有価証券報告書-第49期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/28 16:39
【資料】
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【項目】
139項目
(3)戦略
①気候変動
a シナリオ分析
当社では、2100年における世界の気温上昇が2℃上昇と4℃上昇の世界観を想定し、2030年、および2050年におけるシナリオ分析を実施しました。
海外につきましては台湾に事業所と直営店2店舗がありますが、当社全体への影響は極めて小さいことから、対象を国内に絞り、シナリオ分析を進めました。
以下に示す政府機関及び研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価及び財務的影響の分析を実施しています。
0102010_003.pngb リスク、機会
特に当社への影響が大きく、実際に起きる可能性も高いと想定されるリスク8項目、機会5項目を開示します。
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c 対応策
特定したリスク、機会に対する中長期での対応策につきましては、継続的な実施と効果評価を行い、事業活動のレジリエンスを高めてまいります。
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②人的資本・多様性
a 人が価値を創り出す企業
当社は常に従業員満足度が高まることによりお客様にご満足いただき、その結果として業績の向上という形で従業員へ還元される好循環が生まれると考えております。従業員ひとり一人が熱き情熱を持ち自ら考え成長することに喜びを感じ、笑顔あふれる店創り(職場づくり)を行ってまいります。
従業員の成長を促進するためには、個々の従業員に対して学びの機会を提供することが会社の重要な役割の一つだと考えています。そのため、人材育成に関しては、王将調理道場や王将大学の研修プログラムに加えて、eラーニングやデジタル技術の習得など、多様な投資を積極的に行っています。実際には、調理技術の向上を目指した調理講習会を王将調理道場でライブ配信し、2022年度だけでも約12,000人が受講しました。また、王将大学では役職に応じた知識とマネジメントスキルを身につけるための研修を実施し、2,000人以上が参加しました。さらに、新入社員や中途入社者向けの研修プログラムも実施し、人材育成への投資を継続しています。
待遇面においても、厳しい環境が続く中で業績向上に貢献した従業員に報いるため、2022年の夏期賞与では労働組合の要求に対して満額回答とし、さらに「特別加算金」(賞与テーブル8.5%)を上乗せして支給しました。同様に、2022年の冬期賞与でも「生活支援加算」として10%の上乗せ支給を行いました。これにより、一人当たりの平均賞与支給額は過去最高額を更新しました。さらに、2023年度の月例給改定においても、組合の要求に応える形で、一人当たり平均22,000円の引上げ(ベースアップを含めた賃上げ率7.0%)を実施しました。こうした取り組みにより、私たちは人的資本への投資に注力しています。
b 多様性の確保
当社は性別、年齢、国籍、新卒・中途に関係なく、様々な人材を採用しています。全従業員に占める女性の割合は約半数を占めており今後も引き続き女性の採用を積極的に進めてまいります。また、外国人については、店舗のマニュアル類の多言語表示を進めることで、言語の壁を感じることなく、働きやすい職場環境を構築するための工夫をしています。更に、中途採用者については、中途入社者研修を実施することで、当社に関する理解を深め、知識・経験・能力を培うことのできる環境を整備し活躍できる体制を構築しています。障がい者雇用についても、当社は「お客様から褒められる店づくり」を支援するための特例子会社を設立して全社的に積極的に推進しております。
人材の登用についても採用同様に性別、年齢、国籍、新卒・中途に関係なく、適性に応じ各ポジションへの登用を実施しており、適性のある女性ついては積極的に管理職に登用してまいります。中途採用者については当社での経験年数の長短に関係なく、実力と成果に応じ早期に管理職および上級管理職として活躍できる体制を構築しております。更に、パートタイマーに対しても育成のための教育プログラムを充実させ積極的に正社員への登用を行い、各自のライフプランに合わせて勤務時間や雇用形態などを選ぶことができるキャリアアップ転換制度を設けることで、柔軟な働き方を可能とし、各人がキャリアアップしながら長く安心して働ける環境の整備に努めています。
これらの対応によって、多様な価値観を取り入れ、持続的な成長を図っております。