四半期報告書-第45期第3四半期(平成29年9月1日-平成29年11月30日)

【提出】
2018/01/11 10:50
【資料】
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【項目】
22項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高149億9百万円(前年同期比94.9%)、営業損失2億69百万円(前年同期は営業損失73百万円)、経常損失1億47百万円(前年同期は経常利益54百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失3億1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1億17百万円)となりました。
ブランド別では、「ikka」「LBC」「VENCE EXCHANGE」の3ブランドともに売上高が前年を下回り、売上高の計画未達が減益の主要因となりました。「ikka」と「LBC」については、SPA改革が進み、売上総利益率が前年から改善したことにより、利益面では前年同水準となりました。一方、前年からの改善に時間を要し、上半期に低迷した「VENCE EXCHANGE」は、下半期より商品開発体制を刷新し、客数回復と在庫消化を優先に進めた結果、11月上旬から客数が増加し始め、11月度の客数既存比が115.2%まで回復しました。
上半期においては、長い夏セールの後半、特に8月度において、それまで順調であった基幹ブランド「ikka」の晩夏商品が苦戦し、売上高が大きく計画から乖離いたしました。さらに関東以北での天候不順による気温の低下や、雨の日が続いたことで、客数が落ち込み、上期業績に大きく影響しました。9月度に入り、シーズンを先行させた新規商品を投入し、売場鮮度を向上させたことにより、売上高は徐々に上昇し、全社売上高は、前年と同水準まで回復いたしました。しかし、10月中旬の一時的な気温上昇により秋物売上が鈍化し、またその後の気温低下で需要が初冬・冬物に一気に移行したことに対応しきれませんでした。特にレディスは、月度を通じて好調であったボトムスに対して、冬物アウターへのシーズン切り替えが遅れたことに加えて、中国の環境政策による委託先工場での一過性の生産遅延と、それに伴う納期遅れが発生したことが影響しました。
今期は、新中期計画を進め、安定的な収益性の確立を目指すため、「SPA改革の推進」「商品消化管理精度の向上」「再成長への転換」の3つの重点施策に取り組んでおります。
「SPA改革の推進」については、売価変更の削減と調達コストの低減に加えて、鮮度ある商品の回転を高め、正価販売比率を引き上げ、売上総利益率の向上を進めております。当期の期首在庫は、前年に比べて約3割削減させ、シーズン先行を進めて、鮮度ある商品による回転を高めた結果、売価変更率は前年同期から2.0ポイント改善、回転日数も3.5日改善いたしました。その結果、売上総利益率は前年同期から1.4ポイント改善しました。
中でも、「ikka」において衣料品の正価販売を強化し、回転日数が前年から6.9日改善、売価変更率が前年から2.2ポイント改善した結果、売上総利益率は第3四半期累計期間において2.0ポイント改善いたしました。「ikka kids」では、第3四半期累計期間で売上高前年比127.3%と大きく伸長しており、「ikka」のファミリー型店舗の成長を牽引しております。
「商品消化管理精度の向上」については、システムを活用した在庫コントロールの仕組みの再構築を目指し、9月度に「ikka」から自動振替システムの実験を開始しました。販売開始後一定期間が経過した商品を、店別消化状況から自動的に再配分することで、対象商品の正価販売比率は向上しております。
「再成長への転換」については、新規出店による店舗純増、Eコマースの売上高拡大を計画しております。
店舗数は、上期のikka5店舗新規出店に加えて、下期には、9月度にikkaイオンスタイル豊田店、ikkaイオンモール津田沼店、ikkaイオンモール伊丹昆陽店、ikkaイオンモール神戸南店、ikkaイオンモール松本店の5店舗をオープン、10月度には、ikka LOUNGE高崎オーパ店、ikka LOUNGEヨドバシ横浜店、VENCE share style高崎オーパ店の3店舗をオープン、11月度にikkaイオンモール甲府昭和店、ikkaリノアス店の2店舗をオープンしました。今年度は、11月度末時点で15店舗を新店オープン、7店舗(中国1店舗を含む)を閉店したことにより、期首時点より8店舗増加しました。当第3四半期の新規出店に伴い、9月度より店舗数は前年対比で増加に転じ、11月度は売上高前年比が101.3%、12月度も曜日まわりの影響を加味した売上高前年比が102.0%となり、増収基調となりました。
Eコマースの売上高拡大については、前期に成果の出た重点販売商品、EC限定商品、先行予約商品の販売など、Eコマース独自の施策を強化しました。特に、公式オンラインストアは、当社のポイントサービス「コックスメンバーズクラブ」会員に向けた販促施策と店舗との相互送客の取り組みや、EC限定商品の取り扱いを拡大したことが奏功し、売上高前年比146.4%と大きく伸長しました。他社サイトについては、売上総利益率が改善したことにより、利益面で前年を超過しました。また5月度に、EC限定新ブランド「notch.(ノッチ)」を、ファッションEC通販サイトZOZOTOWNにオープンし、好調に推移しております。9月度に「ikka kids」をキッズ専門のEC通販サイト「smarby(スマービー)」に出店し、11月度に「ikka」「LBC」「VENCE EXCHANGE」をルミネのEC通販サイト「iLUMINE(アイルミネ)」に出店しました。その結果、Eコマースの売上高は前年比111.6%と伸長しました。自社サイトの比率を高めることで、利益面での更なる改善を図ります。
第4四半期以降においても、引き続き「SPA改革の推進」「商品消化管理精度の向上」「再成長への転換」に取り組んでまいります。自社企画による直接輸入商品の調達を進めるとともに、主要取引先との商品開発における取り組みを強化し、さらに自動振替システムの適用範囲を「ikka」から他ブランドに拡大することで、正価販売比率を向上させて、売上総利益率の向上を目指します。また、6月に刷新したポイントサービス「コックスメンバーズクラブ」の会員数は、11月度末までに11万人を突破し、順調に会員数が増加しております。今後も会員数を増やすとともに、お客さまの購買履歴に基づいた、one to oneマーケティングを進めてまいります。このように、重点施策を継続して実行することで、持続的成長に向けた足固めと成長軌道への転換に取り組んでまいります。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ10億3百万円増加し、192億74百万円となりました。増減の主な内容は、投資有価証券が7億61百万円、たな卸資産が5億57百万円増加し、関係会社預け金が9億50百万円減少したこと等によるものです。
当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ7億49百万円増加し、69億32百万円となりました。増減の主な内容は、支払手形及び買掛金が4億3百万円、繰延税金負債が2億32百万円増加し、電子記録債務が50百万円減少したこと等によるものです。
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2億54百万円増加し、123億42百万円となりました。増減の主な内容は、その他有価証券評価差額金が5億29百万円増加したこと等によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。