有価証券報告書-第62期(2024/09/01-2025/08/31)
有報資料
宝飾業界においては、資源価格の高騰、物価上昇、労働力不足、環境対応の高度化など、複数の構造的課題に直面しております。一方で、富裕層市場やインバウンド需要の回復、さらには技術革新を活用したデジタル化の進展により、一定の成長が期待されます。
消費者意識の面では、「高級志向」「パーソナライズ」「エシカル消費」「デジタル化」といった成長トレンドが重なり合い、持続可能な素材開発やサプライチェーンの透明性確保など、倫理的・社会的側面を重視した商品・サービスが求められる時代へと移行しています。
また、パーソナライズとデジタル化の掛け合わせにより、消費者一人ひとりに嗜好に合わせたオーダーメイドジュエリーの需要拡大も見込まれています。これに対して、消費の二極化や物価上昇を背景とした節約志向の高まり、加えて原材料費・人件費の上昇によるコスト負担増など、懸念材料もあり、事業環境は依然として厳しい状況が続いております。
当社は、「ビジュ ド ファミーユ(家族の宝石)」という企業理念のもと、ジュエリーを通じて人と人の絆を深め、世代を超えて受け継がれる価値を届けることを使命としております。
企業理念の実現に向け、「精神価値No.1のSPA企業」から「想いを未来につなぐコミュニティ企業」への変革を見据えた中期経営計画「festaria 2030」を策定しました。次期は、その初年度として、持続的な成長を確かなものとするための施策を着実に実行する、重要な一年と位置づけております。重点方針を「戦略的人材育成による組織力向上」「強みを活かしたCRMの深化・実践」「コミュニティ基盤を支えるDXの推進」に設定し、グループ全体で着実に推進してまいります。
「戦略的人材育成による組織力向上」
当社は、「人」こそが価値創造の源泉であるという考えのもと、これまでも「人」を大切にする経営を実践してまいりました。
人材不足が社会課題となる中、当社の持続的成長には、人的資本経営の観点から人材への積極的投資を行うことが最優先の課題であると認識しております。
当社の主要事業は、百貨店やショッピングセンターなどの商業施設内での店舗販売事業であり、CRMを中核に据えた顧客理解の深化と営業力強化の観点からは、顧客LTVを支える人材の確保・育成が不可欠です。その実現に向け、店頭・催事においてお客様の潜在的ニーズを的確に把握し、提案できる「接客のプロ」の育成を進めます。
さらに、職位や役割に応じたマネジメント力の強化に加え、DX推進に伴うリスキリングや本社部門における専門性の向上を通じて、チームや部門の成果を最大化し、組織全体での生産性向上を図ります。
また、グローバル化の進展を見据え、海外拠点や多様な人材との協働を担えるグローバル人材の採用・育成を強化するとともに、優秀な海外人材の獲得を積極的に進め、国際的な人材ポートフォリオの拡充を図ります。
加えて、従業員一人ひとりが誇りとやりがいを持ち、長く働ける環境整備として、福利厚生の充実とともに、当社の目指す将来像を共有し、前向きで活力ある職場風土を醸成することで、従業員エンゲージメントの向上にも取り組んでまいります。
「強みを活かしたCRMの深化・実践」
当社は、OMO戦略を支援する会員制度「festaria Members Club」を導入し、会員登録の促進と幅広い顧客情報の獲得を進めています。改めてハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの運用ルールの整備も進めながら、従来の顧客管理に加え、テックタッチを活用した再来店促進や、ポイント制度等のサービス向上により顧客満足度を高めLTVの最大化を目指します。
さらに、販売スタッフに最適なアフターフォローが提示されるようCRMシステムの機能開発を進めるほか、当社独自の顧客育成プロセスである「集客→育成→熟成」に基づいた催事戦略の展開に加え、パーソナライズ施策を通じて顧客体験の向上に努めます。
また、CRM戦略の高度化に向け、360度のタッチポイントを通じて「個客」一人ひとりに最適化したアプローチを継続的に推進し、顧客満足度と顧客体験によるブランド価値の向上と持続的な売上拡大の実現を目指します。
「コミュニティ基盤を支えるDXの推進」
当社は、これまで進めてきたDX推進プロジェクトによりデジタル基盤の整備が概ね完了したことから、2026年春には新基幹システムを本格稼働させる予定です。これにより、ステークホルダーと共に価値を創造する「コミュニティ企業」への進化を加速させます。
具体的には、新基幹システムを中核に、共感型プラットフォーム「festaria ONE」の実装を進めてまいります。「festaria ONE」は、中期経営計画「festaria 2030」における中核として、顧客・取引先・株主・社員がつながり、共に価値を創出する独自のコミュニティ基盤を実現するものです。
本プラットフォームでは、クラウド環境やAPIファースト設計、統合データ基盤、リアルタイム在庫管理などの技術的基盤を整備し、共感型ファンコミュニティの拡大、新しい購買体験の提供、取引先との協業強化、社員エンゲージメント向上を推進します。
これにより、単なる製造・販売にとどまらず、共感者がつながるコミュニティ企業として進化し、企業価値および株主価値の最大化につなげてまいります。
事業のセグメント別の取り組みは、次のとおりであります。
「店舗ビジネス」
店舗ビジネスにおきましては、店舗人材の確保・育成を一層強化するとともに、VMDの向上やプロモーション施策の充実を通じて店舗競争力の向上を図ってまいります。
商品面では、USP商品「Wish upon a star®」を中心に、デザインや価格帯の多様化を進め、相場動向や消費ニーズの変化に的確に対応してまいります。
また、気候変動対策や環境保護への関心の高まりを踏まえ、素材リサイクルやリフォームビジネスを基軸とした循環型ビジネスの強化を推進いたします。ベトナム生産工場との連携による新素材商品の開発、エシカルジュエリーの拡充、トレーサビリティの強化を通じ、環境負荷の低減と顧客ロイヤリティの向上を目指します。
さらに、フェスタリアブランド20周年を契機としたキャンペーンや新規イベントの展開により、店舗の魅力向上と売上拡大を図ってまいります。ブライダル分野では、3Dデジタルカスタマイズシステムを活用したマーケティング施策を推進し、来店促進と成約率の向上に努めます。
出退店政策においては、戦略的なスクラップアンドビルドを推進し、店舗数の拡大よりも顧客LTVの最大化を重視しながら、一人当たり生産性の向上による収益基盤の強化を進めてまいります。
加えて、インバウンド需要への対応にも注力し、海外人材を中心としたプロジェクトを発足させ、マーケティングやインバウンド対応商品の開発を強化いたします。併せて、台湾子会社との連携を深め、相互送客の最大化を目指してまいります。
「ECビジネス」
ECビジネスにおきましては、外部スペシャリストの招聘による体制強化を進めるとともに、消費者アンケートや購買データの分析を通じて顧客理解を深化させ、お客様のニーズに沿った商品ラインナップの拡充を図り、ユーザー体験の最適化に取り組んでまいります。
また、前期より本格展開し、一定の成果を上げている「スタッフDX」ツールの活用をさらに強化し、EC売上の拡大や顧客のファン化を推進してまいります。引き続き、実店舗を持つ強みを活かし、店頭とECの相互送客による顧客接点の創出を通じて、新規顧客の獲得およびリピート率向上による収益の拡大を図ってまいります。
「富裕層ビジネス」
富裕層ビジネスにおきましては、今後の成長領域と位置付け、リレーションシップ・マーケティングの強みを活かした事業展開を推進しております。顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズドな体験や、特別なイベント・サービスの提供を通じて、長期的な信頼関係の構築に取り組んでおります。また、高品質なアフターサービスやカスタマイズ対応による顧客ケアを強化するとともに、サプライヤーとの連携を深め、資産性・希少性の高い商品の確保を進めることで、富裕層顧客およびパートナー企業からの信頼向上を図ってまいります。さらに、百貨店外商やプライベートバンクとの協業強化に加え、富裕層ネットワークを活用した関係構築を推進し、紹介ルートの拡充を通じて加速度的な成長の実現を目指してまいります。
「海外事業」
海外事業におきましては、グループ成長戦略の推進により拡大・多様化する事業領域や役割の重要性に対応すべく、フェスタリアホールディングス㈱によるマネジメント体制を強化し、グループシナジーの最大化を目指してまいります。
台湾子会社である台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)においては、アジアマーケットにおける重要拠点として、ブランド力の向上および店舗収益の拡大を図り、東南アジアを中心とした小売事業の展開拡大につなげてまいります。
ベトナム子会社D&Q JEWELLRY Co., Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)においては、自社ブランドのみならずOEM生産の拡大を見据え、製造体制の見直しや生産合理化によるコスト競争力の向上を進めております。OEM契約を締結した大手ジュエリーメーカーを含む複数企業からの受注生産は引き続き順調に推移しており、2025年7月には、自社製造基盤の高度化によって、伊勢丹との共同開発コレクション「LUX eternal(ルクス エターナル)」を販売開始するなど、当社ベトナム工場の技術力と品質管理能力が高く評価されております。今後は、製造・営業両面での戦略的投資を視野に入れ、共感型プラットフォーム「festaria ONE」の生産基盤となる製造体制の確立とさらなる品質向上を目指してまいります。
また、越境ECの展開も検討しており、日本国内とアジア市場を結ぶ新たな販路を開拓し、グローバル市場におけるブランド認知と収益拡大を図ってまいります。
消費者意識の面では、「高級志向」「パーソナライズ」「エシカル消費」「デジタル化」といった成長トレンドが重なり合い、持続可能な素材開発やサプライチェーンの透明性確保など、倫理的・社会的側面を重視した商品・サービスが求められる時代へと移行しています。
また、パーソナライズとデジタル化の掛け合わせにより、消費者一人ひとりに嗜好に合わせたオーダーメイドジュエリーの需要拡大も見込まれています。これに対して、消費の二極化や物価上昇を背景とした節約志向の高まり、加えて原材料費・人件費の上昇によるコスト負担増など、懸念材料もあり、事業環境は依然として厳しい状況が続いております。
当社は、「ビジュ ド ファミーユ(家族の宝石)」という企業理念のもと、ジュエリーを通じて人と人の絆を深め、世代を超えて受け継がれる価値を届けることを使命としております。
企業理念の実現に向け、「精神価値No.1のSPA企業」から「想いを未来につなぐコミュニティ企業」への変革を見据えた中期経営計画「festaria 2030」を策定しました。次期は、その初年度として、持続的な成長を確かなものとするための施策を着実に実行する、重要な一年と位置づけております。重点方針を「戦略的人材育成による組織力向上」「強みを活かしたCRMの深化・実践」「コミュニティ基盤を支えるDXの推進」に設定し、グループ全体で着実に推進してまいります。
「戦略的人材育成による組織力向上」
当社は、「人」こそが価値創造の源泉であるという考えのもと、これまでも「人」を大切にする経営を実践してまいりました。
人材不足が社会課題となる中、当社の持続的成長には、人的資本経営の観点から人材への積極的投資を行うことが最優先の課題であると認識しております。
当社の主要事業は、百貨店やショッピングセンターなどの商業施設内での店舗販売事業であり、CRMを中核に据えた顧客理解の深化と営業力強化の観点からは、顧客LTVを支える人材の確保・育成が不可欠です。その実現に向け、店頭・催事においてお客様の潜在的ニーズを的確に把握し、提案できる「接客のプロ」の育成を進めます。
さらに、職位や役割に応じたマネジメント力の強化に加え、DX推進に伴うリスキリングや本社部門における専門性の向上を通じて、チームや部門の成果を最大化し、組織全体での生産性向上を図ります。
また、グローバル化の進展を見据え、海外拠点や多様な人材との協働を担えるグローバル人材の採用・育成を強化するとともに、優秀な海外人材の獲得を積極的に進め、国際的な人材ポートフォリオの拡充を図ります。
加えて、従業員一人ひとりが誇りとやりがいを持ち、長く働ける環境整備として、福利厚生の充実とともに、当社の目指す将来像を共有し、前向きで活力ある職場風土を醸成することで、従業員エンゲージメントの向上にも取り組んでまいります。
「強みを活かしたCRMの深化・実践」
当社は、OMO戦略を支援する会員制度「festaria Members Club」を導入し、会員登録の促進と幅広い顧客情報の獲得を進めています。改めてハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの運用ルールの整備も進めながら、従来の顧客管理に加え、テックタッチを活用した再来店促進や、ポイント制度等のサービス向上により顧客満足度を高めLTVの最大化を目指します。
さらに、販売スタッフに最適なアフターフォローが提示されるようCRMシステムの機能開発を進めるほか、当社独自の顧客育成プロセスである「集客→育成→熟成」に基づいた催事戦略の展開に加え、パーソナライズ施策を通じて顧客体験の向上に努めます。
また、CRM戦略の高度化に向け、360度のタッチポイントを通じて「個客」一人ひとりに最適化したアプローチを継続的に推進し、顧客満足度と顧客体験によるブランド価値の向上と持続的な売上拡大の実現を目指します。
「コミュニティ基盤を支えるDXの推進」
当社は、これまで進めてきたDX推進プロジェクトによりデジタル基盤の整備が概ね完了したことから、2026年春には新基幹システムを本格稼働させる予定です。これにより、ステークホルダーと共に価値を創造する「コミュニティ企業」への進化を加速させます。
具体的には、新基幹システムを中核に、共感型プラットフォーム「festaria ONE」の実装を進めてまいります。「festaria ONE」は、中期経営計画「festaria 2030」における中核として、顧客・取引先・株主・社員がつながり、共に価値を創出する独自のコミュニティ基盤を実現するものです。
本プラットフォームでは、クラウド環境やAPIファースト設計、統合データ基盤、リアルタイム在庫管理などの技術的基盤を整備し、共感型ファンコミュニティの拡大、新しい購買体験の提供、取引先との協業強化、社員エンゲージメント向上を推進します。
これにより、単なる製造・販売にとどまらず、共感者がつながるコミュニティ企業として進化し、企業価値および株主価値の最大化につなげてまいります。
事業のセグメント別の取り組みは、次のとおりであります。
「店舗ビジネス」
店舗ビジネスにおきましては、店舗人材の確保・育成を一層強化するとともに、VMDの向上やプロモーション施策の充実を通じて店舗競争力の向上を図ってまいります。
商品面では、USP商品「Wish upon a star®」を中心に、デザインや価格帯の多様化を進め、相場動向や消費ニーズの変化に的確に対応してまいります。
また、気候変動対策や環境保護への関心の高まりを踏まえ、素材リサイクルやリフォームビジネスを基軸とした循環型ビジネスの強化を推進いたします。ベトナム生産工場との連携による新素材商品の開発、エシカルジュエリーの拡充、トレーサビリティの強化を通じ、環境負荷の低減と顧客ロイヤリティの向上を目指します。
さらに、フェスタリアブランド20周年を契機としたキャンペーンや新規イベントの展開により、店舗の魅力向上と売上拡大を図ってまいります。ブライダル分野では、3Dデジタルカスタマイズシステムを活用したマーケティング施策を推進し、来店促進と成約率の向上に努めます。
出退店政策においては、戦略的なスクラップアンドビルドを推進し、店舗数の拡大よりも顧客LTVの最大化を重視しながら、一人当たり生産性の向上による収益基盤の強化を進めてまいります。
加えて、インバウンド需要への対応にも注力し、海外人材を中心としたプロジェクトを発足させ、マーケティングやインバウンド対応商品の開発を強化いたします。併せて、台湾子会社との連携を深め、相互送客の最大化を目指してまいります。
「ECビジネス」
ECビジネスにおきましては、外部スペシャリストの招聘による体制強化を進めるとともに、消費者アンケートや購買データの分析を通じて顧客理解を深化させ、お客様のニーズに沿った商品ラインナップの拡充を図り、ユーザー体験の最適化に取り組んでまいります。
また、前期より本格展開し、一定の成果を上げている「スタッフDX」ツールの活用をさらに強化し、EC売上の拡大や顧客のファン化を推進してまいります。引き続き、実店舗を持つ強みを活かし、店頭とECの相互送客による顧客接点の創出を通じて、新規顧客の獲得およびリピート率向上による収益の拡大を図ってまいります。
「富裕層ビジネス」
富裕層ビジネスにおきましては、今後の成長領域と位置付け、リレーションシップ・マーケティングの強みを活かした事業展開を推進しております。顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズドな体験や、特別なイベント・サービスの提供を通じて、長期的な信頼関係の構築に取り組んでおります。また、高品質なアフターサービスやカスタマイズ対応による顧客ケアを強化するとともに、サプライヤーとの連携を深め、資産性・希少性の高い商品の確保を進めることで、富裕層顧客およびパートナー企業からの信頼向上を図ってまいります。さらに、百貨店外商やプライベートバンクとの協業強化に加え、富裕層ネットワークを活用した関係構築を推進し、紹介ルートの拡充を通じて加速度的な成長の実現を目指してまいります。
「海外事業」
海外事業におきましては、グループ成長戦略の推進により拡大・多様化する事業領域や役割の重要性に対応すべく、フェスタリアホールディングス㈱によるマネジメント体制を強化し、グループシナジーの最大化を目指してまいります。
台湾子会社である台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)においては、アジアマーケットにおける重要拠点として、ブランド力の向上および店舗収益の拡大を図り、東南アジアを中心とした小売事業の展開拡大につなげてまいります。
ベトナム子会社D&Q JEWELLRY Co., Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)においては、自社ブランドのみならずOEM生産の拡大を見据え、製造体制の見直しや生産合理化によるコスト競争力の向上を進めております。OEM契約を締結した大手ジュエリーメーカーを含む複数企業からの受注生産は引き続き順調に推移しており、2025年7月には、自社製造基盤の高度化によって、伊勢丹との共同開発コレクション「LUX eternal(ルクス エターナル)」を販売開始するなど、当社ベトナム工場の技術力と品質管理能力が高く評価されております。今後は、製造・営業両面での戦略的投資を視野に入れ、共感型プラットフォーム「festaria ONE」の生産基盤となる製造体制の確立とさらなる品質向上を目指してまいります。
また、越境ECの展開も検討しており、日本国内とアジア市場を結ぶ新たな販路を開拓し、グローバル市場におけるブランド認知と収益拡大を図ってまいります。