有価証券報告書-第51期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 10:01
【資料】
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の経済概況は、英国のEU離脱問題、中国を始めとする新興国の停滞や米国の新政権への移行などにより為替及び株価ともに乱高下しましたが、国内においては政府の経済政策や日銀の金融緩和もあり、設備投資や雇用環境に改善が見られ、緩やかな回復基調で推移しました。
外食産業を取り巻く環境は、人材不足による人件費高騰や競合他社による積極的な出店による影響により顧客獲得に向けた企業間競争は激化しており厳しい経営環境に直面しています。
このような環境下で当社では、当期は設立から50年の節目の年であり、「新3ヶ年中期経営計画」を始動いたしました。初年度である当期は2年目以降における成長ステージの礎となるシーズを生み出す年度として、「主力事業であるレストラン事業の収益力の強化」「ホールディングス機能の強化によるグループ収益力の強化」「投資案件への積極的な取り組み」「グローバル展開」を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度につきましては、売上高394億9百万円(前年同期比8億56百万円増)、営業利益4億12百万円(前年同期比42百万円減)、経常利益4億34百万円(前年同期比27百万円減)、固定資産売却益4億56百万円及びレストラン店舗設備の減損損失2億8百万円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4億25百万円(前年同期比55百万円増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(レストラン事業)
既存店の業績回復を柱に、業績不振店舗の改装・業態変更を推進いたしました。その結果、新規出店4店舗(前年同期12店舗)、退店32店舗(前年同期19店舗)を行い、当連結会計期年度における店舗数は40都道府県に410店舗となりました。改装は26店舗実施し、このうち7店舗の業態変更を行いました。既存店舗の売上は順調に推移し、コストコントロールの効果も及び増収増益となりました。
[うどん部門]
主力業態の「杵屋」では、ビジネス立地店舗で新たにビジネスランチを投入、クイックな商品提供により客数が増加し好調に推移しております。また、高付加価値商品の投入により客単価も微増いたしました。セルフうどんの「麦まる」「杵屋麦丸」では、客単価が上昇し原材料費の低減等により増益となりました。しかしながら、契約満了による退店等の影響により、部門全体としては減収減益となりました。
当連結会計年度は、「杵屋」については退店9店舗(内 社内委託制度への移管4店舗)、「そじ坊」への業態変更2店舗及び「叶家」への業態変更1店舗、「麦まる」については退店4店舗、「杵屋麦丸」については退店2店舗、「めん坊」については退店1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は105億63百万円(前年同期比4.1%減)となりました。
[そば部門]
「杵屋」と並ぶ主力業態の「そじ坊」では、特に季節メニューのタイムリーな導入により客単価が上昇し、来店客数の回復もあり増収となりました。低価格業態の「おらが蕎麦」では、ランチタイムにおいて大幅に来店客数増となり増収となりました。前期末に出店した兵庫県西宮市の割烹そば「神田」は今期好調に推移いたしました。新規出店につきましては大阪市、兵庫県明石市に「そじ坊」を出店いたしました。また、他部門の不採算店舗を「そじ坊」、「おらが蕎麦」等のそば業態に業態変更し、いずれも現在好調に推移しております。しかしながら新規出店や退店に係る経費が利益を圧迫し、部門全体では増収ではありますが減益となりました。
当連結会計年度は、「そじ坊」については出店2店舗、「おらが蕎麦」への業態変更1店舗、「おらが蕎麦」については退店5店舗(内 社内委託制度への移管1店舗)を行いました。この結果、当部門の売上高は117億32百万円(前年同期比6.0%増)となりました。
[洋食部門]
サンドウイッチ業態の「グルメ」では、50周年記念ペアサンドウイッチメニュー等販売促進が好評であったことに加え、空港ターミナルの店舗ではアジア圏からのインバウンド観光客の増加により売上が好調に推移いたしました。「しゃぽーるーじゅ」及び「ロムレット」では、グランドメニューの改定時にフレンチシェフ考案の創作オムライス等の高付加価値商品を導入し、専門店としてより独自性の強い業態として確立できたことにより既存店舗は増収となりました。しかし部門全体では、不振店舗の退店により減収となりました。
当連結会計年度は、「しゃぽーるーじゅ」の退店1店舗、「ブレッツカフェクレープリー」の退店1店舗を行いました。この結果、当部門の売上高は13億63百万円(前年同期比9.0%減)となりました。
[和食部門]
丼業態の「丼丼亭」では高付加価値の季節商品の投入やサイドメニューとのセット販売効果で客単価が上昇したことに加え、業態のブラッシュアップにより収益力改善が進み、新規出店と業態変更で3店舗出店したことにより増収となりました。牛たん業態の「もりの屋」では、不振店舗2店を退店及び業態変更し3店舗体制となりましたが、主要食材の品質改善と商品のラインナップを充実したことにより黒字業態となりました。
当連結会計年度は、「丼丼亭」については出店1店舗、退店2店舗(内 社内委託制度への移管1店舗)、「天亭」については「丼丼亭」への業態変更1店舗、「もりの屋」については退店1店舗及び「丼丼亭」への業態変更1店舗をそれぞれ行いました。この結果、当部門の売上高は17億71百万円(前年同期比6.2%増)となりました。
[アジア部門その他]
韓国料理業態の「シジャン」では、グランドメニュー及びセットメニューの変更、基幹商品の品質の向上により来店客数が大幅に増加し、既存店舗の売上高が2期連続で前期実績を上回りました。更に原材料費等のコストコントロールの効果もあり、業態として4期ぶりに営業黒字に回復することができました。タイ料理業態では、「ティーヌン」の業績は堅調に推移し、移転増床改装した「サイアムオーキッド」は大変好調に推移いたしました。しかし部門全体では「シジャン」の不振店舗退店の影響により減収増益となりました。
当連結会計年度は、「シジャン」について退店6店舗、「おらが蕎麦」への業態変更1店舗を行いました。また、東京ビッグサイトのファストフードレストラン「東京ベイキッチン」の出店1店舗を行いました。この結果、当部門の売上高は26億79百万円(前年同期比5.9%減)となりました。
(機内食事業)
㈱エイエイエスケータリングの関西国際空港の機内食工場においては、平成27年11月に発生したパリ同時多発テロ以降ヨーロッパ及び中東における航空会社の乗客数は回復の兆しが見えないなかで新規顧客の獲得等により増収となりました。また原材料費及び労務費等のコストコントロールの効果が及ばなかったこと及び福岡新規工場の開業準備に伴うコストアップ等により減益となりました。
(業務用冷凍食品製造事業)
㈱アサヒケータリングにおいては、本社工場の冷凍食品の製造受注が大幅に増加し増収になりましたが、本社工場維持コストアップ等により減益となりました。
(不動産賃貸事業)
大阪木津市場㈱の地方卸売市場の入居率が改善した結果、増収増益となりました。
(運輸事業)
水間鉄道㈱においては、鉄道及びバス旅客数が減少したことにより減収となりました。また、コストコントロールの効果も及ばず減益となりました。
(その他)
大阪木津市場㈱で展開しております水産物卸売事業は、魚介の卸売数量が減少し減収になりましたが、コストコントロールの効果が及び増益となりました。日本食糧卸㈱で展開しております米穀卸売事業は値上げの効果により増収になりましたが、仕入単価の上昇により減益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6億90百万円(前年同期は10億90百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6億71百万円、減価償却費8億32百万円、未払消費税等の3億8百万円減少及びたな卸資産1億77百万円及び売上債権98百万円の増加、法人税等の支払額87百万円及び利息の支払額1億3百万円の計上等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1億94百万円(前年同期は8億46百万円の使用)となりました。遊休不動産等の売却による収入5億93百万円、機内食事業における新設福岡工場の建設等及びレストラン店舗の新店、改装等に伴う有形固定資産の取得による支出9億62百万円、差入保証金の差入による支出56百万円、退店による差入保証金の回収による収入3億2百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13億63百万円(前年同期は62百万円の使用)となりました。社債の発行による収入11億50百万円、社債の償還による支出1億90百万円、短期借入れによる収入8億80百万円、短期借入金の返済による支出9億80百万円、長期借入れによる収入13億75百万円、長期借入金の返済による支出32億46百万円及び配当金の支払額2億70百万円等を反映したものであります。
以上により、当連結会計年度における連結ベースの資金の減少額8億67百万円(前年同期は1億82百万円の増加)により、当連結会計年度末残高は63億58百万円となりました。