有価証券報告書-第44期(平成29年3月1日-平成30年2月28日)

【提出】
2018/05/25 10:00
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【項目】
115項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成29年3月1日から平成30年2月28日まで)における我が国経済は、長引く世界的な政情不安や近隣国との緊張が続く中、好調なアメリカ経済に牽引され、低いながらも比較的安定した成長が続いております。一方で企業業績・雇用に関しては一定の良化傾向が見られるものの、個人所得・消費の改善については依然として先行きの見えない不透明な状況が続いております。
この様な中、当社グループは地域のお客様の「生活の快適創造」に繋げる体制づくりを推進してまいりました。
設備面では、主に既存店の改装・設備更新に注力致しました。ホームセンターでは、小金井店の全面改装を行った他、灯油販売取扱店舗を増やし、利便性の向上に努めました。WILD-1でも小山店の全面改装に着手し、4店舗でリニューアルを実施致しました。また、賃貸契約期間終了によりホームセンター小山店を退店致しました。
営業面では、全般的に期初からの気候変動の影響によるマイナス要因は有ったものの、冬季の早期厳寒はプラス要因となりました。ホームセンター事業では、春先の園芸需要期の低温と空梅雨明け後の長雨、秋終盤のエクステリア需要期での台風到来など、様々な気候変動の影響を受けましたが、冬季はここ数年来の厳しい寒さとなった為、防寒・暖房用品及び灯油の販売が伸び、既存店売上は前年同期を上回る結果となりました。WILD-1事業では、年間を通してキャンプ関連用品が好調だった上、防寒を兼ねた重衣料や関連商品も堅調な動きを見せ、業績の向上に貢献致しました。また、オンライン販売も順調に伸びております。業務スーパー店舗及びオフハウス店舗を中心とした専門店事業においても安定した業績を残しております。
経費面では、ホームセンター小金井店の全面改装に引き続き、新しいコンセプトのショップ「ザ・グリーンコネクション」をホームセンター真岡店で新規開店した他、WILD-1店舗での改装や企業内保育所の新設を行った結果、一部経費の増加要因が発生しましたが、販売促進費の効率化や屋内外照明のLED追加導入等で、販売管理費全体では微増で収まりました。
これらの結果、売上高は322億74百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は9億59百万円(前年同期比14.1%増)、経常利益は7億76百万円(前年同期比29.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億16百万円(前年同期比140.2%増)となり、増収増益になりました。
なお、当社グループの報告セグメント事業別業績は次の通りです。
[ホームセンター事業]
ホームセンター事業では、当社店舗展開エリア内への競合店の出店ばかりか、ネットショップ等の展開エリア外からの競合、及び大手ドラッグストア等の業態の垣根を超えた競合も加わり、商環境の厳しさは一層高まっており、デフレ傾向は弱まる気配を見せておりません。その様な状況の下、小金井店の全面改装では、地域密着のモデル店舗として、自転車専門店「ネオ・サイクリスタ」やペット専門店「ペット・プラネット」・切花専門店「花屋敷」を新設し、地域需要の深耕に取り組みました。また「花屋敷」を更に発展させ、花とアロマ等を介して心安らぐ屋内グリーン・ライフを提案する「ザ・グリーンコネクション」を真岡店に新設した他、灯油販売所の標準設置化を進め、利便性の向上に努めました。
当連結会計年度は、特に園芸・レジャー関連商材において、気候と需要期のズレが発生したための好不調の波が発生したばかりか、季節外れの台風到来等により、屋外関連商品の販売にも影響が出ました。一方で、終盤では気温の低下の早まりにより、防寒・暖房用品の早期販売に繋がる結果となった上、灯油販売所の増設効果も顕著に現れ、業績向上に貢献致しました。また、ペット関連用品は堅調に推移し、日用品の販売も需要期でのポイントセール投入により、好調に推移致しました。
経費面では、小金井店の全面改装や真岡店「ザ・グリーンコネクション」の新規開店及び小山店の退店による関連費用が発生致しましたが、広告宣伝費等の効率化を進め、経費増加を抑制致しました。
これらの結果、営業収益は181億5百万円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益は4億59百万円(前年同期比12.5%減)となりました。
[WILD-1事業]
WILD-1事業では、当連結会計年度を通じて、主力のキャンプ関連用品が安定した業績を上げておりますが、冬季での早期寒波到来・降雪により、防寒関連の重衣料・関連用品用具の需要が高く、アウトドアファッションの流行にも繋がったことで、前年同期を大きく上回る結果となりました。また、前連結会計年度の下期に新規開店した2店舗(越谷レイクタウン店、名古屋守山店)は現在でも好業績を上げております。
キャンプ・レジャーは従来の「非日常体験」だけでなく、SNSを利用した「非日常体験の発信と共有」等の楽しみ方が加わって来た事により、多様化したスタイルの中で個性ある商品が求められる傾向にあります。ネットショップのオンライン販売においても、プライベート・ブランドを中心に継続して活況を呈し、中でもグッドデザイン賞を取得したユニークな商品は、新たな需要と期待の開拓に繋がり、業績に貢献しております。
設備面では、多摩ニュータウン店・水戸店・仙台泉店に引き続き、郡山店の改装を行いました。また、小山店では提案・営業力の向上を目指した全面改装に着手するなど、一部経費の増加要因が発生しましたが、販売促進費の効率化や屋内外照明のLED追加導入等により経費の抑制を致しました。
これらの結果、営業収益は79億62百万円(前年同期比12.8%増)、セグメント利益は6億32百万円(前年同期比63.4%増)となりました。
[専門店事業]
専門店事業の内、業務スーパー店舗では、10月よりクレジット販売の取扱いを開始して利便性を高めるなど、新たな取り組みを致しました。また、気候不順からの野菜の高騰を受け、冷凍野菜類の販売が活発化した他、相次いだ食品値上げの対抗策の一つとして活用され、安定成長を続けております。
オフハウス店舗では、同業他社や個人同士でのネット取引が増加傾向にあり、リユース業界の商環境は厳しさを増している中、各店での細かな販促企画や積極買取り策により安定した収益を上げております。営業収益は前年同期と比較して増加し、利益貢献に繋がっております。
これらの結果、営業収益は65億70百万円(前年同期比5.5%増)、セグメント利益は4億49百万円(前年同期比15.9%増)となりました。
[店舗開発事業]
店舗開発事業では、主要な複数の賃貸契約が満了を迎えた事もあり、賃貸収入は減少致しましたが、相対する支払賃料も減少し、利益は改善しております。業績は計画通りに推移しております。
これらの結果、営業収益は5億33百万円(前年同期比19.6%減)、セグメント利益は1億72百万円(前年同期比1.8%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1億58百万円増加して、10億41百万円(前年同期比17.9%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ6億83百万円増加して、11億60百万円(前年同期比143.1%増)となりました。
これは主に、たな卸資産の増加額1億65百万円、長期未払金の減少額86百万円及び法人税等の支払額1億72百万円により資金を使用しましたが、税金等調整前当期純利益7億7百万円、減価償却費4億61百万円、減損損失59百万円、仕入債務の増加額1億26百万円及び未払消費税等の増加額96百万円により資金が得られたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ4億19百万円減少して、2億5百万円(前年同期比67.1%減)となりました。
これは主に、敷金及び保証金の回収による収入3億61百万円等により資金が得られましたが、有形固定資産の取得による支出3億72百万円及び預り保証金の返還による支出1億42百万円により使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ11億27百万円増加して、7億96百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入40億円により資金が得られましたが、長期借入金の返済による支出43億90百万円、リース債務の返済による支出1億40百万円、自己株式の取得による支出1億59百万円及び配当金の支払額57百万円により使用したことによるものであります。