有価証券報告書-第27期(平成25年9月1日-平成26年8月31日)

【提出】
2014/11/27 15:18
【資料】
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【項目】
101項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、本項における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。
(1) 法的規制について
① 医師法第17条の規定に関連する規制について
日本国内においては、眼鏡販売の際に医師資格を有しない者が行う度数測定が医行為に該当するか否かについて、法律上明確な規定はありませんが、一般的には眼鏡を選択するための補助行為であって人体に害を及ぼすおそれが殆どない場合は医行為に該当しないと言われております。
当社では、国内アイウエア店舗における眼鏡販売時に、顧客が自己の目に合った度数のレンズを選択するための度数測定の補助を行っておりますが、目の診断及び検診等の医療行為は行っておりません。当社の行う度数測定の補助行為は、人体に保健衛生上の危害を生じさせない範疇にとどまるものであり、過去に人体に重要な影響を与えた事実もありません。更に、当社ではこのような補助行為でも、充分な技術や知識の裏づけが必要であると考え、社内研修制度の充実に注力しております。
しかし、法令・諸規則改正やその解釈の変更等により、上記のような度数測定の補助行為が医行為に該当すると判断された場合、信用失墜に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報保護法について
当社グループの事業のうち、アイウエア小売事業においては、顧客の視力等に関する情報を含む個人情報の提供を受けており、当社は個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者に該当します。そのため当社では、社内管理体制の整備、従業員への周知徹底とともに、個人情報の流出防止対策にも万全を期しておりますが、万一個人情報が外部へ流出するような事態となった場合には、信用失墜に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 製造物責任法(PL法)について
当社が販売する眼鏡は、フレームとレンズを組み合わせて製作する製造物であり、また、その他事業で販売する雑貨商品に関しても、当社グループで企画し海外の協力工場で委託生産した製造物を輸入し販売していることから、当社グループは製造業者としてPL法の適用を受けます。当社グループは、製造物の欠陥が発生しないよう細心の注意を払っておりますが、万一製造物の欠陥により顧客の身体、財産等を毀損した場合、損害賠償義務の負担等が当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 業界環境に係わるリスクについて
① 眼鏡市場の成熟化について
当社グループの主要セグメントであるアイウエア事業が事業領域とする国内眼鏡小売市場は、以下「国内の眼鏡及び眼鏡関連小売市場の推移」に記載したとおり、成熟した市場であり、今後とも持続的な市場の拡大は望めず、競合環境その他構造的な変化等により国内の眼鏡小売市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
国内の眼鏡及び眼鏡関連小売市場の推移
項目/年平成19年平成20年平成21年平成22年平成23年平成24年平成25年
眼鏡関連小売
市場規模(億円)
5,3514,9504,6124,6184,6224,8364,645

(出典:眼鏡光学出版株式会社「眼鏡DB2014」)
② 代替商品・代替サービスの普及、及び出現について
コンタクトレンズの普及やレーザー装置による視力矯正手術等の代替商品・代替サービスの普及や、予想を上回る技術革新等により新たな視力矯正手段が出現し、国内の眼鏡小売市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 自然災害について
当社グループの店舗施設及び物流拠点の周辺地域において、地震、津波等の大規模災害が発生したことにより同施設が被害を受けた場合、事業を円滑に運営できなくなる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金融環境の変化について
① 金利情勢の変動について
当社グループは、出店等の設備資金及び運転資金について、一部銀行借入による資金調達を実施しております。
当連結会計年度末日現在の連結貸借対照表における総資産額に占める有利子負債の割合は、17.7%の水準ではありますが、今後の有利子負債の割合の推移や金融情勢の変化により金利水準が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 資金調達環境の変化について
当社グループは、運転資金及び店舗出店等に関する設備資金の機動的かつ安定的な調達を可能とするため、取引銀行等4行と20億円のコミットメントライン契約及び取引銀行等3行と5億円のグローバル・コミットメントライン契約、取引銀行3行と60億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しておりますが、今後の金融情勢の変化や当社グループの損益状況並びに純資産額の推移等により必要な資金調達に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 当社グループのビジネスモデルに係わるリスクについて
① 競合業者の出現について
当社グループの主要セグメントであるアイウエア事業は、平成13年4月の同事業への新規参入以来、従前の眼鏡小売業者と比べ、以下のような点で差別化して成長してまいりました。
第一に、従来眼鏡購入の一式平均単価が平成12年当時30,301円(出典:株式会社サクスィード「眼鏡白書 2001-2002」)と高価であったものを、ツープライス(5,250円、8,400円。以降フォープライス、スリープライスへと修正し、現在は4,900円、5,900円、7,900円、9,900円のセット価格(税抜価格)で差額レンズ代金を頂かないという「NEWオールインワンプライス」に変更。)と明瞭かつ低価格で提供したこと、第二に、視力矯正のための用具である眼鏡をアイウエアと称し、ファッションアイテムとして、服装やシーンに合わせて装用するというコンセプトが市場のニーズに適合したこと、第三に、ショッピングセンター内に店舗を出店する形態を中心としており、ショッピングセンターの顧客層と当社の顧客層が一致したこと等が考えられます。
今後も引き続き、ショッピングセンターや駅ビル等商業施設への出店を中心に展開し、機能性とファッション性を兼ね備えたアイウエアを明瞭かつ低価格で提供し、アイウエア事業を成長させていく方針でありますが、当社グループよりも低価格で眼鏡を提供する業者や全く新しい眼鏡の楽しみ方を提案する業者等が出現し、商業施設運営事業者や消費者の高い支持を得た場合や、競合業者に比して当社グループのアイウエア企画力が著しく低下した場合には、計画通りの出店が出来なくなることや既存店の売上高低下等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
② 中国の社会、経済、政治情勢の著しい変化
当社グループは、自社で商品のデザインや企画を行っておりますが、その製造は外部の企業に委託しており、委託先の多くは中国の協力工場及び協力会社(貿易公司)であります。当連結会計年度の商品仕入高8,854,796千円に対して、中国からの輸入仕入高が4,016,012千円となっており、総仕入高に占める中国からの輸入仕入高の比率は45.4%となっております。また、アイウエア事業のうち眼鏡フレーム、レンズ及びサングラス等眼鏡関連商品の総仕入高に占める中国からの輸入仕入高の比率は48.5%となっております。
以上のとおり、当社グループの商品仕入に占める中国からの輸入の割合は一定の水準に達しており、その影響力も少なくないことから、中国国内での工場の分散化や中国以外の国への委託先の開拓等によるリスク分散を行っております。しかしながら、中国国内の社会的、経済的変動、及び政治情勢の変化や、中国当局が課す法的規制や制限等により生産に支障が生じた場合、または中国国内の急激な人件費の上昇や為替相場の急激な変動等が発生した場合には、販売機会の損失や輸入仕入原価の高騰等により当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 出店政策について
当社グループは、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に店舗を展開しております。
従って、当社グループでは集客力の向上による店舗当たり売上高の増加や商業施設のリーシング部門とのコミュニケーションの緊密化を図り、商業施設からの誘致機会の拡充に努めておりますが、商業施設の開発件数や既存商業施設内のテナントの入替えが大幅に減少した場合には、計画通りの出店が出来なくなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 敷金及び保証金等について
当社グループは、賃借による出店を基本方針とし、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の事業の運営者に対して、賃貸借契約に基づき、当連結会計年度末日現在で敷金・保証金・建設協力金などを合計3,222,093千円差入れております。出店時にこれら土地所有者等の信用状況や権利関係については十分確認を行っておりますが、土地所有者等が破綻した場合、また当社グループが契約期間満了前に撤退した場合には、上記敷金及び保証金等の全部又は一部の回収が困難となることも想定され、このような場合には当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人材の確保及び育成について
当社グループは、アイウエアショップの積極的な新規出店の展開による事業の拡大を計画しておりますが、出店を可能とするには質の高い店舗従業員及び店舗マネジャー等の人材の確保並びに育成が必須であります。また、競合他社との差別化を推進するためには企画、開発、生産管理部門の充実が重要と考えております。そこで、当社グループでは、即戦力としての中途採用を積極的に進めると同時に、東京、前橋本社並びに全国4箇所の拠点で店舗従業員を対象とした継続的な集合研修を行っております。今後とも中途・新卒採用を積極的に行うとともに、研修制度の整備・拡充について重点的に取組んでまいります。
しかしながら、計画している店舗数の拡大及び企画、開発、生産管理部門の充実に見合った人材の確保が困難となった場合には、計画通りの出店や競合他社との差別化が出来ず、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 知的財産権侵害等のリスク
当社グループは、「JINS」、「cours de couleur」、「Hitch Hike」、「Hitch Hike Market」、「NAUGHTIAM」などのブランドを用いて商品展開しており、また、主力商品であります「Air frame」(エア・フレーム)、「JINS PC」などは自社で商品のデザイン・企画を行っておりますので、商標権その他知的財産権の管理が重要となっております。
そのため当社グループは、上記ブランド及び商品名をはじめとする、現在当社グループで使用しているブランド、商品名及びショップネームのうち商標登録可能なものはすべて登録済み又は出願中であります。
また、当社グループが新規にデザイン・企画する商品に関しては、事前に十分な調査を実施した上で商品化しております。更に、社内に「コンプライアンス委員会」を設置して自社権利の被侵害や他社権利に対する当社の侵害監視を行っております。なお、万一自社権利を侵害された場合、及び他社権利を侵害した場合は顧問弁護士との連携により速やかに対処する体制を整えております。
しかしながら、これら調査や監視機能にかかわらず自社権利の被侵害によるブランド力が低下した場合、又は他社権利を侵害したとして損害賠償請求や差止請求などを受けた場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現在商標権等知的財産権に関する係争や訴訟はございません。
⑦ 眼鏡レンズの仕入について
当社グループは、主要セグメントであるアイウエア事業において、眼鏡・サングラスのレンズの一部を海外レンズメーカーより直接輸入しております。
そのうち眼鏡レンズは、薬事法上の一般医療機器に該当し、それを輸入して販売する行為は同法の規制を受けております。
当社グループでは、レンズの輸入販売を統轄する東京本社において、薬事法第12条第1項に定める第三種医療機器製造販売業許可を、レンズの保管、包装等を行う各物流センターにおいて薬事法第13条第1項に定める医療機器製造業許可を取得し、薬事法及び関連法令、各種省令の規制の下、レンズの適正な品質管理に努めておりますが、万一各種規制に抵触し、当該許可が取り消される等した場合、商品の供給に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 決済方法及びセキュリティについて
当社グループは、自社で運営するオンラインショップにおいて、利用者がインターネット上でクレジットカードによる商品購入代金を決済するためのシステムを採用しているため、クレジットカード情報の非保持化・ファイヤーウォール(注1)・SSL(注2)といったセキュリティ技術により、利用者のクレジットカード情報のセキュリティ確保を行っております。
しかし、いかなる対策を講じても第三者によりクレジットカード情報等が登用される可能性をゼロにすることはできず、万一、クレジットカード情報等が流出・漏えいした場合、信用失墜に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注1) ファイヤーウォール
ネットワークを外部からの不正侵入から保護する仕組み
(注2) SSL
インターネット上で、パソコンとサーバ間の通信データを暗号化する技術