有価証券報告書-第41期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/20 16:36
【資料】
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【項目】
141項目
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティの基本方針と取組
当社グループは、経営理念である「人々の心と体の健康を促進し、フードサービス業を通じ人類の生成発展に貢献する。」の考えのもと、食のインフラの担い手として、社会の持続可能な発展への貢献と企業価値の向上を目指すことを基本方針として、重点的に取り組んでいく5つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、マテリアリティのマネジメントサイクルを通じて「持続可能な社会への貢献」と「企業価値の向上」を両立しながら、今後も持続的成長に向けた取り組みを推進することを決定しております。
なお、特定したマテリアリティについては、社会環境や戦略の変化により、見直しも適宜実施します。
[基本方針]
私たち大戸屋は、「人々の心と体の健康を促進し、フードサービス業を通じ人類の生成発展に貢献する。」という経営理念のもと、安心・安全な食材の安定的(継続的)な調達を可能とする環境の維持や、社会をかたちづくる世界中の人々のからだの健やかさ、心の康らかさに資することで、持続可能な社会の実現に貢献できるよう努めて参ります。
[5つのマテリアリティ]
①地球環境への貢献
「地球環境への貢献」は次代への責務であり、気候変動の緩和、循環型社会の形成に向けて、再生可能エネルギーの安定的利用や資源の有効活用に取り組んでいく。
②食の安全・安心の提供
「食の安全・安心の提供」は外食企業として持続可能な成長の基盤。バリューチェーン全般における衛生管理と品質の追求、情報公開などを通じてお客様の信頼に応えていく。
③働く仲間の成長と多様性の尊重
「働く仲間の成長と多様性の尊重」はサービス業として欠かせない競争力の源泉。従業員が働きやすく、それぞれの成長を目指せる職場環境を提供していく。
④地域・社会への貢献
「地域・社会への貢献」は持続的かつ安定的な事業運営に欠かせぬもの。雇用創出・人材育成を通じた地域経済振興、食育や寄付を通じた地域交流促進に努めていく。
⑤経営基盤の強化
経営の透明性を確保しつつ、戦略の立案・実行及び監査を継続不断の取り組みとして充実させる。
(2)ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ経営への取り組みを経営上の重要課題と認識し、サステナビリティ担当者は各部門及び親会社のサステナビリティ推進室と連携し、各種取り組みを推進しております。
また、サステナビリティ担当者は、各種取り組みの進捗状況等を執行会議にて議論しガバナンス体制を構築するとともに、その取り組みに対して取締役会による監督を行っております。
(3)リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ等に関するリスクについて、コンプライアンス・リスク管理委員会にて識別・評価し、必要により適宜取締役会に報告しております。
これを受けて、サステナビリティ担当者は、識別・評価したリスクの最小化に向け、当社各部門及び親会社のサステナビリティ推進室と連携し、各種取り組みを推進しております。
(4)戦略
当社グループが特定した5つのマテリアリティのうち、特に重要であると考えているのは、気候変動への対応を含む「地球環境への貢献」です。
気候変動は、当社グループの事業活動に対して様々な「リスク」と「機会」を及ぼすものでありこれらに対応していくことが重要であると考え、事業活動に与える気候変動のリスク(物理的リスク及び移行リスク)と機会を抽出しております。
当社グループにおいて、「持続可能な社会への貢献」と「企業価値の向上」を両立していく為に、グループ一丸となって気候変動に関する課題に取り組んでまいります。
[気候変動のリスクと機会]
リスク・機会の分類想定されるリスク・
機会の概要
事業及び財務への影響
リスク移行
リスク
政策と法・CO2排出量の規制強化による運営コストの増加
・規制強化に伴う事業運用コストの増加
・規制強化に伴う店舗等の投資コストの増加
・プラスチック資源循環法への対応

大きい
評判・環境課題への対応遅れに伴うステークホルダーからの信用失墜
・ブランド価値の毀損
・FC加盟店の離脱

非常に
大きい
市場と
技術
・食材調達コストの増加
・再生可能エネルギーへの転換に伴う調達コストの増加
・プラスチックの容器や包材の再生可能資源に置換わることによるコスト増加
・生活者の嗜好の変化による需要の変化

大きい
物理的
リスク
・大規模自然災害の発生に伴う店舗閉鎖による営業機会損失
・サプライチェーン断絶による調達コストの増加
・店舗における電力使用量の増加

非常に
大きい
機会エネルギー/技術・省エネ推進に伴う電力使用コストの削減
・「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」の原料となる廃食用由の供給による廃棄物の削減
・物流の効率化による輸送コストの減少

大きい
市場・サステナビリティ推進によるステークホルダーからの共感獲得
・環境配慮型商品・サービスの開発による売上の増加
・気温上昇による嗜好の変化に合わせた商品・サービスの開発

大きい

また当社グループは、「働く仲間の成長と多様性の尊重」を5つのマテリアリティのうちの1つとして特定しております。
「働く仲間の成長と多様性の尊重」は、企業の競争力の源泉ともなるものです。従業員があらゆるライフステージにおいて安心して勤務し、ジェンダーの区別なくワークライフバランスのある働き方ができ、それぞれの成長を目指せる職場環境を提供して参ります。
[人材育成方針]
当社グループは、一人一人が働きがいを感じ成長することが、グループ全体の発展に繋がることになり、「持続可能な社会への貢献」と「企業価値の向上」の両立を実現することができるため、全ての従業員が自律的に成長できる機会を提供し、自己成長していく人材を育成して参ります。
[社内環境整備方針]
当社グループは、多様な人材がそれぞれの能力・スキル、ライフステージに合わせて働き方を選択できる制度など、多様な就業形態や活躍機会を提供することで、働きやすく、働きがいのある職場環境を整備して参ります。
[人材育成と社内環境整備に関する主な取組]
① 階層別研修
② eラーニング研修(スマホ視聴による隙間時間を利用した自己成長の促進)
③ JOB型人事制度(能力・スキルに応じた適所適材配置)
④ フレキシブル社員制度(ライフステージ(出産・育児・介護・シニア等)に合わせた多様な働き方(地域限定・時短勤務等)の選択)
⑤ キャリアチャレンジ制度(グループ横断公募による能力・スキルに応じた働き方の選択)
⑥ 女性活躍推進(女性活躍推進プロジェクトによる女性活躍推進の促進等)
⑦ 外国人採用の促進
⑧ 障害者雇用の促進
⑨ 定期的なエンゲージメントサーベイの実施
(5)指標と目標
当社グループは、気候変動のリスクと機会を管理するための指標として、CO2排出量及びフードマイレージの削減目標を設定し、推進して参ります。
[CO2排出量に関する目標]
2030年度までに、グループ全体(海外子会社除く)2020年度対比、原単位で50%削減。
[フードマイレージに関する目標]
2026年度までの米の輸送におけるフードマイレージを50%削減。
また、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、女性社
員比率と女性管理職比率の指標を設定しました。
[女性社員比率に関する目標]
2026年度までにグループ全体で30%(2023年度32.1%)
[女性管理職比率に関する目標]
2026年度までにグループ全体で30%(2023年度12.2%)