有価証券報告書-第63期(平成27年2月21日-平成28年2月20日)

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2016/05/16 11:44
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度のわが国の経済は、政府の経済政策及び日銀の金融緩和策の効果が浸透して幅広い業種で企業業
績の回復が続いてきており、製造業を中心とする工場設備の国内回帰などから設備投資は全般に増加傾向となり、景気は好転してきております。一方で、世界に目を向けますと、中国経済の急激な減速は世界経済の大きな不安要
素であり、資源国の経済を直撃した原油価格の大幅下落はやや落ち着きを取り戻したものの、中東の内戦と欧州へ
の難民流入問題、フランスやベルギーの同時多発テロなど、世界は経済・政治ともに出口の見通せない不安定な情
勢が広まっております。
1)当連結会計年度の消費環境の概要
①企業業績の回復から雇用環境は、有効求人倍率の上昇や失業率の改善でもわかる通り大幅に改善しておりま
す。一方で、家計の実収入及び可処分所得は、9月から減少に転じ、消費支出も歩調を合わせマイナスの状況
が続くなど、平成26年の消費増税後から回復しつつあった個人消費は足踏みが見られております。
②衣料品の消費に大きな影響を及ぼす天候は、春先に大雪はあったものの、夏から秋口まで概ね恵まれた状況が
続きましたが、11月に入ると全国的に気温の高い日が続き、その後の記録的な暖冬は冬物・防寒物の販売を直
撃し、消化のため割引率拡大で対応するなど、衣料品販売においては異常気象に一喜一憂した年となりまし
た。
2)当社グループの状況
このような消費環境のもと、当社グループは“2,000店舗、変革の年”を当期の統一テーマとし、グループで
2,000店舗となる節目に従来の仕組みを大幅に変革し、更なる業務の単純化・標準化を進め、ローコスト運営を徹
底し業績の向上に努めてまいりました。
3)主力のしまむら事業
①当連結会計年度は、商品コントロールの変革を目指して、商品展開スケジュールと在庫管理技術の精度向上を
進め、あるべき季節商品の導入から最終処理までの責任と権限の明確化を図りました。
②プライベートブランド「CLOSSHI(クロッシー)」は、高品質でベーシックアイテムの裏地あったかパンツを婦
人・紳士・子供部門で展開し、売場づくり、チラシ、テレビCMを連動させることでコア商品としてブランド認
知度を大きく高め、業績を拡大させました。
③当連結会計年度は26店舗を開設し、1店舗を閉店、1店舗で業態変更による閉店を行いました。この内17店舗
が東京都をはじめとする都市部への出店で、引き続き都市部への店舗開発に力を入れております。さらに、既
存6店舗の建替えと12店舗で大規模な改装、76店舗で省エネ対応型の改装を実施した結果、しまむら事業の店
舗数は1,345店舗となり、売上高は前年同期比6.5%増の4,411億52百万円となりました。
4)アベイル事業
若者向けの感度の高いファッションを扱うアベイル事業は、商品構成の変革を目指し、ナショナルブランド商
品の取り扱いを拡大し、アウターからシューズ・服飾雑貨を含めたトータルコーディネートの提案力を向上させ
お客様の購買額を引き上げるべく、全店舗を新しいレイアウトに変更しました。
当連結会計年度は13店舗の開設と6店舗の業態変更による閉店を行いました。さらに、1店舗の大規模改装と
13店舗で省エネ対応型の改装を実施した結果、店舗数は296店舗となり、売上高は前年同期比0.9%減の495億円と
なりました。
5)バースデイ事業
ベビー・子供用品を扱うバースデイ事業は、商品開発の進化による品揃えの変革を目指し、アウターではデザ
イン・素材にこだわり、「高品質・高機能で子供に優しい商品」をコンセプトにした新プライベートブランド
「Birthday+(バースデイ プラス)」の展開がお客様の支持を受け、既存の「futafuta(フタフタ)」ブランド
も好調が続き、業績の向上につながりました。
当連結会計年度も業容の拡大を目指して36店舗を開設し、店舗数は210店舗となりました。さらに、1店舗で
大規模改装、1店舗で省エネ対応型の改装を実施した結果、売上高は前年同期比23.5%増の385億52百万円となり
ました。
6)シャンブル事業
女性のファッション雑貨を扱うシャンブル事業は、「おしゃれ生活空間」をトータルで提案するため、アウタ
ーと雑貨の2部体制であった商品仕入部門を1部体制に集約し、トータルの品揃えにより売場全体の提案力を強
化しました。
当連結会計年度は9店舗の開設と2店舗の業態変更による閉店を行いました。さらに、2店舗で省エネ対応型
の改装を実施した結果、店舗数は91店舗となり、売上高は前年同期比2.2%増の100億31百万円となりました。
7)ディバロ事業
女性を主たる顧客層としたファミリー靴専門店のディバロ事業は、婦人靴が強い専門店として、国産商品の取
り扱いを増やし、商品グレードの引き上げに努めました。
当連結会計年度は2店舗を開設した結果、店舗数は20店舗となり、売上高は前年同期比11.0%増の9億80百万
円となりました。
8)以上の結果、当連結会計年度の日本国内の業績は、売上高5,402億16百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益
404億66百万円(同9.1%増)、経常利益413億91百万円(同5.9%増)、当期純利益は247億96百万円(同6.5%
増)となりました。
9)思夢樂事業
台湾で事業展開する思夢樂は、輸入規制緩和に対応して、日本企画での中国生産品の直接輸入を拡大させて商
品力を高め、また、Web・アプリを活用した販促の強化による認知度の向上により、業容の拡大に努めました。
当連結会計年度は2店舗を開設し、店舗数は39店舗となりました。さらに、1店舗の建替えと4店舗で大規模
改装を実施した結果、売上高は前年同期比5.1%増(NT$ベース)の15億3百万NT$(51億13百万円)となりまし
た。
10)飾夢楽事業
中国で事業展開する飾夢楽は、上海経済圏で速やかに30店舗の店舗網を築いて、中国の消費者に支持される商
品構成での生産ロットを確保するための店舗開発に力を注ぎました。
当連結会計年度は7店舗を開設し、1店舗を閉店した結果、店舗数は14店舗となり、売上高は前年同期比47.0
%増(RMBベース)の39百万RMB(7億28百万円)となりました。
11)以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高5,460億58百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益399億13
百万円(同8.4%増)、経常利益407億9百万円(同5.5%増)、当期純利益は247億47百万円(同6.3%増)となり
ました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び新規出店等による投資活動、ならびに財務活動を行った結果、当連結会計年度末の資金残高が、前連結会計年度末に比べ480億7百万円増加し、719億43百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、237億20百万円(前年同期比54億49百万円の減少)となりました。
これは、法人税等の支払額132億46百万円、たな卸資産の増加額104億13百万円、その他の流動資産の増加額30億82百万円等に対し、税金等調整前当期純利益391億42百万円、減価償却費58億49百万円、仕入債務の増加額46億64百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は、335億4百万円(前年同期は413億39百万円の支出)となりました。
これは、有価証券の償還による収入1,550億2百万円、定期預金の払戻による収入160億円等に対し、有価証券の取得による支出1,100億円、有形固定資産の取得による支出216億円91百万円、定期預金の預入による支出80億円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、91億18百万円(前年同期比3億3百万円の増加)となりました。
これは、配当金の支払額71億67百万円、長期借入金の返済による支出20億円等によるものです。