
これらの結果、当期の営業成績は、以下のとおりとなりました。
金額前期比
営業収益744,349百万円1.7%増
営業利益31,888百万円9.6%減
経常利益31,979百万円8.9%減
親会社株主に帰属する
当期純利益
19,953百万円15.1%減

営業成績の主な増減要因
a.営業収益及び売上総利益
営業収益のうち、売上高は前期比11,776百万円(1.7%)増加し、709,455百万円となりました。また、営業収入は前期比436百万円(1.3%)増加し、34,893百万円となりました。これは、主に当社における新設店舗の稼動及び増床・活性化店舗の販売増によるものです。
売上総利益は、156,103百万円(前期比2,532百万円増)となりました。売上高対比では22.0%となり前期に比べて横ばいとなりました。
b.販売費及び一般管理費並びに営業利益
販売費及び一般管理費については、新設店舗等のランニングコストが増加するとともに、主に人件費及び広告宣伝費が増加したことにより、前期比6,353百万円(4.2%)増加の159,108百万円となりました。売上高対比では22.4%となり前期に比べて0.5ポイント上昇しました。
これらの結果、営業利益は前期比3,385百万円(9.6%)減少の31,888百万円となり、売上高対比は4.5%と前期に比べて0.6ポイント低下しました。
c.営業外損益及び経常利益
営業外収益は、前期比34百万円(2.3%)減少の1,484百万円となりました。一方、営業外費用は、支払利息の減少等により前期比299百万円(17.7%)減少の1,393百万円となりました。
これらの結果、経常利益は前期比3,120百万円(8.9%)減少の31,979百万円となりました。売上高対比は4.5%と前期に比べて0.5ポイント低下しました。
d.特別損益、法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、固定資産売却益329百万円、補助金収入310百万円等を計上したことにより669百万円となりました(前期比811百万円の減少)。一方、特別損失は、減損損失1,146百万円、投資有価証券評価損486百万円、店舗閉鎖損失419百万円等を計上し、2,803百万円となりました(前期比281百万円の減少)。
法人税等は9,505百万円となりました(前期比389百万円の減少)。
非支配株主に帰属する当期純利益は385百万円となりました(前期比274百万円の増加)。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比3,535百万円(15.1%)減少の19,953百万円となりました。売上高対比は2.8%と前期に比べて0.6ポイント低下しました。
各セグメントの業績
■営業収益
前期
(2018年3月~2019年2月)
当期
(2019年3月~2020年2月)
増減(金額)増減(率)
小売事業712,410百万円722,910百万円10,500百万円1.5%
小売周辺事業96,924百万円94,949百万円△1,974百万円△2.0%
その他5,332百万円5,268百万円△64百万円△1.2%
調整額△82,530百万円△78,779百万円3,751百万円
合計732,136百万円744,349百万円12,212百万円1.7%

■営業利益
前期
(2018年3月~2019年2月)
当期
(2019年3月~2020年2月)
増減(金額)増減(率)
小売事業30,224百万円26,607百万円△3,617百万円△12.0%
小売周辺事業4,183百万円4,351百万円168百万円4.0%
その他1,086百万円1,064百万円△22百万円△2.1%
調整額△220百万円△134百万円86百万円
合計35,273百万円31,888百万円△3,385百万円△9.6%

a.小売事業
主力の小売事業においては、“お客様のために尽くすこと”、“全ての従業員が働き甲斐のある会社にする”、“絶えずより良い結果を目指して努力する”の3つの行動指針を掲げ、リアル店舗としての付加価値提案力を高めることでお客様満足の追求に努めてまいりました。
商品面では、引き続き「いいものを安く」をMD戦略のキーワードとし、ますます両極化していく消費動向にアプローチするため、付加価値創造とマスメリット追求の振り幅を広げ、双方の品揃え拡充・競争力強化を図りました。とりわけ、一層デフレマインドの強まる消費者の暮らし向きに対しては、購買頻度の高いコモディティを中心に価格対応することで集客を図りました。
店舗面では、ショッピングセンター業態として、5月に「ゆめタウン小野田(山口県山陽小野田市)」を閉店した一方、6月に「ゆめタウン福山(広島県福山市)」を開業しました。食品スーパー業態においては、4月に「ゆめマート日田(大分県日田市)」及び「ゆめマート三田尻(山口県防府市)」、5月には「ゆめマート南小野田(山口県山陽小野田市)」、7月には「ゆめマート青山(北九州市八幡西区)」を開業しました。また、既存店の活性化としては、6月に「ゆめタウン光の森(熊本県菊池郡)」で増床工事を終えリニューアルオープンを果たしました。9月には「ゆめタウン高松(香川県高松市)」において、「四国一、お客さまのよろこびの追求」をテーマにフードコートや食品売場、衣料品売場を改装しました。四国最大級のフードコート「FOOD CRUISE 瀬戸内島巡り」を中心に、イートイン、レストスペースの拡充を図ることで、ご家族三世代が集い・楽しみ・つながる新たなスポットとしての魅力度向上と買い回り面での利便性を一層強化しました。
また、11月12日付で、株式会社マルヨシセンターと資本業務提携契約を締結し、同社による第三者割当を引き受け、持分法適用会社とすることを発表しました。同社のもつ香川県を地盤とした食品スーパーマーケット店舗網で小商圏を、当社の大型ショッピングセンターのもつ足元・広域の商圏を一気にカバーすることで、四国地方におけるサービスを一体で充実させ、存在感をさらに発揮できると考えています。
これらの取り組みに対して販売動向は、消費増税後の消費意欲が弱含んで推移するなか、国内における新型コロナウイルスの感染拡大を受けた不要不急の外出を避ける動きが強まり、一層厳しい状況が続きました。
春先には、シューズフェア等の大型企画が奏功し、前年の引越し難民問題に起因する需給悪化が改善したほか、食料品では前年5月に実施した価格対応の反動で買上点数が減少した一方、青果の市況安が緩和されたことなどで衣住食各分野がそれぞれ堅調に推移しました。夏場には、ランドセル等の三世代需要の高まりにより好調だったほか、寝具関連で、消費税率引き上げを意識した購買も見られ押し上げとなりました。また、差別化カテゴリーの惣菜が好調であったことに加え、お中元等のギフト目的のご利用が進み、百貨店からの客層取り込みによる地域シェア向上が進展しました。一方、天候不順により、シーズン衣料の販売が低調であったことや、青果相場の下落により伸びが鈍化しました。
秋口以降、10月の消費増税を見越した駆け込み需要に対しては、寝具などの耐久消費財の買い替えや、酒類・日用雑貨のまとめ買いを喚起するなどして対応しました。一方、消費増税後に想定された買い控えに対しては、価格対応などによる集客策を打ち出すとともに、ハレの日商材や歳時企画などとの相乗効果を得るべく取り組みました。また、冬場には新型コロナウイルスの影響で外出を控えることで来店客数に影響した一方、保存の利く食料品や生活必需品などを中心に買い求める動きが急激に強まり、関連商品の品揃えを図ることで対応しました。しかしながら、増税後の買い控えが継続していることや、不要不急の来店頻度の減少などによる影響を受けました。これらの結果、当期における当社の既存店売上高は、前年同期比で0.9%減となりました。
コスト面では、商品仕入において原価低減及びロスの抑制を引き続き推進し、売上総利益率の改善に努めました。販売費及び一般管理費については、新設店舗等のランニングコストが増加するとともに、主に人件費及び広告宣伝費が増加しました。
これらの結果、営業収益は722,910百万円(前期比1.5%増)、営業利益は26,607百万円(前期比12.0%減)となりました。
b.小売周辺事業
小売周辺事業では、株式会社ゆめカードにおいて、電子マネー「ゆめか」及びクレジットカードの新規会員獲得、並びに小売事業の主力店舗「ゆめタウン」などの入居テナントをはじめとした外部加盟店での取扱いを拡大することで、収益の拡大を図りました。これにより、「ゆめか」の累計発行枚数は前期末における752万枚から当期末では811万枚に達し、当社グループにおけるカード戦略が一層深まりました。顧客利便性を高めることで利用頻度の向上を図り、小売事業への集客及び店舗間の相互送客を図るとともに、レジ業務の生産性改善に繋げました。また、食品製造子会社の株式会社ゆめデリカにおいて、来年度の稼働を目指して「本社・深川第二工場(仮称)」を起工しました。最新設備及び新技術の導入による供給体制の増強、より鮮度の高い商品提供が可能となることに加え、HACCPに対応した設備を整えることで、食の安全と更なる美味しさを両面から追求していきます。今後の店舗網拡大とローコストオペレーションに貢献するとともに、製品や製造工程の安全性及び雇用・労働問題等の経営課題に対応した施設を目指しています。
これらの結果、営業収益は94,949百万円(前期比2.0%減)、営業利益は4,351百万円(前期比4.0%増)となりました。
c.その他
卸売事業では、販売が低調に推移したことにより利益水準が低下しました。一方で、不動産賃貸事業では安定的な賃料収入を計上しました。
これらの結果、営業収益は5,268百万円(前期比1.2%減)、営業利益は1,064百万円(前期比2.1%減)となりました。
財政状態の分析
当期末における総資産、負債及び純資産の残高、前期末対比の増減額及び主な増減理由は以下のとおりです。
前期末
(2019年2月28日)
当期末
(2020年2月29日)
増減
総資産484,876百万円490,106百万円5,230百万円
負債273,329百万円263,841百万円△9,487百万円
純資産211,546百万円226,264百万円14,717百万円

総 資 産
・当期の設備投資額は17,514百万円であり、これは主に店舗新設等によるものです。有形固定資産は、減価償却実施後で673百万円減少しました。
・受取手形及び売掛金は、クレジット取扱高の増加等により6,608百万円増加しました。
・流動資産その他は、期末日が銀行休業日であったため、売上預け金が増加したこと等により1,351百万円増加しました。
負 債
・支払手形及び買掛金は、期末日が銀行休業日であったため、決済が翌月初に持ち越されたこと等により18,702百万円増加しました。
・未払金は、店舗新設に係る設備未払金の増加等により5,238百万円増加しました。
・短期借入金及び長期借入金は、34,005百万円減少しました。
純 資 産
・利益剰余金は、内部留保の上積みにより14,220百万円増加しました。
・これらの結果、自己資本比率は43.7%となり、前期末の41.2%に比べて2.5ポイント上昇しました。
② キャッシュ・フローの状況
当期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
前期
(2018年3月~2019年2月)
当期
(2019年3月~2020年2月)
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー33,642百万円57,681百万円24,039百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー△19,101百万円△16,693百万円2,408百万円
財務活動によるキャッシュ・フロー△14,793百万円△40,142百万円△25,349百万円

営業活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、税金等調整前当期純利益29,845百万円、減価償却費16,164百万円及び仕入債務の増加額18,708百万円です。
・主な支出項目は、売上債権の増加額6,570百万円及び法人税等の支払額9,448百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フロー
・主な支出項目は、有形固定資産の取得による支出15,266百万円です。これは主に、店舗新設等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、長期借入れによる収入11,000百万円です。
・主な支出項目は、短期借入金の減少額24,046百万円、長期借入金の返済による支出21,259百万円及び配当金の支払額5,732百万円です。
以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期末対比845百万円増加し、8,982百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称営業収益(百万円)前期比(%)
小売事業722,9101.5
小売周辺事業94,949△2.0
その他5,268△1.2
小計823,1281.0
調整額△78,779
合計744,3491.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.仕入実績
当期における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称仕入高(百万円)前期比(%)
小売事業543,2540.9
小売周辺事業65,094△5.4
その他2,890△2.3
小計611,2390.2
調整額△68,940
合計542,2981.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要は、主に商品・原材料仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、投資資金需要は、店舗の新設及び改装等によるものです。これらに対しては、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れ等により充当しています。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループにおきましては、2017年10月に中期経営計画(2019年2月期から2021年2月期)を公表しました。“日本一の高質リージョナル総合スーパーを目指す”とした経営ビジョンを掲げ、小売業界の厳しい経営環境をむしろチャンスと捉えるとともに、外部環境の変化に対応し一段の成長と企業価値の向上を果たすべく、これまで以上に積極的な成長戦略、競争力強化、人材育成の施策を打ち出しました。一方、その後の急激な外部環境変化は、今後当面続くとの見通しを踏まえ、計画を下方修正したうえで推進してきました。詳細につきましては、2019年4月9日に公表しました「中期経営計画の見直しに関するお知らせ」をご参照ください。中長期の企業価値向上を展望して、新規の設備投資は抑制しつつ、M&A、人材育成及びデジタル化への投資を拡大することで、既存事業の生産性を向上させ、筋肉質な企業体質を構築してまいります。これらにより、お客様の満足を実現するとともに、地域ドミナントの更なる拡大・深耕を図っていくことで、経営効率を高め、より一層の企業成長に繋げてまいります。
今後の見通しにつきましては、これまでのマクロ環境変化に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックにより、グローバルな生産活動に大きな影響が懸念されます。国内では、感染症発生当初の不要不急の外出を控えるという消費行動についても、今後は大規模災害時と同様に生活必需品への需要集中の一方、レジャーやサービス消費への需要消失など絶え間なく変化していくことが想定されます。こうした供給面、需要面で起きている問題は、すべての国・地域の経済活動への制約として影響を与えており、リーマンショックを超える世界的な景気後退が懸念されています。
このような状況下において、当社グループにおいては、食料品や生活必需品への急激な需要の高まりから食品スーパー業態での販売が伸びている一方、不要不急の来店を控える行動の強まりからショッピングセンター業態への来店が減少しています。また、2020年4月に政府によって発動された緊急事態宣言は解除されたものの、今後第2波の感染拡大やその長期化により、店舗の休業、本社の機能不全及びサプライチェーンの分断による商品供給体制の崩壊等が生じ、通常の営業が継続できなくなる可能性があります。地域の皆様や従業員の健康と安全を最優先に考え、安心して来店・就業できる環境整備や生活必需品の安定供給に手を尽くしてまいります。このことを通じて、新型コロナウイルス感染拡大防止を図るとともに事業継続計画(BCP)の推進に努め、地域のライフラインとしての役割を果たしていくとともに、業績悪化リスクへの対応として在庫削減及びコスト削減を断行してまいります。このような状況を踏まえ、現時点では、業績に影響を与える未確定要素が多数存在することから、業績予想を適正かつ合理的に算定することが困難と判断し、未定としております。なお、今後、業績予想の算定が可能となった段階で、速やかに公表いたします。

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