有価証券報告書-第56期(平成30年5月21日-令和1年5月20日)

【提出】
2019/07/26 15:02
【資料】
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【項目】
211項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(2019年7月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および中長期的な経営戦略等
当社グループは、「お客様のために進化するアスクル」を企業理念とし、オフィスに必要なものやサービスを「迅速かつ確実にお届けする」トータルオフィスサポートサービスにおけるパイオニアとして1993年の事業開始以来、お客様の声を聞きながら、商品・サービス・システムを絶えず進化させて中小事業所から中堅大企業までのあらゆる企業の多様なニーズにお応えし、圧倒的No.1の地位を確立してまいりました。これに加え、情報技術の発展、少子高齢化や女性就業人口の増加といった社会構造・生活環境の変化等により、eコマース(インターネット等を介して行われる電子商取引ビジネス)へのニーズは、一般消費者へも急速に高まっており、当社グループは、このような状況を絶好の成長機会と捉え、2012年11月20日に一般消費者向けインターネット通信販売サイト「LOHACO」のサービスを開始しました。当社グループでは「いつでも、どこでも、誰にでも、欲しいものを欲しいときにお届けする革新的生活インフラを、最もエコロジーな形で実現します。」というミッションに基づき、オフィス通販No.1から第二世代のeコマースNo.1への変革を目指していきます。また、当社の強みである物流・配送とマーケティング力に加え、プラットフォームのオープン化により企業間連携を強化してまいります。
BtoB事業につきましては、BtoCを主力とする企業の参入や特定の業種や商品カテゴリーに強い企業の台頭により、従来からの専門商社や卸企業からの購買がeコマースでの購買へとお客様の購買方法が大きく変化しております。当社は得意とするBtoBのeコマース市場が拡大することを今までと異なるお客様への販売機会の増加と捉え、様々な施策の実行により、「収穫逓増、全ての仕事場での圧倒的No.1」を目指してまいります。
BtoC事業(「LOHACO」と連結子会社である株式会社チャームの合計)につきましては、中期経営戦略の目標指標の一つであるBtoC事業に係る流通総額1,000億円を目指し、早急に「LOHACO」の認知度を高めてまいります。「LOHACO ECマーケティングラボ」に参加いただいているメーカーと連携したマーケティング手法の活用による差別化商品の投入や「1時間単位の指定」「30分単位のお届け予定」「10分前の直前お知らせ」の3つの時間を約束する新たな配送サービス「Happy On Time」のエリア拡大等により、あらゆる点において優位性を有するeコマースを構築してまいります。
併せて、BtoB事業とBtoC事業の売上拡大によるスケールメリットを生かした原価低減や、「LOHACO」のメディア価値の拡大による広告収入の増加等に取組み、収益性の飛躍的な向上を実現してまいります。
また、当社の事業を支えるプラットフォームであり、利益の源泉である物流センターの新設等については、当社の成長・拡大にあわせ継続的に行ってまいります。
引き続き、お客様サービス向上や物流効率によるコスト低減を図るため、在庫商品の最適配置や梱包・補充作業の平準化施策に加え、最新鋭設備の導入に伴う省人化により物流生産性の向上を進めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業本来の収益性を重視し、市場シェアの拡大と当社オリジナル商品(注1)・高付加価値商品の拡充による売上総利益率の改善と継続的なコスト構造改革によるローコストオペレーションを同時に実現して売上高営業利益率の向上を目指しております。これに加え、株主重視の経営という観点から企業価値を高めるため、中長期におけるROEの向上に努めております。
当連結会計年度(2019年5月期)は、連結売上高は着実に成長し、売上総利益率についても改善が図られたものの、宅配クライシスによる配送コストの増加等により、売上高営業利益率は前連結会計年度並の1.2%となりました。また「ALP首都圏」の火災後に開設したLOHACO専用のセンターである「AVC日高」に関する固定資産全額について減損損失を計上した影響によりROEは0.9%となりました。
次期(2020年5月期)においては、売上拡大、物流生産性の改善や配送基盤の自社配送化により物流変動費比率の低下を見込んでおります。これらにより、2020年5月期は着実に増収、営業利益は増益を予定しており、売上高営業利益率は2.2%、ROEは10.0%となる見通しです。
2020年5月期は引き続き、物流生産性の向上、配送基盤の強化、物流シェアリングでローコストオペレーションを実現しECの収穫逓増モデルへのさらなる進化を続け将来の企業価値極大化を目指してまいります。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループは、以下3つのテーマに注力して取り組んでまいります。
① データやテクノロジーを活用した商品開発、ロングテール商品の拡大とWEBサイトの進化
BtoB事業は、成長を続けるeコマース市場において、競合他社にはない差別化された当社オリジナル商品の開発拡大により、リピート率の向上と収益力の向上に取り組んでまいります。また、ロングテール商品の取り扱いを拡大することにより、どこで売っているかわからないといったお客様の困りごとを解決し、新規お客様の獲得と既存のお客様の買い回り増加を同時に進めてまいります。WEBサイトにおいても、ビッグデータやAIなどのテクノロジー活用により、取扱商品数の拡大とお客様が欲しい商品を最も早く探せるWEBサイトへの進化を計画しております。差別化されたオリジナル商品、BtoBに特化したロングテール商材の拡大や競合他社と較べて圧倒的なBtoBビッグデータの活用、最先端テクノロジーを活用したSEO(サーチエンジンで商品を検索した際に当社のWEBサイトが上位に掲載される施策)、商品検索機能の進化とお客様の声に真摯に耳を傾けて磨いてきた高品質な基本サービスを組み合わせて、お客様にとってより便利なサービスへと進化を続けることにより、さらなる成長と収益力の向上に取り組んでまいります。
② 「独自価値EC」への転換による新たな成長
「LOHACO」は、収益改善を伴う新たな成長を実現するために、独自価値eコマースへの転換に注力してまいります。「独自価値商品数のさらなる拡大」、化粧品、健康食品等の「戦略カテゴリの強化」、「広告フィー収入の拡大」等により収益基盤の拡大を図り、事業ポートフォリオの変革を図ってまいります。中長期的には、「LOHACO」の成長に併せて、「Happy On Time」のサービス拡充により他社との差別化を進め、ECに最適化された最もローコストな配送プラットフォームの構築、物流のシェアリングによる物流配送コストの低減等の物流施策を進め、収益の改善に取り組んでまいります。
③ 自社配送網の高密度化と高度自動化された物流・配送のシェアリング(OPA)による効率化
配送ドライバー不足等に起因する大手配送会社による総量規制や配送運賃の値上げ等の商品配送に係る課題を解決するため、当連結会計年度においてグループ会社の配送基盤の増強等による自社配送網の拡大を図ってまいりました。次期については、当社サービス以外の他社の荷物を配送する外販の獲得を推進して取扱荷物の総量を増やし、自社配送網の配送密度を高めることで配送コストの削減に取り組んでまいります。また、これら自社配送網を活用した効率的な配送を支えるために、最先端の技術であるビッグデータやAIの活用による最適なルート計算方法等の研究を継続的に行い、早期のシステム化に取り組んでまいります。また、物流センターへのロボティクス等の導入により物流生産性のさらなる向上を目指すとともに、Open Platform by ASKUL(OPA:当社の強みである物流とマーケティングのプラットフォームを外部提供する事業、以下「OPA」)を提供し、物流のシェアリングによる物流配送コストの低減を実現してまいります。当社は「AVC関西」において、すでに一部メーカーや流通企業とは「OPA」の取り組みを進めておりますが、2020年9月に予定している「OPA」の関東拠点の稼働開始に向けて、メーカーやストア企業(注2)との在庫の共有化・商品の同梱配送等を進め、「OPA」をより一層加速してまいります。
当社は「OPA」の具現化を通して、お客様にとって一層充実した品揃えと高い利便性を提供するとともに、効率的で無駄のない社会最適なeコマースを実現してまいります。
(注)1 当社のプライベートブランド商品のほか、当社グループのみで販売するメーカーブランド商品を含みます。
2 「LOHACO」のマーケットプレイスに「出店」している売り主企業のことを指します。

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