有価証券報告書-第25期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)

【提出】
2021/01/27 14:58
【資料】
PDFをみる
【項目】
137項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは『食の戦前回帰』を企業理念とし、添加物を含まない、素材そのものの味わいを求め、「食」が安心・安全だった戦前のバランスの取れた理想的で健康的な食生活を取り戻すという理念のもと、創業以来全食材から『四大添加物(化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料)』を完全に排除した商品を開発・提供してまいりました。
当社の企業理念“食の戦前回帰”を貫くことが、「食の本来あるべき姿をお客様に提供する」こととなり、社会に貢献できるものと考えております。さらには、日本の食文化の代表である寿司を通して、世界の人々の幸せに貢献できる企業を目指してまいります。
(2)経営環境
外食産業におきましては、競合他社の積極的な出店による影響や、労働需給ひっ迫による人件費の上昇など、経営環境は引き続き厳しいものとなっております。
(3)目標とする経営指標
当社は、資産の有効活用により企業価値を高めるという観点から、収益性と効率性を表す総資産経常利益率(ROA)を重要な経営指標と位置付けております。
目標とする総資産経常利益率 (ROA) 18%
(4)中長期的な会社の経営戦略
競合他社との差別化を図り、「無添(むてん)くら寿司」ブランド認知を推し進め、回転すし業界の中で確固たる地位を築いてまいります。出店形態は直営店のみとし、地域間格差のない均一の品質・サービス等を提供できる体制の構築を図っております。また、より一層人材の育成を行い、さらなる店舗運営システムの向上を図るとともに、費用対効果を追求し、経営基盤の強化、業績の向上に努めてまいります。さらに、世界の人々に日本の食文化のすばらしさを伝え、幸せに貢献するため、蓄積してきたノウハウと、ゆるぎない企業理念をもって海外展開を加速してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の外食産業は、国内外における新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、経済活動が制限されたことにより、消費に大きなマイナスの影響を与えることが懸念されております。当社はお客様および従業員の安全を第一に考え、業界に先行して新型コロナウイルス感染症対策を実施いたしました。
2020年5月より、お客様の入店から退店まで店員と接触しない「完全非接触店舗」の稼働を開始いたしました。新型コロナウイルスワクチンの接種が海外において開始され、感染拡大の沈静化が期待されるものの、様々なウイルスの感染リスク及びお客様の感染症に対する懸念は当面継続するものと考え、「完全非接触店舗(スマートくらレストラン)」への投資を進め、競合他社との差別化を図ってまいります。
① 効率的な店舗運営
“安心・おいしい・安価”そして“楽しい”食事を提供し続けるため、コストパフォーマンスの向上に取り組み、AIの導入などさらにIT化を推進するとともに、アミューズメント機能を充実させ、顧客満足度を高めてまいります。ますます多様化するお客様のニーズを敏感に捉えた商品・サービスの提供を迅速かつ確実にする体制を整えてまいります。
② 出店戦略
「無添(むてん)くら寿司」ブランドを広く認知していただけるよう出店地域の拡大を図りつつ、不採算店を出さないために出店条件の厳格化及び一層のコスト削減に取り組みます。
次期の国内出店は25~30店舗を計画しております。
③ 顧客満足度の向上
「スマートくらレストラン」を推し進め、店舗設備の更新による店内環境の改善、サービスの改善による顧客満足度の向上を図ることにより、来店客数の増加、既存店売上高の維持・向上に努めてまいります。
④ 人材の確保・育成
競争が激化する外食産業におきましては人材の確保・育成が重要な課題と認識しております。「貝塚事務所」におきましては、“教育日本一企業”を目指し、社長が講師を務める“社長塾”をはじめ、パート・アルバイト従業員を対象にした研修会を実施しております。また、新卒者を対象に「エグゼクティブ採用」を開始したのを始め、各分野に精通したプロフェッショナル人材の積極的な中途採用も行っております。さらに海外展開に対応したカリキュラムも充実させ、台湾子会社の社員研修を貝塚事務所で行うなど、グローバルな人材育成にも注力してまいります。
⑤ 商品戦略
日本固有の食文化である寿司をベースに食の可能性を追求し、高付加価値商品の開発と既存商品の価値拡大に努めます。日本の漁業の持続性を念頭に多くの漁協さまと連携し、海に囲まれた日本の天然魚を消費者に届け、商品競争力を向上させることによって、成熟市場の中でシェアの拡大及び収益の向上を図ってまいります。
⑥ 海外戦略
当社グループは現在、米国及び台湾において子会社を設立し、それぞれ現地株式市場に上場しております。「海外での出店を促進し、日本の食文化を世界に広げる」との考えのもと、新たな成長のため、日本で築き上げたフォーマットを海外に移植し、積極的に海外展開を行ってまいります。
今後も、上記課題を克服し、高付加価値を生み出す企業体質を構築していくことで、全てのステークホルダーの皆様のご期待に応えてまいります。