有価証券報告書-第69期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 15:32
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【項目】
197項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針及び経営環境
①経営理念
当社グループは、「創造・先取り・挑戦」を経営理念とし、それらを綱領として定めております。この理念は1958年の創業時から現在に至るまで、グループ全社員に共有され、企業経営の礎となっております。
「綱領
バローグループの全社員は実業人としての自覚を持ち、地域社会の繁栄と社会文化の向上に寄与せんことを期す。このために一人一人は「誠」をモットーとして業務に当たり、創造、先取り、挑戦の姿勢で目標を高く掲げ、強い団結の下に英知と努力をもって徹底的に力闘するものなり」
②経営戦略
当社グループは、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、ペットショップ、スポーツクラブなど、多様な事業を展開しております。その背景には、当社グループが郊外より事業を拡大してきた経緯から、地域のニーズに幅広く対応して顧客との接点を持ち、複数の事業で収益を支えながら経営の安定性を求めてきたことがあります。また、調達・製造から流通・販売までを一貫して担う「製造小売業」としてのビジネスモデル構築を志向し、製造・加工拠点、物流センター等のインフラを整備し、自ら中間流通機能を担いながら、流通経路の効率化や商品力の向上に努めております。さらに、当社グループでは、複数の業態を組み合わせた商業施設を開発するほか、グループ全体で中間流通機能の活用を進めるなど、経営資源を組み合わせてシナジーを創出しながら、企業価値の向上に取り組んでおります。
次項に記載する中長期経営方針「バローグループ・ビジョン2030」、「サステナビリティ・ビジョン2030」に掲げる当社グループの商品・サービス・決済で地域を便利に、豊かに繋ぐ「バロー経済圏」の構築と商品力で選ばれる「デスティネーション・カンパニー」への移行に向けて、当社グループはグループ内の経営資源の活用に加え、事業領域や強みを補完し合えるパートナーとの連携を推進するため、M&Aや資本業務提携に取り組んでおります。これらを通じて、商品調達、物流、店舗運営、人材等の各分野における事業基盤の強化を図ります。なお、2026年2月13日にコーナン商事株式会社(以下、「コーナン商事」といいます。)との間で、資本業務提携に関する基本合意書を締結し、同社による当社連結子会社であるアレンザホールディングス株式会社(以下、「アレンザホールディングス」といいます。)の株券等の公開買付け成立以降、業務面での連携に加え、資本参加を含む業務提携を行うことに向けた協議・交渉を行っております。また、「バロー経済圏」の構築に向け、今後は店舗のみならず、EC(電子商取引)や自社電子マネーLu Vit(ルビット)カード、Lu Vitクレジットカードも活用し、顧客との接点をさらに強化してまいります。商品力で選ばれる「デスティネーション・カンパニー」への移行には、製造機能の強化に加え、調達・製造拠点や企業間連携の広がりに対応した効率的なサプライチェーンの構築が不可欠であることから、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を通じて情報連携を図り、ビジネスモデルを進化させてまいります。
③中期3ヵ年経営計画
当社グループは、企業価値の向上に向けて、2011年3月期より中期経営計画を策定・遂行してまいりました。最初の5ヵ年は「事業規模の拡大」を戦略目標に掲げ、スーパーマーケット及びドラッグストアの出店を加速し、規模拡大に対応すべく、物流、製造・加工機能等のインフラを整備・拡充しました。「経営効率の改善」を課題とした2016年3月期からの3ヵ年は、スーパーマーケットの既存店改装とインフラの効率改善を進めながら、ドラッグストアをグループの成長を牽引する事業と位置づけ、高水準の出店を継続しました。そして、2019年3月期からの3ヵ年は、スーパーマーケットを中心に来店動機となる商品・カテゴリーを有する「デスティネーション・ストア」への転換を進めるとともに、その構成要素である商品力の向上に注力し、基本方針「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」にあるとおり、出店による成長からの転換を果たしました。
同時に、企業間連携を通じて包括的な協働取り組みも進め、商品調達を始めとする領域で成果が現れつつありますが、経営効率の一層の向上を達成するためには、多様な経営資源を活かしきる必要があると考えております。また、日常生活に欠かせない商品を安定供給するという変わることのない社会的使命と、新たな生活様式・消費行動に合わせて商品・サービスの提供方法を変える必要性の双方を認識し、当社グループが社会の中でどのような存在でありたいか、どのように価値創造を図るのかを改めて整理いたしました。
その結果、2030年を見据えた中長期経営方針「バローグループ・ビジョン2030」、「サステナビリティ・ビジョン2030」を定め、その実現に向けて「バローグループ中期3ヵ年経営計画」を策定いたしました。企業理念に掲げる「創造・先取・挑戦」の姿勢で、持続的な成長と持続可能な社会の実現を目指して取り組んでまいります。
1. 中長期経営方針(2022年3月期~2030年3月期)
(1) ビジョン
◆バローグループ・ビジョン2030
バローグループの商品・サービス・決済で地域を便利に、豊かに繋ぐ「バロー経済圏」の構築と商品力で選ばれる「デスティネーション・カンパニー」を目指します。その実現に向けて、顧客との接点を強化し、「製造小売業」としてのビジネスモデルを進化させます。
◆サステナビリティ・ビジョン2030
バローグループは、持続可能な社会の実現に向け、事業活動を通した全員活動によって地域社会の発展と社会文化の向上に貢献します。

(2) 進化させるビジネスモデル
スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター等の1,200店舗以上の販売網があり、お客様に近いという利点を有しておりますが、今後は店舗のみならず、ECや自社電子マネーLu Vitを通じ、顧客との接点を強化してまいります。また、「デスティネーション・カンパニー」への移行には、製造機能の強化に加え、調達・製造拠点や企業間連携の広がりに対応した効率的なサプライチェーンの構築が不可欠であることから、DXを通じて情報連携を図り、ビジネスモデルを進化させてまいります。
(3) 基本方針
①商品で繋ぐ
・「デスティネーション・ストア」を構成し、「バローグループにしかない」魅力ある商品を提供します。
・店舗を中心とする物流網から調達・製造等の機能全体を包括した効率的なサプライチェーン・インフラへの転換を図ります。
②顧客と繋がる
・店舗での販売に加え、ECやLu Vitカード・アプリ、Lu Vitクレジットカードの活用に注力します。
・EC戦略として2つの重点領域を設定し、主要業態がドミナントを形成する地域で自社の経営資源を中心に展開する「ドミナント自社EC」、アマゾンジャパン合同会社と展開するネットスーパー事業のように、自社で足りない技術を協業によって補完する「広域協業EC」に取り組みます。特に、「ドミナント自社EC」では、事業所向け配送事業ainoma(アイノマ)、ドライブスルーによる商品受け取り、その他無店舗販売事業を通じ、複数の接点を持ちながら、地域が抱える課題に対応します。
③社会との繋がりを意識した経営
・取締役会の実効性を高め、経営の透明性を確保するとともに、グループ企業に対する監督を強化し、当社の特徴であるグループ経営についてガバナンスをさらに強化します。
・ビジネスモデルに関わる3つの重点領域「地球環境」「地域社会」「人材の多様化」について、6つの分科会(食品廃棄物の削減・資源循環の推進、気候変動対策・水の管理、廃棄物の削減・リサイクルの推進、買物課題の解決・健康増進支援、地域貢献、多様な人材の活躍支援)を設置し、グループ全従業員で取り組みます。
(4) 中長期定量目標(2030年3月期)
規模営業収益(注)11兆円超
営業利益480億円超
経常利益500億円超
経営効率ROIC(投下資本利益率)(注)29%

(注) 1.2022年3月期の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用。
2.ROICは税引後営業利益(税効果会計適用後の法人税等の負担率を使用)÷(有利子負債+自己資本+非支配株主持分)で算出。
(5) サステナビリティKPI
基準2030年3月期(ご参考)2050年3月期
脱炭素化社会
の実現
サプライチェーン上の
温室効果ガス排出総量
40%削減
(2021年3月期比)
ゼロ
食品廃棄物
の削減
食品廃棄物発生量 18,983t
(2017年3月期実績)
45%削減
(2017年3月期比)
55%削減
(2017年3月期比)

(注) 食品廃棄物の削減についての基準は、株式会社バロー、株式会社タチヤ、株式会社食鮮館タイヨーで算出。今後はスーパーマーケット事業全体に対象を拡大。
2. 中期3ヵ年経営計画(2025年3月期~2027年3月期)
(1) 定量目標(2027年3月期)
中期経営計画2年目の当期に営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は最終年度の定量目標を一年前倒しで達成しました。今後は中長期定量目標の達成を目指します。
(2) 戦略目標
「コネクト2030 ~商品・顧客・社会を繋ぐ」
(3) 基本方針
営業収益1兆円到達に向けて、経営改革を進め、①ホールディングスによるグリップ力の強化、②主力であるスーパーマーケット事業を支えるグループ企業群の再編成、③関西エリアへの出店強化を含めたダイナミズムの創出を目指します。
(4) 重点施策
①成長戦略
当社グループの主要事業であるスーパーマーケット事業、ドラッグストア事業、ホームセンター事業において、来店目的を明確化させたデスティネーション・ストアモデルを確立し、本業の成長を促進しながら、ECや移動販売、行政機関との連携等の店舗販売以外の収益獲得モデルを目指します。また、将来における商圏の人口動態を含めた変化を先取りし、人口の多い関西エリアでのデスティネーション・ストアの横展開や、人口減少エリアにおける地域のライフラインとしての役割も備えた新業態の確立を目指します。
②収益性戦略
様々な経費が上昇する高コスト環境下に備えるために、グループ各社の基礎体力を高める目的に沿ってグループ再編を進めます。また、流通業界を取り巻く人手不足に対応するため、省人化に向けたインフラ投資、DX投資を進め生産性を向上させます。その上で、グループ営業収益1兆円を見据えた調達構造の変革(グループ共通PB商品、製造小売型商品等)を行います。
③持続性戦略
当社は「人をつくる会社」であることを掲げ、次世代幹部育成、時代に即した採用戦略を柱とする人材戦略とともに、複雑化・多様化するグループ企業集団の財務面でのコントロールをホールディングスが主導します。また、従業員が働きがいを感じられる社会貢献活動を含めたサステナビリティ活動にも注力いたします。
④差別化戦略
次世代の当社グループの他社との差別化を目指し、多業態経営ならではの流通技術を磨き込みます。決済・マーケティング領域では、Lu Vitカード・アプリ、Lu Vitクレジットカードを通じ、一人一人のお客様に沿ったマーケティングやキャッシュレス化に伴う決済コストの低減を目指します。また、自動発注をはじめとするDX領域については、店舗在庫にとどまらない中間流通在庫も含めた在庫の効率化を目指します。
(5)セグメント別の取り組み
①スーパーマーケット事業
・「デスティネーション・ストア(DS)」化の促進
・1店舗当たり売上高10億円未満の店舗を対象にしたインフラの活用+ローコストオペレーション(ネオDS化)
・プロセスセンターへの投資
②ドラッグストア事業
・1店舗当たり売上高の拡大(4億円へ)
・PB商品の強化、グループシナジーを活かした生鮮・デリカ食品の強化
・調剤取扱店舗併設率の拡大
③ホームセンター事業
・PB売上構成比の向上
・プロ向けショップ等の新業態店舗の出店強化
④ペットショップ事業
・積極的な新規出店を継続的に推進
・商圏特性に応じた複数フォーマットを展開
・トリミング、しつけ教室、ペットホテルなどのサービス機能を強化
⑤スポーツクラブ事業
・スクール等の専門性強化による早期の収益適正化
(6) 新中期経営計画の主な設備投資とキャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの創出と成長投資
・2027年3月期までの3ヵ年累計1,200億円以上の営業キャッシュ・フローを創出します。
・M&Aを除き、2027年3月期までの3ヵ年累計1,000億円程度の設備投資を行います。
・設備投資の内訳は、新店投資35%程度、既存店投資30%程度、DX関連を含むその他投資35%程度とします。
②財務政策・株主還元
・デット・エクイティ・レシオ0.6倍を目処に、有利子負債を圧縮します。
・資本コストや資本収益性を意識した経営の実現に向けて、成長投資のための内部留保とのバランスに配慮しつつ、持続的な利益成長を通じて株主還元を行うことを基本方針としております。この方針に基づき、連結配当性向30%を目処に従来からの「累進配当」を継続します。また、単年度の業績の影響を受けにくい株主資本配当率(DOE)を採用し、2%を下限として安定的な株主還元を目指します。
(2)優先的に対処すべき課題等
当社グループの事業領域である流通業界は、今後さらに寡占化が進み、小売事業側が流通全体で担う役割はより大きくなると想定しております。そのため、当社グループも今後の競争激化を見据え、事業規模拡大による「量」への取り組みと同時に、収益力を一層高めるための「質」である内部構造改革に取り組んでまいります。
事業規模の拡大については、関西エリアでのドミナント形成をより強固にするために、中核事業のSMやドラッグストアなどの出店、プロセスセンターや関西事務所の新設など事業基盤の確立を図ります。関東エリアではSMバロー2号店、3号店と出店準備を着実に進め、知名度向上と同エリアでの売上シェアを高めていきます。
一方で、事業規模の拡大に伴うバックオフィス業務の増大に対して更なる効率化を推進し、事業会社がより営業へ専念できる環境を整備するため、業務の集中化・経費削減対策・システム共有化・グループ融通による資金の効率化などを当社が主体となって取り組んでまいります。また、物流・インフラ面も同様に様々なコストが上昇する中、物流機能・施設・工場等グループ共有資源の稼働率向上を目的に、施設のグループ横断的な活用を推進しかつ、自社設備と外部委託を上手く組み合わせることでビジネスモデルのレジリエンス(伸縮性)も高めていきます。
さらに、成長の要としている人材育成についても、トップ主催の経営塾をはじめ、対象をグループ全体に拡大し、中核を担うリーダー育成のほか、生鮮・ベーカリーの「マイスター」制度による専門性の高いプロフェッショナルの育成など、事業拡大に必要不可欠な人材育成を引き続き強化してまいります。
2026年2月、グループ内の経営資源の活用に加え、事業領域や強みを補完し合えるパートナーとの連携を通じて、商品調達、物流、店舗運営、人材等の各分野における事業基盤を強化していくことが重要であるとの考えから、コーナン商事株式会社と資本業務提携に関する基本合意書を締結しました。今後はHC業界内の高いシェアを背景に、PBなどの商品調達の共有、物流連携、ペット、プロショップ、介護などの強化に向けて、幅広く取り組んでいくとともに、SM事業を中心とした成長路線を一段と加速させるため、出店等の物件の連携や新規エリアにおける集客の相互補完などの施策について検討していく計画です。
2027年3月期の新店投資につきましては、スーパーマーケット9店舗、惣菜専門店8店舗、ドラッグストア28店舗、ホームセンター(専門業態含む)7店舗、ペットショップ11店舗、スポーツクラブ2店舗の計65店舗の新設を計画しております。
また、新日本スーパーマーケット同盟の取り組みでは、特に商品・消耗品の分野で共同調達による利益改善が継続して進んでおり、今後も生産性を含めた業務改善、人手不足対策など経営に関する全般的課題において、定期的な情報共有の場を計画していきます。

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