有価証券報告書-第30期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/25 16:53
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業績等の概要

(1)業績
当事業年度の我が国の経済は、政府、日銀の財政、金融政策による経済対策等を背景に企業収益や雇用環境が緩やかな回復基調にあるものの、消費税率引き上げに伴う影響や輸入原材料の上昇の懸念など、経済環境は依然として不透明な状況で推移しております。
外食産業におきましては、円安進行に伴う食材価格の高騰、雇用や所得環境の悪化などから節約志向が強まり、経営環境は大変厳しい状況で推移しております。
このような状況のもと、当社は「足元固め、手堅く、大胆なる飛躍」の基本方針に基づき、既存店の売上高増大に全社一丸となって取り組むと共に、今後、中長期的な成長への基盤となる新規業態において、お客様満足度の向上や商品の提供と収益の確保を両立できる体制の構築に目指してまいりました。また引き続き安心・安全な商品を提供できる体制を強化し、品質管理を徹底することと共に、販売促進活動などのマーケティング力の強化を図り売上高の増大に努めてまいりました。
このような中、全社既存店売上は、昨年対比を上回り好調に推移しております。更に「いきなり!ステーキ」、「牛たん仙台なとり」の新規業態に関しても、オープン以来から多くのお客様にご支持をいただき売上も堅調に推移いたしました。この結果、売上項目、利益項目共に前年を大幅に上回ることができました。
これらの結果、当事業年度における業績は4期連続当期純利益の黒字となり、売上高8,791百万円(前期比54.6%増)、営業利益578百万円(前期比183.6%増)、経常利益575百万円(前期比174.3%増)、当期純利益502百万円(前期比231.3%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(ペッパーランチ事業)
ペッパーランチ事業につきましては、食材仕入価格の高騰に伴い、消費税増税のタイミングで主力商品の値上げを実施すると共に、サービス重視によるお客様満足度の向上を目的とし、一部店舗を除いた「脱券売機」とする券売機からのレジへの移行を完了しました。
マーケティング活動として、メニュー施策の見直しや、お客様の満足度を高めていただくことを重視したお客様高単価・高付加価値商品の導入に注力してまいりました。更に主力商品の「ワイルドジューシーカットステーキ」及び「サービスステーキ」等の肉質の向上を図り、既存店昨年対比売上は26ヶ月連続で達成いたしました。また、9月にはユニフォームを『明るく、着やすく、清潔に』のコンセプトのもと、キャロットオレンジのシャツとベジタブルグリーンのキャップへと新たなるものに刷新いたしました。
新規出店におきましては、3月に被災地復興支援の取り組みとして岩手県の釜石市にペッパーランチイオンタウン釜石店をオープン、6月には、5年ぶりの路面店となるペッパーランチ横浜天理ビル店をオープンいたしました。9月にはカナダ・ブリティッシュコロンビア州のエリアフランチャイズ契約の締結によりカナダのバンクーバーに出店が決定いたしました。東南アジア以外では、オーストラリアに続いてのエリアフランチャイズ契約となり、今後の北米進出への大きな一歩を踏み出しました。また、ステーキ&ハンバーグにサイドメニューやデザートメニューを充実させた「92’s(クニズ)」は15店舗となり、店舗数を着々と伸ばしております。ハンバーグ業態「炭焼ハンバーグステーキくに」は、11月に「武蔵ハンバーグ」をグランツリー武蔵小杉内にオープンし、売上高は好調に推移いたしました。新業態としては、10月にアリオ上尾店のフードコート内に「牛たん仙台なとり」の姉妹店として、カルビ焼専門店「カルビ焼 仙台なとり」をオープンいたしました。
販売促進活動としては、引き続きお得な電子クーポンの配信やホームページにリンクする仕組みによるYouTubeでのペッパーランチ動画CM、フェイスブック等SNSと様々なWEB戦略に取り組んでまいりました。
海外におけるペッパーランチは、引き続き好調に推移しており出店舗数は190店舗となり、ロイヤリティ収入、プライベートブランド食材の収入等の売上高は302百万円(前期比10.0%増)、営業利益は262百万円(前期比8.9%増)となりました。
この結果、当事業年度の売上高は4,724百万円(前期比9.4%増)、セグメント利益831百万円(前期比21.1%増)となりました。また、新規出店数は49店舗であり、ペッパーランチ事業全体の店舗数は318店舗となりました。
(レストラン事業)
レストラン事業につきましては、ステーキ業態「炭焼ステーキくに」、とんかつ業態「こだわりとんかつ かつき亭」、牛たんの専門業態「牛たん仙台なとり」の更なるサービス向上を徹底すると共に、業態や立地条件ごとにメニュー施策を行いお客様の満足度向上に努めてまいりました。
「炭焼ステーキくに」につきましては、“ステーキは、厚切りカットで炭火焼”の業態コンセプトのもと、ステーキのオーダーカットサービスを充実すると共にデザートメニューのバリエーションを増やしお客様単価増を目指しました。また、ワインとステーキが楽しめる本格ステーキレストランのブラッシュアップを図り、赤坂店、両国店において月1回の「美味しいステーキを楽しく食べる夕べ」異業種交流会を継続的に開催し、ブランドイメージの向上に取り組んでまいりました。
「こだわりとんかつ かつき亭」につきましては、新規のお客様開拓のために宅配出前(デリバリー)強化の取り組みを開始しました。
「牛たん仙台なとり」につきましては、2月に80席の大型店舗をイオンモール北戸田店のレストランコート内に出店をいたしました。また、幅広いお客様のニーズに応えるため、当社の強みであるステーキ、ハンバーグを導入し、売上高の向上を図ってまいりました。店舗数は計11店舗となりました。
この結果、当事業年度の売上高は2,073百万円(前期比57.1%増)、セグメント利益140百万円(前期比726.4%増)となりました。また、新規出店数は9店舗であり、レストラン事業全体の店舗数は22店舗となりました。
(いきなり!ステーキ事業)
いきなり!ステーキ事業につきましては、1号店の銀座4丁目店が1月にテレビの情報番組で取り上げられた事を皮切りに、テレビ等メディア露出が急増し、話題となりました。4月には3号店目となる吾妻橋店がオープンしたことにより、銀座以外の立地での出店の可能性が広がりました。更に4月末には出店を加速する方針を固め、年内30店舗出店に向けた大型プロジェクトを発足させました。その後、6月に1店舗、7月に3店舗、8月に4店舗、9月に2店舗、10月に4店舗、11月に4店舗、12月に9店舗をオープンし、当初のプロジェクトである30店舗を達成いたしました。フランチャイズ店舗は9月オープンの池袋東口店を皮切りに計7店となりました。また、12月オープンの越谷レイクタウン店は初のフードコート店舗となり、今後の商業施設での展開の可能性を広げました。
販売促進活動としては、7月より、独自のポイントシステムとして肉マイレージカード(食べたグラムがポイントになる)をスタートし、お客様会員数を順調に伸ばし、ご来店率向上に繋がっております。
この結果、当事業年度の売上高は1,948百万円(前期は13百万円の売上高)、セグメント利益235百万円(前期は6百万円のセグメント損失)となりました。また、新規出店数は29店舗であり、いきなり!ステーキ事業全体の店舗数は30店舗となりました。
(商品販売事業)
商品販売事業につきましては、「とんかつソース」、「冷凍ペッパーライス」及び「冷凍ハンバーグ」の販売において新規お客様の獲得を目指し、ネット販売を中心に行ってまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は44百万円(前期比24.1%増)、セグメント利益は5百万円(前期は4百万円のセグメント損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べて405百万円増加し934百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,120百万円(前年同期は269百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益を491百万円計上したこと、減価償却費を166百万円計上したこと、減損損失を54百万円計上したこと、売上債権が182百万円増加したこと、たな卸資産が104百万円減少したこと、仕入債務が497百万円増加したこと、未払金が103百万円増加したこと及び法人税等を78百万円支払ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,121百万円(前年同期は266百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により912百万円の支出があったこと、敷金及び保証金の差入により280百万円の支出があったこと並びに預り保証金の受入により106百万円の収入があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、405百万円(前年同期は446百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金が64百万円減少したこと、長期借入れにより418百万円の収入があったこと、長期借入金返済により134百万円の支出があったこと及び株式の発行により226百万円の収入があったことによるものです。