有価証券報告書-第62期(2023/03/01-2024/02/29)
(1)経営成績等の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行されたことで、コロナ禍からの経済活動の再開が進む一方、為替相場の変動やエネルギー価格の高騰など、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。
当社グループが主に属する食品小売業界におきましては、業種・業態の垣根を越えた競争の激化、原材料価格の高騰、水道光熱費をはじめとしたエネルギーコストや物流コストの上昇、さらには相次ぐ値上げによる消費者の節約志向の高まりなど、企業経営を取り巻く環境は厳しさを増しております。
このような状況の中、当社グループにおきましては昨年度からスタートしました第3次中期経営計画の2年目を迎えております。顧客の創造、新たな生産性の獲得、収益構造改革を重点課題とし、風土改革、サステナビリティ、人材の育成を組織の基盤整備に掲げ、経営課題解決に向けての戦略推進により強い企業成長を目指してまいりました。また、グループ経営理念であります「ヤマザワグループは、お客様に安心と豊かさを提供し、地域の健康元気を応援するとともに、従業員一人一人が輝く企業を目指します」を基軸に、「地域に愛される、健康元気な100年企業を目指す」というグループビジョンを達成するために、『チャレンジ100 ~100年企業に向けてスピードアップ~』をスローガンに掲げ、全社一丸となって各施策の実行及び検証を行ってまいりました。
なお、当社は2023年3月1日をもちまして連結子会社であるよねや商事株式会社を吸収合併いたしました。本合併は経営資源の集約、業務の効率化を目的としたものであり、当社グループのさらなる合理化・効率化を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ39億27百万円増加し、581億86百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ37億4百万円増加し、293億26百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2億23百万円増加し、288億59百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は1,018億91百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は6億25百万円(同11.9%減)、経常利益は6億77百万円(同27.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億51百万円(同119.5%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
スーパーマーケット事業におきましては、第3次中期経営計画の重点課題であります、顧客の創造、新たな生産性の獲得、収益構造改革の諸施策に取組んでまいりました。
顧客の創造におきましては、お客様の来店動機や購買動機を高めるために、同質化競争から脱却し、当社の独自性を追求するとともに「ヤマザワブランドづくり」に注力してまいりました。美味しさ、地元(産地)、健康、便利の4つをコンセプトとし、商品そのものの品質の追求と、付加価値を生む売り方を訴求してまいりました。具体的には「健康」をテーマにした、塩分控えめながらも、だしの旨みに着目した「だしが旨い」シリーズの商品開発や、野菜摂取を促進する商品・売り場づくりへの取組み等を行っております。お客様の節約志向への取組みといたしましては、加工食品や日用品を中心としたスペシャルプライス商品などのお買得な販売企画や、価格優位性のある、当社が加盟するニチリウグループ(日本流通産業株式会社)のプライベートブランド「くらしモア」の商品、連結子会社の株式会社サンコー食品による当社オリジナルの惣菜及び日配食品の拡販を積極的に行っております。
また、店舗へのご来店が困難なお客様の利便性向上を目的とし、販売パートナー(個人事業主)が商品を車に積み込み、依頼されたお客様のご自宅まで伺い、お買物をしていただくサービスである、移動スーパー「とくし丸」事業も引き続きご好評を得ており、山形県内におきまして12台、宮城県内におきまして2台、秋田県内におきまして9台稼働しております。引き続きエリアを拡大して運行を随時増やしていく予定です。
新たな生産性の獲得におきましては、従来以上に効率的に業務を遂行するために、ローコストオペレーション(DX推進)に努めてまいりました。具体的には、発注支援システムの導入・拡大やセルフレジの増設、新グループウェアの導入等を実施してまいりました。
収益構造改革におきましては、よねや商事株式会社吸収合併による効率的な運営や、昨年度立ち上げたコスト削減委員会によるコスト削減への取組みを進めてまいりました。
更に、当社グループではグループ経営理念の下、食を通じ持続可能な社会を実現するために、『ヤマザワSDGs宣言』を表明し、持続可能で豊かな社会の実現に向けた経営を推進しております。環境活動への取組みといたしましては、脱炭素に向け、気候変動対策の一つである再生可能エネルギーを利用した太陽光パネルによる発電を新たに山形県内におきまして4店舗、宮城県内におきまして5店舗導入いたしました。また、働きやすい職場環境づくり実現のための健康経営の取組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023」(大規模法人部門)に認定されました。今後も、経営理念・グループビジョンに基づき、地域とのつながりを大切にし、持続可能で豊かな社会の実現に貢献してまいります。
設備投資といたしましては、株式会社ヤマザワにおきまして、2023年4月に「川西メディカルタウン店」(山形県東置賜郡川西町)、同年10月に「さくらんぼ東根店」(山形県東根市)を新規開店いたしました。両店ともにヤマザワの最新のフォーマットを導入し、お客様の毎日のお買物に満足していただけるよう、お買物しやすい売場づくりと、簡単・便利・保存性の高い商品の品揃えの充実を図りました。また、地域の伝統的な食文化を大切にし、地産地消の推進、地場野菜コーナー・地元加工食品の品揃えの充実、販売強化を実施し、地域のお客様にご満足いただけるようなお店づくりに取組みました。
既存店の活性化といたしましては、2023年7月に「松見町店」(山形県山形市)、同年9月に「茂庭店」(宮城県仙台市)、同年11月に「宮町店」(山形県山形市)、2024年1月に「上山店」(山形県上山市)、同年2月に「荒井店」(宮城県仙台市)の改装を実施いたしました。
以上によりまして店舗数が山形県内44店舗、宮城県内19店舗、秋田県内8店舗となり、スーパーマーケット事業の合計店舗数は71店舗となりました。
この結果、スーパーマーケット事業の売上高は889億75百万円(同2.8%増)となりました。
ドラッグストア事業におきましては、「地域の人々の『生活の質』の向上を実現する」を基本理念に、デジタルの推進と販売力の強化に取組むとともに、働きやすい職場環境の実現を推進し、全社一丸となって地域の人々の「生活の質」の向上の実現に向けて取組んでまいりました。
設備投資といたしましては、2023年11月に「調剤薬局富谷成田店」(宮城県富谷市)を開店いたしました。
この結果、ドラッグストア事業の売上高は129億7百万円(同0.1%増)となりました。
その他事業におきましては、惣菜及び日配商品を開発製造して当社グループへ納品しており、スーパーマーケット事業との連携を密にし、安全・安心で美味しいオリジナル商品の開発を行ってまいりました。
設備投資といたしましては、2023年11月に「サンコー食品 新惣菜工場デリカセンター」(山形県山形市、以下「新デリカセンター」)の稼働を開始いたしました。旧デリカセンターと比較して、延床面積は約1.44倍となり、店舗への惣菜の供給量は約1.4倍の数量を計画しております。新デリカセンターの稼働に伴い、商品開発力・生産能力の増強、店舗への供給量の拡大に加え、最新設備の導入と徹底した衛生管理による味・品質・鮮度の向上、そして働きやすい環境づくりを実現しております。
この結果、その他事業の売上高は8百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億85百万円増加し、当連結会計年度末は56億13百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は16億28百万円(前連結会計年度比3億3百万円減少)となりました。これは主に、減価償却費33億27百万円(同4億82百万円増加)、契約負債の増減額△13億45百万円(同21億92百万円の減少)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は35億42百万円(前連結会計年度比35億85百万円の減少)となりました。これは主に、新店舗・設備改修に伴い有形固定資産の取得による支出が34億91百万円(同26億81百万円の減少)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は25億99百万円(前連結会計年度比18億2百万円増加の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額6億円(同38億円の減少)、長期借入金の借入による収入31億30百万円(同21億30百万円の増加)によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、スーパーマーケット事業及びドラッグストア事業を主な事業としており、当社グループにおける食品の製造は当社グループへの商品の納入となっておりますので、生産及び受注については記載しておりません
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比増減(%) |
| スーパーマーケット事業 | 88,975 | 2.8 |
| ドラッグストア事業 | 12,907 | 0.1 |
| 報告セグメント計 | 101,882 | 2.4 |
| その他事業 | 8 | 35.8 |
| 合計 | 101,891 | 2.4 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の経営者による財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
なお、記載事項につきましては、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。従いまして、将来に関する事項には不確実性を内在しておりますので、将来生じる実際の結果とは異なる可能性もあります。
① 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は140億99百万円(前連結会計年度末129億96百万円)となり、前連結会計年度末と比べ11億3百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が6億80百万円増加したことや、商品及び製品が2億27百万円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は440億86百万円(同412億62百万円)となり、前連結会計年度末と比べ28億23百万円増加しました。これは主に、建物及び構築物(純額)が24億85百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は203億86百万円(同209億24百万円)となり、前連結会計年度末と比べ5億37百万円減少しました。これは主に、契約負債が13億45百万円減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は89億39百万円(同46億97百万円)となり、前連結会計年度末と比べ42億41百万円増加しました。これは主に、長期借入金が24億50百万円増加したことや、リース負債が16億99百万円増加したことによるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は288億59百万円(同286億36百万円)となり、前連結会計年度末と比べ2億23百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加によるものです。自己資本比率は49.6%となりました。
② 経営成績の分析
(営業収益及び売上総利益)
売上高は1,018億91百万円となりました。
セグメント別の売上高の詳細については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ 生産、受注及び販売の実績」をご参照ください。
また、売上総利益は281億40百万円、売上総利益率は27.6%と前連結会計年度と比較し0.1ポイント減となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は275億14百万円となりました。
販売費及び一般管理費を要約すると下記のとおりです。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比増減(%) |
| 販売費 | 1,270 | △9.2 |
| 人件費 | 14,547 | 1.8 |
| 設備費 | 9,496 | 3.0 |
| 管理費 | 2,200 | 11.3 |
| 合計 | 27,514 | 2.3 |
販売費は12億70百万円となりました。これは、広告宣伝費等によるものです。
人件費は145億47百万円となりました。当社グループにおきましては、従業員数が1,288名、1日8時間換算による臨時従業員数が3,318名となっております。
設備費は94億96百万円となりました。これは光熱費、地代家賃、減価償却費、店舗管理費等によるものです。
(営業利益及び経常利益)
営業利益は6億25百万円、経常利益は6億77百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は4億51百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の見積りの判断が当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは、主としてスーパーマーケット事業を営んでおり、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として店舗を基本単位とし、また、賃貸不動産及び遊休資産及び売却予定資産については物件単位毎にグルーピングしており、本社資産等については共用資産としております。
(退職給付費用及び退職給付債務)
退職給付費用及び債務は、割引率、死亡率、退職率等の数理計算上の前提条件に基づき算出しております。今後、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
(資産除去債務の計上)
当社グループは、主に店舗用に賃借した土地建物において、不動産賃借契約に基づき返還時に必要とされる原状回復義務等に備えるため、資産除去債務を計上しております。計上にあたっては、過去の実績を基に算定した原状回復費用の見込み額を現在価値に割り引いて算出しているため、今後、過去の実績と実際の原状回復費用が異なる場合や見積りに影響する新たな事実等が発生した場合には、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは運転資金及び店舗に係る設備投資によるものであります。その資金源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び借入金による資金調達によっております。
当連結会計年度では、新規出店・デリカセンターの新設を中心に63億83百万円の投資を行なっており、これらは銀行借入金及び自己資金で賄っております。
また、翌連結会計年度の資金需要については、引き続き店舗の活性化による設備投資を16億円予定しており、これらに必要な資金は自己資金及び借入金で賄う予定です。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。