有価証券報告書-第32期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 11:19
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業績等の概要

(1) 業績
① 全般的な営業の概況
わが国の経済は、政府の金融政策や経済政策を背景とした為替相場での円安の進行による輸出環境の改善、株式相場での株価の上昇等により企業収益が改善し、設備投資や個人消費に持ち直しの動きがみられる等、緩やかな回復基調で推移いたしました。
外食産業におきましては、景気回復傾向の中、消費マインドの改善から回復の兆しがみえるものの、台風や大雪等の天候不順や原材料価格・電力等のエネルギーコストの上昇もあり、当社を取り巻く環境は不透明な状況で推移しました。
このような経営環境の中、未来への成長を見据え、3つの成長方針『人にやさしい店づくり~既存店の強化~』『うかいの余韻をご家庭に~新商品開発~』『商圏1万キロ~新市場開拓~』を掲げ、これまで培ってきたブランドの魅力を深めるべく、当事業年度を「計画の年」として各施策に取り組んでまいりました。
既存店の強化につきましては、お客様の利便性を考慮し、店舗の一部バリアフリー化や食事をする環境の整備等を実施し、また重要課題である当社の将来を担う人材の確保と育成にも積極的に取り組んでまいりました。
新商品開発につきましては、平成25年7月に製菓工房の一部に、うかいグループによる初めての洋菓子店「アトリエうかい」をオープンし、洋食店舗のお土産品の強化とともに製菓としてのブランドの確立を図ってまいりました。翌年2月には、今後の事業展開における迅速かつ的確な意思決定を行うことを目的に製菓事業部を新設し、新たな事業の柱として成長・拡大すべく進めております。
新市場開拓につきましては、平成25年7月に御盟晶英酒店股份有限公司(ホテル業、本社:台湾高雄市)との間で、台湾高雄市に同社が建設するFIHリージェントグループのホテル「高雄晶英酒店」内のレストランのコンサルティング契約を締結し、うかい海外初出店の準備を進めております。
また同年9月には、当社の新業態となる「銀座kappou ukai」を、東京都中央区銀座に出店することを決定し、平成26年4月のオープンに向けて全社を挙げて注力してまいりました。
これらの取り組みの成果に加え、国内景気の後押しもあり、売上高につきましては増収となりました。
利益面につきましては、サービス向上を目的に社員の増強を図ったこと、エネルギーコスト単価の上昇、また銀座kappou ukaiの開業費の発生等により、営業利益は前事業年度比微増益となりましたが、財務体質改善のための借入金のリファイナンスによる支払利息等の大幅減少により、経常利益、当期純利益とも大幅に改善いたしました。
この結果、当事業年度の売上高は12,024百万円(前事業年度比2.9%増)、営業利益は384百万円(前事業年度比1.2%増)、経常利益は327百万円(前事業年度比53.8%増)、当期純利益は261百万円(前事業年度比52.8%増)となりました。
② 当事業年度の業績全般
当事業年度の業績は以下のとおりです。
売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期純利益
(百万円)
1株当たり
当期純利益
(円)
平成25年3月期11,68737921217134.74
平成26年3月期12,02438432726155.45
増減率2.9%1.2%53.8%52.8%59.6%

セグメントの状況は次のとおりであります。
[飲食事業]
飲食事業では、リーマンショック以降、新規出店を一時的に控え、足元固めとして既存店の強化に軸足を移し、収益力強化に取り組んでまいりました。当事業年度は「人にやさしい店づくり」をテーマに掲げ、各施策を実施し、お客様を「それぞれの店舗が持つ独自の空間でおもてなしする」という当社の価値に更なる付加価値をつけ、多くのお客様に信頼してご来店いただける店舗の確立を進めてまいりました。その結果、各店舗ともに堅調に推移し、売上高は10,828百万円(前事業年度比3.8%増)と前事業年度を上回る結果となりました。
イ)和食事業
うかい鳥山・うかい竹亭は、平成26年2月の記録的な大雪により、3月初旬まで影響を受けたものの、首都圏中央連絡自動車道の高尾山インターチェンジの開通により商圏が広がり、特に創業店のうかい鳥山での来客数は前年を上回り、順調に推移いたしました。とうふ屋うかい大和田店・鷺沼店では、来客数は減少したものの、一昨年よりコースの種類を増やしたことにより客単価が上がり、売上高は前年並みで推移いたしました。また、東京芝とうふ屋うかいでも、コース価格の見直しにより客単価が上昇し、売上に寄与いたしました。その結果、売上高は5,578百万円(前事業年度比1.5%増)となりました。
ロ)洋食事業
都心部にある銀座うかい亭、表参道うかい亭、グリルうかい丸の内店は、来客数が好調に推移し、売上に大きく寄与いたしました。郊外の立地にある八王子うかい亭、横浜うかい亭、あざみ野うかい亭は、プライスラインのバランスを勘案し、コースメニューを見直したことにより客単価が上昇し、売上に貢献したことに加え、八王子うかい亭の来客数の大幅な回復もあり増収となりました。また、お土産品の強化により、洋食事業全店で焼き菓子等のお土産品売上が増加したこともあり、売上高は5,249百万円(前事業年度比6.2%増)と大幅な増収となりました。
[文化事業]
文化事業では、特別企画展をはじめとする様々な企画や催事を行い、多くのお客様にご来館いただけるようプロモーションの強化を行ってまいりましたが、上期までの来館者数の減少に加え、平成26年2月の記録的な大雪の影響により、売上高は1,196百万円(前事業年度比4.4%減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ239百万円減少し、320百万円(前事業年度比42.7%減)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は797百万円(前事業年度比11.2%減)となりました。主な要因は、税引前当期純利益313百万円、減価償却費513百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は343百万円(前事業年度比54.3%増)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出279百万円、保険積立金による支出36百万円、敷金・保証金の差入による支出35百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は693百万円(前事業年度比3.1%減)となりました。主な要因は、長期借入金の実行による収入700百万円、長期借入金の返済による支出1,834百万円、自己株式取得による支出724百万円、自己株式売却による収入1,284百万円、配当金の支払68百万円等によるものであります。