有価証券報告書-第76期(2025/03/01-2026/02/28)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「なくてはならぬ人となれ なくてはならぬ企業であれ」を企業理念に掲げ、「Play fashion!」のミッションの下、私たちが提案するファッションを通じて、人々の心を豊かに、幸せにすることを使命としています。いつの時代も変わらぬこのミッションの下で、持続可能な成長を目指し、お客様一人ひとりの毎日を今よりもっと楽しくする選択肢をご提供することで、事業を通じた社会・業界の課題解決への貢献を果たしてまいります。

(2) 中期的な会社の経営戦略(経営環境、対処すべき課題と経営戦略)
日本経済は、賃金上昇による個人消費の緩やかな改善傾向やインバウンド需要の定着、企業の設備投資意欲の継続などを背景に堅調に推移しております。一方で、原材料及びエネルギー価格などの物価や金利の上昇、人件費の上昇や労働力不足、円安の進行、地政学リスクの増大など事業環境への懸念は続いております。
国内アパレル事業における市場環境として、タイトな労働需給を背景に名目賃金の増加が続き、実質賃金がプラスに転じることが期待され、当社グループの主力顧客である若年層の消費に追い風になると見込まれます。一方で、顧客のライフスタイルや嗜好の変化は進んでおり、生活雑貨類の市場拡大、ビジネスシーンにおける服装のカジュアル化、EC市場の拡大、SNSを経由した購買の増加などの変化に柔軟に対応し、新たに生まれる需要を確実に取り込むための対応を進めております。また中長期的には、国内アパレル市場は少子高齢化により緩やかな縮小が構造的に続く一方、海外アパレル市場は人口の増加や新興国の所得水準向上を背景に、拡大を続ける見通しです。
当社グループは、このような経営環境に迅速に対応し事業構造を変革するため、2030年2月期に向け「中期経営計画2030」を策定しております。「中期経営計画2030」では、当社グループの強みであるマルチブランドで培った、リアル店舗やスタッフとお客様の濃いつながりを活用し、プラットフォーム事業、グローバル事業、ブランドリテール事業の3つの事業が互いにシナジーを創出しながら、自社ECである「and ST」を「Play fashion!プラットフォーマー」へと進化させることを目指しております。また、2025年9月1日付で、当社グループは持株会社体制へ移行し、同日付で、当社は株式会社アンドエスティHDに商号変更いたしました。
「中期経営計画2030」の概要は下の図の通りです。

対処すべき課題、具体的な成長戦略の内容は以下の通りです。
① プラットフォーム事業(グループ価値革新のエンジン)
ファッションの重要性は、近年アパレルだけでなく住まいや食、旅やスポーツなど、生活の様々な場面に広がり、ライフスタイルという一つの大きな市場になりつつあります。当社では既存の業界や業態の壁を越えた新たな成長領域の育成を進めております。また、デジタル技術が生活に浸透したことにより、EC市場が大きく伸長しただけでなく、新たな顧客体験やサービスの機会が生まれています。リアル店舗とEC双方でシームレスなサービス・体験を提供するとともに、店舗運営や商品企画、PR、物流など、あらゆる面で価値創造を進めていくことが必要です。当社は2,100万人以上の「and ST」顧客会員を有しており、この会員基盤のつながりを最大限に生かし、自社EC「and ST」をモール&メディアに育てます。そして、外部企業による出店を加速し、取扱いカテゴリーの拡充や、スタッフとお客様の関係性強化などプラットフォーマーとしての成長戦略を推進し、ID(顧客基盤)とLTV(顧客生涯価値)の双方を拡大することで、流通総額1,000億円を目指します。
同時に、外部企業へのブランド提供などBtoB向けプロデュース事業や、ECサイト上でお客様にスタイリングを提案するSTAFF BOARDの外販によるソリューション事業、外部とのポイント連携によるユーザーサービスの拡充などにより、ファッションの可能性を広げながら、収益率の向上を目指します。
② グローバル事業(グループ価値拡大のアクセル)
国内アパレル市場が少子高齢化に伴う構造的縮小に直面する中、当社が長期的な成長を続けるためには、市場拡大が続くアジア圏への事業展開が不可欠です。当社では、現在の中期経営計画において掲げているグローバル事業の基本戦略である『マルチブランド戦略』を推進しております。その一環として、地域ごとに異なる嗜好や生活文化を持つお客様への理解を深め、商品開発からMD構成、店頭表現に至るまで、現地のお客様のより豊かで楽しい生活に貢献するための戦略を展開してまいりました。2025年は、中国大陸において標準型店舗の出店でブランド認知を高め、ECで収益を上げるクロスチャネル戦略を推進いたしました。また、台湾や香港においてマルチブランド戦略による新規出店、東南アジア市場の開拓としてタイ・フィリピンへの出店を進めてきました。一方、米国事業につきましては、2025年7月25日に米国の事業子会社(孫会社)であるVelvet,LLCの出資持分の譲渡が完了し、事業から撤退いたしました。
今後は東南アジアを次の柱として投資を加速させ、リアル店舗の出店と展開地域の拡大を進めます。また、グレーターチャイナ(中国大陸・香港・台湾)では、マルチブランド戦略を強化し安定成長を図ります。
③ ブランドリテール事業(グループ価値創造の基盤)
長期的には、国内では少子高齢化や可処分所得の減少により、アパレル市場の緩やかな縮小が構造的に続くと予想されております。一方で、アクティブシニア、ウェルネス志向、生活雑貨のニーズ拡大など、ライフスタイルの多様化がもたらす新たな需要もあり、これらを素早く確実にとらえることが求められます。
このような市場の変化に対応するため、当社は多数の独自ブランドを擁し、マルチブランド戦略を軸としたポートフォリオ経営を進めてきました。今後はグループ各社がそれぞれのミッションに応じた戦略策定・事業運営を行うマルチカンパニー体制へ移行し、ポートフォリオ経営を強化いたします。グループの中核である株式会社アダストリアでは、成長余地の大きい注力ブランドへの投資を進め、都市部への出店強化や店舗の大型化により収益性の向上を図ります。
その他の主要なグループ会社では、株式会社エレメントルールは高価格帯セレクトマーケットにおけるハイエンド顧客層の獲得、株式会社BUZZWITはZ世代を中心に細分化するニーズを捉えた迅速な新ブランドの創出、株式会社ゼットンは人が集う場づくりとしての飲食事業をそれぞれ役割とし、グループシナジーを活用した成長を目指します。
また、これらの戦略を支えるデジタル、ロジスティクス、生産機能についてはバリューチェーンの共通化などで高度化や効率化を進め、お客様に豊かな選択肢を提供いたします。
④ サステナブル経営の推進
ファッション産業は、大量生産・廃棄による環境負荷や人権、労働環境など構造的な課題に直面しております。当社グループは「ファッションのワクワクを、未来まで。」をサステナビリティポリシーに掲げ、「環境を守る」「人を輝かせる」「地域と成長する」の3つのテーマを経営戦略と一体で推進しております。
環境面では、衣料品在庫の焼却処分ゼロの継続、サステナブル原料への切り替え、衣料品回収やサーキュラー事業の拡大を通じて、資源循環型モデルの構築を進めております。また、TCFD提言やSSBJ基準を参照し、透明性の高い開示を行い、気候変動リスクの管理を強化しております。サプライチェーンでは、調達ガイドラインの遵守とサプライヤーリストの公開により、人権・環境への配慮を徹底しております。
人的資本経営においては、女性活躍を含むダイバーシティの推進や働き方改革に取り組み、従業員が創造性を発揮できる組織を整備しております。これらの取り組みを通じ、ミッションである「Play fashion!」のもと持続的な価値創出を実現いたします。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「なくてはならぬ人となれ なくてはならぬ企業であれ」を企業理念に掲げ、「Play fashion!」のミッションの下、私たちが提案するファッションを通じて、人々の心を豊かに、幸せにすることを使命としています。いつの時代も変わらぬこのミッションの下で、持続可能な成長を目指し、お客様一人ひとりの毎日を今よりもっと楽しくする選択肢をご提供することで、事業を通じた社会・業界の課題解決への貢献を果たしてまいります。

(2) 中期的な会社の経営戦略(経営環境、対処すべき課題と経営戦略)
日本経済は、賃金上昇による個人消費の緩やかな改善傾向やインバウンド需要の定着、企業の設備投資意欲の継続などを背景に堅調に推移しております。一方で、原材料及びエネルギー価格などの物価や金利の上昇、人件費の上昇や労働力不足、円安の進行、地政学リスクの増大など事業環境への懸念は続いております。
国内アパレル事業における市場環境として、タイトな労働需給を背景に名目賃金の増加が続き、実質賃金がプラスに転じることが期待され、当社グループの主力顧客である若年層の消費に追い風になると見込まれます。一方で、顧客のライフスタイルや嗜好の変化は進んでおり、生活雑貨類の市場拡大、ビジネスシーンにおける服装のカジュアル化、EC市場の拡大、SNSを経由した購買の増加などの変化に柔軟に対応し、新たに生まれる需要を確実に取り込むための対応を進めております。また中長期的には、国内アパレル市場は少子高齢化により緩やかな縮小が構造的に続く一方、海外アパレル市場は人口の増加や新興国の所得水準向上を背景に、拡大を続ける見通しです。
当社グループは、このような経営環境に迅速に対応し事業構造を変革するため、2030年2月期に向け「中期経営計画2030」を策定しております。「中期経営計画2030」では、当社グループの強みであるマルチブランドで培った、リアル店舗やスタッフとお客様の濃いつながりを活用し、プラットフォーム事業、グローバル事業、ブランドリテール事業の3つの事業が互いにシナジーを創出しながら、自社ECである「and ST」を「Play fashion!プラットフォーマー」へと進化させることを目指しております。また、2025年9月1日付で、当社グループは持株会社体制へ移行し、同日付で、当社は株式会社アンドエスティHDに商号変更いたしました。
「中期経営計画2030」の概要は下の図の通りです。

対処すべき課題、具体的な成長戦略の内容は以下の通りです。
① プラットフォーム事業(グループ価値革新のエンジン)
ファッションの重要性は、近年アパレルだけでなく住まいや食、旅やスポーツなど、生活の様々な場面に広がり、ライフスタイルという一つの大きな市場になりつつあります。当社では既存の業界や業態の壁を越えた新たな成長領域の育成を進めております。また、デジタル技術が生活に浸透したことにより、EC市場が大きく伸長しただけでなく、新たな顧客体験やサービスの機会が生まれています。リアル店舗とEC双方でシームレスなサービス・体験を提供するとともに、店舗運営や商品企画、PR、物流など、あらゆる面で価値創造を進めていくことが必要です。当社は2,100万人以上の「and ST」顧客会員を有しており、この会員基盤のつながりを最大限に生かし、自社EC「and ST」をモール&メディアに育てます。そして、外部企業による出店を加速し、取扱いカテゴリーの拡充や、スタッフとお客様の関係性強化などプラットフォーマーとしての成長戦略を推進し、ID(顧客基盤)とLTV(顧客生涯価値)の双方を拡大することで、流通総額1,000億円を目指します。
同時に、外部企業へのブランド提供などBtoB向けプロデュース事業や、ECサイト上でお客様にスタイリングを提案するSTAFF BOARDの外販によるソリューション事業、外部とのポイント連携によるユーザーサービスの拡充などにより、ファッションの可能性を広げながら、収益率の向上を目指します。
② グローバル事業(グループ価値拡大のアクセル)
国内アパレル市場が少子高齢化に伴う構造的縮小に直面する中、当社が長期的な成長を続けるためには、市場拡大が続くアジア圏への事業展開が不可欠です。当社では、現在の中期経営計画において掲げているグローバル事業の基本戦略である『マルチブランド戦略』を推進しております。その一環として、地域ごとに異なる嗜好や生活文化を持つお客様への理解を深め、商品開発からMD構成、店頭表現に至るまで、現地のお客様のより豊かで楽しい生活に貢献するための戦略を展開してまいりました。2025年は、中国大陸において標準型店舗の出店でブランド認知を高め、ECで収益を上げるクロスチャネル戦略を推進いたしました。また、台湾や香港においてマルチブランド戦略による新規出店、東南アジア市場の開拓としてタイ・フィリピンへの出店を進めてきました。一方、米国事業につきましては、2025年7月25日に米国の事業子会社(孫会社)であるVelvet,LLCの出資持分の譲渡が完了し、事業から撤退いたしました。
今後は東南アジアを次の柱として投資を加速させ、リアル店舗の出店と展開地域の拡大を進めます。また、グレーターチャイナ(中国大陸・香港・台湾)では、マルチブランド戦略を強化し安定成長を図ります。
③ ブランドリテール事業(グループ価値創造の基盤)
長期的には、国内では少子高齢化や可処分所得の減少により、アパレル市場の緩やかな縮小が構造的に続くと予想されております。一方で、アクティブシニア、ウェルネス志向、生活雑貨のニーズ拡大など、ライフスタイルの多様化がもたらす新たな需要もあり、これらを素早く確実にとらえることが求められます。
このような市場の変化に対応するため、当社は多数の独自ブランドを擁し、マルチブランド戦略を軸としたポートフォリオ経営を進めてきました。今後はグループ各社がそれぞれのミッションに応じた戦略策定・事業運営を行うマルチカンパニー体制へ移行し、ポートフォリオ経営を強化いたします。グループの中核である株式会社アダストリアでは、成長余地の大きい注力ブランドへの投資を進め、都市部への出店強化や店舗の大型化により収益性の向上を図ります。
その他の主要なグループ会社では、株式会社エレメントルールは高価格帯セレクトマーケットにおけるハイエンド顧客層の獲得、株式会社BUZZWITはZ世代を中心に細分化するニーズを捉えた迅速な新ブランドの創出、株式会社ゼットンは人が集う場づくりとしての飲食事業をそれぞれ役割とし、グループシナジーを活用した成長を目指します。
また、これらの戦略を支えるデジタル、ロジスティクス、生産機能についてはバリューチェーンの共通化などで高度化や効率化を進め、お客様に豊かな選択肢を提供いたします。
④ サステナブル経営の推進
ファッション産業は、大量生産・廃棄による環境負荷や人権、労働環境など構造的な課題に直面しております。当社グループは「ファッションのワクワクを、未来まで。」をサステナビリティポリシーに掲げ、「環境を守る」「人を輝かせる」「地域と成長する」の3つのテーマを経営戦略と一体で推進しております。
環境面では、衣料品在庫の焼却処分ゼロの継続、サステナブル原料への切り替え、衣料品回収やサーキュラー事業の拡大を通じて、資源循環型モデルの構築を進めております。また、TCFD提言やSSBJ基準を参照し、透明性の高い開示を行い、気候変動リスクの管理を強化しております。サプライチェーンでは、調達ガイドラインの遵守とサプライヤーリストの公開により、人権・環境への配慮を徹底しております。
人的資本経営においては、女性活躍を含むダイバーシティの推進や働き方改革に取り組み、従業員が創造性を発揮できる組織を整備しております。これらの取り組みを通じ、ミッションである「Play fashion!」のもと持続的な価値創出を実現いたします。