有価証券報告書-第35期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 13:14
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【項目】
85項目

業績等の概要

(1) 業績
① 全般的な営業の概況
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら米国新政権の経済政策による影響や中国をはじめとするアジア新興国等の経済の先行き、英国のEU離脱に伴う欧州経済への懸念など、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響にも留意が必要であり、先行きは不透明な状況となっております。
当社が属する外食産業においては、中食需要の高まりにより外食のみならず他業種を含めた企業間との競合が激化するなか、人材不足による採用活動費や人件費の増加、また原材料価格の高騰等の問題が深刻化し、経営環境は厳しい状況で推移いたしました。また、当社の業績に影響を及ぼす個人消費は、改善の兆しがみられるものの先行き不透明な経済動向により本格的な回復には至っておらず、当社を取り巻く環境も依然として不透明な状況となっております。
このような状況のなか、当社は中長期的な経営戦略として「既存事業の安定した収益基盤の下で新規事業を創出、発展させていく」という方針を掲げており、成長性と収益性を兼ね備えた企業を目指し、「①既存店の研鑽」「②新たな魅力の創造」「③商圏の拡大」「④新店・新業態への挑戦」といった4つのテーマを主軸に各施策に取り組み、営業活動を進めてまいりました。
当事業年度のトピックスとしては、お客様への最上級のおもてなしを実現するための体制づくりとして労働環境の更なる改善を図ることを目的に、レストランの一部店舗で実施していた定休日の設定を拡大し、新たに定休日導入店舗を増やしました。また、平成28年4月にはお客様が求める高い品質を維持し、より魅力のある料理をご提供していくために、メニュー内容・価格等の改定を実施いたしました。
そして平成29年2月にはロティサリーチキンをメインとしたブラッスリーという新たな業態の「ル・プーレ ブラッスリーうかい」を東京都千代田区大手町に出店いたしました。アラカルトメニューを豊富にご用意し、これまで当社店舗に訪れたことがない幅広い層のお客様にも日常的にご利用いただける店を目指しております。ご来店いただいた多くのお客様からご支持をいただき、売上高も堅調に推移いたしました。
一方、物販事業の主軸として展開している製菓では、看板商品の「フールセック缶」をはじめとするクッキーギフト商品の製造を行う「アトリエうかい八王子工房」において、「安全・安心な食品の製造と顧客満足」の方針のもと、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000の認証を平成28年9月に取得し、多くの方々により一層ご愛顧いただける安全・安心な商品のご提供体制を強化いたしました。
文化事業では、「食を通じて喜びをお届けしているように、芸術からも夢や幸福感を感じていただこう」という思いから平成8年8月に開業した箱根ガラスの森が平成28年8月に開館20周年を迎えました。日頃のご愛顧に感謝を込め、同年4月より「開館20周年特別企画展─炎と技の芸術ヴェネチアン・グラス展─」を開催いたしました。また同年12月には、東京ガーデンテラス紀尾井町の「Crystal Illumination 輝きの集い 2016」にて当館のクリスタルガラスのツリーが展示され、多くの方々に当館を知っていただく機会となりました。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高12,572百万円(前事業年度比4.2%増)、営業利益454百万円(前事業年度比175.1%増)、経常利益415百万円(前事業年度比222.2%増)、当期純利益240百万円(前事業年度は当期純損失129百万円)となりました。
② 当事業年度の業績全般
当事業年度の業績は、以下のとおりです。
売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期純利益又は
当期純損失(△)
(百万円)
1株当たり
当期純利益又は
1株当たり
当期純損失(△)
(円)
平成28年3月期12,071165128△129△25.20
平成29年3月期12,57245441524046.56
増減率4.2%175.1%222.2%--

セグメントの状況は、次のとおりであります。
[飲食事業]
飲食事業では、それぞれの店舗が持つ独自の魅力を活かした企画・イベントの開催や季節に合わせた新メニューを積極的に提案し、継続的な来店機会の創出に努めてまいりました。当事業年度においては、店舗の定休日導入拡大により前事業年度に比べ営業日数が減少したうえ、夏場の台風や長雨による天候不順等の影響もあり来客数が減少したものの、メニュー内容や価格の見直しを行ったことにより客単価が増加し売上に寄与いたしました。また、平成29年2月にはロティサリーチキンをメインにした新業態の店舗「ル・プーレ ブラッスリーうかい」を東京都千代田区大手町にオープンし、売上に貢献いたしました。加えて製菓商品の販売では、店舗での土産品販売とともに期間限定ショップへの積極的な出店等により売上を順調に伸長させた結果、売上高は11,344百万円(前事業年度比2.1%増)となりました。
[文化事業]
文化事業では、箱根ガラスの森が平成28年8月に開館20周年を迎え、「開館20周年特別企画展―炎と技の芸術ヴェネチアン・グラス展―」を同年4月から11月まで開催いたしました。この特別企画展を柱にバラの庭園、あじさいフェスタ、ヴァイオリンコンサート、クリスタル・イルミネーション、ヴェネチア仮面祭等、様々な企画やイベントを開催し、多くのお客様にご来館いただけるようプロモーションの強化を行ってまいりました。このことにより、一昨年の箱根大涌谷周辺における火山活動活発化で減少した来館者数は例年並みに回復しており、売上高は1,228百万円(前事業年度比28.1%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ106百万円増加し、318百万円(前事業年度比50.5%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は982百万円(前事業年度比93.5%増)となりました。主な要因は、収入の内訳として税引前当期純利益407百万円、減価償却費502百万円、未払金の増加額52百万円、未払消費税等の増加額50百万円、支出の内訳として法人税等の支払額100百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は246百万円(前事業年度比6.2%増)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得により227百万円の支出等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は629百万円(前事業年度比10.6%減)となりました。主な要因は、借入の実行・返済により純額で552百万円、配当金の支払により77百万円の支出等があったことによるものであります。